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Aルート月島

第16話 ウィリスの改造しよう

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「ウィリスか、なら使えるように改造するか」

「え?」

バックン!!!

ウィリスの視界が急に真っ暗になった。

「・・・・ここは、どこですか?」

ウィリスの視界が回復すると薄暗く狭い暖かい、いや寧ろ生温かく甘ったるい空気が充満する部屋に変身が解けた状態で横たわっていた。

「いや、部屋じゃない!もしや食べられてしまったのか!」

ウィリスは床の感触で気付いた。部屋だと思っていた床、壁、天井の全てが肉によって覆われていたからだ。

「やっと気付いたか?」

どこからか男の声が聞こえてきた。

「俺は月島竜一、さっき目の前にいたスライムだ」

「・・・私は食べられてしまったのか?」

「ん?まあ、食べたのは食べたが食事の為じゃない。お前の弱点を克服させてやろうと思ってな」

「弱点を克服?」

「そう、お前の身体を改良して寒さに適応させてやれば強力な駒になるからな」

「私をどうする気ですか?」

ウィリスの声には恐怖が混じる、身体を改良するという不穏なワードがあれば当然だろう。

「安心しろ、痛みはない。俺は器官を生み出せる・・・お前の身体を内側から改造するんだよ。世の中には能力を無力化させるような人間もいる。なら、能力ではなく肉体にそういう器官を取り付けたほうが使えるとは思わないか?ドラゴンが魔法を使わずに火を吹けるように」

より一層肉部屋に甘ったるい匂いが濃くなる。肉部屋の壁や床や天井に隙間ができ、その隙間から無数の異なった形状の触手が脈打ちながらウィリスに向かって伸び出してくる。
無数の触手の内、先端が注射器のように細く尖った触手にウィリスは背中を刺され身体の力が抜けてしまう。
立ち上がる事すら出来なくなったウィリスを先端が口のような形状をした触手に手足を飲み込まれ吊り上げられ、イソギンチャクのような形状をした触手がウィリスの胸に巻き付いて縛り上げる。

「くっ、やはり人に仇なすモンスターだったようですね。女を犯すか、スライムが滅びてよかったですよ。女の敵、ッ!」

なんとか抜け出そうと力の出ない身体を必死に動かそうとするが揺さぶる程度にしか動けない。段々と滑りつく肉の感触に怖気を震わせるウィリス。

「くう、私は、私は、死ぬわけにはいかない!妹を残して逝けない!」

「だから殺す気はねえよ。お前の身体を改良するだけだって言ってんだろ。ただ激しい痛みを伴うんでな。まずは痛みでショック死しないように一時的に痛みを快感に変えてから改造しようと思ってな」

「痛みを・・・・快感に?そんな事が出来るなら痛覚を遮断させる事が出来るのでは?」

「んんん?ああ、すまんただの趣味だ。女を泣かせるのが大好きなんだよ。喘がせるのがたまらんのだよ」

「ただの変態じゃないか!」

「ふふふ、お前も楽しめよ。十年間たっっっっぷりと快楽漬けにしてやる」

「は?十年間だと?」

「ああ、心配するな。外の世界では10分程度だ。俺の内側だけなら時間の流れを操れるようだしな」

「時間を操る?そんな事、人間に出来る訳、がない」

「実際できてるんだからいいだろ?内側だけだけど。だからお前も楽しめよ」

床に隙間ができ、その隙間から舌のような肉の塊が出てきた。

そのグロテスクで凶悪な肉の塊を見てウィリスは身体を強ばらせ大きく眼を見開き身体を震わせだした。

「まさか、それを、私に入れる気なのか、嘘、そんなの、入らない」

ウィリスは男性との経験はない。しかしこのスライムが何をしようとしているのか察してしまう。

人間の腕ほどある肉塊の表面にはイボイボと白い黄ばんだ液体を出す孔が満べんなくついていた。

「察したか?今からコイツでお前を犯してやるんだよ」

「私は、男性と、そういった経験がないのです」

「んん?だからどうした?俺には関係ねえな。とはいえ」

ゴチャ!ゴチュリ!ゴキャ!バキッ!バキャ!

天井から丸い肉塊が落ちてきて不気味な音を発てながら人間の形を形成していく。

「誰です?貴方は?」

「言ったろ、元人間だと。んん?中なら人間の身体を作れるか。なら人間の身体を作って外に吐き出して、着ぐるみみたいにその中に入るか?身体を元に戻す方法が見つかるまで」

高身長で髪色が頭頂部付近は黒色の金髪に鍛え上げられた筋肉質の身体の全裸姿の男。顔は正直ウィリス好みのイケメンだった。

「喜べ、処女貫通は人間の姿でしてやるよ」

「好きでもない男に無理矢理犯されそうになっているのに喜べなどと下衆ですね」

肉塊から人の姿になったとはいえ男は男。全裸を男性に見せるのは初めてなので顔を赤くしてだが強がってはみせる。

「何だ、ひょっとして結婚するまで性行慰はなしっていうイタい奴かお前は?それとも好きな男がいるのか?それはそれで燃えるものがあるが」

「身固い気はありませんし好きな男がいるわけではないですが。初めてが、こんなおぞましい部屋で、人の姿をした肉塊に犯されると思うと、」

「くくく、何だよ乙女振りやがって、可愛いじゃねえか」

パチンッ!

目の前にいる男が指を鳴らすと触手や肉部屋が消え、ベッドが部屋の中心にありベッドに占拠される小部屋に変わる。

「まぐわうだけならこのくらいでいいだろ。身体も自由に動かせるぜ」

ウィリスは体を動かし感覚を確かめる。男の言う通りどうやら本当に治っているようだ。

「まず一年は普通にヤってやる。それからはさっきの肉部屋に放り込んでやる」

男は優しくウィリスの体をベッドへ押した。

「本気でするつもりか?私と貴方は先程出会ったばかりだぞ」

「女を抱くのに時間もクソもねえんだよ。肉食男子は旨そうな女がいればかぶりつくんだよ」

ベッドに倒れ込んだウィリスに続いてベッドの上に上がってきた月島がウィリスに覆い被さる。ウィリスは足掻こうとするが月島が両腕を押さえ込みビクともしない。

「・・・・力の差は歴然、抵抗は無意味か、なら、」

「なら?なら何だ?舌を噛み切って死のうなんて考えてるのか?残念だが俺は死者すら蘇らせることができるぞ」

「どんな屈辱も受けますから、最初だけ、や、優しく、してくれないだろうか?」

「くくく、ああ、最初くらいは優しくしてやるよ。最後には愛しの妹も快楽を得るために俺に差し出すような淫乱女にしてやるよ」
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