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七月七日の不運
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「会えたね」
「会えた」
陽咲とふたりで興奮気味にそう言い合ったとき、橋の上から儚いホタルの光よりも数百倍くらい眩しいライトの光が目を差した。
「お前ら、こんなところで何してんだ?」
ザラついた少し乱暴な声に、陽咲とふたりでビクリと肩を震わせる。
「逃げなきゃ」
そう言って先に駆け出したのは、僕だったのか陽咲だったのか。
慌てて逃げ出そうとした僕のそばで、陽咲が転倒した。ドサッと鈍い音がして、数秒後に陽咲の悲鳴みたいな泣き声があたりに響き渡る。
「陽咲?」
陽咲のそばにしゃがんで顔を覗き込んだ瞬間、全身の血の気が引いた。川原に座り込んで泣き叫ぶ陽咲の額からは、大量の血液がだらだらと流れていた。
「陽咲、大丈夫?」
陽咲の額から流れる血は止まらない。このまま止まらなかったらどうしよう……。
完全にパニックになった僕は、陽咲と一緒になって泣いてしまった。
そのあとのことは、色んなシーンが静止画になって途切れ途切れに記憶に残っているが、詳しいことはよく覚えていない。
橋の上からライトを照らしてきたのは、近くに住むおじいさんで。転んで頭を切った陽咲を救急外来に連れて行き、陽咲が持っていたキッズ携帯で親に連絡をとってくれた。
陽咲は川辺の岩で額を切っていて、五針も縫う大怪我だった。
おじいさんが僕らの両親に連絡をとってくれなかったら……。陽咲を病院に連れていってくれなかったら……。
考えただけでもぞっとする。
「会えた」
陽咲とふたりで興奮気味にそう言い合ったとき、橋の上から儚いホタルの光よりも数百倍くらい眩しいライトの光が目を差した。
「お前ら、こんなところで何してんだ?」
ザラついた少し乱暴な声に、陽咲とふたりでビクリと肩を震わせる。
「逃げなきゃ」
そう言って先に駆け出したのは、僕だったのか陽咲だったのか。
慌てて逃げ出そうとした僕のそばで、陽咲が転倒した。ドサッと鈍い音がして、数秒後に陽咲の悲鳴みたいな泣き声があたりに響き渡る。
「陽咲?」
陽咲のそばにしゃがんで顔を覗き込んだ瞬間、全身の血の気が引いた。川原に座り込んで泣き叫ぶ陽咲の額からは、大量の血液がだらだらと流れていた。
「陽咲、大丈夫?」
陽咲の額から流れる血は止まらない。このまま止まらなかったらどうしよう……。
完全にパニックになった僕は、陽咲と一緒になって泣いてしまった。
そのあとのことは、色んなシーンが静止画になって途切れ途切れに記憶に残っているが、詳しいことはよく覚えていない。
橋の上からライトを照らしてきたのは、近くに住むおじいさんで。転んで頭を切った陽咲を救急外来に連れて行き、陽咲が持っていたキッズ携帯で親に連絡をとってくれた。
陽咲は川辺の岩で額を切っていて、五針も縫う大怪我だった。
おじいさんが僕らの両親に連絡をとってくれなかったら……。陽咲を病院に連れていってくれなかったら……。
考えただけでもぞっとする。
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