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6章 こちら側の世界
83話 シルバと黒ポメ
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♦
お正月気分もあっという間に終わり、また皆は忙しい日々が始まった。晴柊はシルバの散歩以外は家にいる生活。料理をし、洗濯掃除をし、ボーっとテレビを見る。不満はない。しかし、自分が社会に取り残されていることに少なからず後ろめたさは感じるのである。自分の手でお金も稼いだこともないのだ。
「シルバぁ……俺、ダメ人間になってるよなぁ…」
晴柊はシルバにリードを付けながら話しかけた。勿論シルバから答えは返ってこない。その代わりとでもいうように、後ろで様子を見ていた天童に声を掛けられた。
「なんでだ?晴柊は良くやってるよ。洗濯も掃除も、ご飯だって作るようになった。」
「うーん…」
「組長は晴柊がここにいてくれるだけで良いんだよ。気に病むことはないさ。」
わかっている。琳太郎にとって、俺が外に出ることは不安材料なのである。シルバの散歩ですら、誰かが付いていないとダメなのである。前の一件もあるし、琳太郎が過敏になるのは無理のないことであろう。
しかり、晴柊には1つしたいことがあるのである。しかし、絶対に反対されると分かっているが故、中々頼めずにいるのだった。これは、天童にも篠ケ谷にも、誰にもまだ言っていないのだった。
「さぁ、行こう。」
晴柊はシルバの身支度を済ませ、リードを引いた。そして天童とお散歩を始めたのだった。
肌寒いが空は綺麗に晴れていた。散歩日和である。シルバはもう慣れたように道をぐんぐんと進んでいく。まだ1歳にもなっていないとは思えないほど大きいシルバに、晴柊は驚きと喜びがあった。
「シルバ、走らないでね。」
晴柊はリードを引きながら声をかける。天童は晴柊の横を、静かに警戒心を出しながら付いていった。いつもの広い公園までくると、親子連れや若い人がいつもより多い気がした。そうか、今日は休日だったと晴柊は合点がいく。曜日感覚が無くなるのもまた、晴柊にとって自分の生活を見直すきっかけとなるのだった。何より琳太郎たちが土日休日という感覚がないのである。
「天童さん。俺ね――」
晴柊は遂にずっと考えていたことを打ち明けようとした。まずは天童に相談してみよう。シルバのリードを引きながら、足を止め晴柊が天童を見上げた時だった。
「すいませーん!!」
「キャンキャン!」
ある青年の声で晴柊の声が遮られ、晴柊の足元に1匹の犬が走り寄ってきたのだった。その犬はポメラニアンであろう。黒色の気に白いマロ眉が印象的だった。その犬は人懐っこく、初対面の晴柊の足元をぐるぐると回ってしまいには2足立ちしまるで「遊んで」というように縋っている。
シルバは自分以外の犬と触れ合った経験がない。そのため、自分のほうが何倍も図体が大きいのにも関わらず、小さなポメラニアン相手に委縮している様だった。吠えることもしなければ、近づくこともせず天童の後ろに隠れるようにしている。その大きな体は隠せてはいないのだが、それもまた愛らしい。
「あ、え、えっと…」
困惑している晴柊に、一人の青年が駆け寄ってきた。
「ごめんなさい!リード外れちゃって……お怪我ないですか?ワンちゃんもびっくりさせちゃいましたよね。」
その青年は晴柊よりも頭2つ分ほど背が高く染めていないのであろう黒髪は短めで、スポーツマンのような爽やかな印象を纏っている。晴柊の周りにはいないような雰囲気である。ジョギングも兼ねているのか、ハーフパンツに黒色のスポーツタイツ、上着も動きやすそうなアウトドア用のパーカーを羽織っていた。
青年は晴柊に申し訳なさそうに謝り、コラ、と言いながら足元をちょこまか動いていたポメラニアンを抱き上げた。それでもポメラニアンは興奮したようにへっへっと舌を出しながらキラキラとした視線を晴柊に向けている。
すいませんすいませんと青年は晴柊に申し訳なさそうにしながらポメラニアンにリードを付けている。
「あ、いえ、大丈夫ですよ。あの子、他のワンちゃんと遊んだことないから、あんまり慣れてなくて。」
「そうだったんですか。グレートピレニーズですか?大きくて可愛いですね。今いくつくらいなんですか?」
「まだ生まれて半年くらいですね。」
「うわ、じゃぁこれからもっと大きくなるのかぁ。すごいなぁ。」
青年はまるで初対面とは思えないほど晴柊と自然に会話している。彼の持っている天性なのであろう。1歩離れたところで様子をみていた天童が、晴柊の肩を抱いて引き寄せた。
「そろそろ行こう。」
「あ、うん。それじゃぁ。」
「えっと、また!」
晴柊はぺこりと青年に会釈をした。晴柊に手を振った青年の笑顔はキラキラ眩しかった。何度も同じ時間に散歩している公園だが、彼は初めて見た気がするのだった。彼からまるで敵意が感じられなかったことに加え、琳太郎たち意外と会話したことが久々だったたため、晴柊は無意識に彼と会話を繰り広げようとしていた。
しかし、これ以上身元もわかっていない男と晴柊を接触させるのは危険だと天童は判断し、早々に退散するのを決めた。しかし、あれは真っ当な堅気であろう。そうなると今度は組長の虫の居所が悪くなるに違いない。そう思い、どちらにせよ面倒ごとは避けられないと天童は思ったのだった。
シルバは気を取り直したかのように、晴柊の1歩先をまた尻尾を振りながら歩き始めたのだった。
♦
「っていうことがあってなぁ~…シルバったら、自分よりも小さいワンちゃん相手にすっごいビビってんの。天童さんの後ろに隠れてさ。はは、可愛いよな。身体は大きいのにまだまだ中身は赤ん坊なんだなぁ。」
「ふーん。」
晴柊は琳太郎と2人、湯船に浸かっていた。琳太郎の脚の間に晴柊は座り、琳太郎に背を預けるようにしてリラックスしていた。晴柊の楽しそうな話を聞いて、琳太郎はそのポメラニアンより、ポメラニアンの飼い主のほうが気になるのだった。天童の報告によれば別に害はない、素人だろうという話ではある。しかし、琳太郎は晴柊のことになると独占欲丸出し人間なのだ。そんな男が、自分の知らないところで晴柊が他者と関わったということは、それだけで心がかき乱される事案である。こんな様子では、晴柊は最近考えるようになった「あること」を頼むのは、無理であろう。
「あんまり側近の傍を離れるなよ。また危ない目に合うかもしれない。」
「うん、わかってる。でも、今日の人はそんなんじゃなかったと思うよ。」
「そんなんわからねえだろ。なんだ?そんなにその男が良かったのか?」
「馬鹿。良かったって何だよ。ただ気の良い人だったってだけで…」
「たかだか少し会話しただけで何がわかるっていうんだ。警戒心が無さすぎる。」
琳太郎は晴柊に過保護丸出しである。晴柊は地雷を踏みそうになっていることに気が付き、これ以上歯向かうのはやめた。琳太郎が晴柊をグッと抱き寄せ、耳を齧ったのである。琳太郎が動くと、お湯が音を立てる。晴柊は今にでも耳を食われそうだと思った。琳太郎の歯が、ガジガジと晴柊の軟骨を甘噛みしている。
これも、琳太郎は晴柊を心配するが故だということは晴柊もわかっている。晴柊は彼の嫉妬や束縛を超えた、監禁1歩手前の気持ちを踏みにじる気はない。
琳太郎の舌が、晴柊の耳の中に入っていく。先を尖らせた舌は、晴柊の欲情した心煽り出していく。
「り、りんたろ…ここは嫌だ…あがろう…」
ただでさえ熱いのである。このままでは逆上せてしまう。
「なんだ、別に耳舐めてるだけだろ。いやらしいことされるって想像したのか?」
「なっ…!も、もう、いい!上がる!」
晴柊は顔を赤くさせ、思わず立ち上がろうとした。しかし、琳太郎が抱き寄せそれを許さない。晴柊の身体は温かさから少し赤みを帯びている。晴柊が動きバシャバシャと水音が響くが、琳太郎が晴柊の脇腹あたりを撫で始めると、まるで絆されたかのように大人しくなっていく。快感にはとことん弱い晴柊が愛おしかった。
この子は自分のものである。裏社会の人間にも、表社会の人間にも、誰にも、触れさせはしない。
お正月気分もあっという間に終わり、また皆は忙しい日々が始まった。晴柊はシルバの散歩以外は家にいる生活。料理をし、洗濯掃除をし、ボーっとテレビを見る。不満はない。しかし、自分が社会に取り残されていることに少なからず後ろめたさは感じるのである。自分の手でお金も稼いだこともないのだ。
「シルバぁ……俺、ダメ人間になってるよなぁ…」
晴柊はシルバにリードを付けながら話しかけた。勿論シルバから答えは返ってこない。その代わりとでもいうように、後ろで様子を見ていた天童に声を掛けられた。
「なんでだ?晴柊は良くやってるよ。洗濯も掃除も、ご飯だって作るようになった。」
「うーん…」
「組長は晴柊がここにいてくれるだけで良いんだよ。気に病むことはないさ。」
わかっている。琳太郎にとって、俺が外に出ることは不安材料なのである。シルバの散歩ですら、誰かが付いていないとダメなのである。前の一件もあるし、琳太郎が過敏になるのは無理のないことであろう。
しかり、晴柊には1つしたいことがあるのである。しかし、絶対に反対されると分かっているが故、中々頼めずにいるのだった。これは、天童にも篠ケ谷にも、誰にもまだ言っていないのだった。
「さぁ、行こう。」
晴柊はシルバの身支度を済ませ、リードを引いた。そして天童とお散歩を始めたのだった。
肌寒いが空は綺麗に晴れていた。散歩日和である。シルバはもう慣れたように道をぐんぐんと進んでいく。まだ1歳にもなっていないとは思えないほど大きいシルバに、晴柊は驚きと喜びがあった。
「シルバ、走らないでね。」
晴柊はリードを引きながら声をかける。天童は晴柊の横を、静かに警戒心を出しながら付いていった。いつもの広い公園までくると、親子連れや若い人がいつもより多い気がした。そうか、今日は休日だったと晴柊は合点がいく。曜日感覚が無くなるのもまた、晴柊にとって自分の生活を見直すきっかけとなるのだった。何より琳太郎たちが土日休日という感覚がないのである。
「天童さん。俺ね――」
晴柊は遂にずっと考えていたことを打ち明けようとした。まずは天童に相談してみよう。シルバのリードを引きながら、足を止め晴柊が天童を見上げた時だった。
「すいませーん!!」
「キャンキャン!」
ある青年の声で晴柊の声が遮られ、晴柊の足元に1匹の犬が走り寄ってきたのだった。その犬はポメラニアンであろう。黒色の気に白いマロ眉が印象的だった。その犬は人懐っこく、初対面の晴柊の足元をぐるぐると回ってしまいには2足立ちしまるで「遊んで」というように縋っている。
シルバは自分以外の犬と触れ合った経験がない。そのため、自分のほうが何倍も図体が大きいのにも関わらず、小さなポメラニアン相手に委縮している様だった。吠えることもしなければ、近づくこともせず天童の後ろに隠れるようにしている。その大きな体は隠せてはいないのだが、それもまた愛らしい。
「あ、え、えっと…」
困惑している晴柊に、一人の青年が駆け寄ってきた。
「ごめんなさい!リード外れちゃって……お怪我ないですか?ワンちゃんもびっくりさせちゃいましたよね。」
その青年は晴柊よりも頭2つ分ほど背が高く染めていないのであろう黒髪は短めで、スポーツマンのような爽やかな印象を纏っている。晴柊の周りにはいないような雰囲気である。ジョギングも兼ねているのか、ハーフパンツに黒色のスポーツタイツ、上着も動きやすそうなアウトドア用のパーカーを羽織っていた。
青年は晴柊に申し訳なさそうに謝り、コラ、と言いながら足元をちょこまか動いていたポメラニアンを抱き上げた。それでもポメラニアンは興奮したようにへっへっと舌を出しながらキラキラとした視線を晴柊に向けている。
すいませんすいませんと青年は晴柊に申し訳なさそうにしながらポメラニアンにリードを付けている。
「あ、いえ、大丈夫ですよ。あの子、他のワンちゃんと遊んだことないから、あんまり慣れてなくて。」
「そうだったんですか。グレートピレニーズですか?大きくて可愛いですね。今いくつくらいなんですか?」
「まだ生まれて半年くらいですね。」
「うわ、じゃぁこれからもっと大きくなるのかぁ。すごいなぁ。」
青年はまるで初対面とは思えないほど晴柊と自然に会話している。彼の持っている天性なのであろう。1歩離れたところで様子をみていた天童が、晴柊の肩を抱いて引き寄せた。
「そろそろ行こう。」
「あ、うん。それじゃぁ。」
「えっと、また!」
晴柊はぺこりと青年に会釈をした。晴柊に手を振った青年の笑顔はキラキラ眩しかった。何度も同じ時間に散歩している公園だが、彼は初めて見た気がするのだった。彼からまるで敵意が感じられなかったことに加え、琳太郎たち意外と会話したことが久々だったたため、晴柊は無意識に彼と会話を繰り広げようとしていた。
しかし、これ以上身元もわかっていない男と晴柊を接触させるのは危険だと天童は判断し、早々に退散するのを決めた。しかし、あれは真っ当な堅気であろう。そうなると今度は組長の虫の居所が悪くなるに違いない。そう思い、どちらにせよ面倒ごとは避けられないと天童は思ったのだった。
シルバは気を取り直したかのように、晴柊の1歩先をまた尻尾を振りながら歩き始めたのだった。
♦
「っていうことがあってなぁ~…シルバったら、自分よりも小さいワンちゃん相手にすっごいビビってんの。天童さんの後ろに隠れてさ。はは、可愛いよな。身体は大きいのにまだまだ中身は赤ん坊なんだなぁ。」
「ふーん。」
晴柊は琳太郎と2人、湯船に浸かっていた。琳太郎の脚の間に晴柊は座り、琳太郎に背を預けるようにしてリラックスしていた。晴柊の楽しそうな話を聞いて、琳太郎はそのポメラニアンより、ポメラニアンの飼い主のほうが気になるのだった。天童の報告によれば別に害はない、素人だろうという話ではある。しかし、琳太郎は晴柊のことになると独占欲丸出し人間なのだ。そんな男が、自分の知らないところで晴柊が他者と関わったということは、それだけで心がかき乱される事案である。こんな様子では、晴柊は最近考えるようになった「あること」を頼むのは、無理であろう。
「あんまり側近の傍を離れるなよ。また危ない目に合うかもしれない。」
「うん、わかってる。でも、今日の人はそんなんじゃなかったと思うよ。」
「そんなんわからねえだろ。なんだ?そんなにその男が良かったのか?」
「馬鹿。良かったって何だよ。ただ気の良い人だったってだけで…」
「たかだか少し会話しただけで何がわかるっていうんだ。警戒心が無さすぎる。」
琳太郎は晴柊に過保護丸出しである。晴柊は地雷を踏みそうになっていることに気が付き、これ以上歯向かうのはやめた。琳太郎が晴柊をグッと抱き寄せ、耳を齧ったのである。琳太郎が動くと、お湯が音を立てる。晴柊は今にでも耳を食われそうだと思った。琳太郎の歯が、ガジガジと晴柊の軟骨を甘噛みしている。
これも、琳太郎は晴柊を心配するが故だということは晴柊もわかっている。晴柊は彼の嫉妬や束縛を超えた、監禁1歩手前の気持ちを踏みにじる気はない。
琳太郎の舌が、晴柊の耳の中に入っていく。先を尖らせた舌は、晴柊の欲情した心煽り出していく。
「り、りんたろ…ここは嫌だ…あがろう…」
ただでさえ熱いのである。このままでは逆上せてしまう。
「なんだ、別に耳舐めてるだけだろ。いやらしいことされるって想像したのか?」
「なっ…!も、もう、いい!上がる!」
晴柊は顔を赤くさせ、思わず立ち上がろうとした。しかし、琳太郎が抱き寄せそれを許さない。晴柊の身体は温かさから少し赤みを帯びている。晴柊が動きバシャバシャと水音が響くが、琳太郎が晴柊の脇腹あたりを撫で始めると、まるで絆されたかのように大人しくなっていく。快感にはとことん弱い晴柊が愛おしかった。
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