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第11章 魔人暗躍編

219話 お見せしましょう!

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「小娘が……まぁいいわ。
 ちょうどいいし、貴女達2人には一緒に来てもらうわ」

 ルイーナがニヤリと笑みを浮かべた瞬間──


 ゴォッ!!


 地面から漆黒の炎が立ち昇って、ルイーナの黒髪を怪しく照らす。

「ウフフ、抵抗できないように、死なない程度に焼いてからね」

 妖艶な笑みを浮かべ、ルイーナの意志に連動するように漆黒の炎が四方八方から迫り来る。
 ふむ……私1人なら多少の危険を背負って、この炎の包囲を突破してやるんだけど……

「断魔結界っ!」

 リアットさんがいるのに、そんな無茶はできない!
 リアットさんはお友達だし、そもそも護衛対象をそんな危険に晒すような真似はしない!

「ソ、ソフィー様……」

 まぁ、リアットさんが不安に思うのも仕方がない。
 だって結界の外は360度全て、漆黒の炎に包まれちゃってる状況だし。
 これぞまさしく四面楚歌っ!  って感じだけど……

「大丈夫です。
 いくら魔王の一角といえど、全力を出せないルイーナにはそう簡単にこの結界は破壊できませんので」

 なんたって、元はといえばこの結界も魔王であるナルダバートが使っていたものなのだから!!
 とはいえ……いくら大丈夫っていっても、リアットさんからしてみれば怖いだろうし……

「っ!!  さすがはソフィア様です……!」

 うん、大丈夫そうだわ。
 なんかキラキラした目を向けられちゃってるし……うん、さすがは攻略対象ヒーローたるサイラスの妹だ。

「あ、ありがとうございます」

 ま、まぁ、リアットさんが怖がってないのはいいとして。

「さて、どうしたものか……」

 う~ん、ルイーナは力を振るえば振るうほど、タイムリミットが近づいてくるわけだし。
 このまま持久戦に持ち込んで、ルイーナが限界を迎えるまで待ってもいいんだけど……

「よし!」

 ここは短期決戦!
 下手に持久戦に持ち込んだら、他の襲撃者から横槍が入ったり、想定外の事態に陥ったりする可能性があるし……速攻で終わらせるっ!!

「ふぅ~」

 魔力、解放っ!!

「っ~!?」

 リアットさんをビックリさせちゃったけど……

「リアットさん。
 今から私が使える魔法の中でも、最強クラスの魔法をお見せしましょう!」

 だから驚かせちゃったことは許してほしい。

「ソフィア様の、最強の魔法……」

 おぉ~、本当にリアットさんはいい反応をしてくれるわ!
 まさかゴクリって、固唾を飲んじゃって……むふふっ!  そんなに期待されると、俄然やる気が出てきたっ!!

「ふふっ」

 右手を前に……この漆黒の炎の壁の向こうにいる、魔王ルイーナへと翳してっと!

「集え」

 キラキラと、白い光の粒が。
 私の膨大な魔力の粒子が、ルイーナへと翳している手の前へと収束し……

「全てを焼き払え……白炎」


 パチンッ!


息吹ノヴァ

 軽く指を打ち鳴らした瞬間!  全てを……


 ────ッ!!!


 漆黒の炎すら焼き切る、白き炎の熱線が解き放たれる。

「……」

「ふふっ!  どうですか?
 これが私が誇る最強クラスの魔法の1つ」

 眼前に広がるは……遥か前方まで抉れて、真っ赤に融解した地面!
 灰すら残さず焼き切れて、消滅した鬱蒼としていた木々!!

 文字通り!  更地と化した魔の森!!
 これぞ!  ルミエ様の咆哮ブレスを参考にして、完成させた火炎属性と神聖属性の複合魔法!!

「白炎・息吹ノヴァの威力です!!」
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