17 / 19
11 誘拐事件の真実
しおりを挟む「それは、リンが囮になるって事だな。分かった」
「そうだね、見た限りかなりの実力を持ってるみたいだし」
二人は、理解してくれた。どうやら【鑑定】は個人の力量まで見れるみたいだ。
「じゃあ、作戦を練ってリンを持っていこう。日付は…明後日くらいがいいか」
「まぁ、でもとにかく今日は休もう。リンちゃんは私が見るよ」
「そうだな。何が起こるか分からないし、今日はレイジに任せる」
た、頼れる…!
何かと二人が勝手にテキパキと進めていってくれる。
「さ、行こう。リンちゃん」
そう言うレイジ先輩について私は部屋を出た。
廊下を歩いて建物の右側へと進んでいく。
「ここは何処ですか?」
「ん?ああ。此処は私達の家さ」
「綺麗でオシャレですね。ここ」
「ありがとう。最初はボロ屋敷でね~、掃除が大変だったんだけど結構稼業に役立つし、良い買い物をしたよ」
仕事の為もあり、二人は寮には住まず王都にある此処に住んでいるらしい。かなり設備が整っていて、羨ましく感じる。
「リンちゃんも一緒に住む?」
「え…!良いんですか?」
「ふふっ、そんなに食いつくんだ。私もアイツ以外がいた方が何かと安心するし。いいよ全然」
事が終わったら検討しようかな…!
「…?え、でもリュカ先輩と二人の方が安心するんじゃないんですか?」
「あはは、そうだな。後で教えてあげるよ」
そう言って人差し指を口に当ててウインクする先輩はかなりいい(語彙力)。
何だろう?普段二人は学園内でも基本一緒にいるし、仲がとても良さそうだから全く検討がつかない。
◇
「部屋に着いたよ」
「ありがとうございます」
「私はこっちの部屋にいるから何かあれば言ってね」
「はい」
とりあえず部屋に入る。
しかし、荷物も何も無しだった事に今気づく。どうしよう
「先輩、私何も持って無くて…」
「ああ、そっか。でも、私達も客とか全然来ないから用意してないから…とりあえず私のを貸すよ」
「ありがとうございま……す」
まって、ちょっと所じゃないほど恥ずかしいぞ。何にせよ、相手は学園にファンクラブが出来る程の美貌を持つ先輩…私だって、年頃の女の子なのだ。
「……?あ、そっか。流石に歳を考えればそうか。でも大丈夫。私、女だから」
「女の人なのか。なら大丈夫…え?え、嘘」
「嘘じゃないよ」
駄目だ、脳がフリーズして反応が遅くなるし、何も考えられなくなった。
「え、嘘?でも、名前…レイジって」
「私の本名はレイナなんだ」
あかん、追加攻撃受けそう。
「リュカ先輩には…」
「言ってないんだよねぇ、それが。だから、ここにリンちゃんが住んでくれると安心するんだよ」
「ば、バレないんだ!?」
驚きすぎて、口調が素になってしまう。そんな私を見て、レイジ改め、レイナ先輩はクツクツと笑いながら私を見て来る。
「アイツ、バカだよ。本当に」
苦笑しながらそう言った後、先輩に「後で話たげる」と言われ、お風呂に入れられた。
しかし案の定、考え込んだせいで風呂にのぼせる寸前で先輩に救出される事となった。
◇
二人共パジャマ且つ部屋のベッドの上。
女子の恋バナするやつだ、これ。私知ってる。前世を含め、した事は無いけど青春系漫画でめっちゃ見た。
「お待たせ~」
そう言って部屋に入って来た瞬間、先輩の色気に押しつぶされそうになる。
確かに、よく見るとさっきまで無かった胸が………ある!
「せ、先輩…胸あるんですね」
「あるよ~。いつもはさらし巻いてるけどね」
「先輩が女だって知ったら、学園の女子に患者が出そう。色んな意味で」
「そんな事は無いと思うけど、まぁ、なんて言うか。小さい頃からだったんだよね、こんな格好するのは」
恋バナ違う。
恋バナとか浮かれていた自分を殴りたくなる。
「私、小さい頃から此処に住んでたわけじゃないんだけど、当時住んでいた国に母と父と兄と住んでたんだ。幸せな日々だった。でも、私が8歳くらいの頃に兄が亡くなってしまった。私、お兄ちゃんがとても好きでさ、お兄ちゃんの真似事をしてよく遊んでたんだけど、私、お兄ちゃんと容姿が似ている方だったからか、その遊びが人を救う物になってしまったんだ。兄の葬儀の後から…」
「まさか……」
「父は精一杯母を看病したんだけど、私が兄になるしか精神を保つ方法が無かったんだ。ま、私はこの姿気に入ってるし、女の子にチヤホヤされるのも好きだから関係なく続けてるのもあるけどね」
思いの外、重い理由に心が詰まる。
「この国に来たのが6年くらい前かな?確かリンちゃんと一緒だったはず。そこで偶々会ったリュカと仲良くなって、最初は何でも屋のリュカの手伝いをしてるだけだったんだけど、父が疲れちゃってからは私も働くようになったんだ」
「で、今も仲良くしているんですか」
「ははっ、そうだね。一応、部屋とかも殆ど別にしてたからか気付かれてないらしいんだよ」
確かに、先輩達を見ている限り分かっている雰囲気は無かった。
「ーーーーー」
「先輩、何か言いましたか?」
「いや、…何でもないよ」
最後、先輩のボソッと呟いた言葉私には届かなかった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる