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第14話 聖女ナオミの前世とある男の思い出
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前世の名前は思い出せない。
私は四人家族だったのは覚えている。
両親と私、そして妹だ。
私の両親はかつてオリンピックで銅メダルを取るほどに運動能力が高く、美男美女でよくスポーツ番組に呼ばれて出演したりしていた。私も外見がとても良くテレビに出させてもらったりしていた。
だが、妹は両親や私と違って顔は整っているものの、ダサい眼鏡をかけて、髪も毎日ボサボサの寝癖が常にあり女を捨てて、地味オーラを全身から発している地味地味子だった。
だが、そんな妹は両親から大切にされ甘やかされていた。
私の方が美人さんで綺麗なのに、私の方が勉強でいつも良い成績をとるのに、私の方が両親を困らせず良い子でいるのに。
何故なら妹は・・・・天才だった。
運動能力がやたらと高かった。
その身体能力は海外の強豪選手とも対等に渡り合えるほどであった。
両親は妹にスポーツをさせて自分達が果たせなかった夢を叶えて貰おうとしていたのだ。
オリンピックで金メダルを取る、その夢を妹に託そうとしていた。
だが、妹は『え?ヤダ、だって疲れるもん』と言って、一切スポーツをやろうとはしなかった。
両親はなんとか妹にやる気を出させようと妹を全力で甘やかした。
『この大会で優勝したら何でも好きな物を買ってあげる』
その大会は軽く流して日本新記録を出して優勝。
『この大会で優勝したらどこでも遊びに連れて行ってあげる』
その大会は当時オリンピック最有力候補を完膚なきまでに叩きのめして、その選手を号泣させ、引退を言い出すほどに追い込む圧倒的な成績で優勝した。
家では引き込もってゲームをしているだけの妹が、毎日何時間も練習する選手を圧倒する・・・・才能というのは恐ろしいものだと感じた。
私は両親に甘やかされる妹は不愉快だったが、そこまでは気にはならなかった。
あの時までは、
私は高校生で初恋をした。
彼氏がいなかったわけではない、セックスの経験がないわけではない。今までは告白されたから、なんとなくで付き合ったりしていたが、大好きと思える人はその人が初めてだった。一目惚れだった。
なんとかその人を手に入れようと画策する。
そして、その人を合コンの場に引き出すことに成功した。
だが、勝負の合コン日に女子側の一人が風邪で休むことになったのだ。
しかもその女子は私が用意したブス要員だ。
今回4対4の合コンをセッティングしてもらったが私を除いた残り二人は私には及ばないが十分に可愛い。
だから一人くらいそこそこ可愛いブス要員を用意したのに!
合コンまで時間がない!
そこで目に留まったのは車庫で作業着を着てバイクを弄ってる妹だった。
私は妹にすぐさま合コンの補充要員として連れていこうとする。
妹は凄い嫌そうな顔をして渋る。
私は妹の弱味を握っている。
『アンタが来ないならお父さんとお母さんに18禁のエロゲー買ってるのバラすから!』
まあ、私も妹の部屋に勝手に入ってゲーム機やソフトやファンブック等を持ち出して読んだりやってるけどね。
最近は乙女ゲームにハマってる。
妹の部屋は床に雑誌やゲーム、パソコンやバイクのパーツや工具などが散乱している。何か無くなっても滅多に気付かない。
私の言葉に妹は渋々了承した。
合コンまで時間がなかったため、私が先に行って妹は身なりを整えてこいと指示して家を出た。
決戦場カラオケボックスで女子三人男子四人で合コン開始。
他の三人の男子もカッコいいがやはり私の初恋相手は別格だった。他の女子も予定と違いその人を狙いだした。
暫くすると妹到着。
・・・・コイツに頼むんじゃなかったと後悔する。
妹は合コンにジャージにサンダルで来たのだった。しかも体からガソリンか油の匂いがしていた。
皆が妹を見て大声で笑う。
が、そこから空気がガラリと変わった。
先ほどまで反応が薄かった私の初恋相手が、積極的に私の妹に話掛けている。
しかし当の妹は、『お姉ちゃんお姉ちゃん、僕唐揚げ食べたい』と私の袖を引っ張りねだっている。
空気を変えるために定番中の定番、王様ゲームをする事になった。
男子達が用意しているゲームなのできっとエロい要求もあるんだろうがこれはチャンス!私の自慢のボディで撃ち落としてあげる!
最初の王様は男子が引き、命令は3番が4番にビンタで3番が妹で4番が初恋相手だった。
私は妹に手加減しなさいよと耳打ちして妹は親指を立て『任せて!』と・・・・不安でしかない!
バチィィィィィィィィィィィィン!!!
手加減してその威力!!!初恋相手は派手に吹き飛んだ。
次の王様は女子が引き、命令は6番が次の命令が終了するまで語尾に『にゃん』をつけるだった。
「お姉ちゃんお姉ちゃん、コーラ頼んでいいにゃん?」
お前かい!!!
次の王様は男子で、命令は5番と6番が1分間ディープキスだった。
いきなりぶっこんできやがった!!!と思ったら男子同士だった。初恋相手が男子とキス!女子ではないのが唯一の救いか?
妹は鼻息を荒げスマホで写真を激写していた。
無理矢理気を取り直して再開する。
次の王様は妹だった。
妹は私の手元をチラッと見て命令を1番と2番が次の命令が終わるまで手を繋ぐ。
私は1番、そして2番は初恋の人だった。
『きゃあああああああ!ナイス!ナイスアシストよ!妹!上手くいったら今度お寿司を奢ってあげる!』
次の王様はまたしても妹、初恋の相手の覗き見た番号と私を番号を妹に合図を送る。
命令は2番と4番がキス。
私と初恋の人だった。
『妹!!!お寿司は特上よ!!!』
それが決め手になって私は初恋の人と付き合うことになる。
そしてちゃっかり妹も合コンに来ていた男と付き合い出したらしい。
私は幸せだった。
そして大学を卒業を機に私達は結婚したが、すぐその幸せは崩れ去るのだった。
結婚して一年後に旦那の実家が経営していた会社がプロジェクトを失敗して大赤字を出し巻き返すことが出来ずに倒産となった。
旦那もクビになり新しい会社に入るも上手くいかず入って辞めてを繰り返しになり、働かずに酒を煽るようになった。
旦那は私にナイショで闇金から金を借りていて借金の返済のために私がAVに出るはめになったり、旦那が薬物で捕まったり、散々な目に合っていると旦那の借金を妹夫婦が返済したと連絡を受けた。
そして私は数年振りか妹に再会する。
妹も合コンで知り合った男と交際を続け結婚していたようだ。
妹夫婦は高級マンションに住んでいた。
妹の旦那は起業して成功を収めていた。
「久し振りお姉ちゃん」
私に微笑む妹が憎たらしかった。
妹は綺麗になっていた。あの地味子がと信じられないでいると。
「お父さんとお母さんが心配してたよ」
嘘よ!私が闇金の借金の事を相談しても自分でなんとかしろと冷たくしてきたくせに!私がアダルトビデオに出ていたと知って世間の体裁を気にして関わろうとしなかったくせに!
「そうだ、お姉ちゃんに報告があるの。僕ね子供が出来たんだよ。あの人の子供、やっと出来たんだよ、夫が跳び跳ねて喜んで今からベビーグッズを買い集めちゃてるんだよ、もう」
クスクスと幸せそうな妹の顔を見て、気が付くと私はマンションのベランダから妹を突き飛ばしていた。
私は逃げた。
殺人容疑で全国で指名手配されようとも逃げ続けた。
体を売り逃走資金を調達しながら逃げ続けた。
逃走途中、捕まっていた旦那が出所してヤクザに殺されたとニュースを見たがどうでもよかった。
むしろスカッとしていた。
5年ほど逃走していた私を見つけ出したのは、妹の旦那だった。
「やっと、見つけたぞ」
私の潜伏先の廃屋で妹の旦那と対峙している。
「待ちなさいよ!アイツが全部悪いのよ!不幸のどん底にいた私に幸せ自慢なんてするのが悪いのよ!全部全部全部全部全部全部全部!!!アイツが悪いのよ!アイツがあんな男を私に押し付けるのが悪いのよ!それより貴方は妹と本当に上手くいってたの?あの子言ってたわよ!やっと出来た子供だって!本当はあんな女を愛していなかったんでしょ!もしかして死んだ妹に5年間操立ててた訳じゃないでしょ?馬鹿じゃないの?なんなら私の体で気持ち良くしてあげようか?」
ドシュ!!!
近づいた私の胸に妹の旦那は包丁を突き刺した。
「押し付ける?何を言っている?あれはお前がセッティングした合コンだったろうが!」
倒れた私に馬乗りになり包丁を突き刺しす。
「ぐぞっ!ぐぞっ!じね!死ね!死ね!」
ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!
男は何度も女に包丁を突き刺す。女は既に息をしていない。しかし男は止まらない。
『大丈夫だよ』
彼女の声が聞こえた気がした。
男は廃屋に火をつけ座り込む。
彼女の仇を討った男は彼女との思い出に浸る。炎の拡がる廃屋の中で。
あの合コンで、俺は気になる女の子がいて思い切ってデートに誘ってみた。
「帰ってゲームするから無理」
そう言って帰ろうとする彼女の腕を掴んでしまった。
「俺の家にもゲームがあるから、その、」
「・・・・私のやりたいのエロゲーだけど?」
え?エロゲー?持ってない、いや、確か兄貴がやってた気がする!
「あるぞ!あるよ!ウチに、」
「何してるの置いてくよ!」
ウチに誘うことが出来た俺は、土下座して兄貴にエロゲを貸して貰おうとする。
「頼むよ兄貴!二時間くらいでいいからパソコンとゲームを貸してくれよ!弟の恋路を手助けしてくれよ!」
「断る!しかも女の子とプレイするためだと!なんて羨ましい!じゃなかった!けしからん!断固拒否する!」
「兄貴、ね!頼むよ!」
「・・・・俺のは結構キツメのエロゲなんだよ」
「え?エロゲのキツメって何?BLってやつか?女の子でエロゲやるならそのくらい、」
「BLは全然キツくないはこの馬鹿物が!俺もBLを嗜むが全然だは!ふう!仕方がない、だがな貸すのはいいがすぐバレるぞ?」
「俺だってエロ本を読んだことがあるし話を合わせるくらい、」
バチィィィィィィィィィィィン!!!
「この大馬鹿者がああああああああ!!!エロスとは相手に合わせるものじゃない!己をさらけ出す物なんだよ!魂の叫びなんだよ!相手は男に、しかも他人にエロゲを嗜むと言える猛者なんだぞ!そんな猛者を相手にお前は小手先だけで挑もうとしている!無謀だ、無謀過ぎる!例えるなら相手は戦車、お前は水鉄砲くらいに!」
「そ、そんなに差があるのか!」
「パソコンは俺の前使ってた奴をやる!ただしソフトは今から買いにいけ!」
「ふあっ!今から!知り合ったばっかの子と一緒にエロゲ買いにいくのか?」
バチィィィィィィィン!
「この馬鹿者がああああああああ!エロスとは魂の叫びだと言ったはずだ!包み隠すなど愚の骨頂!さらけ出せ!思うがままに突き進むのだ!勇者弟者よ!」
「でも、もしも地雷を踏んで気持ち悪がられたらどうしよ、」
「お前はまだそんなことを言っているのか?全く!」
兄貴は部屋から出て行く。
「ちょっとちょっと兄貴どこ行くの!」
玄関で待たせてしまっていたあの子の場所まできた。
「・・・・?」
あの子は座り込みswitchでダークソウルをプレイしていた。
「実は弟者が嘘をついていたんだ。コイツはエロゲを嗜むことはない。どころか彼女いない歴=年齢だ。女の子と手を繋いだこともないやつだ。ちなみに将来の妹候補よ、スカトロプレイはありかね?」
・・・・兄貴!いきなり何ほざいてるの!
「私はNTRや複数プレイは好みではありませんがスカトロプレイは・・・・アリですかね」
「だそうだ、良かったな弟者。心が広い子で羨ましいぞ爆死しろ」
馬鹿野郎!それじゃ俺がまるでスカトロプレイ好きみたいだろうが!
「妹候補よ。コイツにエロゲを選んでやってはくれないか?これは軍資金だ」
兄貴が女の子に封筒を渡す。
「そうですね、逃げれないようエロゲ専用ショップに引きずり込みましょうか?」
「ここから一番近いショップはエデンだったな。場所は?」
女の子は財布からカードを取り出す。
「行きつけです。ポイントはもう少しで10万いきます」
「ほう、なかなかだな。だが俺は15万だ!」
「お兄さんやりますね?ちなみにお兄さんは?」
「俺は基本なんでもイケるオールオッケーだが、一番好きなのは調教物だな?BL、百合、ロリ、熟女全然アリだ」
「僕もイケますよ。BL、百合、ロリ、熟女も許容範囲ですね。僕が一番好きなのはコスプレ物ですね。魔女っ子、巫女さん、警官、ナース服、バニーガール、チアガール、」
「だそうだ!理解ある子で良かったな!」
玄関先で何言ってるの!
この日、気になる女の子とアダルトショップに行き、自分の性癖を暴露させられるという拷問を受けるのだった。
私は四人家族だったのは覚えている。
両親と私、そして妹だ。
私の両親はかつてオリンピックで銅メダルを取るほどに運動能力が高く、美男美女でよくスポーツ番組に呼ばれて出演したりしていた。私も外見がとても良くテレビに出させてもらったりしていた。
だが、妹は両親や私と違って顔は整っているものの、ダサい眼鏡をかけて、髪も毎日ボサボサの寝癖が常にあり女を捨てて、地味オーラを全身から発している地味地味子だった。
だが、そんな妹は両親から大切にされ甘やかされていた。
私の方が美人さんで綺麗なのに、私の方が勉強でいつも良い成績をとるのに、私の方が両親を困らせず良い子でいるのに。
何故なら妹は・・・・天才だった。
運動能力がやたらと高かった。
その身体能力は海外の強豪選手とも対等に渡り合えるほどであった。
両親は妹にスポーツをさせて自分達が果たせなかった夢を叶えて貰おうとしていたのだ。
オリンピックで金メダルを取る、その夢を妹に託そうとしていた。
だが、妹は『え?ヤダ、だって疲れるもん』と言って、一切スポーツをやろうとはしなかった。
両親はなんとか妹にやる気を出させようと妹を全力で甘やかした。
『この大会で優勝したら何でも好きな物を買ってあげる』
その大会は軽く流して日本新記録を出して優勝。
『この大会で優勝したらどこでも遊びに連れて行ってあげる』
その大会は当時オリンピック最有力候補を完膚なきまでに叩きのめして、その選手を号泣させ、引退を言い出すほどに追い込む圧倒的な成績で優勝した。
家では引き込もってゲームをしているだけの妹が、毎日何時間も練習する選手を圧倒する・・・・才能というのは恐ろしいものだと感じた。
私は両親に甘やかされる妹は不愉快だったが、そこまでは気にはならなかった。
あの時までは、
私は高校生で初恋をした。
彼氏がいなかったわけではない、セックスの経験がないわけではない。今までは告白されたから、なんとなくで付き合ったりしていたが、大好きと思える人はその人が初めてだった。一目惚れだった。
なんとかその人を手に入れようと画策する。
そして、その人を合コンの場に引き出すことに成功した。
だが、勝負の合コン日に女子側の一人が風邪で休むことになったのだ。
しかもその女子は私が用意したブス要員だ。
今回4対4の合コンをセッティングしてもらったが私を除いた残り二人は私には及ばないが十分に可愛い。
だから一人くらいそこそこ可愛いブス要員を用意したのに!
合コンまで時間がない!
そこで目に留まったのは車庫で作業着を着てバイクを弄ってる妹だった。
私は妹にすぐさま合コンの補充要員として連れていこうとする。
妹は凄い嫌そうな顔をして渋る。
私は妹の弱味を握っている。
『アンタが来ないならお父さんとお母さんに18禁のエロゲー買ってるのバラすから!』
まあ、私も妹の部屋に勝手に入ってゲーム機やソフトやファンブック等を持ち出して読んだりやってるけどね。
最近は乙女ゲームにハマってる。
妹の部屋は床に雑誌やゲーム、パソコンやバイクのパーツや工具などが散乱している。何か無くなっても滅多に気付かない。
私の言葉に妹は渋々了承した。
合コンまで時間がなかったため、私が先に行って妹は身なりを整えてこいと指示して家を出た。
決戦場カラオケボックスで女子三人男子四人で合コン開始。
他の三人の男子もカッコいいがやはり私の初恋相手は別格だった。他の女子も予定と違いその人を狙いだした。
暫くすると妹到着。
・・・・コイツに頼むんじゃなかったと後悔する。
妹は合コンにジャージにサンダルで来たのだった。しかも体からガソリンか油の匂いがしていた。
皆が妹を見て大声で笑う。
が、そこから空気がガラリと変わった。
先ほどまで反応が薄かった私の初恋相手が、積極的に私の妹に話掛けている。
しかし当の妹は、『お姉ちゃんお姉ちゃん、僕唐揚げ食べたい』と私の袖を引っ張りねだっている。
空気を変えるために定番中の定番、王様ゲームをする事になった。
男子達が用意しているゲームなのできっとエロい要求もあるんだろうがこれはチャンス!私の自慢のボディで撃ち落としてあげる!
最初の王様は男子が引き、命令は3番が4番にビンタで3番が妹で4番が初恋相手だった。
私は妹に手加減しなさいよと耳打ちして妹は親指を立て『任せて!』と・・・・不安でしかない!
バチィィィィィィィィィィィィン!!!
手加減してその威力!!!初恋相手は派手に吹き飛んだ。
次の王様は女子が引き、命令は6番が次の命令が終了するまで語尾に『にゃん』をつけるだった。
「お姉ちゃんお姉ちゃん、コーラ頼んでいいにゃん?」
お前かい!!!
次の王様は男子で、命令は5番と6番が1分間ディープキスだった。
いきなりぶっこんできやがった!!!と思ったら男子同士だった。初恋相手が男子とキス!女子ではないのが唯一の救いか?
妹は鼻息を荒げスマホで写真を激写していた。
無理矢理気を取り直して再開する。
次の王様は妹だった。
妹は私の手元をチラッと見て命令を1番と2番が次の命令が終わるまで手を繋ぐ。
私は1番、そして2番は初恋の人だった。
『きゃあああああああ!ナイス!ナイスアシストよ!妹!上手くいったら今度お寿司を奢ってあげる!』
次の王様はまたしても妹、初恋の相手の覗き見た番号と私を番号を妹に合図を送る。
命令は2番と4番がキス。
私と初恋の人だった。
『妹!!!お寿司は特上よ!!!』
それが決め手になって私は初恋の人と付き合うことになる。
そしてちゃっかり妹も合コンに来ていた男と付き合い出したらしい。
私は幸せだった。
そして大学を卒業を機に私達は結婚したが、すぐその幸せは崩れ去るのだった。
結婚して一年後に旦那の実家が経営していた会社がプロジェクトを失敗して大赤字を出し巻き返すことが出来ずに倒産となった。
旦那もクビになり新しい会社に入るも上手くいかず入って辞めてを繰り返しになり、働かずに酒を煽るようになった。
旦那は私にナイショで闇金から金を借りていて借金の返済のために私がAVに出るはめになったり、旦那が薬物で捕まったり、散々な目に合っていると旦那の借金を妹夫婦が返済したと連絡を受けた。
そして私は数年振りか妹に再会する。
妹も合コンで知り合った男と交際を続け結婚していたようだ。
妹夫婦は高級マンションに住んでいた。
妹の旦那は起業して成功を収めていた。
「久し振りお姉ちゃん」
私に微笑む妹が憎たらしかった。
妹は綺麗になっていた。あの地味子がと信じられないでいると。
「お父さんとお母さんが心配してたよ」
嘘よ!私が闇金の借金の事を相談しても自分でなんとかしろと冷たくしてきたくせに!私がアダルトビデオに出ていたと知って世間の体裁を気にして関わろうとしなかったくせに!
「そうだ、お姉ちゃんに報告があるの。僕ね子供が出来たんだよ。あの人の子供、やっと出来たんだよ、夫が跳び跳ねて喜んで今からベビーグッズを買い集めちゃてるんだよ、もう」
クスクスと幸せそうな妹の顔を見て、気が付くと私はマンションのベランダから妹を突き飛ばしていた。
私は逃げた。
殺人容疑で全国で指名手配されようとも逃げ続けた。
体を売り逃走資金を調達しながら逃げ続けた。
逃走途中、捕まっていた旦那が出所してヤクザに殺されたとニュースを見たがどうでもよかった。
むしろスカッとしていた。
5年ほど逃走していた私を見つけ出したのは、妹の旦那だった。
「やっと、見つけたぞ」
私の潜伏先の廃屋で妹の旦那と対峙している。
「待ちなさいよ!アイツが全部悪いのよ!不幸のどん底にいた私に幸せ自慢なんてするのが悪いのよ!全部全部全部全部全部全部全部!!!アイツが悪いのよ!アイツがあんな男を私に押し付けるのが悪いのよ!それより貴方は妹と本当に上手くいってたの?あの子言ってたわよ!やっと出来た子供だって!本当はあんな女を愛していなかったんでしょ!もしかして死んだ妹に5年間操立ててた訳じゃないでしょ?馬鹿じゃないの?なんなら私の体で気持ち良くしてあげようか?」
ドシュ!!!
近づいた私の胸に妹の旦那は包丁を突き刺した。
「押し付ける?何を言っている?あれはお前がセッティングした合コンだったろうが!」
倒れた私に馬乗りになり包丁を突き刺しす。
「ぐぞっ!ぐぞっ!じね!死ね!死ね!」
ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!
男は何度も女に包丁を突き刺す。女は既に息をしていない。しかし男は止まらない。
『大丈夫だよ』
彼女の声が聞こえた気がした。
男は廃屋に火をつけ座り込む。
彼女の仇を討った男は彼女との思い出に浸る。炎の拡がる廃屋の中で。
あの合コンで、俺は気になる女の子がいて思い切ってデートに誘ってみた。
「帰ってゲームするから無理」
そう言って帰ろうとする彼女の腕を掴んでしまった。
「俺の家にもゲームがあるから、その、」
「・・・・私のやりたいのエロゲーだけど?」
え?エロゲー?持ってない、いや、確か兄貴がやってた気がする!
「あるぞ!あるよ!ウチに、」
「何してるの置いてくよ!」
ウチに誘うことが出来た俺は、土下座して兄貴にエロゲを貸して貰おうとする。
「頼むよ兄貴!二時間くらいでいいからパソコンとゲームを貸してくれよ!弟の恋路を手助けしてくれよ!」
「断る!しかも女の子とプレイするためだと!なんて羨ましい!じゃなかった!けしからん!断固拒否する!」
「兄貴、ね!頼むよ!」
「・・・・俺のは結構キツメのエロゲなんだよ」
「え?エロゲのキツメって何?BLってやつか?女の子でエロゲやるならそのくらい、」
「BLは全然キツくないはこの馬鹿物が!俺もBLを嗜むが全然だは!ふう!仕方がない、だがな貸すのはいいがすぐバレるぞ?」
「俺だってエロ本を読んだことがあるし話を合わせるくらい、」
バチィィィィィィィィィィィン!!!
「この大馬鹿者がああああああああ!!!エロスとは相手に合わせるものじゃない!己をさらけ出す物なんだよ!魂の叫びなんだよ!相手は男に、しかも他人にエロゲを嗜むと言える猛者なんだぞ!そんな猛者を相手にお前は小手先だけで挑もうとしている!無謀だ、無謀過ぎる!例えるなら相手は戦車、お前は水鉄砲くらいに!」
「そ、そんなに差があるのか!」
「パソコンは俺の前使ってた奴をやる!ただしソフトは今から買いにいけ!」
「ふあっ!今から!知り合ったばっかの子と一緒にエロゲ買いにいくのか?」
バチィィィィィィィン!
「この馬鹿者がああああああああ!エロスとは魂の叫びだと言ったはずだ!包み隠すなど愚の骨頂!さらけ出せ!思うがままに突き進むのだ!勇者弟者よ!」
「でも、もしも地雷を踏んで気持ち悪がられたらどうしよ、」
「お前はまだそんなことを言っているのか?全く!」
兄貴は部屋から出て行く。
「ちょっとちょっと兄貴どこ行くの!」
玄関で待たせてしまっていたあの子の場所まできた。
「・・・・?」
あの子は座り込みswitchでダークソウルをプレイしていた。
「実は弟者が嘘をついていたんだ。コイツはエロゲを嗜むことはない。どころか彼女いない歴=年齢だ。女の子と手を繋いだこともないやつだ。ちなみに将来の妹候補よ、スカトロプレイはありかね?」
・・・・兄貴!いきなり何ほざいてるの!
「私はNTRや複数プレイは好みではありませんがスカトロプレイは・・・・アリですかね」
「だそうだ、良かったな弟者。心が広い子で羨ましいぞ爆死しろ」
馬鹿野郎!それじゃ俺がまるでスカトロプレイ好きみたいだろうが!
「妹候補よ。コイツにエロゲを選んでやってはくれないか?これは軍資金だ」
兄貴が女の子に封筒を渡す。
「そうですね、逃げれないようエロゲ専用ショップに引きずり込みましょうか?」
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「行きつけです。ポイントはもう少しで10万いきます」
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「だそうだ!理解ある子で良かったな!」
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