外道降臨~本物の自重無しを見せてやるぜ!悪人プレイで異世界を蹂躙する

アカヤシ

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Aルート月島

第8話 冒険者ギルド・ルヴェリア支部にて

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ドミニオン共和国、首都ルヴェリア冒険者ギルド。

「おいおい!一体どうなっていやがる!『アイツ等』がギルドにくるなんてよっぽどのことがあったのか!」

「当たり前だろ!Sクラスの冒険者が集められるなんて!」

冒険者ギルドの建物内はいつも騒がしいが、今はいつにもまして騒がしくなっていた。その理由は冒険者ギルドで経営している酒場の中心の席に座っている者達のせいだろう。

この酒場の中心の席は『ある冒険者』のお気に入りの席であり、その席はどんなに混み合っていても必ず席を空けておくという酒場内の暗黙のルールがある。
この席は『皇帝企鵝(コウテイペンギン)』の指定席。座るのは『自身』か『皇帝への依頼人』か『皇帝が呼び出した者』かだ。

そして今回は『呼び出した者』だ。

ドミニオン共和国最強の冒険者がわざわざ呼び出す人間はそうはいない。

ショートで白い髪、180cmほどの長身で白のスーツを着ており、サングラスをかけている女性が姿勢正しく座っている。

「もしかしてあれが『雪妖精(エナガ)』かな?凄い美人さんだなあ」

「はあ?何言ってんだ?・・・ンン?若いな新人さんかい?なら教えてやるよエール一杯でな。あれは『姉』の方だよ。あっ、俺はブレッドだ!よろしくルーキー!」

「・・・まあいいか、ダグマイヤです。よろしくお願いしますブレッド先輩」

「先輩はいらねえんだけど、でだ!今では『雪妖精(エナガ)』の指名依頼を全部姉に押し付けてやらせているらしいぜ。雪妖精は重度の引きこもりになったとかでここ数年見てないな」

「じゃあ、実際に強いのはお姉さんの方なんですか?」

「そうでもないんだよなあ、姉の方はAランクでその中でもトップクラスだけど妹は別格だよ。Sランクに上がった頃から姉任せにしだしたからな」

「妹の使い走りをやらされてんですか?実力者なのに可哀想ですね」

「いや、本人は喜んでやってるぽいぞ?」

「え?そうなんですか?」

次に室内とはいえ、上半身裸でその体は赤い毛に覆われており猿のような尻尾がある。『雪妖精(エナガ)』の姉とは反対に行儀が悪くテーブルに足を乗せてバナナを貪っている男。

ちなみにこの男が食べているバナナは『寒冷バナナ』はドミニオン共和国でも作れるバナナだが糖度は二桁いかない。『この国』に温室栽培の技術はないぞ。

「あれが『氷魔猿(ヒョウマエン)』ことソン=ゴクウさんだ。あの人はランクが下の方の冒険者でも馬鹿にせずに気楽に話し掛けてくれる優しい人だな。挨拶も返してくれるし、ただし酒場では酒か食い物を横からちょくちょく奪われるから気を付けろよ」

「へえ~意外ですね。高ランクの人は低い奴等を見下す人が多いのに」

「ちなみに俺もBランクだが新人に優しく情報提供してやったり」

「エール奢らされましたけどね、ありがとうございます!」

で、最後は腕を組み目を閉じてどっしりと椅子に座り2m越える身長に全身を黒い甲殻が覆っている大男。

「あれが軍隊蟻(アーミーアント)のアンドレさんな。ちなみにあの人、召喚魔法が有名で通り名が『軍隊蟻』だけど本人もめちゃくちゃ強いからな。前に召喚魔法だけでSランクになったと勘違いした馬鹿がいて喧嘩売った挙げ句、二度と歩けないくらいの怪我を負わされた奴もいるから気を付けろよ。怒らせると怖いけど基本的には優しい。噂だが元は他国で高位貴族の次男坊だったらしいぜ」

「へえ、贅沢な暮らしから常に危険が付きまとう冒険者ですか。俺ならせっかく貴族に生まれたんだから貴族のままでいるでしょうけどね」

「そんな気楽なもんじゃなかったらしいぜ。上の兄がアンドレさんの才能に嫉妬して何度も暗殺者を送り込まれたとかで国から逃げて来たって・・・」

「・・・怖いすね、貴族って。地位の為なら血の繋がった弟を殺すとか考えつくなんて」

ペタペタ、ペタペタ

「・・・あのブレッド先輩」

「何だダグマイヤ?」

「なんか変な生き物がこっちにくるんですけど?嘴があるから鳥なのか?生き物?モンスター?」

体は130cmほどの大きさに頭部とフリッパーの外側の羽色は黒色で上胸は黄色で腹部やフリッパーの内側が白色で側頭部の耳の部分は橙色。首の部分に赤色の蝶ネクタイした妙な生き物。

「はあ?変な生き物?・・・ッ!馬鹿野郎!失礼なこと言ってんじゃねーぞ!あの人こそ、ドミニオン共和国最強の冒険者!皇帝企鵝(コウテイペンギン)さんだぞ!」

えええええ!え?嘘だろ!あれが?

皇帝企鵝が何もない空間から金色の懐中時計を取り出す。

「ふむ、指定した集合時間の30分前に来ているとは君達も時間の大切さを知ったようでなによりだよ、感心感心」

皇帝企鵝は自分専用の椅子に飛び乗ると雪妖精の姉に話しかける。

「ウィリス、君は相変わらず美しいな。私があと300年若かったら求愛していたかもしれないぞ」

・・・300年ってアンタいくつなんですか!

次に氷魔猿(ヒョウマエン)ソンの方を向く。

「行儀が悪いぞソン。全く君はもう少し品性を身に付けたまえ。そうすればよりよい男になれるぞ。そうしたら私も思わず求愛行動をとるかもだぞ?」

・・・雄なの?雌なの?

次に軍隊蟻(アーミーアント)、アンドレに話掛ける。

「アンドレ、先日君に任せた依頼だが、さっき依頼主が成功のお礼を言いに来ていたぞ無論報酬も。君に任せた私の判断は間違っていなかったようだな。私のナイス采配だな!」

・・・アンタ冒険者だよね!

「皇帝企鵝さんの性別は分かってない。一回だけ『人間』の姿を見たって奴がいるけど。160cmくらいの黒髪、黒目で肌は色白だったか?体の線は細かったけど中性的な顔だったから性別までは分からなかったらしいぜ。あと男か女か両性か無生かで賭けが行われてるぞ」

「・・・ところでウィリス、エナガが来てないようだが?そもそも今日はエナガを呼んだはずだが?」

皇帝企鵝の質問にウィリスは、

「そ、それは、エナガは今日は外に出たくないとですから私が代わりに、」

雪妖精(エナガ)の姉、ウィリスの言葉が終えた瞬間、新人冒険者ダグマイヤ、Bクラス冒険者ブレッド、それだけじゃなく冒険者ギルドの建物の中にいた依頼が張り出されたボードを前に言い争っている者達、素材の買い取り金額に納得がいかず職員に突っ掛かる者達、仕事が完了した祝いに酒場で飲んでいる者達、そして冒険者ギルドの職員達、それ以外の多くの人達がウィリス、ソン、アンドレ、そして皇帝企鵝の四人を除き、目の前が突如真っ暗になった。

「集合時間内に連れて来たまえ。さもなければ、削ぐ」

皇帝企鵝(コウテイペンギン)本名エンペラー=リッカルド。

その正体は・・・異世界から来た元戦場ジャーナリストであり、現在ドミニオン共和国で一人しかいない最強のSSランクの冒険者である。
その強さは遥か昔、蓋世竜(ガイセイリュウ)ゼロボレアスと戦い引き分け、その戦いのせいでドミニオン共和国に異常気象をもたらした元凶でもある。 
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