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特別話 きっと、あなた以外いないと思うんです

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ライヴside

リアちゃんが目覚めてから、リアちゃんに魔法がもう使えないことがわかった。
どうやら魔力がない状態で無理やり『治癒魔法』を使ったため、魔力回路が傷ついてしまったらしい。
それでも死ななかったことは奇跡だ。
リアちゃんはそのことを知って、とんでもない行動に出た。
なんと王位を破棄してしまったのだ。
学院に通い、レオナルドと付き合い始めた。
元兄として複雑な心境だ。
だが、リアちゃんは幸せそうなので良いとする。

「ライオネル様」
「……アンナさん」

気づけば、アンナさんが後ろにいた。
アンナさんは僕の横に並ぶ。

「てっきり、学院をやめてネアル王の元へ帰るのだと思っていました」
「……僕もそのつもりだったんだけどね」

ネアル様は僕の思った以上にしっかりした王様だ。
学院でゆっくり羽を伸ばしてこいと言われれば、ライヴはそれに逆らえない。

「……君、まだレオナルド君に触れないの?」
「はい。ライオネル様以外ダメです。ライオネル様、私にはライオネル様の他にいないと思うんですよ」
「……どういうつもり?」
「ライオネル様、私と付き合ってくれません? リアと師匠は付き合ってるし」

そう言われて、僕は思わず吹き出した。
アンナさんはやっぱり、あいつに似ている。
「何ですか」と言うアンナさんに、僕はそのことを口にした。

「いや、僕の昔の知り合いに、アンナさんにそっくりな人がいてね……性別は違うけど、光魔法が使えたんだ。女性恐怖症で、唯一触れられる女性である人に何度も求婚してた。相手は取られちゃったけどね」

……やっぱり、偶然ではない気がする。
僕は思わずアンナさんに聞いた。

「ひょっとして君、アンリの生まれ変わりだったりする?」

絶対アンナさんは、何言っているんだとか返してくるんだろう。
そう思ったが、アンナさんは意外なことに悪戯っぽく笑った。

「ーーさあ? ご想像にお任せします」

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