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第1話 ~タブレット・マギウス~
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約束を、しよう。
お前は、お前の「好きな事」だけをすればいい。
私は、「お前の生きる場所」を提供をする。
……もちろん、お前がその「出自」において、「権力」というモノを心底毛嫌いしていることはよく解っているつもりだ。
気にいらなかったり、居心地が悪くなったと感じたら、出て行ってもらっても構わない。
……この国の民を、愛せとは言わない。他国の侵略から、守ってくれとも言わない。
それでも、私はこの国にとって、お前が「必要である」と、考える。
……この先、お前が「ここに居てもいい」と、思ってくれている間だけでいい。お願いだ。
私が死んだ後……この国の、主に、なってくれないか……?
「で、コレがくだんの戦利品ってワケか」
時は深夜。足の踏み場もないほど散らかった皇帝の作業場……という名の私室に、人影がまばらに三つ。
一人は小柄な、一見すると少年のようにも見える男。真っ赤な衣服を身に着け、どっかりとソファに座り込む。
もう一人は、散らばる機械部品を物色する、半鳥族の背の高い男。ただし、昼間の彼……ジェイドによく似てはいるものの、彼ではない。
「ウチの息子の胃を、もう少し労わってほしいものだな」
ため息交じりに、その半鳥族は、 ジトッとジュランを睨んだ。
「兄さんもジュッドも、あの場に居て見てたのなら、出てくればよかったのに」
ジュランは昼間同様、自分が言われたことに対して、特に気にした様子もなくニコニコと答える。そんな彼に、小柄な男……ジュランの似てない双子の兄であるライヨウが、ため息とともに頭を抱えた。
「お前、あの場でオレらが出てったら、大混乱だぞ。無名で無害な一般人のオレ一人ならともかく、そこのでかいのなんかめっちゃ目立つし」
「……どの口が、無名で無害とか言ってるんだ」
旺盛な食欲の妖魔の分際で。と、半鳥族 ……ジュッドが、先ほどのジュランに対するモノより、鋭く厳しい視線でライヨウを睨む。
ライヨウはすっと立ち上がり、ドスドスと大股でジュッドに近寄って見上げた。
「オメーの方が目立つのは間違いないだろーがッ! 「砂漠の鷹」とか御大層な通り名名乗りやがって」
「自分で名乗ったワケじゃねーしッ!」
ギリギリギリ……と、睨み合う二人に、のんびりとジュランが言う。
「別に二人が妖魔でも、オレは特に気にしませんよー」
『お前が気にしなくとも、バレた途端にオレらの命が危機だっつーの!』
声を合わせて二人が怒鳴った。
妖魔 ……とは、異界人とはまた違う世界から来た種族。基本的に肉体を持たず、死にかけた動物や人間の肉体に寄生し、宿主の魂を喰らってその者になりすまし、人間の精気を喰らう侵略種である。
……が、ごくごくまれに、喰われかけた宿主側が、逆に妖魔の方を喰らい、人間の人格のまま妖魔化する事例が発生することがある。
トルクメキア皇帝ジュランの双子の兄、ライヨウ・エトー。
ジュランの私的な友人であり、彼の妻がジュランとライヨウの叔母に当たることから、義理の叔父でもある傭兵、ジュテドニアス・バルナ・カーン。
この二人は、元々の人格を有したまま妖魔となった、その稀有な例であった。
しかし、人格が人間であろうが、妖魔は妖魔。『生きる屍』、『人間を喰らう敵』……というのが、世間一般の共通認識。
妖魔と親しくしているところなど見られたら、たとえ皇帝陛下でも、ひとたまりもない。
だから、わざわざ夜中に忍んで、会いに来てるのに……昔からこういうヤツであるということは重々承知しているものの、全く持って危機管理のなってない弟に、ライヨウは少し怒鳴りたくなった。が、少し頭を冷やそうと、適当に拾い上げた銀色の板で、パタパタと扇がわりにあおぐ。
が、ふと、その手を止める。
「……そういえば、ナニコレ?」
「ちょっと触ってみましたが、多分、パソコンの進化系ではないかなと思います」
「へぇー。オレらの時代より、「未来」のモノか」
随分と、小さくなったもんだな。と、ライヨウがじいっと興味深げに見る。
ライヨウとジュランが「彼の世界」にいた1988年当時から、パソコンはもちろん存在している。が、本体は大きく重く、コレまた大きな箱型ディスプレイや、電源タップが必要で、とても気軽に持ち運びできるようなシロモノではなかった。
「今、「ソレ」の解析をしてたのですが……なかなか面白いですよ」
ジュランは近くにあった卵大の石を掴み、「グレース!」と呼ぶ。
「例のデータの解析は、どのくらい進みましたか?」
「大体終了しました。マスター。解析結果を報告しますか?」
おねがいします。と、ジュランが言った途端、室内の大型モニターの電源が自動的に入り、一人の女性の姿が映し出された。
「グレース。今日は一段と綺麗ですね」
「私の対人インターフェイスは、いつもと変わりありませんが……」
困ったように微笑むこの女性は、ジュランが作った巨大コンピュータ、『アイオーン』を守護するAIの一人。人間味あふれるリアクションを返し、とても作り物とは思えない。
彼女はさて、と気を取り直し、ライヨウが持っている、銀色の薄い板のデータを自身の周りに表示させた。
「アメリカアップル社製2014年モデルコンピュータ。しかし、2015年まで使用されていた形跡があるので、そのあたりで『こちら』へ流された可能性が高いです。……設定されている主な使用言語は日本語……どうやら元の持ち主は、マスターたちと同じ、日本人だった可能性が高いですね。そして、特筆するべき機能は……」
グレースが一瞬、言葉を詰まらせた。ちょっと二度見するように確認し、そして、言葉を選びながら、結果を答える。
「取説……に、書かれた通りなら、あちらの人間でも、その……術が使えるようになるみたいですね」
……はい? と、ライヨウの目が点になった。
「え? 未来のパソコンって、火を噴くの?」
……ちょっと、ニュアンスが違いますね。と、苦笑を浮かべながらジュランが答えた。
「この世界で言う、精霊石みたいなものでしょうか……この機械自体が術を放つというよりは、術を放つための発動体……といった感じですね。魔法使いの、魔法の杖……といった感じかもしれません」
「ナニソレすっげー! え! どうやるの? 今使える?」
異様にテンションの上がるライヨウに対し、ちょっと引き気味にジュッドがつぶやく。
「お前らだって、光線銃とかレイ・ソードとか使って戦ってるだろ……」
術なんか使えなくても……と、真顔で問うジュッドに、ライヨウが怒鳴った。
「あぁ、もう! コレだから術使いたい放題の現地民はッ! 術だぞ術! この浪漫がわからんかッ!!! 」
「まったくもって理解できん」
「でーすーよーねー!」
訊いた自分が馬鹿だったと、ライヨウは自分の頭を抱えた。
異界人と現地民。両者の決定的な違いは、術を使えるか否か……と言えるだろう。
もちろん、何事にも「例外」はある。長い歴史の中には「術を使うことができた」という伝承が残る異界人も、いないわけではないし、精霊に嫌われていたり、相性が悪かったり等、術の不得意な現地民 だってもちろん存在している。
が、異界人 のほとんどは、先天的なところで術を使うための「能力」が欠落しているし、異界はこの世界に比べて精霊干渉能力が弱く、たとえ能力を有していたとしても、そもそもが発動しにくい環境で生きてきたため、「使い方を知らない」者がほとんどだった。
閑話休題。
「で、使えるのか? それ!」
目を輝かせるライヨウに対し、いいえ。と、ジュランが首を横に振った。
「残念ながら、今は使える状態ではありません」
えー……と、目に見えてライヨウのテンションが下がる。「期待持たせてそれかよー」と、ジトッとした目でジュランを睨んだ。
「そうですね……兄さんでも理解できるように言うならば……。そうだ。今兄さんが持っている板が、ファミコンの本体だとします。あ、コントローラーとカセットは、本体に内蔵されている状態。でも、テレビにつなぐケーブルが無いため、画面を表示することがでないので、プレイできません。……といった、感じでしょうか?」
というわけで、お願いがあります。と、ジュランはにっこりと兄に言った。
口調はいつもの通り穏やかではある。が、お願い……とは言いつつも、有無を言わさず、拒否権など無いことは、いつもの事なので、なんとなくライヨウは察した。
「足らない要素……MANA……というモノらしいのですが、「あちらの世界」に戻って、どうやったら使えるようになるか、調べてきてもらえませんか?」
お前は、お前の「好きな事」だけをすればいい。
私は、「お前の生きる場所」を提供をする。
……もちろん、お前がその「出自」において、「権力」というモノを心底毛嫌いしていることはよく解っているつもりだ。
気にいらなかったり、居心地が悪くなったと感じたら、出て行ってもらっても構わない。
……この国の民を、愛せとは言わない。他国の侵略から、守ってくれとも言わない。
それでも、私はこの国にとって、お前が「必要である」と、考える。
……この先、お前が「ここに居てもいい」と、思ってくれている間だけでいい。お願いだ。
私が死んだ後……この国の、主に、なってくれないか……?
「で、コレがくだんの戦利品ってワケか」
時は深夜。足の踏み場もないほど散らかった皇帝の作業場……という名の私室に、人影がまばらに三つ。
一人は小柄な、一見すると少年のようにも見える男。真っ赤な衣服を身に着け、どっかりとソファに座り込む。
もう一人は、散らばる機械部品を物色する、半鳥族の背の高い男。ただし、昼間の彼……ジェイドによく似てはいるものの、彼ではない。
「ウチの息子の胃を、もう少し労わってほしいものだな」
ため息交じりに、その半鳥族は、 ジトッとジュランを睨んだ。
「兄さんもジュッドも、あの場に居て見てたのなら、出てくればよかったのに」
ジュランは昼間同様、自分が言われたことに対して、特に気にした様子もなくニコニコと答える。そんな彼に、小柄な男……ジュランの似てない双子の兄であるライヨウが、ため息とともに頭を抱えた。
「お前、あの場でオレらが出てったら、大混乱だぞ。無名で無害な一般人のオレ一人ならともかく、そこのでかいのなんかめっちゃ目立つし」
「……どの口が、無名で無害とか言ってるんだ」
旺盛な食欲の妖魔の分際で。と、半鳥族 ……ジュッドが、先ほどのジュランに対するモノより、鋭く厳しい視線でライヨウを睨む。
ライヨウはすっと立ち上がり、ドスドスと大股でジュッドに近寄って見上げた。
「オメーの方が目立つのは間違いないだろーがッ! 「砂漠の鷹」とか御大層な通り名名乗りやがって」
「自分で名乗ったワケじゃねーしッ!」
ギリギリギリ……と、睨み合う二人に、のんびりとジュランが言う。
「別に二人が妖魔でも、オレは特に気にしませんよー」
『お前が気にしなくとも、バレた途端にオレらの命が危機だっつーの!』
声を合わせて二人が怒鳴った。
妖魔 ……とは、異界人とはまた違う世界から来た種族。基本的に肉体を持たず、死にかけた動物や人間の肉体に寄生し、宿主の魂を喰らってその者になりすまし、人間の精気を喰らう侵略種である。
……が、ごくごくまれに、喰われかけた宿主側が、逆に妖魔の方を喰らい、人間の人格のまま妖魔化する事例が発生することがある。
トルクメキア皇帝ジュランの双子の兄、ライヨウ・エトー。
ジュランの私的な友人であり、彼の妻がジュランとライヨウの叔母に当たることから、義理の叔父でもある傭兵、ジュテドニアス・バルナ・カーン。
この二人は、元々の人格を有したまま妖魔となった、その稀有な例であった。
しかし、人格が人間であろうが、妖魔は妖魔。『生きる屍』、『人間を喰らう敵』……というのが、世間一般の共通認識。
妖魔と親しくしているところなど見られたら、たとえ皇帝陛下でも、ひとたまりもない。
だから、わざわざ夜中に忍んで、会いに来てるのに……昔からこういうヤツであるということは重々承知しているものの、全く持って危機管理のなってない弟に、ライヨウは少し怒鳴りたくなった。が、少し頭を冷やそうと、適当に拾い上げた銀色の板で、パタパタと扇がわりにあおぐ。
が、ふと、その手を止める。
「……そういえば、ナニコレ?」
「ちょっと触ってみましたが、多分、パソコンの進化系ではないかなと思います」
「へぇー。オレらの時代より、「未来」のモノか」
随分と、小さくなったもんだな。と、ライヨウがじいっと興味深げに見る。
ライヨウとジュランが「彼の世界」にいた1988年当時から、パソコンはもちろん存在している。が、本体は大きく重く、コレまた大きな箱型ディスプレイや、電源タップが必要で、とても気軽に持ち運びできるようなシロモノではなかった。
「今、「ソレ」の解析をしてたのですが……なかなか面白いですよ」
ジュランは近くにあった卵大の石を掴み、「グレース!」と呼ぶ。
「例のデータの解析は、どのくらい進みましたか?」
「大体終了しました。マスター。解析結果を報告しますか?」
おねがいします。と、ジュランが言った途端、室内の大型モニターの電源が自動的に入り、一人の女性の姿が映し出された。
「グレース。今日は一段と綺麗ですね」
「私の対人インターフェイスは、いつもと変わりありませんが……」
困ったように微笑むこの女性は、ジュランが作った巨大コンピュータ、『アイオーン』を守護するAIの一人。人間味あふれるリアクションを返し、とても作り物とは思えない。
彼女はさて、と気を取り直し、ライヨウが持っている、銀色の薄い板のデータを自身の周りに表示させた。
「アメリカアップル社製2014年モデルコンピュータ。しかし、2015年まで使用されていた形跡があるので、そのあたりで『こちら』へ流された可能性が高いです。……設定されている主な使用言語は日本語……どうやら元の持ち主は、マスターたちと同じ、日本人だった可能性が高いですね。そして、特筆するべき機能は……」
グレースが一瞬、言葉を詰まらせた。ちょっと二度見するように確認し、そして、言葉を選びながら、結果を答える。
「取説……に、書かれた通りなら、あちらの人間でも、その……術が使えるようになるみたいですね」
……はい? と、ライヨウの目が点になった。
「え? 未来のパソコンって、火を噴くの?」
……ちょっと、ニュアンスが違いますね。と、苦笑を浮かべながらジュランが答えた。
「この世界で言う、精霊石みたいなものでしょうか……この機械自体が術を放つというよりは、術を放つための発動体……といった感じですね。魔法使いの、魔法の杖……といった感じかもしれません」
「ナニソレすっげー! え! どうやるの? 今使える?」
異様にテンションの上がるライヨウに対し、ちょっと引き気味にジュッドがつぶやく。
「お前らだって、光線銃とかレイ・ソードとか使って戦ってるだろ……」
術なんか使えなくても……と、真顔で問うジュッドに、ライヨウが怒鳴った。
「あぁ、もう! コレだから術使いたい放題の現地民はッ! 術だぞ術! この浪漫がわからんかッ!!! 」
「まったくもって理解できん」
「でーすーよーねー!」
訊いた自分が馬鹿だったと、ライヨウは自分の頭を抱えた。
異界人と現地民。両者の決定的な違いは、術を使えるか否か……と言えるだろう。
もちろん、何事にも「例外」はある。長い歴史の中には「術を使うことができた」という伝承が残る異界人も、いないわけではないし、精霊に嫌われていたり、相性が悪かったり等、術の不得意な現地民 だってもちろん存在している。
が、異界人 のほとんどは、先天的なところで術を使うための「能力」が欠落しているし、異界はこの世界に比べて精霊干渉能力が弱く、たとえ能力を有していたとしても、そもそもが発動しにくい環境で生きてきたため、「使い方を知らない」者がほとんどだった。
閑話休題。
「で、使えるのか? それ!」
目を輝かせるライヨウに対し、いいえ。と、ジュランが首を横に振った。
「残念ながら、今は使える状態ではありません」
えー……と、目に見えてライヨウのテンションが下がる。「期待持たせてそれかよー」と、ジトッとした目でジュランを睨んだ。
「そうですね……兄さんでも理解できるように言うならば……。そうだ。今兄さんが持っている板が、ファミコンの本体だとします。あ、コントローラーとカセットは、本体に内蔵されている状態。でも、テレビにつなぐケーブルが無いため、画面を表示することがでないので、プレイできません。……といった、感じでしょうか?」
というわけで、お願いがあります。と、ジュランはにっこりと兄に言った。
口調はいつもの通り穏やかではある。が、お願い……とは言いつつも、有無を言わさず、拒否権など無いことは、いつもの事なので、なんとなくライヨウは察した。
「足らない要素……MANA……というモノらしいのですが、「あちらの世界」に戻って、どうやったら使えるようになるか、調べてきてもらえませんか?」
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