狂い咲く花、散る木犀

伊藤納豆

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6章 こちら側の世界

97話 *一件落着

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「晴柊…晴柊。」

「ぅ、ん゛っ……はぁ、あ゛…だいじょう、ぶ…まだ、できるよ…」


琳太郎は晴柊のナカで何度目かの射精をしていた。晴柊は今日、琳太郎をぐずぐずに甘やかしてしまいたかった。何となく、琳太郎の「成長」を感じたのである。少し前の琳太郎なら、生駒の存在を許すこともなかっただろう。彼なりに余裕が生まれ、晴柊への信頼を寄せたのかもしれない。


どちらにせよ、晴柊にとってはその変化が嬉しかった。


琳太郎は後ろから晴柊を突いた。先日晴柊がいれたタトゥーがよほど気に入っている様で、首元に触れては愛おしそうに眺め、口づけを落とす。べろっと琳太郎の舌が晴柊の花をなぞるように舐める。


「そういえば。」

「?」

「ここにタトゥー入れたから、チョーカー付けれなくなったな。」

「付けれないことは無いよ。今も、日中は付けてるし…」

「でも、もういらないだろう。これから暑い季節になれば、どちらにしても煩わしくなる。」

「え~!!せっかくもらったのに…。」


それはそれで大事にしまえばいい、と、残念がる晴柊を諭すと、琳太郎は晴柊の身体を起こさせる。背面座位の姿勢を取ると、晴柊の上半身を抑え込み、より一層ぱちゅんっと音を立てて琳太郎が下から突いた。


「ひ、ぎっ…!ぁ˝、ふか、っ……ぁ、ん…あ゛っ、あああ゛!」


そのままリズムよく、とんとんっと晴柊を責め立てる。きゅっと乳首を摘まんでやれば、わかりやすいくらいにナカが吸い付いた。


「腰、力入れんな。そのまま抗わないで身体落とせ。」


晴柊は自分の奥に琳太郎のモノをいくことを拒むかのように、腰に力を入れ座り込むのを怖がった。しかし琳太郎はそれを見抜き、晴柊の肩をぐっと掴み完全に沈ませる。晴柊は逃れられないまま、奥をグリグリと擦られるようにして琳太郎のモノで押しつぶされる。


「あ゛んん~~っ!!ぅ、あ、っ…い、ぐっ……いぐぅっ…んん、ぁ˝、っ!!♡」


晴柊はそのまま身体を震わせながら射精する。琳太郎がぐちゅりと音を立てながら晴柊のナカからモノを抜き取ると、ぐったりする晴柊をベッドに仰向けに寝かせる。


「最近、ナカでイきすぎだな。」

「イ、イきすぎちゃダメなのかよ…!」

「我慢も覚えることも必要だろ。…今度、射精管理プレイでもするか。」


またおぞましいことを言っている、と晴柊が琳太郎に吠えようとしたとき、琳太郎はぐずぐずになった晴柊のナカに再び挿入した。晴柊の片足を持ち上げ、浅いところを出し入れする。


「ん、ぁっ……ぁ~~~、っ~~~!♡♡」

「こうやって浅いところを擦られるのも好きだよなぁ?奥がきゅんきゅん疼いて堪らないんだろ。」


晴柊は恥ずかしそうに顔を腕で覆っている。だらしなくあいた口から漏れ出る喘ぎ声と唾液がいやらしい。琳太郎は持ち上げていた足の内腿にぐっと力を入れ、晴柊の胸元に膝を当てるように持っていくと、自分の身体もぐぐっと合わせて倒れこませる。自然とナカに琳太郎のモノが進み、前立腺をごりごりと削るように抉った。


「ひゃ˝っ、あんっ!?たいじゅう、かけないれ、っ…ぁ、だめ、ん、ぁ˝っ…あん…!!♡♡」


晴柊は必死に手を動かし抵抗しようとする。その手が琳太郎の顔面に直撃し、痺れを切らしたかのように琳太郎が晴柊の手をベッドに縫い付けるようにもう片方の空いてる手で一纏めにし軽々しく固定する。顔を隠すこともできなければ、身体も逃げられない。その体格差から、拘束具一つ使わずして琳太郎は晴柊の動きを封じ込めてしまう。


「はは、「やばい、興奮してる」って表情してる。晴柊はこうやって動けなくさせられて、無理矢理されるのが好きだもんな。」


琳太郎が意地悪く言うと、晴柊が恥ずかしそうに目に涙を溜める。困ったように眉を下げ、目じりも垂れている。快感と恥ずかしさが同時に襲ってきてどうしたらいいかわからないといったところだろう。


「ぁ、いやだ、ん、あっ、ぉ゛っ……ちがう、ああ、ひ、ぃ…!♡」

「イヤとかダメとかじゃなくて、気持ちいって言えよ。」


琳太郎はイキイキしている。晴柊をいじめるのが楽しくて仕方ないのであった。琳太郎が晴柊の腕を解放したと思えば、晴柊のモノをぎゅっと握る。そして先端を2本の指で先走りを塗りたくるようにして擦った。


「あああ゛っ!!きも、ちっ…ぁん!!きもぢい˝から˝ぁ、!!ぁん、んん、ひぅ、!♡♡」

「から、何?」

「と˝め˝て˝ぇ、ぁ、っ、んん!!!イッちゃうってぇ、!!♡」

「いいよ、イけよ。俺もナカに出すから、ケツ緩めんなよ。」

「い、ぐ、んんぁああ!!♡♡♡」


晴柊がぎゅぅっと琳太郎にしがみつくようにして抱き着いた。2人仲良く同時射精すると、熱のこもった視線が交差する。琳太郎はたまらず息が上がっている晴柊の口を塞ぐようにキスをした。



「晴柊~!」

「あっくん!」


あれから琳太郎の許可が下った生駒と晴柊はとびきり仲の良い散歩仲間となった。晴柊の散歩時間の10時と16時、どちらかに合わせて生駒が現れる。時にはバイトや大学で姿が見えないこともあるが、週に2度ほどは公園で落ち合っていた。生駒も生駒で健気な青年である。


「なにハルちゃん。コイツのことあだ名呼び?」

「も―変なところ突っかからないでよ、トラ君。」


榊は自分もニックネームで呼ばれているからか妙に癪に障ったように晴柊にいじけて見せた。


「安心してくださいよ。俺は皆さんが思うような感じじゃないですって。晴柊が皆さんといることが一番幸せって教えてくれましたし。」


生駒が人懐こい笑顔を浮かべる。榊はそんなことを言っていたのか!と嬉しそうに晴柊に引っ付いた。晴柊は照れ隠しの様に歩きづらいよ、と、ぐいぐいと榊を押しのけた。


「え~!ハルちゃんそんなこと言ってくれてたの!?嬉しいなぁ~。」

「はは、チョロ。」

「あん!?テメェなんか言ったか!?」


突如とした純粋無垢な青年の登場。晴柊の大事な散歩仲間(結ばれない片思い)として晴れて認められ、丸く収まったのだった。
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