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第3話 怪物が現れた!!!
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儂は立ち上がり窓の外を見る。天まで届くほどの白い巨塔『ダンジョン』を。
「まさかあの巨塔を破壊しろとかじゃないじゃろうな?」
目的が分からないならとりあえずぶっ放つか?どうやら儂は絶滅危惧種扱いされとる人間、魔力を宿す人間のようじゃ。
目を閉じ自身の内側へと意識を向ける。
「魔法総合力は前世の若い頃よりはるかに劣る。じゃが少なくとも死んだ時ほどの力は使えるようじゃな。もしかして力だけ引き継いだんじゃろうか?」
魔力を指先に集中させてみる。
「『魔眼』もちゃんと機能しているようじゃな」
魔眼とは大層な名前がついてはいるが、魔力を可視することができる眼を指す。
身体強化魔法や回復魔法や刻印魔法なんぞに振らずに儂は遠距離魔法の習得に人生を捧げた男。
儂が使える魔法は放出系のみ。
・・・はい、嘘じゃ。実は儂、身体強化や回復魔法や刻印魔法等の基本的な魔法も一応は使える。
儂は戦場で生き残るために放出系以外の魔法も一通り覚えた。
あの子が皇帝になるまでは安心して逝けなかった。本当なら60代前にとっくにくたばっていたが魔法や自作の魔法薬で無理矢理延命しとったからのう。
確かに魔装具を頼っていたのは事実じゃが基本は魔装具なんて大嫌いじゃからな!!!
「・・・くそっ!イライラする!魔法ぶっぱなしてスッキリさせに行くのじゃ!!!」
儂は孤児院を抜け出し町の外を目指すことにした。孤児院の外に出る場合、外出届け+12歳以下は孤児院の職員同伴というクソ面倒な決まりがあるがバレットは無視して孤児院を出てきた。
はっ!儂は前世で60のジジイじゃぜ。大人同伴とか情けなくて涙が出るわ!あとは魔法を使うのを見られたくないからのう。魔力持ちは絶滅危惧種扱いだからな、バレたら面倒じゃしな。
バレットは途中可笑しな連中を見かける。
何やらモゾモゾ動く大きな袋を抱える男2人をフードを深く被っているため判別でない性別不明が1人が少し離れて追跡しているのを更に男が2人が追跡していた。
前の男2人と後ろの男2人は似たような格好をしているので仲間だと思われる。
面白そうじゃから儂も混ざるか。
暫く付いていくとどうやら本当に仲間だったらしく人通りがない路地に入り前2人と後ろ2人が挟み撃ちにしていた。
「おいおい、何者だお前?」
男の1人がフードの人物に問いかける。
「君達が連れ去った子供を返しなさい」
子供?人拐いか?
「んんん、ガキ共を返せだあ?笑わせるなよ。お前嘗めてるなあ、こっちは4人だぜ。見たところ武器すら持ってねえじゃねえか。どうやってガキ共を助け出すんだ?」
「例え武器や力がなくても私は君達のような悪党共を見過ごすわけにはいかないんだよ」
「ぎゃはははは!悪党を見過ごすわけにはいかないんだってよ!ならどうする?ご高説を聞かせて説得でもするのか?それとも殴って倒すか?ああん!!!」
「無論殴って倒す」
フードを脱ぐと儂の位置からは後ろ姿しか見えないが長い青髪が見えた。
「ひゅううう!女だぜお頭!しかもとんだ上玉だ!」
「ははは!かなり上玉じゃねえか!こりゃあ高く売れるぜ!絶対傷付けるんじゃねえぞ!」
「お頭、いいじゃないですかあ。ちょっとくらい遊んでも」
「お前等そんな事言ってこの前の拐った女を壊しちまったじゃねえか!」
「あれは匙加減がわからなかっただけですぜ。大丈夫ッ、次はうまくやりますって」
儂は慌て飛び出す。『矜持を捨てて』身体に身体強化の魔法を掛けて。襲われてるのが女だから?儂はそんな事では自分の信念を曲げない。しかし今襲われてる相手が悪い。もし怪我をさせれば『国際問題』になりかねないからだ。ヘタをすればゴルオレス帝国が地図上から完全に消滅されかねない。
不意討ちして男共に抵抗する暇すら与えず一瞬で4人を気絶させた。
「馬鹿共が、髪色で気付いてもいいじゃろうて」
青髪はヴィアインの王族の特徴。
しかもこの女は特別な存在。
魔力を身体に宿す人間より更に希少な存在であり、『神の寵愛』を授かりし者。海の女神に愛される者。
前世の儂は知らなかったバレットの記憶にあったので知っていた。その新聞には敵の大船団を津波を起こして海中に沈めたなんて書いてたな。しかも『地上』でも津波を起こせるらしい。
約50年前に何かしらの力が宿っていることが判明して、力を引き出すことに成功したらしい。その力は魔装具では再現不可能。人の力を越える故に神に与えられたと言われているが数が少な過ぎて調査が進まず詳細は不明。
ヴィアイン王家は『海の女神』で青髪、ガルシア王家は『大地の男神』で赤髪、ブライアン王家は『空の獣神』で銀髪。
神の寵愛を授かっているのは今のところ王族だけだが、髪色がそうであるからと言って王族とは限らないし、必ず力を授かるというわけではない。
女神、男神、獣神というのは各国が崇めている神というだけであり、力の由来というわけではない。
「・・・小さいのに凄く強いんだね」
まだ二十歳はいってないであろう幼さが残りつつも大人の色香を放つ青髪の少女。変装のためかボロクソの服を着ようとも畏怖と品位を纏う者。
儂に優しく微笑みを向けしゃがみこみ儂の頭を撫でながら少女は礼を言う。
「ありがとう小さな騎士さん」
ヴィアインの第2王女、自分の子供に甘く過保護な父王が中でも特に溺愛していると噂がある女。
ステラ=ド=ヴィアインは儂の頭から手を離すと奴等が抱えていた袋を開ける。すると儂と同じか上くらいの子供が布で口を塞がれ縄で手足を縛られていた。彼女は人拐い連中が落としたナイフを拾い縄を切り布をほどき開放するとよほど怖かったのか子供達は彼女にしがみつき泣きはじめた。
「姫様あああ!!!ひめさまああああ!!!どこですかあああ!!!お願いですから出て来てくださいいいい!!!」
「王がステラ様がいないと暴れ出して大変なんです!!!急いで姿を見せてくださいいいい!負傷者が出て大変なんです!!!」
「それに婚約者のジャン=レノ=ガルシア王子がいらっしゃっております!!!出て来てくださいいいい!」
思い切り探されとるよヴィアインの姫君。
ガシッ!
「うおっ!なんじゃ!何をする!」
いきなり儂の両脇に手を入れ彼女の頭の位置より高く抱え上げられる。
「高い高いをやられて喜ぶような歳でもないんじゃが」
儂の批難めいた言葉を無視し彼女は。
「ねえ君、私と結婚しない?」
いや、儂は五歳じゃよ!!!しかも婚約者がいるっぽいのに何を言っとるんじゃ。
「もし私と結婚してくれるならカルヴァン以外のヴィアインが管理しているゴルオレス帝国の領地を返還してあげる」
「お断りするのじゃ」
そもそもこやつにそんな権限があるとは思えない。それに儂に返されても困る。何、儂に管理しろっていいたいのか?無理無理。絶対無理。儂は人生ノリで生きてきた男。数字は足し算引き算出来て言葉も刻印魔法習得のために50歳過ぎてから字を覚えたほどでそれまでは字なんて書けなかった男じゃぞ。報告書のような書類等は部下に押し付けとったからな。
「ふふふ、ごめんね。困らせちゃたね」
儂を地面に下ろして再び頭を優しく撫で始めた。
「てっきりゴルオレス帝国の刺客かなって勘ぐっちゃた。1ヶ月前にね妹が大怪我をしたの。2度と歩けないほどの重症でね」
「・・・・・」
「ヴィアインの本国の式典で魔装具を身体に巻き付けた子供が妹の側で起動して爆発して・・・多くの犠牲者が出たの。その子供が魔装具を起動する前に『略奪者に鉄槌を!!!』って叫んだの」
「・・・・・」
「ゴルオレス帝国に罪を着せるためかもしれないし本当にそうかもしれない。ここは三国の中立都市。王族が裏路地に1人で彷徨いていたら・・・・もしかしたら襲ってくるかなって思ったの」
「ならせめて武器は所持するべきじゃないかのう」
「ふふふ、そうだね。考えなしだった。命を狙っている者以外なら、正直名前を出せば押し通せるかなって。ありがとう」
彼女の淡々と喋っていたが手が微かに震えていた。仕方がないので少しなすがままに撫でられていたが、バレットは再び身体強化魔法を起動させ『子供二人を蹴り飛ばした』。
彼女が反応する前に子供の内部から破裂した。ちなみに儂のせいではない。儂は『魔眼』で子供達の内部から魔力反応を感知して急速に活性化するのを視認したため蹴り飛ばした。
ステラ=ド=ヴィアインは子供達の血を被っただけですんだ。毒かと思ったがその様子はない。
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
ズドオオオオオオオオオオ!!!
雄叫びとともに目の前の建物の壁を突き破って『怪物』が現れた。
「まさか、山羊頭・・・・じゃない?牛頭?奴の親戚か?」
あの時の山羊頭に見た目が酷似した怪物。
「ミノタウロス!!!なんで魔物がここに!!!」
牛頭はどうやら『ミノタウロス』というらしい。そしてミノタウロスは儂には視線を向けずに現れてからずっと彼女を見ている。
ピィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!
どこからか笛の音が、
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ミノタウロスは彼女に向かって突撃を開始する。
「まさかあの巨塔を破壊しろとかじゃないじゃろうな?」
目的が分からないならとりあえずぶっ放つか?どうやら儂は絶滅危惧種扱いされとる人間、魔力を宿す人間のようじゃ。
目を閉じ自身の内側へと意識を向ける。
「魔法総合力は前世の若い頃よりはるかに劣る。じゃが少なくとも死んだ時ほどの力は使えるようじゃな。もしかして力だけ引き継いだんじゃろうか?」
魔力を指先に集中させてみる。
「『魔眼』もちゃんと機能しているようじゃな」
魔眼とは大層な名前がついてはいるが、魔力を可視することができる眼を指す。
身体強化魔法や回復魔法や刻印魔法なんぞに振らずに儂は遠距離魔法の習得に人生を捧げた男。
儂が使える魔法は放出系のみ。
・・・はい、嘘じゃ。実は儂、身体強化や回復魔法や刻印魔法等の基本的な魔法も一応は使える。
儂は戦場で生き残るために放出系以外の魔法も一通り覚えた。
あの子が皇帝になるまでは安心して逝けなかった。本当なら60代前にとっくにくたばっていたが魔法や自作の魔法薬で無理矢理延命しとったからのう。
確かに魔装具を頼っていたのは事実じゃが基本は魔装具なんて大嫌いじゃからな!!!
「・・・くそっ!イライラする!魔法ぶっぱなしてスッキリさせに行くのじゃ!!!」
儂は孤児院を抜け出し町の外を目指すことにした。孤児院の外に出る場合、外出届け+12歳以下は孤児院の職員同伴というクソ面倒な決まりがあるがバレットは無視して孤児院を出てきた。
はっ!儂は前世で60のジジイじゃぜ。大人同伴とか情けなくて涙が出るわ!あとは魔法を使うのを見られたくないからのう。魔力持ちは絶滅危惧種扱いだからな、バレたら面倒じゃしな。
バレットは途中可笑しな連中を見かける。
何やらモゾモゾ動く大きな袋を抱える男2人をフードを深く被っているため判別でない性別不明が1人が少し離れて追跡しているのを更に男が2人が追跡していた。
前の男2人と後ろの男2人は似たような格好をしているので仲間だと思われる。
面白そうじゃから儂も混ざるか。
暫く付いていくとどうやら本当に仲間だったらしく人通りがない路地に入り前2人と後ろ2人が挟み撃ちにしていた。
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子供?人拐いか?
「んんん、ガキ共を返せだあ?笑わせるなよ。お前嘗めてるなあ、こっちは4人だぜ。見たところ武器すら持ってねえじゃねえか。どうやってガキ共を助け出すんだ?」
「例え武器や力がなくても私は君達のような悪党共を見過ごすわけにはいかないんだよ」
「ぎゃはははは!悪党を見過ごすわけにはいかないんだってよ!ならどうする?ご高説を聞かせて説得でもするのか?それとも殴って倒すか?ああん!!!」
「無論殴って倒す」
フードを脱ぐと儂の位置からは後ろ姿しか見えないが長い青髪が見えた。
「ひゅううう!女だぜお頭!しかもとんだ上玉だ!」
「ははは!かなり上玉じゃねえか!こりゃあ高く売れるぜ!絶対傷付けるんじゃねえぞ!」
「お頭、いいじゃないですかあ。ちょっとくらい遊んでも」
「お前等そんな事言ってこの前の拐った女を壊しちまったじゃねえか!」
「あれは匙加減がわからなかっただけですぜ。大丈夫ッ、次はうまくやりますって」
儂は慌て飛び出す。『矜持を捨てて』身体に身体強化の魔法を掛けて。襲われてるのが女だから?儂はそんな事では自分の信念を曲げない。しかし今襲われてる相手が悪い。もし怪我をさせれば『国際問題』になりかねないからだ。ヘタをすればゴルオレス帝国が地図上から完全に消滅されかねない。
不意討ちして男共に抵抗する暇すら与えず一瞬で4人を気絶させた。
「馬鹿共が、髪色で気付いてもいいじゃろうて」
青髪はヴィアインの王族の特徴。
しかもこの女は特別な存在。
魔力を身体に宿す人間より更に希少な存在であり、『神の寵愛』を授かりし者。海の女神に愛される者。
前世の儂は知らなかったバレットの記憶にあったので知っていた。その新聞には敵の大船団を津波を起こして海中に沈めたなんて書いてたな。しかも『地上』でも津波を起こせるらしい。
約50年前に何かしらの力が宿っていることが判明して、力を引き出すことに成功したらしい。その力は魔装具では再現不可能。人の力を越える故に神に与えられたと言われているが数が少な過ぎて調査が進まず詳細は不明。
ヴィアイン王家は『海の女神』で青髪、ガルシア王家は『大地の男神』で赤髪、ブライアン王家は『空の獣神』で銀髪。
神の寵愛を授かっているのは今のところ王族だけだが、髪色がそうであるからと言って王族とは限らないし、必ず力を授かるというわけではない。
女神、男神、獣神というのは各国が崇めている神というだけであり、力の由来というわけではない。
「・・・小さいのに凄く強いんだね」
まだ二十歳はいってないであろう幼さが残りつつも大人の色香を放つ青髪の少女。変装のためかボロクソの服を着ようとも畏怖と品位を纏う者。
儂に優しく微笑みを向けしゃがみこみ儂の頭を撫でながら少女は礼を言う。
「ありがとう小さな騎士さん」
ヴィアインの第2王女、自分の子供に甘く過保護な父王が中でも特に溺愛していると噂がある女。
ステラ=ド=ヴィアインは儂の頭から手を離すと奴等が抱えていた袋を開ける。すると儂と同じか上くらいの子供が布で口を塞がれ縄で手足を縛られていた。彼女は人拐い連中が落としたナイフを拾い縄を切り布をほどき開放するとよほど怖かったのか子供達は彼女にしがみつき泣きはじめた。
「姫様あああ!!!ひめさまああああ!!!どこですかあああ!!!お願いですから出て来てくださいいいい!!!」
「王がステラ様がいないと暴れ出して大変なんです!!!急いで姿を見せてくださいいいい!負傷者が出て大変なんです!!!」
「それに婚約者のジャン=レノ=ガルシア王子がいらっしゃっております!!!出て来てくださいいいい!」
思い切り探されとるよヴィアインの姫君。
ガシッ!
「うおっ!なんじゃ!何をする!」
いきなり儂の両脇に手を入れ彼女の頭の位置より高く抱え上げられる。
「高い高いをやられて喜ぶような歳でもないんじゃが」
儂の批難めいた言葉を無視し彼女は。
「ねえ君、私と結婚しない?」
いや、儂は五歳じゃよ!!!しかも婚約者がいるっぽいのに何を言っとるんじゃ。
「もし私と結婚してくれるならカルヴァン以外のヴィアインが管理しているゴルオレス帝国の領地を返還してあげる」
「お断りするのじゃ」
そもそもこやつにそんな権限があるとは思えない。それに儂に返されても困る。何、儂に管理しろっていいたいのか?無理無理。絶対無理。儂は人生ノリで生きてきた男。数字は足し算引き算出来て言葉も刻印魔法習得のために50歳過ぎてから字を覚えたほどでそれまでは字なんて書けなかった男じゃぞ。報告書のような書類等は部下に押し付けとったからな。
「ふふふ、ごめんね。困らせちゃたね」
儂を地面に下ろして再び頭を優しく撫で始めた。
「てっきりゴルオレス帝国の刺客かなって勘ぐっちゃた。1ヶ月前にね妹が大怪我をしたの。2度と歩けないほどの重症でね」
「・・・・・」
「ヴィアインの本国の式典で魔装具を身体に巻き付けた子供が妹の側で起動して爆発して・・・多くの犠牲者が出たの。その子供が魔装具を起動する前に『略奪者に鉄槌を!!!』って叫んだの」
「・・・・・」
「ゴルオレス帝国に罪を着せるためかもしれないし本当にそうかもしれない。ここは三国の中立都市。王族が裏路地に1人で彷徨いていたら・・・・もしかしたら襲ってくるかなって思ったの」
「ならせめて武器は所持するべきじゃないかのう」
「ふふふ、そうだね。考えなしだった。命を狙っている者以外なら、正直名前を出せば押し通せるかなって。ありがとう」
彼女の淡々と喋っていたが手が微かに震えていた。仕方がないので少しなすがままに撫でられていたが、バレットは再び身体強化魔法を起動させ『子供二人を蹴り飛ばした』。
彼女が反応する前に子供の内部から破裂した。ちなみに儂のせいではない。儂は『魔眼』で子供達の内部から魔力反応を感知して急速に活性化するのを視認したため蹴り飛ばした。
ステラ=ド=ヴィアインは子供達の血を被っただけですんだ。毒かと思ったがその様子はない。
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
ズドオオオオオオオオオオ!!!
雄叫びとともに目の前の建物の壁を突き破って『怪物』が現れた。
「まさか、山羊頭・・・・じゃない?牛頭?奴の親戚か?」
あの時の山羊頭に見た目が酷似した怪物。
「ミノタウロス!!!なんで魔物がここに!!!」
牛頭はどうやら『ミノタウロス』というらしい。そしてミノタウロスは儂には視線を向けずに現れてからずっと彼女を見ている。
ピィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!
どこからか笛の音が、
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ミノタウロスは彼女に向かって突撃を開始する。
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