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4.いつも見ていた気がします。
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しおりを挟む「なに? 衣奈は、青南学院の由井くんって人が気になってるってこと? その人と、どうやって知り合いになったの?」
「駅で会って……、青南学院の生徒だってことと、名字しかわからなくて困ってる」
隣に浮かんでいる由井くんをちらっと見ながら答えると、またなにかを勘違いしているらしいアキちゃんが「へぇー」とにやけながら頷いた。
「衣奈は、その由井くんて人のことが知りたいんだ?」
「うーん、まあ……。あとは、もしできたら、ここ何年かで、青南学院の生徒が巻き込まれるような事故とか事件がなかったも聞いてみてほしい」
ちょっと迷いつつそう言うと、それまでニヤけていたアキちゃんの顔が、わずかに険しくなった。
「え、なにそれ。どういうこと?」
「いや、うん……。ちょっと気になってることがあって」
「気になるってなに? 衣奈が知りたがってる由井くんて人が、なにか事故が事件に巻き込まれた可能性があるってこと?」
「いや、それはわからないんだけど……」
「わからないって、どういうことだよ」
煮え切らない返事をするわたしのことを、アキちゃんが怪訝な目で見てくる。
これはわたしの勝手な仮説だけど……。
ユーレイになってるってことは、由井くんはすでに、なんらかのカタチで命を落としてしまっているのだと思う。
事故や事件に巻き込まれたのか、それ以外の理由(これは、あんまり考えたくない)かはわからないけど。
もし、青南学院の生徒が巻き込まれるようななんらかの事故や事件が起きていれば、公にはならないまでも、学校内で情報共有があったかもしれない。
だから、青南学院に通っているアキちゃんの友達からなにか情報が得られればと思ったけど……。
アキちゃんには、不審がられただけだったみたいだ。
「いちお、大野には聞いてみるけど……。もし衣奈がなにか変なことに巻き込まれてるなら、ちゃんと相談しろよ」
真顔でそう言うアキちゃんは、本気でわたしを心配してくれているみたいだ。
今のわたしは、思いっきり変なことに巻き込まれてるし。相談しろって言ってくれるアキちゃんの優しさは嬉しいけど……。
駅で会った青南学院の生徒らしきユーレイに、「衣奈ちゃんを好きだったことしか覚えてない」と言われて今も憑けられている、なんて。
言えるわけないし、言ったとしても信じてもらえるわけない。
「ありがとう」
アキちゃんにあまり余計な心配をかけるわけにはいかないから、とりあえずお礼だけ言って、にこっと笑う。
話しているあいだに、わたし達は昇降口までたどり着いていた。
下駄箱で上履きに履き替えていると、アキちゃんの元に同じ学年のサッカー部の男子が近付いてくる。
「矢本、おはよ」
「おう」
部活の友達と話し出したアキちゃんに、わたしは目で「先行くね」と訴えて、腰のあたりで小さく手を振った。
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