11 / 12
第11話 リース=ベラトリックス
しおりを挟む
暗く染まった朱色『朱殷』は、明るく美しい元の色との差異により、見事に「悲惨さ」「凄惨さ」を表現した色。
セミロングの朱殷色の髪、切れ長の目に濃い隈。色白の肌に無駄な脂肪がついていない鍛えられた肉体。
リース=ベラトリックス
彼女は小さな小さな村に生まれる。両親は表向きは薬学師だったが裏では彼女が住んでいた地域ではまだ異端者扱いされていた魔法使いであり魔法の研究を行っていたが、リースが十歳になった年に事故死した。
実はその事故は村人によって偽装されたものでリースの両親が魔法使いと知った村長の命令によって村人全員の手によりリースの両親は撲殺された。その後リースは村長に奴隷商人へ売られてしまう。
リースは三年間奴隷として各地を転々として十三歳になった年にとある傭兵団に買われ十八歳になるまで所属する。
リースは昼には戦場で敵兵を殺す兵士、夜は味方の男性兵士の慰安を行う娼婦、戦場以外は常に鎖付きの首輪で繋がれておりリースには一切の自由はなかった。
リースが十八歳になった頃、大陸で傭兵を雇うほどの大きな戦はなくなり仕事がだんだんと減っていき傭兵団の経営が苦しくなり、人拐いや盗みをするようになり傭兵団は周囲から盗賊団と呼ばれるようになり、その頃リースは拐ってきた女性の世話をやらされるようになった。長年男に抱かれてきたリースより拐ってきた初々しい女性達の方が受けがよく、リースの盗賊団での扱いは半ば放置気味になっていた。鎖に繋がれることはなくなり夜の相手に呼ばれることもなくなった。
だがリースは逃げ出さなかった。
逃げ出してもまともな生活が送れるとは思わなかったしどうせ自分も盗みや殺しに手を出すだろうと思った。女達の世話さえしていれば食うのには困らない。盗賊団が盗んできて換金できずに売れ残った本を読んだり武器の手入れや素振りをして日々を過ごしていた。
ある日、リースは盗賊団のアジトから離れた場所にある川に洗濯をしに行ってる間に国軍にアジトを攻め込まれ、リーダーと側近は逃げ延びたようだがその他は捕縛、殺害され盗賊団は壊滅した。
リースはその場を離れた。わざわざ出ていって捕まることもないと助けるほどの義理もなし。
リースは二十歳になった頃、大きな戦が起きた。
リースは志願兵としてその戦に参戦した。
ある日リースは違和感を感じるようになった。
素手で岩を砕けるようになった。
人に何かが宿っているのを感じ取れるようになった。
数時間激しく身体を動かし戦い続けても息切れしないようになった。
陽の光を浴びると肌に多少痛みを感じるようになった。
夜になると力が増し気分が高ぶるようになった。
開戦から一年後、後世に残る大災害が発生した。
とある戦場にて確認できただけで敵味方合わせ約三万八千人の兵士が行方不明となった。非正規の兵士を含めるともっといるだろう。
その戦場には『血の大海』ができていた。
時間が経過しても固まることがない赤色の液体が戦場一帯に広がり辺りに鉄の匂いが充満していた。
発見されたのは気を失ったリース=ベラトリックス1人だけだった。
この件は何が起こったのかすら分からず戦争中であり戦地だったため詳しい調査も行えず、結局『災害』として処理された。
その血の大海と呼ばれた場所は二百年たった今でも『残っている』。
この災害以降リースを戦場で見た者はいない。
そして同時期にある噂が大陸全土に流れる。
『悪人だけを狙う暗殺者』
『貴方を凄惨に殺します』と必ず殺害予告を送り付けられる。
悪事を行う者は王族貴族富豪平民奴隷、身分に関係なく殺される。
老若男女関係なく殺される。
情状酌量、罪の重軽は関係なく暗殺者の裁量で殺される。
どれだけ遠くに速く逃げても無駄である。
どんな堅牢な部屋に閉じ籠っても無駄である。
殺人現場は常にターゲットの血で真っ赤に染まり骨も肉も残らず血溜まりが広がるのみ。
殺す場所は問わない。
死ぬ瞬間を大勢の人が目撃する時があるが殺しの手段が分からない。
お金や貴重品には一切手をつけない。
悪人を始末した後の事は度外視。
賞金が懸けられるが姿どころか性別さえ分からないので偽物が相次いだ。
千を越える兵士に護衛された人間でも殺された。
影武者を用意しようが本物だけが殺された。
やがて大陸全土に被害が広がり単独犯ではなく組織的犯罪事件として各国が緻密に連携し入念に捜査が行われたが全く手掛かりが掴めなかった。
『楽しい』
暗殺者は本人は正義や偽善を振りかざすつもりはない。
『自分は絶対に死なないと思ってる奴を殺すのが』
暗殺者は殺しに快楽を見出だした。
『殺される覚悟のない奴がいざ自分が殺される立場になる時の反応が面白い』
今まで粋がっていた奴が泣き叫び命乞いをしている時の顔は最高だと。
『お前の命が金や物で替えが効くなら、お前の命は所詮その程度の価値しかないんだ。なら死んでも誰も困らないよなって言ってやると皆良い表情を見せる。もう助からないと察した時の顔』
悪人を狙うのはただの嗜好だ。
『もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと殺そう・・・選別するの面倒、どうでもいいや』
やがて予告もなく殺されるようになる。
さらに見境なく襲いだした。
五百を越え、千を越え、万を越え、十万を越えても収まる気配がない。
そしてとある国が最後の犠牲となる。
推定死者千五百万人。
その国は深い霧に覆われ、現在でも大陸全土に入国禁止令が発令されている。領土を欲してこの禁止令を無視して部隊を送った国もあったが誰1人帰還できる者はなく中の詳細は不明である。
暗殺者が現れたとされる年から約数年後にぱったりと噂と被害は途切れた。
大陸中の人達が安堵した。
人里離れた山奥にてリースととある少年が目撃される。
「さて少年。まずは素振り千回だ」
「あの、師匠・・・剣術じゃなく魔法を教えて欲しいですけど!」
「うっさいわ!」
「いって!木刀でぶつことねえだろババア、ぶぎゃは!!!」
「お前また町に出てスリしたろ!欲しい物があるなら買ってやるって言ってんだろ!アンタに魔法を教えたら何に使うか分からないからね。まずは性根を叩き直してやる!」
「じゃあ女、あべし!!!」
ズドオオオオオオン!!!
「まずは性根を叩き直すと言ったよなこのマセガキ、懲りてないようだね。いいだろう魔法を教えてやろうじゃないか・・・・実戦形式でな!!!」
「きたねーぞ!!!ババア!!!せめてコッチに基礎教えろやババア!!!」
「口が減らないねえ!このチビスケは!!!」
「チビって言いやがったな!成長期なったら覚えとけよババア!俺牛乳飲みまくってるからでかくなるからな!ババアの身長なんてマッハで抜くね!」
「パクった金でだろうが馬鹿たれ!」
それから約五年後、リース=ベラトリックスは心臓の病により死亡。
セミロングの朱殷色の髪、切れ長の目に濃い隈。色白の肌に無駄な脂肪がついていない鍛えられた肉体。
リース=ベラトリックス
彼女は小さな小さな村に生まれる。両親は表向きは薬学師だったが裏では彼女が住んでいた地域ではまだ異端者扱いされていた魔法使いであり魔法の研究を行っていたが、リースが十歳になった年に事故死した。
実はその事故は村人によって偽装されたものでリースの両親が魔法使いと知った村長の命令によって村人全員の手によりリースの両親は撲殺された。その後リースは村長に奴隷商人へ売られてしまう。
リースは三年間奴隷として各地を転々として十三歳になった年にとある傭兵団に買われ十八歳になるまで所属する。
リースは昼には戦場で敵兵を殺す兵士、夜は味方の男性兵士の慰安を行う娼婦、戦場以外は常に鎖付きの首輪で繋がれておりリースには一切の自由はなかった。
リースが十八歳になった頃、大陸で傭兵を雇うほどの大きな戦はなくなり仕事がだんだんと減っていき傭兵団の経営が苦しくなり、人拐いや盗みをするようになり傭兵団は周囲から盗賊団と呼ばれるようになり、その頃リースは拐ってきた女性の世話をやらされるようになった。長年男に抱かれてきたリースより拐ってきた初々しい女性達の方が受けがよく、リースの盗賊団での扱いは半ば放置気味になっていた。鎖に繋がれることはなくなり夜の相手に呼ばれることもなくなった。
だがリースは逃げ出さなかった。
逃げ出してもまともな生活が送れるとは思わなかったしどうせ自分も盗みや殺しに手を出すだろうと思った。女達の世話さえしていれば食うのには困らない。盗賊団が盗んできて換金できずに売れ残った本を読んだり武器の手入れや素振りをして日々を過ごしていた。
ある日、リースは盗賊団のアジトから離れた場所にある川に洗濯をしに行ってる間に国軍にアジトを攻め込まれ、リーダーと側近は逃げ延びたようだがその他は捕縛、殺害され盗賊団は壊滅した。
リースはその場を離れた。わざわざ出ていって捕まることもないと助けるほどの義理もなし。
リースは二十歳になった頃、大きな戦が起きた。
リースは志願兵としてその戦に参戦した。
ある日リースは違和感を感じるようになった。
素手で岩を砕けるようになった。
人に何かが宿っているのを感じ取れるようになった。
数時間激しく身体を動かし戦い続けても息切れしないようになった。
陽の光を浴びると肌に多少痛みを感じるようになった。
夜になると力が増し気分が高ぶるようになった。
開戦から一年後、後世に残る大災害が発生した。
とある戦場にて確認できただけで敵味方合わせ約三万八千人の兵士が行方不明となった。非正規の兵士を含めるともっといるだろう。
その戦場には『血の大海』ができていた。
時間が経過しても固まることがない赤色の液体が戦場一帯に広がり辺りに鉄の匂いが充満していた。
発見されたのは気を失ったリース=ベラトリックス1人だけだった。
この件は何が起こったのかすら分からず戦争中であり戦地だったため詳しい調査も行えず、結局『災害』として処理された。
その血の大海と呼ばれた場所は二百年たった今でも『残っている』。
この災害以降リースを戦場で見た者はいない。
そして同時期にある噂が大陸全土に流れる。
『悪人だけを狙う暗殺者』
『貴方を凄惨に殺します』と必ず殺害予告を送り付けられる。
悪事を行う者は王族貴族富豪平民奴隷、身分に関係なく殺される。
老若男女関係なく殺される。
情状酌量、罪の重軽は関係なく暗殺者の裁量で殺される。
どれだけ遠くに速く逃げても無駄である。
どんな堅牢な部屋に閉じ籠っても無駄である。
殺人現場は常にターゲットの血で真っ赤に染まり骨も肉も残らず血溜まりが広がるのみ。
殺す場所は問わない。
死ぬ瞬間を大勢の人が目撃する時があるが殺しの手段が分からない。
お金や貴重品には一切手をつけない。
悪人を始末した後の事は度外視。
賞金が懸けられるが姿どころか性別さえ分からないので偽物が相次いだ。
千を越える兵士に護衛された人間でも殺された。
影武者を用意しようが本物だけが殺された。
やがて大陸全土に被害が広がり単独犯ではなく組織的犯罪事件として各国が緻密に連携し入念に捜査が行われたが全く手掛かりが掴めなかった。
『楽しい』
暗殺者は本人は正義や偽善を振りかざすつもりはない。
『自分は絶対に死なないと思ってる奴を殺すのが』
暗殺者は殺しに快楽を見出だした。
『殺される覚悟のない奴がいざ自分が殺される立場になる時の反応が面白い』
今まで粋がっていた奴が泣き叫び命乞いをしている時の顔は最高だと。
『お前の命が金や物で替えが効くなら、お前の命は所詮その程度の価値しかないんだ。なら死んでも誰も困らないよなって言ってやると皆良い表情を見せる。もう助からないと察した時の顔』
悪人を狙うのはただの嗜好だ。
『もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと殺そう・・・選別するの面倒、どうでもいいや』
やがて予告もなく殺されるようになる。
さらに見境なく襲いだした。
五百を越え、千を越え、万を越え、十万を越えても収まる気配がない。
そしてとある国が最後の犠牲となる。
推定死者千五百万人。
その国は深い霧に覆われ、現在でも大陸全土に入国禁止令が発令されている。領土を欲してこの禁止令を無視して部隊を送った国もあったが誰1人帰還できる者はなく中の詳細は不明である。
暗殺者が現れたとされる年から約数年後にぱったりと噂と被害は途切れた。
大陸中の人達が安堵した。
人里離れた山奥にてリースととある少年が目撃される。
「さて少年。まずは素振り千回だ」
「あの、師匠・・・剣術じゃなく魔法を教えて欲しいですけど!」
「うっさいわ!」
「いって!木刀でぶつことねえだろババア、ぶぎゃは!!!」
「お前また町に出てスリしたろ!欲しい物があるなら買ってやるって言ってんだろ!アンタに魔法を教えたら何に使うか分からないからね。まずは性根を叩き直してやる!」
「じゃあ女、あべし!!!」
ズドオオオオオオン!!!
「まずは性根を叩き直すと言ったよなこのマセガキ、懲りてないようだね。いいだろう魔法を教えてやろうじゃないか・・・・実戦形式でな!!!」
「きたねーぞ!!!ババア!!!せめてコッチに基礎教えろやババア!!!」
「口が減らないねえ!このチビスケは!!!」
「チビって言いやがったな!成長期なったら覚えとけよババア!俺牛乳飲みまくってるからでかくなるからな!ババアの身長なんてマッハで抜くね!」
「パクった金でだろうが馬鹿たれ!」
それから約五年後、リース=ベラトリックスは心臓の病により死亡。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる