久し振りに実家の喫茶店に帰って来たら不良(レディース)のたまり場になっていた件

アカヤシ

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第5話 灯士夜子 その4

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『冗談はこれくらいにして、』

はあああああああ?へ?どっから冗談?

『俺達レッドナイトのメンバーにはそれぞれ夢がある。助虎創地はラーメン屋で自分の店を持つ、女峰覇鷹は歌手で有名になる、剛角拓海は実家の修理屋を継ぐ、一条闘魔はプロボクサーで世界を獲る。俺は秘密だ。だがアイツは踏み出せずにいた。俺達がいなくなればまた九頭神のような連中が現れるんじゃないかと。俺は一度離れちまったが、アイツ等は生まれ育ったこの町が大切に思ってる。九頭神が強大で手に負えなくなった時、引っ越し先にまでやって来て俺に力を貸してくれと土下座しにくらいにな。そしてアイツ等は俺に遠慮しているようだ。俺は好きでこの町に居座ってんのにアイツ等は俺をこの町に縛り付けてしまったなんて思っているらしい。全く馬鹿共はいつまでたっても馬鹿だった。俺達の役目は九頭神をブラックドラゴンを潰した。その時点で終わるべきだったと気付いた。俺達が最後にすべきことは、次の世代に託す事だけだ。俺達の存在がいつまでも居座るべきじゃなかった。もっと早くにこうするべきだった。創地はバイトのラーメン屋に他県に支店を開くから本格的に修行する気で一緒に来ないかと誘われて、覇鷹は芸術事務所から声が掛かってる、闘魔は今のジムではなく有名なジムに移籍してからプロ試験を受けようか。拓海も本当は高校なんて行かずに修行屋で修行したいって言っていたしな。創地や覇鷹は迷って返事は待って貰ってる。馬鹿共の背中を押してやるのもチームのリーダーの役目だ。俺はこの町を出る。俺達が去った後の事は心配だが頼もしい後輩がいる。俺達の跡を継いでくれそうな奴がな。青園春陽だ』

は?青園春陽?いやいや私宛ての手紙になんでアイツの名前が出てくるの?ここは私の名前を出すでしょ普通は!!!

『現在の力量は青園春陽>鮫島希色>灯士夜子の順番だな。トップ青園春陽だ。そして姉の青園彩夏が作ったチーム、ブルーウェイの頭(ヘッド)にして完全にまとめ上げている。姉の背中を幻想を追うのではなく独り立ちして精神的に成長してくれれば安心して任せられそうだ。だから敢えて最後にアイツを呼び出し青園彩夏と名前とよんで別れ話をした』

『あと実は最初、俺はお前を連れて行こうと思ってた』

なぬ?え?どういう?

『良い学校に入れば良い人生を送れるわけじゃない。少なくとも俺はそう思ってる。夜子は将来の事を決めきれずにいたからもっと広い世界を見せて選択肢を増やしてやりたいと思ったが、ダチに止められた。お前がいき遅れると言われてな。そのダチにいつもお前の事を相談していた。夜子がたまに洗濯前の俺の服に顔を埋めて匂いを嗅いでいる事や俺の歯ブラシを使ったり俺にやたらとマッサージしたがったり俺に買う下着を選ばせたり風呂で背中を流したいと言い出したりした事を』

ぎにゃあああああああああああ!!!気付かれてた!!!見られてた!!!しかもそれを人に話したの!!!

『ダチが言うにはそれは・・・お兄ちゃん大好きッ子症候群というらしい。よくわからんがお前くらいの年頃の女にかかりやすく年上の男に優しくされると兄のように思い慕いだし、理想の男性像を兄と重ねて要求基準が高くなりメインヒロインに出し抜かれ結ばれる事はなく結果嫁にとつぎ遅れる、又は一生独り身になる恐れがあるらしい。兄として、ここは突き放し独り立ちできるよう影から応援するスタイルにしてはどうかとな。そういえば小さい声で俺達ズッ友、抜け駆けはさせねえと言っていたが、拓海のやつあれはどういう意味だったのだろうか』

とりあえず剛角拓海は殴るリストの三位くらいにランクインします。ちなみに一位は断トツの義理姉だ。

『俺はお前を大切に思ってる。大事な妹の行く末が気になりずっと側にいて応援してやりたかったがそれは無理そうだ。最後に一言言っておく、、、、、、』

・・・・男気先輩、最後の一言書き忘れてるうううう!!!

すすすううううう!!!息を吸ってええええ!!!はあああああああ!!!息を吐いてええええ!!!

男気先輩が青園に期待している。私は三人の中で一番下と思われている。

すすうううううううう!!!!息を大きく吸ってええええ!はあああああああ!!!吐いてええええええええ!!!

落ち着け私!!!落ち着つくのよ!!!この手紙を読んで思ったこと・・・・これ、ワンチャンスあるんじゃね?

コレだ!!!!!

私が好感度は高めと見た!!!他の二人をブチ抜いて私がこの町を守っていけば!!!きっと男気先輩は他の二人に愛想を尽かして私に靡くはず!!!予想を越えた成長を見せたら!!!

青園彩夏と鮫島希色の屍の立ち、拳を天に掲げる誇らし気の灯士夜子の前に男気が現れる想像をする。

『なんて凄い成長を遂げたんだ夜子!!!それに比べて他の二人ときたら失望し過ぎて声もでないぜ。やっぱり俺は夜子が一番だったと心の中では思ってたさ。こんなに立派になって!!!俺は感激したぞ!!!それにいつの間にかそんなに魅力的な女性としても成長して!!!もう辛抱堪らんですな!!!夜子オオオオオオオオ!!!』

「ダメっ!!!男気先輩!!!そんな強く抱き締めないで私が壊れちゃいます!!!逃げませんから!!!こんなところで!!!は、初めては、ベッドがいい、です・・・・みたいな!!!!!」

男気に抱き締められベッドインの妄想に耽る夜子。暫くすると現実に帰還してきた。

夜子は息を荒げながら自分の部屋を出て男気の部屋の前にやってきた。ドアノブに手をかけ回すが鍵が掛かっていて開かない。

ドバキャアアア!!!

あろうことかヤクザキックをドアに叩き込み無理矢理部屋へと侵入すると夜子はタンスを開け中を物色し始め目的の物を見つけ出す。

赤い短ラン。男気一本の愛用していた学ラン。

夜子はそれに顔を埋めて匂いを吸引。夜子は帰還したはずだったが、いまだに妄想の世界へと旅立っていた。

服に顔を埋めたまま男気の使っていたベッドに寝っころがりクンカクンカと匂い嗅ぎ続ける夜子。その様は変態としか呼べなかった。

「あ・・ッ!・・・ん・・・あん」

夜子は胸に手を伸ばし自分で軽く揉み始める。

「はあ・・・んんん・・・あ・・・ああ」

夜子は秘所に手を伸ばしパンツ越しに撫で始める。

「んんんん!!!男気先輩!!!先輩!!!」

夜子は快感を求め激しくなっていく。

「下着越しなのに・・・こんなに・・・ビチャビチャになっちゃってるよ・・・先輩に・・・触られる想像するだけで・・・エッチなおつゆが・・・こんなに」

ベッドに染みを作ることお構い無しに夜子の自慰は更に激しさを増す。

「男気先輩の・・・太い・・・逞しい・・・チンコが・・・私の中に・・・んんんんんんンンンンンンン!!!!ふああああああああああ・・・気持ちいいよ。先輩もっと・・・乳首、吸って・・・アソコが・・・先輩のが熱い・・・」

快感に狂ったようなだらしない淫乱顔で学ランと一緒に手に入れた男気の下着が涎まみれになるほどチュパチュパと口でくわえたり舐めたりし始める夜子。洗濯済みの服であるはすが夜子の鼻は男気の匂いを感じとり体を熱くさせる。

「出して出して出して!!!先輩!!!好き!!!大好き!!!中に出して!!!んんんんんんんんんああああああ!!!イクイクイク!!!!」

夜子は絶頂に達して体をビクンビクンと震わせ切れ切れの嬌声を喘いだ。

「ふうううううん・・・はあはあはあはあ・・・気持ち・・・良かった」

夜子は少しずつ全身の力を抜き男気のベッドに身を委ねる。

「・・・スッキリした・・・というかヤってしまった」

夜子はやっと現実に帰ってきた。時間にして二時間ぶっ続けで自慰行為をしてやっと帰って来た。

夜子は自身が着ていた制服ではなく男気の短ランを着用する。自身の制服は・・・その色々凄いことになっていたのでとりあえず帰ってから後始末をしよう。現実逃避しながらもバレないように夜子の蹴りによって吹き飛んだドアを起こし穴はポスターを貼って隠す。

「ドアってホームセンターとかに行けばあるよね」

夜子は家を出て友人が呼び出された場所へ向かうため家の外を出て歩き始めた。

「時間まで大分あるから今の内に隠れて奇襲した方がいいかな?」

夜子は足を止める。何故なら今日は定休日のはずが夜子が帰ってきた時は電気が点いてなかったはずが今は点いており、店の外にまで笑い声が聞こえてきた。

「あれ?営業してる?いや、けど定休日の看板があるのに?」

夜子は店に入っていく。もしものことがあるかもしれない。一子さんには伝えとこうと思ったのだが夜子は扉を開けたまま固まった。

そこには一子さん、そして通称マサさんと呼ばれる常連客と何故か顔を知る人物。

茶髪でサイドポニーの規定よりスカートの丈が短い制服を着ている女子。カウンターに座り一子さんと楽しそうに談話している幼馴染の猿飛雛(サルトビヒナ)。
その隣には丼を一心不乱に食べるマッチョなデカ女。ウチの中学で一番の有名人。柔道全中の三年連続の覇者である吉田川極(ヨシダガワキワ)。
吉田川の隣には何故か金属バットを磨いている女子がいる。たしかソフトボール部の清宮弾歩(キヨミヤハズム)。
何故か店の床に座布団を敷き、木刀を床に置き正座して精神統一をするかのように目を閉じて綺麗な姿勢で座る、同じクラスの剣道部の部長の志村楓(シムラカエデ)。
そして何故かグルグルに鎖で体を巻かれ、簀巻き状態にされている私に相談してきた右京和葉(ウキョウカズハ)だった。

「よお、夜子!やっと帰ってきたんかい!」

いや吉田川よ、初めて話す相手を名前で呼ぶんかい!

「わりい、お前の姉ちゃんと姉ちゃんの彼氏をブッ飛ばしちまった!彼氏の方が骨折させちまった!悪い悪い!けど悪意があってやったわけじゃねーからな!」

手を合わせ頭を下げるマッスル女の吉田川極の言葉に困惑する夜子であった。

「初めから説明してあげないと灯士殿はわからぬで候う。吉田川殿」

「そりゃそうか!お前ん家に行ったんだけどさあ、」

「吉田川は黙っているといい。初めまして灯士さん。私は清宮弾歩。弾歩って呼んで」

「ああ、えっと灯士夜子。こっちも夜子で呼んで」

「わかった夜子。で、なんで貴女の家に行ったのか、それは事の発端が右京和葉がウチのソフトボール部のバットを盗みに入ったところから始まるの」

「バットを盗みに?」

「理由を聞いたら売り飛ばしたりするんじゃなくて武器にしようとしたみたい。あと剣道部から防具と木刀を持ち出してね。理由を聞いたら夜子が悪い奴等のアジトに一人で乗り込むって言うから自分もって。それを聞いた吉田川は面白がってついてきた。貴女は早退したって聞いたから雛には貴女の家に案内してもらう為に」

「家についたら庭でアンタの姉と彼氏が全裸でセックスしてたのはビックリしたわ」

ケラケラと腹を抱えて笑う猿飛雛。

「で、彼氏が私達(吉田川以外)に手を出そうとしたから」

「楓が木刀で成敗って彼氏のアソコ潰して、トドメに極が投げ飛ばして道路まで飛んでいった先で車にぶつかっちゃった。お姉さんは私に掴み掛かってきたのを見て、咄嗟に極が助けてくれたんだけど、その、一本背負いでお姉さんを・・・」

「断りもなく某の肩に手を置いたあの男が悪いで候う」

「レディに向かって筋肉気持ち悪いとか言ってきやがったアイツらが悪い」
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