10 / 29
第8話 抉られるヤミの心
しおりを挟む
「むしろ聖女なんて引き取ってもらえばいいんじゃね?」
「そうはいかないよ。聖女ナオミは役に立ってないけどナオミの子か孫が聖女しての力に目覚めたらどうする?それに光魔法が使えるのは事実だしね。強い魔法使いを量産する道具として拐われるかも」
「けっ!これだから王族貴族は気に入られねえんだよ。人を道具扱いする連中がわんさかいやがる」
「まあヤミさんもこの国では闇魔法は忌避されてるけど他国では光魔法と同じ扱い、希少魔法だし狙われるかもね?」
「「「「「ヤミ様は俺達が守る!」」」」」
魔法使い達が杖を掲げて高らかに宣言する。
「・・・・どうでもいい」
「そう?」
「それより貴方に頼みがある」
「頼み?勿論タダ働きじゃないよね?頼み事次第ではたんまりと報酬・・・イエ、ホウシュウハ、イリマセン、ナンナリト」
バーブラを包囲する魔法使い達が魔法を待機状態でいつでも打てるようにしていた。いくら元冒険者でも全て回避することは不可能と悟ったバーブラは降参とばかりに両手を上げてヤミの話を受け入れる。
「私が今から毒神沼蟹カルキノスを討伐してくる。だからその功績をライオネルやナオミに盗られないように大々的に報じて欲しい。ここにいる人達がやったって言えばいい」
「毒神沼蟹カルキノス?確かナオミは封印されてるのは毒竜ヒュドラと言ってたはず」
「ヒュドラはカルキノスの魔法よ普通のやり方じゃ勝てない」
「貴女なら勝てると?」
「私は毒を無毒化できるからあとはカルキノスに実力で上回ればいい話」
ヤミの無毒化というワードでバーブラは驚きの声をあげる。
「無毒化?それは聖女の、」
「・・・・違うらしい。聖女が使うのは状態異常無効化で肉体に作用する。私は毒だけ、けど私の無毒化は肉体以外にも作用する。私なら毒界を消し去れるしカルキノスから出る毒や毒魔法自体を無毒化できるから」
「・・・・なら俺もついていかないと!生き証人が必要だろ?それにこんな大スクープをものにしないわけにはいかんでしょ!」
「新聞記者ごときが一緒に行けるなどと思うなよ!ヤミ様!このグレゴリオを連れて行ってください!」
「君達こそ魔法をぶっぱなすしか能がないくせに足手まといにしかならないってわからない?こっちは元冒険者で戦闘経験は豊富だよ」
「黙れ!ヤミ様の周りをお前みたいな何を考えているのかわからん奴がうろついていたら邪魔にしかならんだろうが!」
「失礼だなアンタは!アンタこそ邪な目線をヤミさんに送ってるよね?ヤミさん気味悪がって戦闘に集中できないんじゃ?」
バーブラとグレゴリオの言い争いを無視してアレックスがヤミの前に出てくる。
「魔法馬鹿や何企んでるかわからん野郎より囮が必要だろ?闇魔法は威力はあるが速度が難があると聞くしな」
アレックスは自身の装備、大盾と大鎚を見せる。
「俺の部隊は大盾の扱いが得意だし蟹っていうなら打撃系の武器が有効だろ?アンタは俺等が守ってやるから後ろから闇魔法を放ってくれればいい、」
闇武装魔法『天津甕星』
柄と黒色の巨大な棘付き球体の間を鎖で繋いだ形状の武器を闇魔法で作り出し棘付き球体をヤミは上空に投げ飛ばす。鎖は長さは延長できるようで棘付き球体に引っ張られぐんぐん伸びていく。
アレックスやグレゴリオやバーブラその他の兵士はそれをただ大きく口を開けて棘付き球体を目で追う。
上空で停止した棘付き球体は1,5mほどから3mに大きさを変化する。
ヤミは全力で振り下ろす。
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
陣地の外に隕石の衝突レベルで墜ちた棘付き球体は地揺らしをおこし地面に巨大なクレーターを作った。
「・・・・巻き込まれて死ぬかもよ?」
「それでもヤミ様の忠実なる信徒グレゴリオ!貴女様についていきます!」
「「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」」
「やっぱりイチ新聞記者としてはこんな大スクープを逃すわけにはいかないよね!」
バーブラは懐から『魔導カメラ』を取り出し地面に這いつくばりローアングルでヤミを激写しまくる。
「貴様!ヤミ様に断りもなく何をするかあああ!捕らえろあの馬鹿を!写真は・・・・我々が没収する!」
「行こうぜ皆化け物退治によ!」
「「「「「おおおおおおおおおお!!!」」」」」
魔法使いだけでなく騎士達までついていこうとする。
陣地内にヤミが降り立つ前は皆、悲壮感に満ちた顔を連ねていたがそんな顔をする者はもういない。
「「「「「おおおおおおおおおお!!!」」」」」
「うっさいわよ!私を無視するなああああああ!」
皆が高揚し雄叫びをあげている中、そんな空気を壊す耳障りな甲高い声が陣地内に響き渡る。
ヤミはその声が耳に入った瞬間、顔を青ざめさせ体が震えだし自身の両手で震えを止めようと力いっぱいに抱き締める。
「さっきから呼んでいるでしょ!無視するんじゃないわよ!しかもさっきの衝撃で埃かぶったゃたじゃない!私は大貴族で!聖女で!次期王妃で!ヒロインよ!何してるの!頭が高いわよ!平伏しなさい!」
宮廷の晩餐会にでも行くんですかと聞きたいほどにこの場に相応しくない豪華絢爛なドレスや装飾品を身に付け、さっきまでライオネル殿下と抱き合っていたのを隠したいのかそれとも普段からそうなのか近くにいると鼻が曲がりそうで吐き気がするほどの香水の匂いを纏わせる美しい顔に似付かない言動に所作の女性が護衛二人を引き連れ陣地を訪れていた。
加勢に来たとは思えないなぜここに来たのか?
その女は聖女ナオミだった。
『『『『『お前も元平民だろうが!』』』』』
ナオミはヤミに気付いていないのか無視して話を進める。
「今回だけは許してあげるってアンタ達に次回なんて無かったわねごめんなさい!」
「・・・・聖女様、何か我々にご用があったのでは?」
アレックスが怒りを堪えて聖女ナオミに要件を聞いた。
「そうそう、アンタ達の半分くらいラジム村にいって住民達を処刑してきなさい。金品だけは私達がもらうから女とかは好きにしていいわよ。帰ってきたらヒュドラ退治に行かせるけどね」
「なっ!俺達軍人に盗賊のような真似をしろと?」
「何逆らうの?今、私の光魔法で死なせてあげてもいいのよ?」
「・・・・くそ!」
「あれ?もしかして・・・アレックス?やっぱりアレックス様じゃん!なんでここにいるの!」
「は?俺を知っているのか?」
「知っているもなにも第2部の攻略キャラじゃない!」
「攻略キャラ?何だそれは?」
「第1王子のライオネル様と第2王子は実は陛下とは血が繋がっていないのよ。陛下の血を継いでるのは陛下の隠し子、平民の女との子供。アレックス、貴方だけが現王の血を継いでるのよ!」
聖女がとんでもない爆弾を投下した。
「この事を知ってるのは陛下と宰相と騎士団長だけよ」
ならなんでお前が知ってるんだよ!
「ライオネル様は陛下に愛されていないと感じて陛下に認めてもらおうと努力しても認めてもらえず、ある日アレックス様の存在を知り絶望し全てを諦めかけるも、その時!その時!私と!ヒロインの私と!聖女の私と!出会うことで!ライオネル様は再び立ち上がり、そして私と世界を救い、陛下に認めてもらい王になるの。私は王妃になるのが前作の話で、第2部は『勇者が信仰されている国』に異変が起きるの!そこでヒロインの私が!ヒロインの私が!救ってあげるべく!まだ正体を明かされていないアレックス様とグレゴリオを護衛に付けて旅立つのよねえ!あれ?ライオネル殿下とハッピーエンドになったら第2部のスタートってどういう扱いになるのかしら?第2部はライオネル殿下は王太子になってるけどライオネル様攻略できるのは第2部の攻略キャラと恋仲になっていない場合、国に帰ってライオネル殿下と結婚って感じだったはず」
聖女ナオミは途中までアレックスに説明していたが途中で脱線して自分の世界、思考の旅へと旅立っていったと思ったら唐突に元の世界に帰ってきた。
「ってグレゴリオ!アンタ、グレゴリオじゃん!ちょうどいいわ!アンタの魔法を私に寄越しなさい!」
「うわっ!今度はこっちに絡んできやがった!って魔法を寄越す?どういう、」
「アンタは第2部のアレックスルートの難易度イージーで私を助けるためだけのキャラでしょ!アンタは魔法適正を聖女に継承できる能力があるのよ!アンタは火属性で私が継承すると火と光の合成属性の聖火魔法が使えるのよ!早く寄越しなさいよ!」
「・・・・そんな事言われてもできませんよ」
「そんな訳ないでしょ!嘘つくと死刑にしてもらうわよ!」
「そう言われましても、」
「私が継承すれば世界初の二重属性使いになれるのよ!第1部が難しいからって第2部から実装された多重属性魔法があれば公式ファンブックで名前がチラッと出てきただけのヒュドラなんかに負けないわ!」
・・・・もういるんですけど二重属性使い、もう見ちゃたんですけどね。
「ああもう役立たず!とにかく早く習得しなさいよ!アレックス様とグレゴリオは隊を率いてラジム村に行きなさい!あとの連中はさっさとヒュドラに突っ込んで死んで来なさい!」
一方的に要件を伝えると護衛を引き連れ帰っていった。
その間ヤミは怯えて震えることしかできなかった。
ライオネルやナオミのいない場所では粋がれても、いざ目の前に現れると何もできなかった。
一度は復讐を誓ったことがあるほど憎んだ相手が目の前にいたのに。
だがヤミはズタボロに裂かれ折られた心は強大な力を手に入れた現在でもまだヤミは立ち直れてはいなかった。
「そうはいかないよ。聖女ナオミは役に立ってないけどナオミの子か孫が聖女しての力に目覚めたらどうする?それに光魔法が使えるのは事実だしね。強い魔法使いを量産する道具として拐われるかも」
「けっ!これだから王族貴族は気に入られねえんだよ。人を道具扱いする連中がわんさかいやがる」
「まあヤミさんもこの国では闇魔法は忌避されてるけど他国では光魔法と同じ扱い、希少魔法だし狙われるかもね?」
「「「「「ヤミ様は俺達が守る!」」」」」
魔法使い達が杖を掲げて高らかに宣言する。
「・・・・どうでもいい」
「そう?」
「それより貴方に頼みがある」
「頼み?勿論タダ働きじゃないよね?頼み事次第ではたんまりと報酬・・・イエ、ホウシュウハ、イリマセン、ナンナリト」
バーブラを包囲する魔法使い達が魔法を待機状態でいつでも打てるようにしていた。いくら元冒険者でも全て回避することは不可能と悟ったバーブラは降参とばかりに両手を上げてヤミの話を受け入れる。
「私が今から毒神沼蟹カルキノスを討伐してくる。だからその功績をライオネルやナオミに盗られないように大々的に報じて欲しい。ここにいる人達がやったって言えばいい」
「毒神沼蟹カルキノス?確かナオミは封印されてるのは毒竜ヒュドラと言ってたはず」
「ヒュドラはカルキノスの魔法よ普通のやり方じゃ勝てない」
「貴女なら勝てると?」
「私は毒を無毒化できるからあとはカルキノスに実力で上回ればいい話」
ヤミの無毒化というワードでバーブラは驚きの声をあげる。
「無毒化?それは聖女の、」
「・・・・違うらしい。聖女が使うのは状態異常無効化で肉体に作用する。私は毒だけ、けど私の無毒化は肉体以外にも作用する。私なら毒界を消し去れるしカルキノスから出る毒や毒魔法自体を無毒化できるから」
「・・・・なら俺もついていかないと!生き証人が必要だろ?それにこんな大スクープをものにしないわけにはいかんでしょ!」
「新聞記者ごときが一緒に行けるなどと思うなよ!ヤミ様!このグレゴリオを連れて行ってください!」
「君達こそ魔法をぶっぱなすしか能がないくせに足手まといにしかならないってわからない?こっちは元冒険者で戦闘経験は豊富だよ」
「黙れ!ヤミ様の周りをお前みたいな何を考えているのかわからん奴がうろついていたら邪魔にしかならんだろうが!」
「失礼だなアンタは!アンタこそ邪な目線をヤミさんに送ってるよね?ヤミさん気味悪がって戦闘に集中できないんじゃ?」
バーブラとグレゴリオの言い争いを無視してアレックスがヤミの前に出てくる。
「魔法馬鹿や何企んでるかわからん野郎より囮が必要だろ?闇魔法は威力はあるが速度が難があると聞くしな」
アレックスは自身の装備、大盾と大鎚を見せる。
「俺の部隊は大盾の扱いが得意だし蟹っていうなら打撃系の武器が有効だろ?アンタは俺等が守ってやるから後ろから闇魔法を放ってくれればいい、」
闇武装魔法『天津甕星』
柄と黒色の巨大な棘付き球体の間を鎖で繋いだ形状の武器を闇魔法で作り出し棘付き球体をヤミは上空に投げ飛ばす。鎖は長さは延長できるようで棘付き球体に引っ張られぐんぐん伸びていく。
アレックスやグレゴリオやバーブラその他の兵士はそれをただ大きく口を開けて棘付き球体を目で追う。
上空で停止した棘付き球体は1,5mほどから3mに大きさを変化する。
ヤミは全力で振り下ろす。
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
陣地の外に隕石の衝突レベルで墜ちた棘付き球体は地揺らしをおこし地面に巨大なクレーターを作った。
「・・・・巻き込まれて死ぬかもよ?」
「それでもヤミ様の忠実なる信徒グレゴリオ!貴女様についていきます!」
「「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」」
「やっぱりイチ新聞記者としてはこんな大スクープを逃すわけにはいかないよね!」
バーブラは懐から『魔導カメラ』を取り出し地面に這いつくばりローアングルでヤミを激写しまくる。
「貴様!ヤミ様に断りもなく何をするかあああ!捕らえろあの馬鹿を!写真は・・・・我々が没収する!」
「行こうぜ皆化け物退治によ!」
「「「「「おおおおおおおおおお!!!」」」」」
魔法使いだけでなく騎士達までついていこうとする。
陣地内にヤミが降り立つ前は皆、悲壮感に満ちた顔を連ねていたがそんな顔をする者はもういない。
「「「「「おおおおおおおおおお!!!」」」」」
「うっさいわよ!私を無視するなああああああ!」
皆が高揚し雄叫びをあげている中、そんな空気を壊す耳障りな甲高い声が陣地内に響き渡る。
ヤミはその声が耳に入った瞬間、顔を青ざめさせ体が震えだし自身の両手で震えを止めようと力いっぱいに抱き締める。
「さっきから呼んでいるでしょ!無視するんじゃないわよ!しかもさっきの衝撃で埃かぶったゃたじゃない!私は大貴族で!聖女で!次期王妃で!ヒロインよ!何してるの!頭が高いわよ!平伏しなさい!」
宮廷の晩餐会にでも行くんですかと聞きたいほどにこの場に相応しくない豪華絢爛なドレスや装飾品を身に付け、さっきまでライオネル殿下と抱き合っていたのを隠したいのかそれとも普段からそうなのか近くにいると鼻が曲がりそうで吐き気がするほどの香水の匂いを纏わせる美しい顔に似付かない言動に所作の女性が護衛二人を引き連れ陣地を訪れていた。
加勢に来たとは思えないなぜここに来たのか?
その女は聖女ナオミだった。
『『『『『お前も元平民だろうが!』』』』』
ナオミはヤミに気付いていないのか無視して話を進める。
「今回だけは許してあげるってアンタ達に次回なんて無かったわねごめんなさい!」
「・・・・聖女様、何か我々にご用があったのでは?」
アレックスが怒りを堪えて聖女ナオミに要件を聞いた。
「そうそう、アンタ達の半分くらいラジム村にいって住民達を処刑してきなさい。金品だけは私達がもらうから女とかは好きにしていいわよ。帰ってきたらヒュドラ退治に行かせるけどね」
「なっ!俺達軍人に盗賊のような真似をしろと?」
「何逆らうの?今、私の光魔法で死なせてあげてもいいのよ?」
「・・・・くそ!」
「あれ?もしかして・・・アレックス?やっぱりアレックス様じゃん!なんでここにいるの!」
「は?俺を知っているのか?」
「知っているもなにも第2部の攻略キャラじゃない!」
「攻略キャラ?何だそれは?」
「第1王子のライオネル様と第2王子は実は陛下とは血が繋がっていないのよ。陛下の血を継いでるのは陛下の隠し子、平民の女との子供。アレックス、貴方だけが現王の血を継いでるのよ!」
聖女がとんでもない爆弾を投下した。
「この事を知ってるのは陛下と宰相と騎士団長だけよ」
ならなんでお前が知ってるんだよ!
「ライオネル様は陛下に愛されていないと感じて陛下に認めてもらおうと努力しても認めてもらえず、ある日アレックス様の存在を知り絶望し全てを諦めかけるも、その時!その時!私と!ヒロインの私と!聖女の私と!出会うことで!ライオネル様は再び立ち上がり、そして私と世界を救い、陛下に認めてもらい王になるの。私は王妃になるのが前作の話で、第2部は『勇者が信仰されている国』に異変が起きるの!そこでヒロインの私が!ヒロインの私が!救ってあげるべく!まだ正体を明かされていないアレックス様とグレゴリオを護衛に付けて旅立つのよねえ!あれ?ライオネル殿下とハッピーエンドになったら第2部のスタートってどういう扱いになるのかしら?第2部はライオネル殿下は王太子になってるけどライオネル様攻略できるのは第2部の攻略キャラと恋仲になっていない場合、国に帰ってライオネル殿下と結婚って感じだったはず」
聖女ナオミは途中までアレックスに説明していたが途中で脱線して自分の世界、思考の旅へと旅立っていったと思ったら唐突に元の世界に帰ってきた。
「ってグレゴリオ!アンタ、グレゴリオじゃん!ちょうどいいわ!アンタの魔法を私に寄越しなさい!」
「うわっ!今度はこっちに絡んできやがった!って魔法を寄越す?どういう、」
「アンタは第2部のアレックスルートの難易度イージーで私を助けるためだけのキャラでしょ!アンタは魔法適正を聖女に継承できる能力があるのよ!アンタは火属性で私が継承すると火と光の合成属性の聖火魔法が使えるのよ!早く寄越しなさいよ!」
「・・・・そんな事言われてもできませんよ」
「そんな訳ないでしょ!嘘つくと死刑にしてもらうわよ!」
「そう言われましても、」
「私が継承すれば世界初の二重属性使いになれるのよ!第1部が難しいからって第2部から実装された多重属性魔法があれば公式ファンブックで名前がチラッと出てきただけのヒュドラなんかに負けないわ!」
・・・・もういるんですけど二重属性使い、もう見ちゃたんですけどね。
「ああもう役立たず!とにかく早く習得しなさいよ!アレックス様とグレゴリオは隊を率いてラジム村に行きなさい!あとの連中はさっさとヒュドラに突っ込んで死んで来なさい!」
一方的に要件を伝えると護衛を引き連れ帰っていった。
その間ヤミは怯えて震えることしかできなかった。
ライオネルやナオミのいない場所では粋がれても、いざ目の前に現れると何もできなかった。
一度は復讐を誓ったことがあるほど憎んだ相手が目の前にいたのに。
だがヤミはズタボロに裂かれ折られた心は強大な力を手に入れた現在でもまだヤミは立ち直れてはいなかった。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる