婚約破棄、絶望~そしてゴブリンの巣穴から始まる再生の物語

アカヤシ

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第17話 グレゴリオがやらかす

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「くっ!ならこれならどうだ!」

グレゴリオは地面や空中から闇の魔力で構成された鎖を繰り出し対象の動きを封じようとしたが、

ギャリギャリギャリギャリ!!!

対象が纏う風に阻まれ、風の障壁を破壊する前に対象が鎖の包囲を突破する。

グレゴリオは双銃をホルスターから抜き、対象に向け乱射する。

風と火の魔力で構成された弾丸が対象に襲い掛かるが、その対象はそれらの弾丸を軽々と回避し続ける。

『ヤミ様、貴女は本当に下位の冒険者だったのですか!』

グレゴリオが今戦っているのはヤミである。ヤミが朝食前に鍛練しようと誘われ、グレゴリオはヤミのお誘いを断るわけがなく即了承したがちょっと後悔している。ここで格好いいところを見せてやると張り切って挑んだのだが、

鎖と弾丸を掻い潜り接近され焦るグレゴリオは、ヤミが繰り出す刺突の連撃をそれぞれ銃の先から風と火の短剣を作り出しなんとか防御する。

『ヤミ様、ひょっとして・・・・』

グレゴリオは気付いた。ヤミが自分が対処できるギリギリのギリの力加減でいたぶっていることに。

『やっぱりベッドに潜り込んだ事を怒っているな、ちょっと痛い目を合わせてやろうってところか?だが!!!』

ガキィィィィィィィン!!!

グレゴリオは細剣をはじきヤミを仰け反らせる。

『我々の業界では・・・むしろご褒美!!!』

感情が高ぶるグレゴリオは今度は自分からヤミに近付き接近戦を仕掛ける。グレゴリオの動きにヤミはちょっぴりビクッとなったがすぐに気を持ち直させグレゴリオを迎撃する。

ガキィィン!キィン!ドン!ドン!ガキィ!キィン!

刃と刃の接触音と銃声が鳴り響く。

一分ほどは拮抗していたがすぐにヤミに押し返させられる。

『近接格闘が今後の課題だな!だが、まだまだ!ヤミ様に満足していただくまでは持ち堪えてみせる!!!』

グレゴリオが汗を滲ませ苦しい顔色を浮かべ始めるがヤミの細剣の連撃は力加減はされているのだろうが速度が徐々に上がってきている。

『やべっ!息が、できねえ!ヤミ様が俺の苦しい表情を見て笑らってる!くそおおお!欲情する暇なンざねえよ!』

ガキャン!!!ガキィィン!!!

グレゴリオは連撃に耐えきれず双銃が手よりこぼれ落ち、腹部にヤミの蹴りが入り、グレゴリオは高速回転しながら後方に吹き飛んだ。

『・・・・ん?あれ?なんか唇に柔らかい感触が何だこれ?しかも良い匂いがする?』

グレゴリオが目を開けるとヤミに膝枕されていた。

「五分くらい気を失ってたわよ」

『・・・・ヤミ様の膝枕だと!!!ってしまった!!!』

グレゴリオは無意識にヤミのお尻に手を伸ばし撫でていた。

『やっべ・・・復帰した早々死んだわコレ。どうせ死ぬならせめて触ったまま死のう』

グレゴリオは瞼を閉じ、最後の審判が下されるまでヤミのお尻を撫で回す事を選び触り続けるが、いまだにギロチンの刃が落ちてこない。

「私は中古品どころか粗悪品なのよ」

ヤミが何かを言ったようだが声が小さ過ぎてよく聞こえなかった。

ヤミが突然立ち上がっためグレゴリオは地面に頭をぶつける。

「いったっ!ヤミ様立ち上がるなら言って下さいよ」

「うるさい、やり過ぎたお詫びはしたからね」

ヤミは早々とラジム村に戻っていったが、グレゴリオは近くの林の中に入って行き辺りに人がいないのを確認してズボンを下ろして自身の男根を弄りだした。

「ヤミ様、ヤミ様、うう、ヤミ様の太腿、ヤミ様のお尻」

現在グレゴリオとヤミは旧ラジム側に拠点を置いているが新ラジムも残してあるのだ。
旧ラジム村に戻ってもよいと国からの許可を得たが、全員は住める場所がない。実は毒竜に特攻させられるはずだった兵士達は軍に帰還せず、新ラジムに住み着きだしたのだ。
それにより新ラジム村の問題である周辺の魔物も兵士達が討伐して問題が片付き、泉の精霊が出現した村の中心に井戸を作り生活で使う水を確保でき食料も毒竜討伐報酬で大量に手に入った。それにせっかくヤミが作り出した壁ももったいないと。
そこで兵士達と村長夫妻と開拓希望者を新ラジム村に残し、旧ラジム村はサミが新村長となり帰ることを望む者を連れ帰ってきたのだがグレゴリオだけがテント住まいなのだ。
というよりヤミからの罰としてテント暮らしを強制させられているのだ。
ヤミ様以外の女性に手を出す気は全くなく、かと言ってヤミ様には絶対に頼めない。
テントだから外が気になって集中できないので仕方なく人気のないところで自分で処理するしかなかった。

「うっ、出る!ヤミ様!ヤミ様!」

「ちょっとグレゴリオ、朝御飯が冷め、るわ、よ」

『・・・・最悪、だ、』

グレゴリオはズボン下げて下半身露出のうえ男根フル勃起状態の射精した大量の精液がヤミの顔にヒットし、射精を止めることが出来ずヤミの服も汚していく。
グレゴリオは顔を青ざめさせるがヤミを自分の精液で汚したことに興奮して下半身が萎えることなく勃起していた。

バチィィィィィィン!!!

ヤミのビンタがグレゴリオの頬にヒットした。ヤミから与えられる痛みを快楽に変える変態のグレゴリオでも今度こそ下半身が完全に萎えさせた。

ヤミに頬に涙が流れる。

「ばか、せっかく朝ご飯が冷めないように持ってきてあげたのに。やり過ぎちゃったかなって、謝ろうと思ったのに、ぐすっ、ばか、ばか、ぐすっ、」

本格的に泣き出したヤミ。

「ヤミさーん、グレゴリオさん、見つかっ、た?」

そこに新ラジムの村長となったサミがやって来て現場を目撃。
下半身露出させる変態と顔や体に白い物体を掛けられ泣きじゃくるヤミ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『グレゴリオはラジム村に入ることを永久に禁じ、ヤミに半径200m以内に近づくことを禁じる』

村の入り口に立てられた看板、荷物を抱えて立ち尽くすグレゴリオ。

グレゴリオ、ラジム村追放される!!!!
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