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第7話 灯士夜子 その6 『受け継がれた』
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喫茶店の駐車場にマサが乗ってきた大型トラックの荷台に載せられた4台のバイク。
赤に統一された三機『Z1000ローソン』『CB400FOUR』『GSX400FSインパルス』『CBFボルドールⅡ』のとシルバーのカバーが被せられた『ZⅡ』
Z1000ローソンは志村楓が乗り、CB400FOURは猿飛雛、GSX400FSインパルスは吉田川極と身長の都合により吉田川と2ケツの清宮弾歩。
残るはボルドールⅡとZⅡが残り、もしZⅡに乗れなくても最悪ボルドールⅡに乗って敵地へ乗り込めばいい。だが夜子の頭には乗れなかったら場合など微塵すら考えていない。今彼女の脳内では。
『男気先輩が座っていたシートに私が!男気先輩が座ってシートに私が!あああああああ!私と先輩が重なり合っちゃうんだあああああ!!!卑猥だ!!!卑猥だ!!!』
彼女の脳内では既にお祭り状態。へたをすれば男気の部屋に戻り自慰行為ラウンド2に突入しかねないレベルである。
夜子はZⅡに掛けられたカバーを思い切り剥ぎ取る。他の者も妖車と呼ばれる単車が気になり注目していたが、姿を現したZⅡを見た瞬間固まった。夜子に至っては思い切り地面に倒れ込んだ。
それも無理はない。何故なら見た目がボロボロだったのだ。
明らかにおかしいレベルだ。海中に何十年沈んでいて今日の為にサルベージしてきましたwwwと言われたら信じてしまうくらいに酷すぎる。少し前まで男気一本が乗っていたとは信じられないほど老朽化したバイクだったのだ。
こんなバイクじゃ走るどころかエンジンすら掛からないだろう。
騙されたと思うのは無理はない。
「夜子ちゃん、男気一本は選んだんだよ」
「え?マサさん?」
「ウチの店にあるヤツを好きに使っていいと言ったのにね。息子がね『俺達が無理矢理頼み込んで来てもらったのにアイツは嫌な顔をせずに即答してくれた!俺もアイツの為に・・・だからバイクの代金は俺が払う!だから親父!ウチのバイクを使わせてくれ!』ってね。最新のバイクも揃えていたウチにあるバイクの中から男気は、カバーに隠れて見えなかったコイツをわざわざ選んだんだよ。このZⅡを」
マサは今でも覚えている。あの日の出来事を鮮明に。このZⅡは先代のオーナーの『女性』はマサのよく知る人物。マサが学生時代によくお世話になっていた先輩の愛機だったから。あの人はこの町を離れる際ウチの店に置いていった。このバイクが『いつか必要になるかもしれない』言い残して。
それ以来ZⅡは一度も公道を走っていない。男気一本がこの町に帰ってきた時、ZⅡが再び『目覚めた』。
先代オーナーである女性の時代もまた混沌の時代だった。
先代オーナーもまた族で『鮮血女帝』と呼ばれ混沌の時代を終わらせた英雄だった。そして男気一本もまた九頭神率いるブラックドラゴンが支配する暗黒の時代を終わらせた英雄だった。
その二人は最新のマシンではなくこの妖車を選んだ。
いわばこのZⅡは選定の剣。
この妖車は絶対に事故らない。
どんな無茶にも答えてくれる。
夜子が恐る恐るZⅡのボディに触れる。するとZⅡに異変が起こる。
まるで脱皮するかの如く車体やフレームの錆が落ちヒビ割れた部分が修復されていく。
その怪奇現象を前に夜子達は驚愕するがマサと一子は違った。
ZⅡのボディペイントの激しく燃え上がる猛炎のような赤から深みのある真っ赤な紅色、真紅に染まった時、マサは大泣きし一子の頬に一筋の涙が零れ落ちた。
真紅は彼女の生きた証。
先代のオーナーの名は『本庄美夜』。いや、結婚後の名は『灯士美夜』。
そう灯士夜子の母である!!!
男気一子と灯士美夜は『付き合っていた仲』だった。当時の知る人間の中には女同士で気持ち悪いと思った人もいるかもしれない。男気一子は過去とある事件で男性不振に陥っていた。それを癒すことができたのは本庄美夜のおかげだった。男気一本の父、一子の夫との出会いも本庄美夜によるものだった。
男気一本と灯士夜子との出会いは偶然ではなかった。
男に襲われたのは偶然であるが一本は始めから夜子を探していたのだ。母である一子の頼みで。
夜子の母である美夜に頼まれたから。
『あの子に寂しい思いをさせたくないの』
自分は病に倒れてベッドから立ち上がることすらできない体になり、短い余命を宣告され、親同士が決めて結婚した夫は仕事が忙しいと言い訳して他の女の家に入り浸って一度も見舞いにすらこない。
夫との関係は美夜がかつて不良だった過去がバレた時点で終わっていたらしい。いや、もしかしたら始めから始まってすらいなかったのかもしれない。
彼女が亡くなる前日『最後のお願い』で病院の外に出た。最後に思い出の場所に行きたかったらしい。町が見渡せる展望園へ行った。彼女は車椅子に乗りマサがそれを押す。一子は彼女の手をずっと握っていた。二人は理解していた。理解してしまった。美夜はもう・・・余命宣告された日までもたないと。もしかしたらこれが本当に最後になるかもしれないと。
その時、辺りに鳴り響くエキゾースト音。その排気音にいち早く反応したのは美夜だった。彼女は激しく動揺していた。あれは彼女のだけが鳴らせる音だったから。
マサは一子と美夜にはZⅡの事を話していなかったのだ。理由は心配させたくなかったから。しかし美夜は納得がいった。入院しているからわかる。ここ最近病院に急患が運び込まれる回数が異常だった。きっとこの町に何かが起きているのだろう。私の時もそうだったから。
美夜はマサと一子に頼む。あのZⅡが走っている姿を見たい。あの音の元へ連れて行ってほしいと。
マサは二人を車に乗せてアクセル全開で走り出す。
「逮捕上等!俺は鮮血女帝の舎弟だぜ!」
この町を知り尽くすマサは相手の進路を完全に読み切り先回りする。そして追い付いた。
追い付いたタイミングで不運にも事故に遭遇する。ZⅡの前を走っているトラックが横転して荷台に乗っていたドラム缶が落ちてきたのだ。マサは急ブレーキをかけてなんとか巻き込まれずにすんだが速度の乗っているZⅡは止まることはできないだろう。だがあろうことかZⅡはアクセル全開で突っ込んでいった。
ウィリー気味の跳躍突進でドラム缶を弾き飛ばす。どうやらドラム缶は空のようだが普通わかっていても絶対にやらない。
「あっ!危ない!!!」
荷物から落ちたドラム缶の一つが歩道へ。歩道には人がたくさんいる。
ZⅡの乗り手は自分に向かってくるドラム缶を今度は後輪を持ち上げて後輪にぶつけドラム缶を歩道に向かうドラム缶に弾き飛ばす。二つのドラム缶は道路脇に植えられた樹木や看板を破壊してしまったものの人への被害はなかった。
ZⅡはそのまま横転したトラックを抜き走り去った。
三人は見送らざるをえなかった。
「・・・格好いい」
美夜はまるで初恋を知った乙女のように頬を染めながらポツリと呟いた。
「格好いいなあ~やっぱりバイクは男の子が乗るのが一番格好いいのかな~?」
次の日彼女は息を引き取った。一子が美夜がこの町に帰って来て再会した時から、彼女は悲しげな笑みしか浮かべなかったが最後は心の笑顔で二人に別れを告げた。
そして現在。
「そんな事ないよ美夜。だって・・・」
レッドナイト改めチーム名をクリムゾンナイトと名付けた彼女達は走り出す。
「貴女の娘の後ろ姿は貴女とそっくりで最高に格好いいんだから」
赤に統一された三機『Z1000ローソン』『CB400FOUR』『GSX400FSインパルス』『CBFボルドールⅡ』のとシルバーのカバーが被せられた『ZⅡ』
Z1000ローソンは志村楓が乗り、CB400FOURは猿飛雛、GSX400FSインパルスは吉田川極と身長の都合により吉田川と2ケツの清宮弾歩。
残るはボルドールⅡとZⅡが残り、もしZⅡに乗れなくても最悪ボルドールⅡに乗って敵地へ乗り込めばいい。だが夜子の頭には乗れなかったら場合など微塵すら考えていない。今彼女の脳内では。
『男気先輩が座っていたシートに私が!男気先輩が座ってシートに私が!あああああああ!私と先輩が重なり合っちゃうんだあああああ!!!卑猥だ!!!卑猥だ!!!』
彼女の脳内では既にお祭り状態。へたをすれば男気の部屋に戻り自慰行為ラウンド2に突入しかねないレベルである。
夜子はZⅡに掛けられたカバーを思い切り剥ぎ取る。他の者も妖車と呼ばれる単車が気になり注目していたが、姿を現したZⅡを見た瞬間固まった。夜子に至っては思い切り地面に倒れ込んだ。
それも無理はない。何故なら見た目がボロボロだったのだ。
明らかにおかしいレベルだ。海中に何十年沈んでいて今日の為にサルベージしてきましたwwwと言われたら信じてしまうくらいに酷すぎる。少し前まで男気一本が乗っていたとは信じられないほど老朽化したバイクだったのだ。
こんなバイクじゃ走るどころかエンジンすら掛からないだろう。
騙されたと思うのは無理はない。
「夜子ちゃん、男気一本は選んだんだよ」
「え?マサさん?」
「ウチの店にあるヤツを好きに使っていいと言ったのにね。息子がね『俺達が無理矢理頼み込んで来てもらったのにアイツは嫌な顔をせずに即答してくれた!俺もアイツの為に・・・だからバイクの代金は俺が払う!だから親父!ウチのバイクを使わせてくれ!』ってね。最新のバイクも揃えていたウチにあるバイクの中から男気は、カバーに隠れて見えなかったコイツをわざわざ選んだんだよ。このZⅡを」
マサは今でも覚えている。あの日の出来事を鮮明に。このZⅡは先代のオーナーの『女性』はマサのよく知る人物。マサが学生時代によくお世話になっていた先輩の愛機だったから。あの人はこの町を離れる際ウチの店に置いていった。このバイクが『いつか必要になるかもしれない』言い残して。
それ以来ZⅡは一度も公道を走っていない。男気一本がこの町に帰ってきた時、ZⅡが再び『目覚めた』。
先代オーナーである女性の時代もまた混沌の時代だった。
先代オーナーもまた族で『鮮血女帝』と呼ばれ混沌の時代を終わらせた英雄だった。そして男気一本もまた九頭神率いるブラックドラゴンが支配する暗黒の時代を終わらせた英雄だった。
その二人は最新のマシンではなくこの妖車を選んだ。
いわばこのZⅡは選定の剣。
この妖車は絶対に事故らない。
どんな無茶にも答えてくれる。
夜子が恐る恐るZⅡのボディに触れる。するとZⅡに異変が起こる。
まるで脱皮するかの如く車体やフレームの錆が落ちヒビ割れた部分が修復されていく。
その怪奇現象を前に夜子達は驚愕するがマサと一子は違った。
ZⅡのボディペイントの激しく燃え上がる猛炎のような赤から深みのある真っ赤な紅色、真紅に染まった時、マサは大泣きし一子の頬に一筋の涙が零れ落ちた。
真紅は彼女の生きた証。
先代のオーナーの名は『本庄美夜』。いや、結婚後の名は『灯士美夜』。
そう灯士夜子の母である!!!
男気一子と灯士美夜は『付き合っていた仲』だった。当時の知る人間の中には女同士で気持ち悪いと思った人もいるかもしれない。男気一子は過去とある事件で男性不振に陥っていた。それを癒すことができたのは本庄美夜のおかげだった。男気一本の父、一子の夫との出会いも本庄美夜によるものだった。
男気一本と灯士夜子との出会いは偶然ではなかった。
男に襲われたのは偶然であるが一本は始めから夜子を探していたのだ。母である一子の頼みで。
夜子の母である美夜に頼まれたから。
『あの子に寂しい思いをさせたくないの』
自分は病に倒れてベッドから立ち上がることすらできない体になり、短い余命を宣告され、親同士が決めて結婚した夫は仕事が忙しいと言い訳して他の女の家に入り浸って一度も見舞いにすらこない。
夫との関係は美夜がかつて不良だった過去がバレた時点で終わっていたらしい。いや、もしかしたら始めから始まってすらいなかったのかもしれない。
彼女が亡くなる前日『最後のお願い』で病院の外に出た。最後に思い出の場所に行きたかったらしい。町が見渡せる展望園へ行った。彼女は車椅子に乗りマサがそれを押す。一子は彼女の手をずっと握っていた。二人は理解していた。理解してしまった。美夜はもう・・・余命宣告された日までもたないと。もしかしたらこれが本当に最後になるかもしれないと。
その時、辺りに鳴り響くエキゾースト音。その排気音にいち早く反応したのは美夜だった。彼女は激しく動揺していた。あれは彼女のだけが鳴らせる音だったから。
マサは一子と美夜にはZⅡの事を話していなかったのだ。理由は心配させたくなかったから。しかし美夜は納得がいった。入院しているからわかる。ここ最近病院に急患が運び込まれる回数が異常だった。きっとこの町に何かが起きているのだろう。私の時もそうだったから。
美夜はマサと一子に頼む。あのZⅡが走っている姿を見たい。あの音の元へ連れて行ってほしいと。
マサは二人を車に乗せてアクセル全開で走り出す。
「逮捕上等!俺は鮮血女帝の舎弟だぜ!」
この町を知り尽くすマサは相手の進路を完全に読み切り先回りする。そして追い付いた。
追い付いたタイミングで不運にも事故に遭遇する。ZⅡの前を走っているトラックが横転して荷台に乗っていたドラム缶が落ちてきたのだ。マサは急ブレーキをかけてなんとか巻き込まれずにすんだが速度の乗っているZⅡは止まることはできないだろう。だがあろうことかZⅡはアクセル全開で突っ込んでいった。
ウィリー気味の跳躍突進でドラム缶を弾き飛ばす。どうやらドラム缶は空のようだが普通わかっていても絶対にやらない。
「あっ!危ない!!!」
荷物から落ちたドラム缶の一つが歩道へ。歩道には人がたくさんいる。
ZⅡの乗り手は自分に向かってくるドラム缶を今度は後輪を持ち上げて後輪にぶつけドラム缶を歩道に向かうドラム缶に弾き飛ばす。二つのドラム缶は道路脇に植えられた樹木や看板を破壊してしまったものの人への被害はなかった。
ZⅡはそのまま横転したトラックを抜き走り去った。
三人は見送らざるをえなかった。
「・・・格好いい」
美夜はまるで初恋を知った乙女のように頬を染めながらポツリと呟いた。
「格好いいなあ~やっぱりバイクは男の子が乗るのが一番格好いいのかな~?」
次の日彼女は息を引き取った。一子が美夜がこの町に帰って来て再会した時から、彼女は悲しげな笑みしか浮かべなかったが最後は心の笑顔で二人に別れを告げた。
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