今宵は遣らずの雨

佐倉 蘭

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第三部「運命(さだめ)の愛」

最終話

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  実の父親の顔を見ることなく生まれた子は、粂之助くめのすけと名付けられた。

   次代の安芸広島新田しんでん藩を担って立つ者として、周囲から時に厳しく、時にやさしく育まれていった。


゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚


   寛政十二年、安芸広島新田しんでん藩では、二代藩主の浅野兵部少輔長喬との約束どおり、三代藩主の浅野近江守おうみのかみ長員が隠居した。

   長喬の忘れ形見である幼名・粂之助こと浅野兵部ひょうぶ長容ながかねが四代藩主に就いた。
   間もなく十一代の公方くぼう様(徳川家斉)に謁見して官位を賜り、浅野近江守長容となった。

   そして、長容は安芸広島藩七代藩主・浅野安芸守重晟の娘、邑姫さとひめを娶る。

   嫡男には恵まれなかったが、邑姫との間にもうけた娘の峻姫みちひめの娘婿に、本家の安芸広島藩より浅野長訓ながみちを迎え、養嗣子あととりとした。

   その後、五十五歳で死去した長容の跡を継いで、五代藩主・浅野近江守長訓となった。

   ところが、本家の安芸広島藩主十代藩主の浅野安芸守慶熾よしてるの急死により、奇しくも本家である安芸広島藩 十一代藩主に就くことになり、浅野安芸守茂長もちながと改名する。

   それに伴い、峻姫は安芸広島藩十一代藩主・浅野安芸守茂長の正室となった。





第三部「運命さだめの愛」〈 完 〉
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