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10章
163話 *スイッチ
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「もう、嫌だ、一旦やめてっ……!」
執拗にイッた直後を責め立てる琳太郎に、晴柊は息を上げながら抵抗する。気持ちいを通り越して苦しいのだ。
「さっきから嫌々ばっかりだな。」
「アンタが嫌なことばっかりするんだろ!」
「それが好きなくせによく言う。」
ぎゃーぎゃーとムードがない2人。久々の夜の床だというのに、相変わらずである。前戯の時点でぐったりしている晴柊の腰に、琳太郎はそそくさと枕を置く。少しばかりは気に掛ける気になってくれたのだろう。
ベッドサイドの棚から、ローションを手際よく取り出し、自らの手にかける琳太郎を晴柊はじっと眺めた。この感じも久々である。テラテラと光る様子がいやらしい。琳太郎はその指をそっと、晴柊のアナに沿えた。
「痛かったらすぐ言えよ。」
「ど、どーせ辞めないくせに……」
「”痛かったら”だからな。お前の嫌は大体”気持ちよすぎて”嫌、だろ。その違いくらいお見通しだ馬鹿。」
馬鹿、と言われたことにカチンときて反論しようとしたとき。晴柊のナカに琳太郎の指が埋められる。息が思わず詰まった。違和感と異物感。ぐぐもった声が晴柊から漏れる。
「ちゃんと息しろ。」
まるで処女の様な反応の晴柊に、琳太郎は丁寧に手ほどきする。緊張と恥ずかしさ。そして少しずつ違和感が快感へと変化していく。思わず顔を赤くさせ、晴柊は言われた通り深呼吸した。
「りんたろぉ……な、なんか……俺、よくわかんなっ……」
ぐちぐちと解す琳太郎に、晴柊が珍しく泣き言を上げる。琳太郎自身、とりあえず痛くさせないようにとまずは「解す」ことに専念していた。しかしそれに気付かない晴柊はそれがいつもの感覚と違う、というか、こんなんだったっけ?と不安がっている様だった。
「大丈夫だよ。ほら、ここ、こーやって擦ってやったら…」
「ひっ!?ぁ、あっ………!」
晴柊が途端に体を震わせて反応する。琳太郎は晴柊の前立腺をぐっと一擦りしたのだった。
「な?お前の変態スイッチ。」
晴柊は恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせる。琳太郎は継続的にそこを責めれば、晴柊はさっきまでの違和感など忘れたかのように喘ぎ始める。
「ん、ぅ、っ………は、ぁっ……ぁ……!」
晴柊がぎゅっとベッドのシーツを握る。あっという間に身体の力が抜けていくのに、内の方は快感からぎゅっと引き締まるばかりだった。
「晴柊、足自分で抱えろ。」
両膝を持って腹部に抱えさせる体勢は、晴柊の良いところをピンポイントで責めやすい。もっと気持ちよくさせてやろうという琳太郎の思惑であったが、晴柊は恥ずかしいから嫌だと言うように中々言うことを聞かない。
「おい、聞いてんのか?」
「い、嫌だっ……」
また、お得意の「嫌だ」である。今日は一段と素直じゃない。久々のセックスでどうしたらいいかわからないのだろう。恥ずかしさが抜け切れていないのも事実だった。
「駄々ばっか言いやがって。嫌じゃなくてやるんだよ、おら。……ケツマンコもうぐずぐずじゃねーか。気持ちいんだろ?」
琳太郎が晴柊の裏腿を掴み、胸元に折りたたむようにして押し当てる。そして晴柊の手を無理矢理その体勢を維持するように固定させた。折りたたまった晴柊の体勢が妙にいやらしい。琳太郎の指を美味しそうにヒクヒクと咥えこんでいるアナルが丸見えだった。優しく、マッサージするように前立腺を触ってやれば、晴柊の口から蕩けたような喘ぎ声が。
「ぁ、ぅっ………ん、ぁ゛、………ひっ……!」
琳太郎のセックスの時の暴君具合は今に始まったことではない。晴柊も晴柊で、そんな彼に屈服させられることに悦びを感じている。
「こんぐらい解せばいいだろ。」
琳太郎が晴柊のナカから指を抜く。イけそうでイけなかった。きっと、この後の本番に向けて温存させたいのだろう。大人しく言うことを聞いて膝を抱える晴柊の姿が愛おしい。さっきまで嫌々言っていたが、今は気持ちよさとその後の期待から大人しく言うことを聞いている。
晴柊の顔を覗き込めば、早く欲しいと言わんばかりの視線と目が合う。自分のモノをズボンから取り出し、晴柊のぐちょぐちょになったアナに擦りつけるようにして様子を伺ってみる。
晴柊は最初こそ今か今かとぎゅっと目を瞑って待ち望んでいるようだったが、あまりに琳太郎が焦らすので思わずうっすら目を開け彼の様子を見た。
「ふっ。」
「な、なんだよっ……」
「いーや、別に?」
馬鹿にされている、と、晴柊が噛みつこうとしたとき、琳太郎がぐっと彼のナカに自分のいきり立ったソレを押し込んだ。晴柊は思わず自分の脚を抱えていた手を離し、気持ちよさから身を捩ろうとする。すかさず琳太郎が晴柊の脚を持ち、奥深くへと沈めていった。
「ん゛、ぁ、!………はぁ、ぁっ…………ん……」
「どうだ?久々のセックスは。」
琳太郎がゆっくり腰を動かす。まあ、答えないだろうな、なんて高を括っていると、晴柊は声を絞り出した。
「気持ち、い、っ……変なりそう…………、……」
晴柊がトロンと目尻を下げ、琳太郎を見る。その表情が可愛いくて思わず琳太郎は心臓を高鳴らせた。さっきまでセックスに罪悪感を覚えていた男とは思えない。
「動いて、はやく………ぁ゛、っ!!……ん、ぁ……ひっ……!」
丁寧に解した甲斐があったのか、琳太郎の大きなソレを晴柊はいとも容易く受け入れる。受け入れるどころか、少し腰をゆするだけで堪らない声を出して煽ってくる始末だ。必死に、無理をさせまいと、セーブしている琳太郎の理性が暴走しそうになる。
執拗にイッた直後を責め立てる琳太郎に、晴柊は息を上げながら抵抗する。気持ちいを通り越して苦しいのだ。
「さっきから嫌々ばっかりだな。」
「アンタが嫌なことばっかりするんだろ!」
「それが好きなくせによく言う。」
ぎゃーぎゃーとムードがない2人。久々の夜の床だというのに、相変わらずである。前戯の時点でぐったりしている晴柊の腰に、琳太郎はそそくさと枕を置く。少しばかりは気に掛ける気になってくれたのだろう。
ベッドサイドの棚から、ローションを手際よく取り出し、自らの手にかける琳太郎を晴柊はじっと眺めた。この感じも久々である。テラテラと光る様子がいやらしい。琳太郎はその指をそっと、晴柊のアナに沿えた。
「痛かったらすぐ言えよ。」
「ど、どーせ辞めないくせに……」
「”痛かったら”だからな。お前の嫌は大体”気持ちよすぎて”嫌、だろ。その違いくらいお見通しだ馬鹿。」
馬鹿、と言われたことにカチンときて反論しようとしたとき。晴柊のナカに琳太郎の指が埋められる。息が思わず詰まった。違和感と異物感。ぐぐもった声が晴柊から漏れる。
「ちゃんと息しろ。」
まるで処女の様な反応の晴柊に、琳太郎は丁寧に手ほどきする。緊張と恥ずかしさ。そして少しずつ違和感が快感へと変化していく。思わず顔を赤くさせ、晴柊は言われた通り深呼吸した。
「りんたろぉ……な、なんか……俺、よくわかんなっ……」
ぐちぐちと解す琳太郎に、晴柊が珍しく泣き言を上げる。琳太郎自身、とりあえず痛くさせないようにとまずは「解す」ことに専念していた。しかしそれに気付かない晴柊はそれがいつもの感覚と違う、というか、こんなんだったっけ?と不安がっている様だった。
「大丈夫だよ。ほら、ここ、こーやって擦ってやったら…」
「ひっ!?ぁ、あっ………!」
晴柊が途端に体を震わせて反応する。琳太郎は晴柊の前立腺をぐっと一擦りしたのだった。
「な?お前の変態スイッチ。」
晴柊は恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせる。琳太郎は継続的にそこを責めれば、晴柊はさっきまでの違和感など忘れたかのように喘ぎ始める。
「ん、ぅ、っ………は、ぁっ……ぁ……!」
晴柊がぎゅっとベッドのシーツを握る。あっという間に身体の力が抜けていくのに、内の方は快感からぎゅっと引き締まるばかりだった。
「晴柊、足自分で抱えろ。」
両膝を持って腹部に抱えさせる体勢は、晴柊の良いところをピンポイントで責めやすい。もっと気持ちよくさせてやろうという琳太郎の思惑であったが、晴柊は恥ずかしいから嫌だと言うように中々言うことを聞かない。
「おい、聞いてんのか?」
「い、嫌だっ……」
また、お得意の「嫌だ」である。今日は一段と素直じゃない。久々のセックスでどうしたらいいかわからないのだろう。恥ずかしさが抜け切れていないのも事実だった。
「駄々ばっか言いやがって。嫌じゃなくてやるんだよ、おら。……ケツマンコもうぐずぐずじゃねーか。気持ちいんだろ?」
琳太郎が晴柊の裏腿を掴み、胸元に折りたたむようにして押し当てる。そして晴柊の手を無理矢理その体勢を維持するように固定させた。折りたたまった晴柊の体勢が妙にいやらしい。琳太郎の指を美味しそうにヒクヒクと咥えこんでいるアナルが丸見えだった。優しく、マッサージするように前立腺を触ってやれば、晴柊の口から蕩けたような喘ぎ声が。
「ぁ、ぅっ………ん、ぁ゛、………ひっ……!」
琳太郎のセックスの時の暴君具合は今に始まったことではない。晴柊も晴柊で、そんな彼に屈服させられることに悦びを感じている。
「こんぐらい解せばいいだろ。」
琳太郎が晴柊のナカから指を抜く。イけそうでイけなかった。きっと、この後の本番に向けて温存させたいのだろう。大人しく言うことを聞いて膝を抱える晴柊の姿が愛おしい。さっきまで嫌々言っていたが、今は気持ちよさとその後の期待から大人しく言うことを聞いている。
晴柊の顔を覗き込めば、早く欲しいと言わんばかりの視線と目が合う。自分のモノをズボンから取り出し、晴柊のぐちょぐちょになったアナに擦りつけるようにして様子を伺ってみる。
晴柊は最初こそ今か今かとぎゅっと目を瞑って待ち望んでいるようだったが、あまりに琳太郎が焦らすので思わずうっすら目を開け彼の様子を見た。
「ふっ。」
「な、なんだよっ……」
「いーや、別に?」
馬鹿にされている、と、晴柊が噛みつこうとしたとき、琳太郎がぐっと彼のナカに自分のいきり立ったソレを押し込んだ。晴柊は思わず自分の脚を抱えていた手を離し、気持ちよさから身を捩ろうとする。すかさず琳太郎が晴柊の脚を持ち、奥深くへと沈めていった。
「ん゛、ぁ、!………はぁ、ぁっ…………ん……」
「どうだ?久々のセックスは。」
琳太郎がゆっくり腰を動かす。まあ、答えないだろうな、なんて高を括っていると、晴柊は声を絞り出した。
「気持ち、い、っ……変なりそう…………、……」
晴柊がトロンと目尻を下げ、琳太郎を見る。その表情が可愛いくて思わず琳太郎は心臓を高鳴らせた。さっきまでセックスに罪悪感を覚えていた男とは思えない。
「動いて、はやく………ぁ゛、っ!!……ん、ぁ……ひっ……!」
丁寧に解した甲斐があったのか、琳太郎の大きなソレを晴柊はいとも容易く受け入れる。受け入れるどころか、少し腰をゆするだけで堪らない声を出して煽ってくる始末だ。必死に、無理をさせまいと、セーブしている琳太郎の理性が暴走しそうになる。
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