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第11話 乙女ゲームのバーブラ
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「よし!行ってくる!」
グレゴリオは全力疾走で毒界の中を駆け、
「ぐげほおおおえええええ!!!」
速攻で毒状態に陥り口から血を吐き出し足の力が抜け盛大にズッコける。
「・・・・・馬鹿だろ!自信満々で駆け出すからてっきり秘策があるのかと思ったけど無策かよ!」
助けに向かいたいがグレゴリオの体は毒界の境界に入ってしまっている自分も入ればグレゴリオの二の舞になってしまう。
「大丈夫、だ・・・・耐えきれないほどではない!」
アレックスは毒状態にならないようゆっくり慎重に近付いて毒界の中を観察する。
毒界の中は紫色の沼や毒々しい色の植物や空気もいかにも毒という怪しげな気体が目に見えるほど漂っている。
中には動物らしき死体があり、その死体は所々が溶けて穴が空き妙な空気が漏れていた。
「そんな訳ないだろ!動けるならこっちにこい!陣地に戻ってヤミを叩き起こして無毒化してもらおう!」
グレゴリオは体をガクガクと震わせる。
「必要ない、ヤミ様の眠りを妨げるわけにはいかない!」
「なに変な意地はってやがる!」
「体を蝕む毒の痛みなんぞヤミ様の乗馬鞭百叩きに比べればどうということはない!」
「あの子とお前は今日が初会わせだったろ!」
「三角木馬!!!天井逆さ吊し上げ!!!水車責め!!!足舐めの刑!!!」
「全部妄想だよ!!!ッ!まさか幻覚作用があるのか!」
「ご褒美を思い浮かべればこんな痛みなんぞに!」
「素で変態なだけだった!お前がそんな奴だったなんて知らなかったよ!」
グレゴリオは立ち上がる。
「誰にでもして欲しいわけじゃない。ヤミ様にして欲しいんだ!」
「変わらねえよ!そんな性癖の奴が何を言おうが変態であるのは変わらねえよ!」
「俺はアブノーマル!」
「いや意味が分からん!」
グレゴリオがふらつかながらも前に進む。
「奴のいる場所にさえ辿り着きさえすれば・・・」
グレゴリオが倒れかかるがアレックスが助ける。
「馬鹿はお前だろ?王になる男がなんで、」
「それはお前が勝手に言ったことだろ、俺もなんとか耐えれそうだ、鎚と盾から力が流れてくるみたいだ、けど完全には防げてないな、うわ、回復ポーションが緑から紫に変わってる毒化してる」
「チマチマ飲んできゃ辿り着けるとか思ってたのか?」
「蓋をしてる状態で毒化するなんて思わねえよ。つか普通は毒耐性がない奴が毒界に入ろうとか思わないだろ」
「走るか?」
「毒の回りが早くなると思うぜ。今の俺達なら毒のダメージは幸い微々たるもんだから力を温存しようぞ。遭遇したらありったけの力でぶちあたってやるぜ」
「・・・・俺の性癖暴露したんだ、はあ、アレックス、お前も教えろよ、はあ、」
「あ~、俺、おっぱいもお尻も生足も一通り味わってみたけど、」
「やっぱりお前は親友のはずがない!リア充は爆死しろ!げほげほげほ!」
「体力温存しとけよ、ちなみに俺は一周回っておっぱいだな。大きいのがいいねパフパフしてほしいね」
「自分は匂いフェチですね、女の子のうなじや脇とか、あと狭いロッカーに女の子と二人で閉じ込められるのが夢ですね」
「変態がまだいたよ!!!って誰だ!」
後ろから声がしてすぐに周囲に異変が起こる。
毒界が消え通常時に戻っている。
「は?え?・・・回復ポーションの色まで戻ってる?毒の沼や毒植物が消えてる?呼吸も、苦しくない、」
二人は振り返る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
見たことのあるスーツ姿の男。名はバーブラ。
ただし白目剥いて死んでる。例えではないガチで呼吸が止まり心臓が止まって地面に横たわっていた。
「「・・・・・・何しに来たあああ!!!!」」
「え?マジ死んでやがる、何がしたかったんだ?」
「もしかして毒界を消したのコイツじゃね?」
「性癖暴露して死ぬなんてマヌケすぎるだろ!!!」
「・・・・・ぶっはっ!完全に死ぬかと思った!」
バーブラが突然の復活にアレックスとグレゴリオ、さすがに声がでない。
「うおっ!身代わり君が3体壊れてる!つまり3回死んじゃってるよ!」
「は?お前、生き返った?」
「ああ、それはですねこれのおかげです!」
バーブラがアレックスとグレゴリオに壊れた3体の手作り人形を見せる。
「この身代わり君は一体につき一回だけ即死ダメージを肩代わりしてくれるんですよ」
「そんな凄いアイテムが存在するのか?」
「え?自分が製作したアイテムですけど?」
「・・・・元冒険者で今新聞記者じゃなかったのか?」
「自分は賢者を信仰している国の出身でしてね。魔導具の製作は得意なんですよ」
「こんな凄いアイテムを作れる奴がよく出国できたな?賢者の国は出国が大陸一厳しいと聞いたことがある」
「皆には黙ってたのでそれに自分は無属性だったもので」
「無属性?そんな属性聞いたことないが」
「魔法というのは九割以上は後天的に宿るものなんです。ですが残りの一割未満は母親の胎内で宿って産まれてくる。その産まれた子供は十割が無属性なんです。数はめちゃくちゃ少ないですね。産まれてすぐ殺されてしまうので」
「世の中魔法が使える奴のほとんどは優遇されるんだぜ。ウチの国は闇魔法が忌避されてるけど」
「賢者を信仰する国では無属性が忌避させているんですよ。大昔からそういうものだと決まってました。自分が無属性であったが故に自分を産んだ母親までが殺されるくらいにね。賢者の国では光属性と闇属性は、世界の均衡を保つ為に神が人に授け、無属性は世界の均衡を崩すため、邪神が産まれる前の赤子に邪神の血と力を宿らせるものだと。ですからヤミさん賢者の国にいけば超VIP待遇ですよ」
「無毒化はバーブラがやったのか?」
「ええヤミさんの魔法を『コピー』させてもらいました。けど毒界を消すのに三回も魔力枯渇で死ぬほど消費するとは思いませんでしたけど。あと他の隊の皆さんには新しいラジム村に向かってもらいましたよもちろん襲わないよう言い聞かせましたから」
「ちょっと待て!ヤミ様をあの野獣共の中において来たのか!」
「ちゃんと連れてきましたよ。ほら」
バーブラは懐から1枚の絵を取り出した。その絵にはベッドに寝るヤミの姿絵だった。
「絵の中に閉じ込める?コピー?といい無属性ってのはなんでもできるのか?」
「正直無属性にはややこしい発動条件があるものや発動時間が長いものや戦闘に不向きなものが多いんですよね。例えば、」
『クリーンアップ』
グレゴリオとアレックスとバーブラが光に包まれる。
「うおおおお・・・ん?」
光は消えたが変化が分からないグレゴリオとアレックス。
「・・・・あれ?鎧が磨いたみたいに綺麗になってる?」
「今のは汚れを綺麗に落とす魔法ですね」
「・・・・戦闘で役に立つのかこの魔法?」
「全く役に立たないね」
「でもコピー?は凄いぞ!相手の魔法を奪えるなんて!」
「いや奪ってないから、魔法しか真似できない、コピーの対象は完全にランダム、なにもコピーできずに失敗する恐れあり、魔力消費が酷い、コピーするのに消費した魔力とは別でコピーした魔法を発動するには魔力使うから、それにコピーするには肉体接触する必要がある、」
「「死刑」」
「いやいや、緊急事態だったんだよ!二人ともそれで助かってるんだから!」
「緊急事態ならなにやっても許されると思ってんじゃねえぞ小僧!!!ヤミ様のあんなとことかそんなとこをベタベタベタベタいやらしい手つきで触ったんだろ!!!!」
「・・・成功率を上げるために口付け、」
「邪神の血と力?ちげえだろ!お前なんて獣だ獣!婬獣だ!女の寝込みを襲うとか最低だぞ!」
「ただじゃなかったですよ!!!!」
バーブラとヤミ唇接触→バーブラがヤミに突き飛ばされ1回死亡。
ヤミ、『大猩々の暴風剛撃』を繰り出しバーブラ30回死亡。
闇風複合魔法『大猩々の暴風剛撃』
闇の魔力で巨大なゴリラの黒腕を形成する。指に指輪が、手首には腕輪のように翡翠色のリングが装着されており、そのリングから荒れ狂う風が常に噴き出させ拳に纏わせ殴り掛かる。
連打が続くほど攻撃力速度上昇。空振りした場合は上昇値はリセットされる。
なおヤミは気を失っている状態だが自動迎撃モードに入った。
全くの加減なしの攻撃をくらいながらも生きている(ように見えた)バーブラの指示に陣地にいた残りの兵士達は大人しく従ったのである。
「30回以上死んでるから!!!数年かけて作り置きしてた身代わり君を今回で使いきりそうだからね!!!!」
「うるせえ!あと何回殺せば死ぬんだ、ああん!!!」
「もう落ち着けグレゴリオ!こいつは肉壁として連れていこう。敵の攻撃パターンを知るために捨て石にしよう時間も押してるしな」
「酷くない!・・・けどあまり馬鹿にしてもらっても困るかな」
「はあ?無属性は戦闘に不向きなんだろ?元冒険者らしく剣でも振って・・・そういえばお前武器は?」
「よくぞ聞いてくれました!これを見よ!!!」
バーブラの胸の中心辺りから剣の柄らしき物が出てきて、バーブラはそれを引き抜き掲げる。
「硝子の剣?」
アレックスが硝子と言ってしまうのも無理はない。その剣は刀身だけではなく全てが無色透明の刀長が85cmほどの太刀。
「『霊剣・布都御霊(不完全)』です。ヤミさんにキスした時に出現しました」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とある乙女ゲーム、賢者を信仰する国が舞台となる第5部。
この第5部の主人公は第1部~第4部までの聖女ナオミではない。
黒髪黒目の少女であり、賢者の国の公爵家のご令嬢。
少女の住んでいた町が戦争中の敵国の強襲部隊の攻撃を受け、火の海になり町を脱出するところから第5部のチュートリアルがスタートする。
『何度も言うがこれは乙女ゲームである!!!けして死にゲーにしたら案外受けがよかったので、もうシリーズ完結するまでこの路線突っ走っちゃおうかと思ったわけではない!!!』
そのチュートリアルの終盤に町をもう少しで脱出できるというところで敵兵士に見つかってしまうが見逃してくれる。
その敵兵士こそ、母の死を嘆き祖国に復讐しようと敵国の兵士になり、とある作戦の下準備の為に、賢者の国にある学園に潜入するバーブラだった。
バーブラは第5部の攻略キャラの一人である。
『バーブラルート』
主人公の少女と学園で再会し、家が逼迫している貧乏貴族という設定で入り込んでいたバーブラを少女は自分の従者として雇うのだった。
正体を隠しながら従者として行動するバーブラ。少女と交流するにつれバーブラの復讐心が揺らぎ、仲間達と時には拳を交わし絆を深め、少女と求め合い愛し合い、バーブラは『無属性』を少女に託し、少女を『賢者』として覚醒させるのだった。
物語中盤に敵国の将軍の一人の毒魔法使いに賢者の国の軍が全滅させられそうになるが、バーブラも『賢者の従者』として覚醒し毒気すら祓う霊剣を手に入れ、賢者の国の軍を助け、完全に敵国とは関係を断ち切る。
覚醒を遂げた少女と仲間達と共に敵国に潜む『真の敵』を倒すために戦いに身を投じる。
グレゴリオは全力疾走で毒界の中を駆け、
「ぐげほおおおえええええ!!!」
速攻で毒状態に陥り口から血を吐き出し足の力が抜け盛大にズッコける。
「・・・・・馬鹿だろ!自信満々で駆け出すからてっきり秘策があるのかと思ったけど無策かよ!」
助けに向かいたいがグレゴリオの体は毒界の境界に入ってしまっている自分も入ればグレゴリオの二の舞になってしまう。
「大丈夫、だ・・・・耐えきれないほどではない!」
アレックスは毒状態にならないようゆっくり慎重に近付いて毒界の中を観察する。
毒界の中は紫色の沼や毒々しい色の植物や空気もいかにも毒という怪しげな気体が目に見えるほど漂っている。
中には動物らしき死体があり、その死体は所々が溶けて穴が空き妙な空気が漏れていた。
「そんな訳ないだろ!動けるならこっちにこい!陣地に戻ってヤミを叩き起こして無毒化してもらおう!」
グレゴリオは体をガクガクと震わせる。
「必要ない、ヤミ様の眠りを妨げるわけにはいかない!」
「なに変な意地はってやがる!」
「体を蝕む毒の痛みなんぞヤミ様の乗馬鞭百叩きに比べればどうということはない!」
「あの子とお前は今日が初会わせだったろ!」
「三角木馬!!!天井逆さ吊し上げ!!!水車責め!!!足舐めの刑!!!」
「全部妄想だよ!!!ッ!まさか幻覚作用があるのか!」
「ご褒美を思い浮かべればこんな痛みなんぞに!」
「素で変態なだけだった!お前がそんな奴だったなんて知らなかったよ!」
グレゴリオは立ち上がる。
「誰にでもして欲しいわけじゃない。ヤミ様にして欲しいんだ!」
「変わらねえよ!そんな性癖の奴が何を言おうが変態であるのは変わらねえよ!」
「俺はアブノーマル!」
「いや意味が分からん!」
グレゴリオがふらつかながらも前に進む。
「奴のいる場所にさえ辿り着きさえすれば・・・」
グレゴリオが倒れかかるがアレックスが助ける。
「馬鹿はお前だろ?王になる男がなんで、」
「それはお前が勝手に言ったことだろ、俺もなんとか耐えれそうだ、鎚と盾から力が流れてくるみたいだ、けど完全には防げてないな、うわ、回復ポーションが緑から紫に変わってる毒化してる」
「チマチマ飲んできゃ辿り着けるとか思ってたのか?」
「蓋をしてる状態で毒化するなんて思わねえよ。つか普通は毒耐性がない奴が毒界に入ろうとか思わないだろ」
「走るか?」
「毒の回りが早くなると思うぜ。今の俺達なら毒のダメージは幸い微々たるもんだから力を温存しようぞ。遭遇したらありったけの力でぶちあたってやるぜ」
「・・・・俺の性癖暴露したんだ、はあ、アレックス、お前も教えろよ、はあ、」
「あ~、俺、おっぱいもお尻も生足も一通り味わってみたけど、」
「やっぱりお前は親友のはずがない!リア充は爆死しろ!げほげほげほ!」
「体力温存しとけよ、ちなみに俺は一周回っておっぱいだな。大きいのがいいねパフパフしてほしいね」
「自分は匂いフェチですね、女の子のうなじや脇とか、あと狭いロッカーに女の子と二人で閉じ込められるのが夢ですね」
「変態がまだいたよ!!!って誰だ!」
後ろから声がしてすぐに周囲に異変が起こる。
毒界が消え通常時に戻っている。
「は?え?・・・回復ポーションの色まで戻ってる?毒の沼や毒植物が消えてる?呼吸も、苦しくない、」
二人は振り返る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
見たことのあるスーツ姿の男。名はバーブラ。
ただし白目剥いて死んでる。例えではないガチで呼吸が止まり心臓が止まって地面に横たわっていた。
「「・・・・・・何しに来たあああ!!!!」」
「え?マジ死んでやがる、何がしたかったんだ?」
「もしかして毒界を消したのコイツじゃね?」
「性癖暴露して死ぬなんてマヌケすぎるだろ!!!」
「・・・・・ぶっはっ!完全に死ぬかと思った!」
バーブラが突然の復活にアレックスとグレゴリオ、さすがに声がでない。
「うおっ!身代わり君が3体壊れてる!つまり3回死んじゃってるよ!」
「は?お前、生き返った?」
「ああ、それはですねこれのおかげです!」
バーブラがアレックスとグレゴリオに壊れた3体の手作り人形を見せる。
「この身代わり君は一体につき一回だけ即死ダメージを肩代わりしてくれるんですよ」
「そんな凄いアイテムが存在するのか?」
「え?自分が製作したアイテムですけど?」
「・・・・元冒険者で今新聞記者じゃなかったのか?」
「自分は賢者を信仰している国の出身でしてね。魔導具の製作は得意なんですよ」
「こんな凄いアイテムを作れる奴がよく出国できたな?賢者の国は出国が大陸一厳しいと聞いたことがある」
「皆には黙ってたのでそれに自分は無属性だったもので」
「無属性?そんな属性聞いたことないが」
「魔法というのは九割以上は後天的に宿るものなんです。ですが残りの一割未満は母親の胎内で宿って産まれてくる。その産まれた子供は十割が無属性なんです。数はめちゃくちゃ少ないですね。産まれてすぐ殺されてしまうので」
「世の中魔法が使える奴のほとんどは優遇されるんだぜ。ウチの国は闇魔法が忌避されてるけど」
「賢者を信仰する国では無属性が忌避させているんですよ。大昔からそういうものだと決まってました。自分が無属性であったが故に自分を産んだ母親までが殺されるくらいにね。賢者の国では光属性と闇属性は、世界の均衡を保つ為に神が人に授け、無属性は世界の均衡を崩すため、邪神が産まれる前の赤子に邪神の血と力を宿らせるものだと。ですからヤミさん賢者の国にいけば超VIP待遇ですよ」
「無毒化はバーブラがやったのか?」
「ええヤミさんの魔法を『コピー』させてもらいました。けど毒界を消すのに三回も魔力枯渇で死ぬほど消費するとは思いませんでしたけど。あと他の隊の皆さんには新しいラジム村に向かってもらいましたよもちろん襲わないよう言い聞かせましたから」
「ちょっと待て!ヤミ様をあの野獣共の中において来たのか!」
「ちゃんと連れてきましたよ。ほら」
バーブラは懐から1枚の絵を取り出した。その絵にはベッドに寝るヤミの姿絵だった。
「絵の中に閉じ込める?コピー?といい無属性ってのはなんでもできるのか?」
「正直無属性にはややこしい発動条件があるものや発動時間が長いものや戦闘に不向きなものが多いんですよね。例えば、」
『クリーンアップ』
グレゴリオとアレックスとバーブラが光に包まれる。
「うおおおお・・・ん?」
光は消えたが変化が分からないグレゴリオとアレックス。
「・・・・あれ?鎧が磨いたみたいに綺麗になってる?」
「今のは汚れを綺麗に落とす魔法ですね」
「・・・・戦闘で役に立つのかこの魔法?」
「全く役に立たないね」
「でもコピー?は凄いぞ!相手の魔法を奪えるなんて!」
「いや奪ってないから、魔法しか真似できない、コピーの対象は完全にランダム、なにもコピーできずに失敗する恐れあり、魔力消費が酷い、コピーするのに消費した魔力とは別でコピーした魔法を発動するには魔力使うから、それにコピーするには肉体接触する必要がある、」
「「死刑」」
「いやいや、緊急事態だったんだよ!二人ともそれで助かってるんだから!」
「緊急事態ならなにやっても許されると思ってんじゃねえぞ小僧!!!ヤミ様のあんなとことかそんなとこをベタベタベタベタいやらしい手つきで触ったんだろ!!!!」
「・・・成功率を上げるために口付け、」
「邪神の血と力?ちげえだろ!お前なんて獣だ獣!婬獣だ!女の寝込みを襲うとか最低だぞ!」
「ただじゃなかったですよ!!!!」
バーブラとヤミ唇接触→バーブラがヤミに突き飛ばされ1回死亡。
ヤミ、『大猩々の暴風剛撃』を繰り出しバーブラ30回死亡。
闇風複合魔法『大猩々の暴風剛撃』
闇の魔力で巨大なゴリラの黒腕を形成する。指に指輪が、手首には腕輪のように翡翠色のリングが装着されており、そのリングから荒れ狂う風が常に噴き出させ拳に纏わせ殴り掛かる。
連打が続くほど攻撃力速度上昇。空振りした場合は上昇値はリセットされる。
なおヤミは気を失っている状態だが自動迎撃モードに入った。
全くの加減なしの攻撃をくらいながらも生きている(ように見えた)バーブラの指示に陣地にいた残りの兵士達は大人しく従ったのである。
「30回以上死んでるから!!!数年かけて作り置きしてた身代わり君を今回で使いきりそうだからね!!!!」
「うるせえ!あと何回殺せば死ぬんだ、ああん!!!」
「もう落ち着けグレゴリオ!こいつは肉壁として連れていこう。敵の攻撃パターンを知るために捨て石にしよう時間も押してるしな」
「酷くない!・・・けどあまり馬鹿にしてもらっても困るかな」
「はあ?無属性は戦闘に不向きなんだろ?元冒険者らしく剣でも振って・・・そういえばお前武器は?」
「よくぞ聞いてくれました!これを見よ!!!」
バーブラの胸の中心辺りから剣の柄らしき物が出てきて、バーブラはそれを引き抜き掲げる。
「硝子の剣?」
アレックスが硝子と言ってしまうのも無理はない。その剣は刀身だけではなく全てが無色透明の刀長が85cmほどの太刀。
「『霊剣・布都御霊(不完全)』です。ヤミさんにキスした時に出現しました」
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とある乙女ゲーム、賢者を信仰する国が舞台となる第5部。
この第5部の主人公は第1部~第4部までの聖女ナオミではない。
黒髪黒目の少女であり、賢者の国の公爵家のご令嬢。
少女の住んでいた町が戦争中の敵国の強襲部隊の攻撃を受け、火の海になり町を脱出するところから第5部のチュートリアルがスタートする。
『何度も言うがこれは乙女ゲームである!!!けして死にゲーにしたら案外受けがよかったので、もうシリーズ完結するまでこの路線突っ走っちゃおうかと思ったわけではない!!!』
そのチュートリアルの終盤に町をもう少しで脱出できるというところで敵兵士に見つかってしまうが見逃してくれる。
その敵兵士こそ、母の死を嘆き祖国に復讐しようと敵国の兵士になり、とある作戦の下準備の為に、賢者の国にある学園に潜入するバーブラだった。
バーブラは第5部の攻略キャラの一人である。
『バーブラルート』
主人公の少女と学園で再会し、家が逼迫している貧乏貴族という設定で入り込んでいたバーブラを少女は自分の従者として雇うのだった。
正体を隠しながら従者として行動するバーブラ。少女と交流するにつれバーブラの復讐心が揺らぎ、仲間達と時には拳を交わし絆を深め、少女と求め合い愛し合い、バーブラは『無属性』を少女に託し、少女を『賢者』として覚醒させるのだった。
物語中盤に敵国の将軍の一人の毒魔法使いに賢者の国の軍が全滅させられそうになるが、バーブラも『賢者の従者』として覚醒し毒気すら祓う霊剣を手に入れ、賢者の国の軍を助け、完全に敵国とは関係を断ち切る。
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