430 / 1,060
Side View Story 09
06 Side 司 01話
しおりを挟む
「司、どこ行くん?」
「野暮用」
「ふーん、この暑い中よく外に出る気になるな?」
ケンといくつか言葉を交わしてから弓道場をあとにした。
部室に戻って身体の汗を拭い、制服に着替え昼食のおにぎりをふたつ胃におさめる。最後にお茶を飲み干し、手早く部室を出た。
昼時なら翠も起きているだろう。
自転車で病院へ向かうと、病院に着くころには再び汗をかいていた。
タオルで額の汗を拭い、正面玄関に留まる。ここだけは冷房の温度が低めに設定されているため、しばらくそこにいると汗は引いた。
九階、ナースセンター前で会釈をして翠の病室に目をやると、ドアは開いていた。
寝ているのを起こすのは嫌でそっと中へ入る。と、翠は身体を起こし携帯を耳に当てていた。
その携帯を目の前にかまえては、「どうしようかな」と口にする。
「ここ、携帯禁止だけど」
「あ……」
俺に気づいた翠は急に涙を零した。
「なんだよ、そんなにきつく言ってないだろっ!?」
「違……。先輩が目の前にいたから」
「……は? とりあえず携帯」
携帯を取り上げると、電波マークは一本も立っていなかった。
「……翠、いくら機械音痴でもこれくらいはわかっているべき。圏外じゃ携帯通じないから」
携帯の使い方以前に、使える場所かそうでないかくらいわかれよ……。
「それくらいはわかってますっ」
「じゃ、なんで携帯を耳に当ててたんだよ」
翠はばつの悪そうな顔をして、
「……録音してある声を聴いていたの」
「……ふーん。ま、そのくらいはいいんじゃない」
どうせ、秋兄の声でも録音してあるんだろ。
「で、なんで俺を見て泣いたわけ?」
全然納得がいかないければ理不尽とすら思う。
「……明日、お父さんが現場に戻るの。その前にお父さんにだけは会うことになって……でも、少し怖くて……。何を話したらいいのかわからないの」
「で、なんで俺を見て泣くかな……」
頭痛がしてきそうでこめかみを押さえる。
「世間話って何があるのか訊きたかったんです。そしたら、目の前に先輩がいたからびっくりして……」
なんだよそれ……さっきの「どうしようかな」は、俺に電話をしようかどうしようか、だったのか? それとも、世間話に何があるか悩んでのものだったのか――どっちなんだよ。
思わず脱力してスツールに掛ける。
「世間話に何があるって……なんだよそれ。新聞でも読んで時事ネタでも見繕えば?」
今度は何かと思っただろっ!?
翠の顔を見れば、不思議そうな表情できょとんとしている。
「明日の天気は晴れだとか、今の政権がどうだとか、ちょっとしたコラムなんかも載ってる。会話のネタには尽きないんじゃない?」
少し雑な説明だったかもしれない。でも、このくらいは許されると思う。
「おい、司……おまえは涼さんとそんな話ばかりしてるのか?」
「きやぁっっっ」
知らぬ間に病室に入ってきた昇さんが会話に加わると、翠は化け物を見たような顔で飛び上がった。
「翠、気持ちはわからるけど、そこまで驚かなくてもいいと思う」
本当に世話の焼ける――
胸元できつく握りしめられた手を取り適度に力を加える。大丈夫だから、とそんな思いをこめて。
すると、同じように握り返されたけど、たぶん本人は無意識。
「昇さんも、あまり変な現れ方しないでください」
「あぁ、悪いな。つい、だ。つい……。それにしても一日に二回も驚かれるとは思わなかったぜ」
「……二度目って?」
訊くと、まるで恒例行事にでもなるんじゃないか、という朝のエピソードを聞かされた。
「で、おまえは涼さんとそんな話ばかりしてるのか?」
「会話がなくて困ったときには使いますよ」
医療のことなら訊きたいことはたくさんある。が、そんな話を持ち出そうものなら父さんは交換条件を持ち出す。ひとつの質問に対し、俺の学校生活を述べよ、と。
「下手に学校での出来事を訊かれるよりもよっぽどまし」
思わず本音を漏らすと、
「……司らしいっちゃ司らしいが、翠葉ちゃん、これはあんま参考にしないほうがいいぜ?」
大きなお世話だ。昇さんだって父さんには口じゃ勝てないくせに……。
「何時?」
翠に訊くと、「え?」と驚いた顔がこちらを向いた。
「お父さんが来る時間」
「何時かはまだ聞いてなくて……」
聞いてない、って……。
頭を抱えたい衝動に駆られる。そのあたりを知っていそうな昇さんを見上げると、
「夜の七時。面会時間が終わってからだ」
「……その時間なら来れるけど?」
柏木桜の家庭教師は五時半には終わる。場所は学校の図書館を指定してある都合上、タイムロスもない。家でシャワーを浴びるくらいの時間も取れるだろう。
「……来て、くれるんですか?」
さらに力をこめて手を握られる。けれど、その力はとても弱い。
「かまわない」
ほっとしたのか、翠の表情が緩む。そんな翠を見て俺もほっとした。
「……ね、君たち付き合ってんの? なんか事前情報と違うんだけど」
事前情報――
きっと、栞さんから何かしら聞いているのだろう。
「違いますよ? ただ、今だけ司先輩は私のわがままに付き合ってくれることになってるんです」
翠が答えれば、昇さんは意味深な視線を俺によこす。
「……単なる八つ当たりアイテムですよ。いわばサンドバッグみたいなもの」
こんな言い方じゃカモフラージュにすらならないだろう。
……また俺の感情に気づいた人間が増える。なのに、いい加減気づいてよさそうな人間――翠だけが気づかない。
ふと気づけば、翠から責められるような視線を投げられていた。
「夜なら屋上に行けばいいだろ? あそこなら翠が好きな花も植わってるし、今日の天気なら星だって問題なく見える。昨夜教えた星座の話でもすれば?」
「あ、それなら大丈夫そう……」
視線は改まり、表情も変わる。
「おまえ、翠葉ちゃんの扱い方うまいな?」
含みある声音に、この人も面白がる面倒な人間だったか、と認識を改めた。
「翠は観察し甲斐がありますよ」
そんなふうに答えてはみたけれど、これはあとでつつかれることを覚悟したほうがよさそうだ。
翠の視線は未だ俺から剥がれない。まじまじと見られることに耐えられずに俺は席を立った。
「じゃ、俺部活に戻るから」
「あの、もしかしてお昼休憩に来てくれたんですか?」
今にもベッドを下りそうな勢いで訊かれて少し焦った。
「そうだけど」
できる限り冷静に答えると、翠は申し訳なさそうな表情で言葉に詰まる。
「……負担じゃないから。そこでうだうだ考えたら怒るよ」
こういう言い方しかできない自分にも問題はあると思う。でも、こういう言い方じゃないと翠が納得しない。
「……ありがとう」
「はい、どういたしまして」
病室を出ると、
「お疲れ様。これ持っていきなさい」
藤原さんに渡されたのはスポーツドリンクだった。
「午後も部活なんでしょう? 精が出るわね」
きっとこの人にも俺の気持ちはばれているのだろう。なんで周りの人間ばかりにばれて、当の本人は気づかないかな。
翠は普通に鈍いのではなく、恐ろしく鈍いに違いない。それを藤原さんに当たるのはお門違いもいいところだ。
俺はむしゃくしゃした気持ちを抑え、礼を述べて早々にその場を離れた。
「野暮用」
「ふーん、この暑い中よく外に出る気になるな?」
ケンといくつか言葉を交わしてから弓道場をあとにした。
部室に戻って身体の汗を拭い、制服に着替え昼食のおにぎりをふたつ胃におさめる。最後にお茶を飲み干し、手早く部室を出た。
昼時なら翠も起きているだろう。
自転車で病院へ向かうと、病院に着くころには再び汗をかいていた。
タオルで額の汗を拭い、正面玄関に留まる。ここだけは冷房の温度が低めに設定されているため、しばらくそこにいると汗は引いた。
九階、ナースセンター前で会釈をして翠の病室に目をやると、ドアは開いていた。
寝ているのを起こすのは嫌でそっと中へ入る。と、翠は身体を起こし携帯を耳に当てていた。
その携帯を目の前にかまえては、「どうしようかな」と口にする。
「ここ、携帯禁止だけど」
「あ……」
俺に気づいた翠は急に涙を零した。
「なんだよ、そんなにきつく言ってないだろっ!?」
「違……。先輩が目の前にいたから」
「……は? とりあえず携帯」
携帯を取り上げると、電波マークは一本も立っていなかった。
「……翠、いくら機械音痴でもこれくらいはわかっているべき。圏外じゃ携帯通じないから」
携帯の使い方以前に、使える場所かそうでないかくらいわかれよ……。
「それくらいはわかってますっ」
「じゃ、なんで携帯を耳に当ててたんだよ」
翠はばつの悪そうな顔をして、
「……録音してある声を聴いていたの」
「……ふーん。ま、そのくらいはいいんじゃない」
どうせ、秋兄の声でも録音してあるんだろ。
「で、なんで俺を見て泣いたわけ?」
全然納得がいかないければ理不尽とすら思う。
「……明日、お父さんが現場に戻るの。その前にお父さんにだけは会うことになって……でも、少し怖くて……。何を話したらいいのかわからないの」
「で、なんで俺を見て泣くかな……」
頭痛がしてきそうでこめかみを押さえる。
「世間話って何があるのか訊きたかったんです。そしたら、目の前に先輩がいたからびっくりして……」
なんだよそれ……さっきの「どうしようかな」は、俺に電話をしようかどうしようか、だったのか? それとも、世間話に何があるか悩んでのものだったのか――どっちなんだよ。
思わず脱力してスツールに掛ける。
「世間話に何があるって……なんだよそれ。新聞でも読んで時事ネタでも見繕えば?」
今度は何かと思っただろっ!?
翠の顔を見れば、不思議そうな表情できょとんとしている。
「明日の天気は晴れだとか、今の政権がどうだとか、ちょっとしたコラムなんかも載ってる。会話のネタには尽きないんじゃない?」
少し雑な説明だったかもしれない。でも、このくらいは許されると思う。
「おい、司……おまえは涼さんとそんな話ばかりしてるのか?」
「きやぁっっっ」
知らぬ間に病室に入ってきた昇さんが会話に加わると、翠は化け物を見たような顔で飛び上がった。
「翠、気持ちはわからるけど、そこまで驚かなくてもいいと思う」
本当に世話の焼ける――
胸元できつく握りしめられた手を取り適度に力を加える。大丈夫だから、とそんな思いをこめて。
すると、同じように握り返されたけど、たぶん本人は無意識。
「昇さんも、あまり変な現れ方しないでください」
「あぁ、悪いな。つい、だ。つい……。それにしても一日に二回も驚かれるとは思わなかったぜ」
「……二度目って?」
訊くと、まるで恒例行事にでもなるんじゃないか、という朝のエピソードを聞かされた。
「で、おまえは涼さんとそんな話ばかりしてるのか?」
「会話がなくて困ったときには使いますよ」
医療のことなら訊きたいことはたくさんある。が、そんな話を持ち出そうものなら父さんは交換条件を持ち出す。ひとつの質問に対し、俺の学校生活を述べよ、と。
「下手に学校での出来事を訊かれるよりもよっぽどまし」
思わず本音を漏らすと、
「……司らしいっちゃ司らしいが、翠葉ちゃん、これはあんま参考にしないほうがいいぜ?」
大きなお世話だ。昇さんだって父さんには口じゃ勝てないくせに……。
「何時?」
翠に訊くと、「え?」と驚いた顔がこちらを向いた。
「お父さんが来る時間」
「何時かはまだ聞いてなくて……」
聞いてない、って……。
頭を抱えたい衝動に駆られる。そのあたりを知っていそうな昇さんを見上げると、
「夜の七時。面会時間が終わってからだ」
「……その時間なら来れるけど?」
柏木桜の家庭教師は五時半には終わる。場所は学校の図書館を指定してある都合上、タイムロスもない。家でシャワーを浴びるくらいの時間も取れるだろう。
「……来て、くれるんですか?」
さらに力をこめて手を握られる。けれど、その力はとても弱い。
「かまわない」
ほっとしたのか、翠の表情が緩む。そんな翠を見て俺もほっとした。
「……ね、君たち付き合ってんの? なんか事前情報と違うんだけど」
事前情報――
きっと、栞さんから何かしら聞いているのだろう。
「違いますよ? ただ、今だけ司先輩は私のわがままに付き合ってくれることになってるんです」
翠が答えれば、昇さんは意味深な視線を俺によこす。
「……単なる八つ当たりアイテムですよ。いわばサンドバッグみたいなもの」
こんな言い方じゃカモフラージュにすらならないだろう。
……また俺の感情に気づいた人間が増える。なのに、いい加減気づいてよさそうな人間――翠だけが気づかない。
ふと気づけば、翠から責められるような視線を投げられていた。
「夜なら屋上に行けばいいだろ? あそこなら翠が好きな花も植わってるし、今日の天気なら星だって問題なく見える。昨夜教えた星座の話でもすれば?」
「あ、それなら大丈夫そう……」
視線は改まり、表情も変わる。
「おまえ、翠葉ちゃんの扱い方うまいな?」
含みある声音に、この人も面白がる面倒な人間だったか、と認識を改めた。
「翠は観察し甲斐がありますよ」
そんなふうに答えてはみたけれど、これはあとでつつかれることを覚悟したほうがよさそうだ。
翠の視線は未だ俺から剥がれない。まじまじと見られることに耐えられずに俺は席を立った。
「じゃ、俺部活に戻るから」
「あの、もしかしてお昼休憩に来てくれたんですか?」
今にもベッドを下りそうな勢いで訊かれて少し焦った。
「そうだけど」
できる限り冷静に答えると、翠は申し訳なさそうな表情で言葉に詰まる。
「……負担じゃないから。そこでうだうだ考えたら怒るよ」
こういう言い方しかできない自分にも問題はあると思う。でも、こういう言い方じゃないと翠が納得しない。
「……ありがとう」
「はい、どういたしまして」
病室を出ると、
「お疲れ様。これ持っていきなさい」
藤原さんに渡されたのはスポーツドリンクだった。
「午後も部活なんでしょう? 精が出るわね」
きっとこの人にも俺の気持ちはばれているのだろう。なんで周りの人間ばかりにばれて、当の本人は気づかないかな。
翠は普通に鈍いのではなく、恐ろしく鈍いに違いない。それを藤原さんに当たるのはお門違いもいいところだ。
俺はむしゃくしゃした気持ちを抑え、礼を述べて早々にその場を離れた。
5
あなたにおすすめの小説
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる