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07~09 Side 司 02話
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あんのバカ……。
この流れだと確実に頭を下げる。そう思えば座って見ていることはできなくなった。
「あの、すみません……まだ体調が本調子じゃなくて……ぶつかったときの振動とかそういうのが怖くて……ごめんなさい」
頭を上げる前には翠の背後に立つことができた。
「頭下げるくらいなら座れ」
とりあえず、頭を上げないように右手を頭に置き、左手はお辞儀をした状態の肩を押さえる。
頭はいいはずなのに、こういうところの学習能力が欠如しすぎ……。でも、すごく律儀。
間違いなく、「ごめんなさい」と「お辞儀」はセットだと思っているに違いない。
頭を下げるだけならいい。心臓と頭が同じ位置になるのなら問題はない。そのあと、心臓よりも高い位置に頭を戻すと、軽い脳貧血の状態になる。それは、翠が眩暈を起こすパターンの第一位だ。
体位を簡単に変えるな、と何度言ったらわかるんだか……。
翠は戸惑った様子で、 「……えと、座って土下座……?」
振り返るのではなく、真上を見て俺を確認。
きょとんとした顔は間抜けだが、髪が――髪が全部背中側へ流れ、顔の輪郭が露になる。
首筋の延長にIVHの痕や鎖骨のくぼみが見えて心臓が止まるかと思った。
「……暑さで頭に虫がわいてるんじゃないか?」
苦し紛れのタイミング。
「それ、どういう意味?」
俺の視界に何が映っているのかすら気づかず、翠はその体勢のまま質問してくる。
一度目を閉じ、翠と視線を合わせることに意識して目を開いた。
「……立っている状態で頭下げて頭上げたらどうなる?」
自分の言葉に少し冷静さを取り戻す。
翠は俺の目をじっと見て、五秒くらいかけてから、
「……ごめんなさい。あと、ありがとう」
「どういたしまして」
翠から手を離し背を向ける。
自分のもといた席に戻るまで数歩しかない。それまでにはどうにかしたい、この心拍――
顔なんて、毎日病院で見ていた。IVHをしているところだって見てきた。それを引き抜くときも側にいた。
なのに、制服を着ているというだけでどうしてこんなに心臓が騒ぐ?
別に邪なことを考えたわけじゃない。痛々しい痕が、あまりにも制服にそぐわなくて――目を逸らしたいと思うのに、目が離せなかった。
なんであんなに痛々しいんだよ……。
窓際の席に着き、再びパソコンのディスプレイに視線をやるものの、何も考えることはできなかった。
脳裏に焼きついた、頬から首筋を消し去ろうとする自分と、胸のざわめきを検分しようとする自分。
何か食べさせたい――せめて、初めて会ったときくらいの体重に戻したい。
あのときだって標準体重だったわけじゃない。でも、今の翠は細すぎる。
あんな身体で学校生活をまともに送れるのだろうか。
不安ばかりが頭をよぎる。
それでも、幸倉の家に説得しに行ったときと比べれば顔色も良くなった。けれども、人がぶつかっただけで折れそうなほどに細い……。
食べさせることを考えるけれど、翠の胃は小さいし、無理して一気に食べさせれば血圧が下がる。
――違う。
そんなことは姉さんや相馬さんに任せておけばいい。俺がフォローするのはそういう部分じゃない。
俺はまだ医者でもなんでもない――
徐々に周りの音が聞こえ始める。その程度には落ち着きを取り戻した。
何かに集中したくて、さっきから開いたままにしてある生徒会のメールボックスを見た。しかし、メールボックスには一件のメールもない。
そんなことがあるわけ――ある……。そうか、今学期は紅葉祭があるからか。
理由はすぐにわかった。この時期、王子と姫には内緒のメールアドレスが設定される。そして、そのメールアドレスに紅葉祭での王子と姫の出し物リクエストが寄せられるのだ。
俺が今まで一度も参加したことのない仕掛けサイド――そして、今まで一度も良かったことなどない出し物。
二十分ごとに知らない女子と校内デートや、椅子の脇に立って女子と写真に写るとか……。
そろそろ王子という役から解放してほしい。
いったい誰だよ、姫と王子の伝統なんか作った人間……。
今年はいったい何をやらされるのか。過去、中等部での経験上、校内デートが濃厚だろうか。
中等部のとき、紅葉祭が終わったあとにリクエストフォルダを見せてもらった。
リクエストの中には演劇や写真集の販売なんてものまであり、思い出すだけでもおぞましくなるようなリクエストの数々。
それを俺だけではなく、姫である翠もこなさなくてはいけない。
午後からの時間を全部二十分デートにされるだけで、どれほどの体力を消耗させられることか。
加えて、翠を見知らぬ男とふたりにすることに抵抗があるし、また男性恐怖症がぶり返す気がしなくもない。そこら辺を考慮してもらわないと困る。
向こうサイドに簾条がいれば翠に無理なことはさせないと思うが……。
海斗、あまり変な企てはしてくれるな。簾条、今回ばかりはおまえに期待する。
「翠葉ちゃんは司と仲良しになったね?」
茜先輩までそれを言うか――
優太や嵐、朝陽の会話を聞きながら、今度はネット上にある自分のメールボックスを開いていた。
翠はといえば、まだ名前の呼び方についてあれやこれやと言われている。
「うん、じゃ久は?」
「キラキラ王子」
……阿呆だな。
その場の人間みんなに笑われあたふたしている感じが背中を見ているだけでもわかる。
「ねぇ、俺は?」
漣が訊けば、翠は「サザナミくん」と即答した。
未だに名前を覚えていないのだろうか。だとしたら、少しくらいは漣に同情してやる余地がある。
「御園生さんって、本当に俺のこと眼中ないよね? どうせ、俺の名前なんて覚えてないんでしょう?」
これは責められても仕方がないだろう。
「あ、あのねっ、サザナミくんはサザナミくんって感じなのっ」
なんだよ、それ……。
「そりゃ、俺は漣だけどさっ! なんで同学年で俺だけ苗字っ!?」
「きれいだからっっっ」
――ネットでニュースでも見るか。
向こうで繰り広げられる会話から完全に離脱し、国内外のニュースに目を通していた。そして、最後にたどり着くのは株。
とりあえずの動向を探るのにはこんな短時間でも有効に使える。
しばらくはディスプレイに集中していた。けれど、視界の端に翠が入り込む。
どうやら立て膝で移動してきたらしく、テーブルの端を両手で掴み顎を乗せる。
小動物っぽい……。ハナがかまって欲しいときにするポーズそのもの。
「伏せ」の状態で俺の足に顎を乗せ、尻尾を振るのが常套手段。でも、人間がテーブルでそれをやったとき、生首のように見えなくもない。尻尾もないしな……。
「あっちで一緒にお弁当食べよう?」
翠が指差した方へ視線をやると、書架の手前にあるスペースに、メンバーがサークル状に腰を下ろしていた。
「……何あそこ。遠足みたいになってるけど……」
「あぁ、そういえばどこかにレジャーシートあったよね? 確かアニメのキャラクターが描かれたやつ。キャラクターの上に司を座らせたいよなぁ……? ぜひ、つ、か、さ、に座らせたいよなぁ?」
そう言って会長が立ち上がった。
何……自分ひとり名前を呼んでもらえなかったから?
「翠、あの人のこと名前で呼んでやって」
それで気が晴れるなら、今すぐにでも呼ばせます。
「え?」
「いいから早く」
「久先輩……?」
俺に言うんじゃなくてあっち。
「もっと大きな声で」
翠が少し焦ったふうで「久先輩っ」と口にすると、その言葉を待っていた会長が、
「翠葉ちゃん何っ?」
と寄ってくる。これ以上にないくらい目を輝かさせて。
「翠、続けて……レジャーシートはやめましょう、って言って」
これで完璧なはず。
「……レジャーシートはやめましょう……?」
翠は不思議そうな顔をしたまま口にした。
「うん、そうしよう! レジャーシートはやめよう! ほら、司もこっち来いよっ!」
床で円になって弁当、ね――ここはいつから幼稚部になったんだ。
「ツカサ、みんな待ってるから行こう?」
翠の催促する目に負けた。
「……わかった」
翠はやっぱりどこかハナと似ていると思う。
この流れだと確実に頭を下げる。そう思えば座って見ていることはできなくなった。
「あの、すみません……まだ体調が本調子じゃなくて……ぶつかったときの振動とかそういうのが怖くて……ごめんなさい」
頭を上げる前には翠の背後に立つことができた。
「頭下げるくらいなら座れ」
とりあえず、頭を上げないように右手を頭に置き、左手はお辞儀をした状態の肩を押さえる。
頭はいいはずなのに、こういうところの学習能力が欠如しすぎ……。でも、すごく律儀。
間違いなく、「ごめんなさい」と「お辞儀」はセットだと思っているに違いない。
頭を下げるだけならいい。心臓と頭が同じ位置になるのなら問題はない。そのあと、心臓よりも高い位置に頭を戻すと、軽い脳貧血の状態になる。それは、翠が眩暈を起こすパターンの第一位だ。
体位を簡単に変えるな、と何度言ったらわかるんだか……。
翠は戸惑った様子で、 「……えと、座って土下座……?」
振り返るのではなく、真上を見て俺を確認。
きょとんとした顔は間抜けだが、髪が――髪が全部背中側へ流れ、顔の輪郭が露になる。
首筋の延長にIVHの痕や鎖骨のくぼみが見えて心臓が止まるかと思った。
「……暑さで頭に虫がわいてるんじゃないか?」
苦し紛れのタイミング。
「それ、どういう意味?」
俺の視界に何が映っているのかすら気づかず、翠はその体勢のまま質問してくる。
一度目を閉じ、翠と視線を合わせることに意識して目を開いた。
「……立っている状態で頭下げて頭上げたらどうなる?」
自分の言葉に少し冷静さを取り戻す。
翠は俺の目をじっと見て、五秒くらいかけてから、
「……ごめんなさい。あと、ありがとう」
「どういたしまして」
翠から手を離し背を向ける。
自分のもといた席に戻るまで数歩しかない。それまでにはどうにかしたい、この心拍――
顔なんて、毎日病院で見ていた。IVHをしているところだって見てきた。それを引き抜くときも側にいた。
なのに、制服を着ているというだけでどうしてこんなに心臓が騒ぐ?
別に邪なことを考えたわけじゃない。痛々しい痕が、あまりにも制服にそぐわなくて――目を逸らしたいと思うのに、目が離せなかった。
なんであんなに痛々しいんだよ……。
窓際の席に着き、再びパソコンのディスプレイに視線をやるものの、何も考えることはできなかった。
脳裏に焼きついた、頬から首筋を消し去ろうとする自分と、胸のざわめきを検分しようとする自分。
何か食べさせたい――せめて、初めて会ったときくらいの体重に戻したい。
あのときだって標準体重だったわけじゃない。でも、今の翠は細すぎる。
あんな身体で学校生活をまともに送れるのだろうか。
不安ばかりが頭をよぎる。
それでも、幸倉の家に説得しに行ったときと比べれば顔色も良くなった。けれども、人がぶつかっただけで折れそうなほどに細い……。
食べさせることを考えるけれど、翠の胃は小さいし、無理して一気に食べさせれば血圧が下がる。
――違う。
そんなことは姉さんや相馬さんに任せておけばいい。俺がフォローするのはそういう部分じゃない。
俺はまだ医者でもなんでもない――
徐々に周りの音が聞こえ始める。その程度には落ち着きを取り戻した。
何かに集中したくて、さっきから開いたままにしてある生徒会のメールボックスを見た。しかし、メールボックスには一件のメールもない。
そんなことがあるわけ――ある……。そうか、今学期は紅葉祭があるからか。
理由はすぐにわかった。この時期、王子と姫には内緒のメールアドレスが設定される。そして、そのメールアドレスに紅葉祭での王子と姫の出し物リクエストが寄せられるのだ。
俺が今まで一度も参加したことのない仕掛けサイド――そして、今まで一度も良かったことなどない出し物。
二十分ごとに知らない女子と校内デートや、椅子の脇に立って女子と写真に写るとか……。
そろそろ王子という役から解放してほしい。
いったい誰だよ、姫と王子の伝統なんか作った人間……。
今年はいったい何をやらされるのか。過去、中等部での経験上、校内デートが濃厚だろうか。
中等部のとき、紅葉祭が終わったあとにリクエストフォルダを見せてもらった。
リクエストの中には演劇や写真集の販売なんてものまであり、思い出すだけでもおぞましくなるようなリクエストの数々。
それを俺だけではなく、姫である翠もこなさなくてはいけない。
午後からの時間を全部二十分デートにされるだけで、どれほどの体力を消耗させられることか。
加えて、翠を見知らぬ男とふたりにすることに抵抗があるし、また男性恐怖症がぶり返す気がしなくもない。そこら辺を考慮してもらわないと困る。
向こうサイドに簾条がいれば翠に無理なことはさせないと思うが……。
海斗、あまり変な企てはしてくれるな。簾条、今回ばかりはおまえに期待する。
「翠葉ちゃんは司と仲良しになったね?」
茜先輩までそれを言うか――
優太や嵐、朝陽の会話を聞きながら、今度はネット上にある自分のメールボックスを開いていた。
翠はといえば、まだ名前の呼び方についてあれやこれやと言われている。
「うん、じゃ久は?」
「キラキラ王子」
……阿呆だな。
その場の人間みんなに笑われあたふたしている感じが背中を見ているだけでもわかる。
「ねぇ、俺は?」
漣が訊けば、翠は「サザナミくん」と即答した。
未だに名前を覚えていないのだろうか。だとしたら、少しくらいは漣に同情してやる余地がある。
「御園生さんって、本当に俺のこと眼中ないよね? どうせ、俺の名前なんて覚えてないんでしょう?」
これは責められても仕方がないだろう。
「あ、あのねっ、サザナミくんはサザナミくんって感じなのっ」
なんだよ、それ……。
「そりゃ、俺は漣だけどさっ! なんで同学年で俺だけ苗字っ!?」
「きれいだからっっっ」
――ネットでニュースでも見るか。
向こうで繰り広げられる会話から完全に離脱し、国内外のニュースに目を通していた。そして、最後にたどり着くのは株。
とりあえずの動向を探るのにはこんな短時間でも有効に使える。
しばらくはディスプレイに集中していた。けれど、視界の端に翠が入り込む。
どうやら立て膝で移動してきたらしく、テーブルの端を両手で掴み顎を乗せる。
小動物っぽい……。ハナがかまって欲しいときにするポーズそのもの。
「伏せ」の状態で俺の足に顎を乗せ、尻尾を振るのが常套手段。でも、人間がテーブルでそれをやったとき、生首のように見えなくもない。尻尾もないしな……。
「あっちで一緒にお弁当食べよう?」
翠が指差した方へ視線をやると、書架の手前にあるスペースに、メンバーがサークル状に腰を下ろしていた。
「……何あそこ。遠足みたいになってるけど……」
「あぁ、そういえばどこかにレジャーシートあったよね? 確かアニメのキャラクターが描かれたやつ。キャラクターの上に司を座らせたいよなぁ……? ぜひ、つ、か、さ、に座らせたいよなぁ?」
そう言って会長が立ち上がった。
何……自分ひとり名前を呼んでもらえなかったから?
「翠、あの人のこと名前で呼んでやって」
それで気が晴れるなら、今すぐにでも呼ばせます。
「え?」
「いいから早く」
「久先輩……?」
俺に言うんじゃなくてあっち。
「もっと大きな声で」
翠が少し焦ったふうで「久先輩っ」と口にすると、その言葉を待っていた会長が、
「翠葉ちゃん何っ?」
と寄ってくる。これ以上にないくらい目を輝かさせて。
「翠、続けて……レジャーシートはやめましょう、って言って」
これで完璧なはず。
「……レジャーシートはやめましょう……?」
翠は不思議そうな顔をしたまま口にした。
「うん、そうしよう! レジャーシートはやめよう! ほら、司もこっち来いよっ!」
床で円になって弁当、ね――ここはいつから幼稚部になったんだ。
「ツカサ、みんな待ってるから行こう?」
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