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王座はボクのもの。
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「……つまらんな」
ロールが向かってこなかったので、王様は退屈そうにあくびをしました。
その仕草にいっそ殺意すら湧いてきます。
今、この子がどんな思いで、ここにいるか。
あなたは考えたことはないのでしょうね。
「父上。あなたこそつまらないよ」
「なに?」
マルドゥアさんの言葉に、ピクリと眉を動かす王様。
マルドゥアさんは嘲笑してみせました。
「女の子煽ってさ。楽しいわけ?」
「いつからか、随分と口が達者になったようだな」
「もうあなたは王様ではなくなるんですよ」
マルドゥアさんが浮き上がり、王様に襲いかかります。
そこからは目が離せぬ攻防でした。
マルドゥアさんの実力は舌を巻くものでありながらも、王様も一歩を譲りませんでした。
最後の最後に一瞬の隙をつき、マルドゥアさんが王様の首元に手を突きつけたのです。
「ボクの勝ちです……!!」
「くそっ、馬鹿な!!」
息絶え絶えにマルドゥアさんがそう言うと、王様が血走った瞳でマルドゥアさんを睨みました。
最初の油断しきっていた態度とは大違いです。
しかし、次の瞬間マルドゥアさんの手を掴んだかと思うと、王様は吠えました。
「私が負けるなど、あってはならない!! ましてや女になど……っ」
「っ」
女?
マルドゥアさんは男のはずでは。
そう思ってまじまじと手を見れば、確かにそこはかなり細いものでした。
「ボクはっ……あなたの操り人形なんかじゃない。もちろん、あの子達も」
「女は大人しく言うことを聞いていればいいのだ!! くそっ、女神の伝承さえ邪魔しなければっ、もっとスムーズに事が進んだはず……」
「関係ありませんよ。いずれ、あなたを玉座から引き摺り下ろすつもりでしたから。それに、いつまで女神の伝承にこだわってるんですか?」
はぁ、とため息をつくと、マルドゥアさんはまるで子供に言い聞かせるようにハッキリ言いました。
「伝承は今では信じる人も少ないんですよ。お伽話としても扱われています。それに、女神が今更復活したとして、過去が嘘だったと言い回って。なにか現状が変わるとでも?」
「なっ」
「変わらないんですよ。男尊女卑って、世界に深く根付いてるんです。そんなお伽話のうんぬんなんて、はなからみんな興味ないんです」
「………」
「だからボクは世界を変える。ボクが世界で、女として2人目の王になるんだ」
そこまで言ったマルドゥアさんに、王は顔を歪めてみせます。
「そこまで王位にこだわるのなら……お前ごと吹き飛ばしてしまおうか」
「!」
「そこまでだ」
くん、とエリクル様が風の魔術を使い、王様の体を浮き上がらせました。
「おい」と咎めるように旦那様が声をかけますが、エリクル様は気にしていないようで。
「勝敗は決したからいいんだよ。それに……君達も見てただろ?」
声をかけたのは、先程まで王様に付き従っていたメイドや執事達。
皆顔を蒼白にして、首を縦に振りました。
「ほらね。あんたは終わりだよ」
「何を勝手にーー」
「この国の決まりでもあるじゃん。なに? 勇者に一番こだわっていたあんたが、伝統を捨てるの?」
「くっ」
「あんたはもう王なんかじゃないんだよ、負け犬だ。それに動かない方がいいよ。ちょっと間違えて……切り刻んじゃうかもしれないから」
ニコリ、と。
形ばかりエリクル様は笑いましたが、目は全く笑っていません。
寧ろ凍てつくほどの、冷たすぎる殺気は王様にも効いたようで。
「……………わかった」
こうして、王様の敗北は決定しました。
ロールが向かってこなかったので、王様は退屈そうにあくびをしました。
その仕草にいっそ殺意すら湧いてきます。
今、この子がどんな思いで、ここにいるか。
あなたは考えたことはないのでしょうね。
「父上。あなたこそつまらないよ」
「なに?」
マルドゥアさんの言葉に、ピクリと眉を動かす王様。
マルドゥアさんは嘲笑してみせました。
「女の子煽ってさ。楽しいわけ?」
「いつからか、随分と口が達者になったようだな」
「もうあなたは王様ではなくなるんですよ」
マルドゥアさんが浮き上がり、王様に襲いかかります。
そこからは目が離せぬ攻防でした。
マルドゥアさんの実力は舌を巻くものでありながらも、王様も一歩を譲りませんでした。
最後の最後に一瞬の隙をつき、マルドゥアさんが王様の首元に手を突きつけたのです。
「ボクの勝ちです……!!」
「くそっ、馬鹿な!!」
息絶え絶えにマルドゥアさんがそう言うと、王様が血走った瞳でマルドゥアさんを睨みました。
最初の油断しきっていた態度とは大違いです。
しかし、次の瞬間マルドゥアさんの手を掴んだかと思うと、王様は吠えました。
「私が負けるなど、あってはならない!! ましてや女になど……っ」
「っ」
女?
マルドゥアさんは男のはずでは。
そう思ってまじまじと手を見れば、確かにそこはかなり細いものでした。
「ボクはっ……あなたの操り人形なんかじゃない。もちろん、あの子達も」
「女は大人しく言うことを聞いていればいいのだ!! くそっ、女神の伝承さえ邪魔しなければっ、もっとスムーズに事が進んだはず……」
「関係ありませんよ。いずれ、あなたを玉座から引き摺り下ろすつもりでしたから。それに、いつまで女神の伝承にこだわってるんですか?」
はぁ、とため息をつくと、マルドゥアさんはまるで子供に言い聞かせるようにハッキリ言いました。
「伝承は今では信じる人も少ないんですよ。お伽話としても扱われています。それに、女神が今更復活したとして、過去が嘘だったと言い回って。なにか現状が変わるとでも?」
「なっ」
「変わらないんですよ。男尊女卑って、世界に深く根付いてるんです。そんなお伽話のうんぬんなんて、はなからみんな興味ないんです」
「………」
「だからボクは世界を変える。ボクが世界で、女として2人目の王になるんだ」
そこまで言ったマルドゥアさんに、王は顔を歪めてみせます。
「そこまで王位にこだわるのなら……お前ごと吹き飛ばしてしまおうか」
「!」
「そこまでだ」
くん、とエリクル様が風の魔術を使い、王様の体を浮き上がらせました。
「おい」と咎めるように旦那様が声をかけますが、エリクル様は気にしていないようで。
「勝敗は決したからいいんだよ。それに……君達も見てただろ?」
声をかけたのは、先程まで王様に付き従っていたメイドや執事達。
皆顔を蒼白にして、首を縦に振りました。
「ほらね。あんたは終わりだよ」
「何を勝手にーー」
「この国の決まりでもあるじゃん。なに? 勇者に一番こだわっていたあんたが、伝統を捨てるの?」
「くっ」
「あんたはもう王なんかじゃないんだよ、負け犬だ。それに動かない方がいいよ。ちょっと間違えて……切り刻んじゃうかもしれないから」
ニコリ、と。
形ばかりエリクル様は笑いましたが、目は全く笑っていません。
寧ろ凍てつくほどの、冷たすぎる殺気は王様にも効いたようで。
「……………わかった」
こうして、王様の敗北は決定しました。
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