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番外編 ティアルとレリエの日記
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XXX年 1日目
何か知らんが、父さんから日記を貰った。
どうやら父さんや母さんだけではなく、師匠やエリクルまで書いているらしい。
なら俺も書こうかな。
母さんからレリエも貰ってたし。
XXX年 4日目
俺は最近、父さんの仕事についていくことが多い。
俺が生まれる前は父さんに一応補助的な役割を果たす魔術師がついていたらしいが、今となっては本当に父さんだけで結界張りは事足りるのだ。
父さんは凄い。
俺は結界を張るのは苦手だから、時間がかかるし維持できない。
守る魔術より攻める魔術のほうが向いているのだ。
でも、父さんは「俺より才能がある」と褒めてくれる。
嬉しいし、いずれは結界張りもやれるようになりたいから、頑張る。
XXX年 7日目
俺は去年の15の時に、正式に魔術師としての称号を国から貰った。
俺の実力からすればいささか遅かったのではと色々言われているが、全ては母さんが心配するからだ。
母さんは俺が傷つくのを怖がる。
俺は母さんが大好きだから、怖がらせたくなんてない。
だけど、立派な魔術師になって、母さんを安心させたいっていう思いもあった。
だから15になって、国から出された魔術師になるための試験を一番で突破した。
俺も少しは世界一に近づけたのだろうか。
XXX年 24日目
魔術師としてのパイプは作っておいた方がいい。
それは重々承知しているつもりだ。
父さんや母さんは行きたくないなら行かなくていいと言ってくれるが、俺は逃げるわけにはいかない。
だが……魔術師の会合に行けば、様々な目線に晒される。
「あの」アルジェルドの息子だ、と噂される。
父さんを通して俺を見るのはやめてほしい。
俺はもちろん、父さんもきっと不本意だ。
後、女性からのアピールが凄い。
昔はそんなことしたら「女の癖に生意気だ」って言われて、後ろ指差されてたらしいんだけど、世界でも女王が増えてきて、男女差別は落ち着きつつあった。
それも原点となったのはアストロの女王とロマドの女王らしい。
特にロマドは男女差別が顕著な国であったのにも関わらず、女王が即位したことで、一気に世界は男性優位が傾いた。
そのロマドやアストロの女王と知り合いとか両親が言うから、パイプって本当に大事なんだと思う。
だけど、女性は苦手だ。
高い声でしなだれかかれると、嫌悪感が勝ってしまう。
どうしようか。
XXX年 53日目
根気強く会合に出た甲斐があった。
俺は今日、友達ができた。
男友達の、歳が近い魔術師。
といってもそいつは俺より4歳年上だが。
父さんとエリクルが会ったのも会合だったらしいし、諦めなくてよかった。
そいつとはいい関係が築けそうだ。
このことを報告すれば、父さんと母さんは嬉しそうに笑っていた。
XXX年 75日目
俺には妹がいる。
名前はレリエ。11歳。
兄贔屓でも何でもなく、レリエは滅茶苦茶可愛い。
母さん譲りの優しげな美人だ。
ただ、優しげなのは見た目だけで、実際の性格はかなりサバついている。
俗に言うイケメン女子ってやつか。
淡い茶色の髪はサラサラで、アメジストの瞳が印象的。
それだけ可愛かったら、縁談の話は大量に来る。
父さんは元々名門一家「マルシム家」の一員なのだけど、母さんと結ばれるために家督を弟に譲って、独立している。
それでもマルシムを名乗っているのと、世界一の魔術師という名前がデカく膨らんで、今となってはマルシム家と言ったら俺達の家が真っ先に話題に上がる。
もちろん縁談は全部切っている。
誰が可愛い妹を、どこの馬の骨かわからぬ野郎共にやらねばならないのだ。
そもそも妹自身が許さん。
せめて妹以上のイケメンを連れてこい。
◆ ◆ ◆
XXX年 1日目
ママから日記を貰った。
姐さんやエリクル、パパと同じ、日記。
兄ぃも貰ったみたい。
これから書いてく。
XXX年 4日目
私は今11歳なんだけど、それでも縁談はたくさん来るの。
みーんな私の見た目や力ばっか見てる。
確かに私は美人だよ?
だってママとパパの娘だもん。
でもさ、頭からっぽの男になんてキョーミないわけ。
だから全部切ってる。
XXX年 8日目
私はママから未来を見る力を受け継いだの。
私がこの力をもらったから、ママはもう未来が見えなくなったみたい。
ママは私がこの力を受け継いだことが凄く悲しそうだったから、力は使わないわ。
未来なんて見ても何にもないし。
XXX年 15日目
ズルい! 何で兄ぃだけ?
私もパパと一緒にお仕事したい!
それに私のほうが結界術得意なのに!
駄々を捏ねると、ママが、「可愛いレリエのことを、もう少し隠していたいんですよ」と撫でてくれた。
パパも素直じゃないのね。
XXX年 32日目
街に遊びに行ったら、子供がいじめられてた。
全員のしてやったら感謝された。
お姉ちゃんカッコいいって。
そうでしょ? 私ってばカッコいい。
だから全力で憧れなさい。
XXX年 56日目
兄ぃと一緒に、姐さんとエリクルの家に遊びに行った!
「またか」って言われたけど気にしない。
だって2人は家族みたいなんだもん。
多分2人はお互いのこと好きなんだけどさ、変な意地張ってぜんっぜんくっつかないの。
パパが、「あいつらはいつもそうだ」って言ってたから、私や兄ぃが生まれる前もそうだったみたい。
しょうがないから私、頑張る。
◆ ◆ ◆
「で、子供ができた結果がこの傑作達ってわけね」
「俺の息子と娘は凄いだろう」
「あーハイハイ親バカは結構でーす」
俺がティアルとレリエの自慢をすれば、鬱陶しそうにエリクルがギュッと耳を塞ぐ。
もっと聞いてもらわねば困るため、エリクルの両手を無理やりどかした。
「君、鬼かい? 僕もう聞き飽きたんだけど」
「まだ付き合え」
「どんだけ聞かせるのさぁ」
もうウンザリ、といった風にため息をつくエリクル。
といってもお前、ティアルとレリエのこと、甥や姪を見るような立場で見てるだろ。
可愛がっているのはわかっているからな。
「この前もーー」
「はいはいってば」
俺の幸せの話を、聞け。
エリクルは無駄だとわかっているのだろうが、もう一度耳を塞いだ。
◆ ◆ ◆
ラティアンカ・マルシム
年齢 41歳
髪の色 淡い茶色
目の色 空色
イメージ おっとり美人
好きなもの ロールの花、果物のタルト
嫌いなもの 苦いもの、虫
備考 24の時に夫、アルジェルドへ嫁ぐ。孤児院出身で、育ての両親は平民。最初は度重なる誤解により家を出たが、アルジェルドの求愛と自身の気持ちもあり再婚。
26の時に第一子であるティアル、31の時に第二子であるレリエを出産。
40代だが、童顔ゆえ若く見られやすい。
息子と娘は可愛いし、旦那さんとの仲は良好だし、幸せいっぱい。
これから子供達がぶち当たるであろう人間関係の壁を想像し、ハラハラしている。
指輪は相変わらず圧がヤバい。
若干、天然の気がある。
アルジェルド・マルシム
年齢 36歳
髪の色 漆黒
目の色 紫
イメージ 儚い魔術師。だが、無愛想。
好きなもの ロールの花、読書
嫌いなもの 喋ること、忙しいこと
備考 5歳の時にラティアンカに出会い、そのあり方に惚れる。父と協力し婚約関係を取り付ける。最初ラティアンカがいなくなった時は本当に取り乱したし、なんなら死ぬ気で追いかけた。ラティアンカと結婚してからもさまざまな女性からアプローチを受けたが、見向きもしていない。口下手なのは、昔に人間不信になりかけたから。この人が不機嫌になったらとりあえずラティアンカを投げておけば助かる。世界も助かる。
魔術師として世界一の称号を誇る。
ナジクを拠点としていたが、本人はナジクに所属しているわけではないと言っている。
なぜなら所属したら国が調子に乗り出すし、面倒だから。ラティアンカや子供達との生活を維持するため、給料の良い結界張りの仕事をしている。
息子と娘が可愛すぎて親バカになった。
彼らに買ったおもちゃや服代は馬鹿にならないレベル。
将来娘が彼氏とか連れてきたら、一番面倒くさいタイプである。
とんでもなく顔はいいため、下手したら20代に見られる。
エリクル
年齢 39歳
髪の色 銀
目の色 翡翠
イメージ 優男。人によっては胡散臭い。
好きなもの 魔術書、春
嫌いなもの 神様
備考 「風の貴公子」と呼ばれる、風の魔術のエキスパート。
勇者の末裔の一人である。
シャルロッテのために人生まで捨ててみせる覚悟だったのにも関わらず、いざ同棲を始めてみればシャルロッテからのアタックは躱しまくる。
それに痺れを切らしたレリエから、本気でくっつかせようとされていることに気づき、内心めちゃくちゃ焦っている。
シャルロッテのことはどこまでいっても可愛い。
だがそれが恋愛感情か、単なる親愛としてのものかは理解できていない。
多分この人が一番面倒くさい。
よくわからないことでずっともだもだしてる、軽薄男である。
神様は嫌い。だってシャルロッテを苦しめ、人生を狂わせたから。
白龍や黒龍など、他の神に対するそれもきっと八つ当たりである。
女神のことは本気で嫌い。
ロール(シャルロッテ)
年齢 32歳
髪の色 白
目の色 ピンク
イメージ 白い子ウサギ
好きなもの お菓子、ロールの花
嫌いなもの 辛いもの
備考 アストロに生まれた神子。記憶を失う前は、非常にお転婆な性格だった。悪く言えば自分勝手。神子として規格外な身体能力を誇る。ラティアンカのことは大好き。まるで自身の姉のように慕っている。アルジェルドとの関係は微妙。信頼しているけど、好きではない。
エリクルに対しては本当に煮えきれない感情を持っている。
くっつきたいけどどうしてもできない。
懐かれているレリエから、頑張って! と応援されている。
多分エリクルとは、これからもくっつくことはなくても、唯一無二のパートナーとして生きていく。
ティアル・マルシム
年齢 15歳
髪の色 漆黒
目の色 空色
イメージ アルジェルドの愛想がいいバージョン
好きなもの 麺類、辛いもの
嫌いなもの ボソボソしたやつ、カエル
備考 ラティアンカとアルジェルドの息子。
名前は、ラティアンカの「ティア」、アルジェルドの「アル」をくっつけた。
悩んだ末の安直なネーミングである。
シスコン(妹より重症)。
幼少期は口の悪いキャラに傾きかけたが、師匠であるロールが物凄く頑張って矯正した。
かなり紳士的だが、気持ちを伝えるのが苦手なため寡黙。
女性にはウケているが、男性には少々厄介なやつと思われている。
つい最近友人ができたらしい。
エリクルやロールからは、第二のアルジェルドにならないか心配されている。
安心してほしい。なぜなら近くに反面教師がいるから。
ラティアンカは母親として尊敬しているし、大好き。
アルジェルドは凄い魔術師としても、父親としても尊敬している。ただ昔の話を聞くとドン引きしてしまう。
アルジェルドが高い服ばかり買うため、身だしなみにはあまり気を遣っていないがどうにかなっている。
才能はヤバい。将来はアルジェルド以上の魔術師になるのではと噂されている。
レリエ・マルシム
年齢 11歳
髪の色 淡い茶色
目の色 紫色
イメージ ラティアンカに似ている……と思わせてのイケメン女子
好きなもの 恋愛話、お菓子
嫌いなもの カエル、虫
備考 ラティアンカとアルジェルドの娘。
名前の由来はフランス語の繋がりを意味する「relie」をそのままローマ字読みしたもの。
思わぬ方向に育ちイケメン女子に。
擦り寄ってくる男性は己の根性ではたき落としてきた。
しかしレリエが何かしなくともティアルとアルジェルドという双璧が待っているため、どうにかできるわけはない。
マザコンでありファザコン、そしてブラコンである。
魔術は結界術が得意らしい。しかし未知数。
ロールを「姐さん」と呼んで慕っている。
ティアルのことを「兄ぃ」呼びするのは、ロールがレオンのことを「レオン兄ぃ」と呼ぶことから来ている。
ティアルと両者揃ってカエルが苦手なのは、小さい頃に靴にカエルが入っていたことから。
自分の恋愛は興味がないが、他人の恋愛には興味津々。特にロールとエリクルのもの。
早くくっつかないかと画作中。
次が最後の番外編です。
何か知らんが、父さんから日記を貰った。
どうやら父さんや母さんだけではなく、師匠やエリクルまで書いているらしい。
なら俺も書こうかな。
母さんからレリエも貰ってたし。
XXX年 4日目
俺は最近、父さんの仕事についていくことが多い。
俺が生まれる前は父さんに一応補助的な役割を果たす魔術師がついていたらしいが、今となっては本当に父さんだけで結界張りは事足りるのだ。
父さんは凄い。
俺は結界を張るのは苦手だから、時間がかかるし維持できない。
守る魔術より攻める魔術のほうが向いているのだ。
でも、父さんは「俺より才能がある」と褒めてくれる。
嬉しいし、いずれは結界張りもやれるようになりたいから、頑張る。
XXX年 7日目
俺は去年の15の時に、正式に魔術師としての称号を国から貰った。
俺の実力からすればいささか遅かったのではと色々言われているが、全ては母さんが心配するからだ。
母さんは俺が傷つくのを怖がる。
俺は母さんが大好きだから、怖がらせたくなんてない。
だけど、立派な魔術師になって、母さんを安心させたいっていう思いもあった。
だから15になって、国から出された魔術師になるための試験を一番で突破した。
俺も少しは世界一に近づけたのだろうか。
XXX年 24日目
魔術師としてのパイプは作っておいた方がいい。
それは重々承知しているつもりだ。
父さんや母さんは行きたくないなら行かなくていいと言ってくれるが、俺は逃げるわけにはいかない。
だが……魔術師の会合に行けば、様々な目線に晒される。
「あの」アルジェルドの息子だ、と噂される。
父さんを通して俺を見るのはやめてほしい。
俺はもちろん、父さんもきっと不本意だ。
後、女性からのアピールが凄い。
昔はそんなことしたら「女の癖に生意気だ」って言われて、後ろ指差されてたらしいんだけど、世界でも女王が増えてきて、男女差別は落ち着きつつあった。
それも原点となったのはアストロの女王とロマドの女王らしい。
特にロマドは男女差別が顕著な国であったのにも関わらず、女王が即位したことで、一気に世界は男性優位が傾いた。
そのロマドやアストロの女王と知り合いとか両親が言うから、パイプって本当に大事なんだと思う。
だけど、女性は苦手だ。
高い声でしなだれかかれると、嫌悪感が勝ってしまう。
どうしようか。
XXX年 53日目
根気強く会合に出た甲斐があった。
俺は今日、友達ができた。
男友達の、歳が近い魔術師。
といってもそいつは俺より4歳年上だが。
父さんとエリクルが会ったのも会合だったらしいし、諦めなくてよかった。
そいつとはいい関係が築けそうだ。
このことを報告すれば、父さんと母さんは嬉しそうに笑っていた。
XXX年 75日目
俺には妹がいる。
名前はレリエ。11歳。
兄贔屓でも何でもなく、レリエは滅茶苦茶可愛い。
母さん譲りの優しげな美人だ。
ただ、優しげなのは見た目だけで、実際の性格はかなりサバついている。
俗に言うイケメン女子ってやつか。
淡い茶色の髪はサラサラで、アメジストの瞳が印象的。
それだけ可愛かったら、縁談の話は大量に来る。
父さんは元々名門一家「マルシム家」の一員なのだけど、母さんと結ばれるために家督を弟に譲って、独立している。
それでもマルシムを名乗っているのと、世界一の魔術師という名前がデカく膨らんで、今となってはマルシム家と言ったら俺達の家が真っ先に話題に上がる。
もちろん縁談は全部切っている。
誰が可愛い妹を、どこの馬の骨かわからぬ野郎共にやらねばならないのだ。
そもそも妹自身が許さん。
せめて妹以上のイケメンを連れてこい。
◆ ◆ ◆
XXX年 1日目
ママから日記を貰った。
姐さんやエリクル、パパと同じ、日記。
兄ぃも貰ったみたい。
これから書いてく。
XXX年 4日目
私は今11歳なんだけど、それでも縁談はたくさん来るの。
みーんな私の見た目や力ばっか見てる。
確かに私は美人だよ?
だってママとパパの娘だもん。
でもさ、頭からっぽの男になんてキョーミないわけ。
だから全部切ってる。
XXX年 8日目
私はママから未来を見る力を受け継いだの。
私がこの力をもらったから、ママはもう未来が見えなくなったみたい。
ママは私がこの力を受け継いだことが凄く悲しそうだったから、力は使わないわ。
未来なんて見ても何にもないし。
XXX年 15日目
ズルい! 何で兄ぃだけ?
私もパパと一緒にお仕事したい!
それに私のほうが結界術得意なのに!
駄々を捏ねると、ママが、「可愛いレリエのことを、もう少し隠していたいんですよ」と撫でてくれた。
パパも素直じゃないのね。
XXX年 32日目
街に遊びに行ったら、子供がいじめられてた。
全員のしてやったら感謝された。
お姉ちゃんカッコいいって。
そうでしょ? 私ってばカッコいい。
だから全力で憧れなさい。
XXX年 56日目
兄ぃと一緒に、姐さんとエリクルの家に遊びに行った!
「またか」って言われたけど気にしない。
だって2人は家族みたいなんだもん。
多分2人はお互いのこと好きなんだけどさ、変な意地張ってぜんっぜんくっつかないの。
パパが、「あいつらはいつもそうだ」って言ってたから、私や兄ぃが生まれる前もそうだったみたい。
しょうがないから私、頑張る。
◆ ◆ ◆
「で、子供ができた結果がこの傑作達ってわけね」
「俺の息子と娘は凄いだろう」
「あーハイハイ親バカは結構でーす」
俺がティアルとレリエの自慢をすれば、鬱陶しそうにエリクルがギュッと耳を塞ぐ。
もっと聞いてもらわねば困るため、エリクルの両手を無理やりどかした。
「君、鬼かい? 僕もう聞き飽きたんだけど」
「まだ付き合え」
「どんだけ聞かせるのさぁ」
もうウンザリ、といった風にため息をつくエリクル。
といってもお前、ティアルとレリエのこと、甥や姪を見るような立場で見てるだろ。
可愛がっているのはわかっているからな。
「この前もーー」
「はいはいってば」
俺の幸せの話を、聞け。
エリクルは無駄だとわかっているのだろうが、もう一度耳を塞いだ。
◆ ◆ ◆
ラティアンカ・マルシム
年齢 41歳
髪の色 淡い茶色
目の色 空色
イメージ おっとり美人
好きなもの ロールの花、果物のタルト
嫌いなもの 苦いもの、虫
備考 24の時に夫、アルジェルドへ嫁ぐ。孤児院出身で、育ての両親は平民。最初は度重なる誤解により家を出たが、アルジェルドの求愛と自身の気持ちもあり再婚。
26の時に第一子であるティアル、31の時に第二子であるレリエを出産。
40代だが、童顔ゆえ若く見られやすい。
息子と娘は可愛いし、旦那さんとの仲は良好だし、幸せいっぱい。
これから子供達がぶち当たるであろう人間関係の壁を想像し、ハラハラしている。
指輪は相変わらず圧がヤバい。
若干、天然の気がある。
アルジェルド・マルシム
年齢 36歳
髪の色 漆黒
目の色 紫
イメージ 儚い魔術師。だが、無愛想。
好きなもの ロールの花、読書
嫌いなもの 喋ること、忙しいこと
備考 5歳の時にラティアンカに出会い、そのあり方に惚れる。父と協力し婚約関係を取り付ける。最初ラティアンカがいなくなった時は本当に取り乱したし、なんなら死ぬ気で追いかけた。ラティアンカと結婚してからもさまざまな女性からアプローチを受けたが、見向きもしていない。口下手なのは、昔に人間不信になりかけたから。この人が不機嫌になったらとりあえずラティアンカを投げておけば助かる。世界も助かる。
魔術師として世界一の称号を誇る。
ナジクを拠点としていたが、本人はナジクに所属しているわけではないと言っている。
なぜなら所属したら国が調子に乗り出すし、面倒だから。ラティアンカや子供達との生活を維持するため、給料の良い結界張りの仕事をしている。
息子と娘が可愛すぎて親バカになった。
彼らに買ったおもちゃや服代は馬鹿にならないレベル。
将来娘が彼氏とか連れてきたら、一番面倒くさいタイプである。
とんでもなく顔はいいため、下手したら20代に見られる。
エリクル
年齢 39歳
髪の色 銀
目の色 翡翠
イメージ 優男。人によっては胡散臭い。
好きなもの 魔術書、春
嫌いなもの 神様
備考 「風の貴公子」と呼ばれる、風の魔術のエキスパート。
勇者の末裔の一人である。
シャルロッテのために人生まで捨ててみせる覚悟だったのにも関わらず、いざ同棲を始めてみればシャルロッテからのアタックは躱しまくる。
それに痺れを切らしたレリエから、本気でくっつかせようとされていることに気づき、内心めちゃくちゃ焦っている。
シャルロッテのことはどこまでいっても可愛い。
だがそれが恋愛感情か、単なる親愛としてのものかは理解できていない。
多分この人が一番面倒くさい。
よくわからないことでずっともだもだしてる、軽薄男である。
神様は嫌い。だってシャルロッテを苦しめ、人生を狂わせたから。
白龍や黒龍など、他の神に対するそれもきっと八つ当たりである。
女神のことは本気で嫌い。
ロール(シャルロッテ)
年齢 32歳
髪の色 白
目の色 ピンク
イメージ 白い子ウサギ
好きなもの お菓子、ロールの花
嫌いなもの 辛いもの
備考 アストロに生まれた神子。記憶を失う前は、非常にお転婆な性格だった。悪く言えば自分勝手。神子として規格外な身体能力を誇る。ラティアンカのことは大好き。まるで自身の姉のように慕っている。アルジェルドとの関係は微妙。信頼しているけど、好きではない。
エリクルに対しては本当に煮えきれない感情を持っている。
くっつきたいけどどうしてもできない。
懐かれているレリエから、頑張って! と応援されている。
多分エリクルとは、これからもくっつくことはなくても、唯一無二のパートナーとして生きていく。
ティアル・マルシム
年齢 15歳
髪の色 漆黒
目の色 空色
イメージ アルジェルドの愛想がいいバージョン
好きなもの 麺類、辛いもの
嫌いなもの ボソボソしたやつ、カエル
備考 ラティアンカとアルジェルドの息子。
名前は、ラティアンカの「ティア」、アルジェルドの「アル」をくっつけた。
悩んだ末の安直なネーミングである。
シスコン(妹より重症)。
幼少期は口の悪いキャラに傾きかけたが、師匠であるロールが物凄く頑張って矯正した。
かなり紳士的だが、気持ちを伝えるのが苦手なため寡黙。
女性にはウケているが、男性には少々厄介なやつと思われている。
つい最近友人ができたらしい。
エリクルやロールからは、第二のアルジェルドにならないか心配されている。
安心してほしい。なぜなら近くに反面教師がいるから。
ラティアンカは母親として尊敬しているし、大好き。
アルジェルドは凄い魔術師としても、父親としても尊敬している。ただ昔の話を聞くとドン引きしてしまう。
アルジェルドが高い服ばかり買うため、身だしなみにはあまり気を遣っていないがどうにかなっている。
才能はヤバい。将来はアルジェルド以上の魔術師になるのではと噂されている。
レリエ・マルシム
年齢 11歳
髪の色 淡い茶色
目の色 紫色
イメージ ラティアンカに似ている……と思わせてのイケメン女子
好きなもの 恋愛話、お菓子
嫌いなもの カエル、虫
備考 ラティアンカとアルジェルドの娘。
名前の由来はフランス語の繋がりを意味する「relie」をそのままローマ字読みしたもの。
思わぬ方向に育ちイケメン女子に。
擦り寄ってくる男性は己の根性ではたき落としてきた。
しかしレリエが何かしなくともティアルとアルジェルドという双璧が待っているため、どうにかできるわけはない。
マザコンでありファザコン、そしてブラコンである。
魔術は結界術が得意らしい。しかし未知数。
ロールを「姐さん」と呼んで慕っている。
ティアルのことを「兄ぃ」呼びするのは、ロールがレオンのことを「レオン兄ぃ」と呼ぶことから来ている。
ティアルと両者揃ってカエルが苦手なのは、小さい頃に靴にカエルが入っていたことから。
自分の恋愛は興味がないが、他人の恋愛には興味津々。特にロールとエリクルのもの。
早くくっつかないかと画作中。
次が最後の番外編です。
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逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
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