910 / 1,060
Side View Story 14
30~45 Side 秋斗 01話
しおりを挟む
パレスから帰った翌日、夕方四時過ぎくらいだっただろうか。
小会議室で残務処理に追われていると、じーさんから連絡が入った。
スペースがあまり広くないということもあり、この場で携帯に出るのは憚られる。が、そこはなんといっても会長相手。
席を立ち、仕方なしに通話ボタンを押す。
「はい」と応答しつつ、俺は蔵元のパソコンのキーをひとつだけ押した。
それは「1」。
会長が来ているという意味ではなく、通話相手がじーさんだと伝えるための行動。
蔵元が頷いたのを確認してから会議室をあとにした。
「なんでしょう?」
人気のない廊下でも声は響かない。
このフロアは床材に絨毯が使用されており、壁材も人の声や物音を反響させないよう考慮されている。
『そろそろケリはついたかの?』
「えぇ、すでに残務処理を始めています」
うちの社員は皆優秀だ。
事、今あの会議室にいる人間たちは……。
『雅のことを調べたそうじゃな』
「えぇ……」
内容が内容だけに、そこはあまり突っ込まれたくない。
『そのファイルをわしに見せてくれぬかのぉ?』
「……会議用にまとめたものではないので、お目汚しになるかと思います。そもそも、こんなファイルを見なくても会長はご存知なのでは?」
『そうじゃのぉ。じゃが、わしはそのファイルが欲しいんじゃ。そっちに人をやった。その者に渡すがよい』
「……個人情報なので、用途をうかがいたいのですが」
『身内の情報じゃて、つまらんことを申すでない。強いて言うなれば、司に見せようと思っての』
くつくつと笑う声が聞こえた。
「司に見せてどうするつもりです?」
『どうする――ふむ、どうなるかは司しだいかのぉ……。そうじゃ、先に言うておく。司に学園警備の指揮権を持たせる』
なぜ司にっ!? 理由は?
『警備サイドでは佐々木の姪にはなんの手も打たぬじゃろう。その対応を司に任せる。問題はなかろう?』
あるなし、でいうなら別段問題はない。
問題はないが、じーさんが何を企んでいるのかが読めないところが大問題だ。
『雅の真実を知って秋斗はどう思うた? ……司はそれを知ってどう思うかの?』
通話はそこで切れた。
「何を思ったか……?」
復唱するように口にしたとき、会議室から人事部長が出てきた。
「会長の使いが下にいらしているそうですが……」
「あ、はい。今会長から連絡がありました」
俺は手に持っていた携帯をスーツのポケットにしまう。
「お疲れのようですね。差し支えなければ私が代わりに行きますが」
「とんでもない。日下部さんだってお疲れでしょう。一昨日から家にも帰らず社に寝泊りしているんですから」
「それは秋斗様もお変わりないでしょう。皆交代で仮眠は取っております」
普通の会話に笑みが漏れる。
「どうかなさいましたか?」
「すみません……。なんか不思議で」
「何が、でしょう?」
日下部さんは少し困惑しているようだが、そこから変なプレッシャーはかけてこない。
五十を過ぎてがっしりとした体型。顔が四角く、まるで将棋の駒、王将を彷彿とさせる。
正直に言うと非常に強面で、初対面の人は話しかけづらいと思うだろう。
しかし、彼が纏う気はとても穏やかで健やかなものと感じる。
「こういう会話に免疫がないんです」
「こういう会話に免疫、ですか?」
「はい。社交辞令――上辺だけの会話なら何度となく交わしてきましたが、そこに心が伴う気遣いを何度自分がしてこれたのか、と思いまして」
日下部さんは俺の次の言葉を待っているようだった。
「美辞麗句に慣れすぎて、心ある言葉をいくつ無下にしてきたのかと思うと、少々怖くもあります」
俺の言わんとすることが伝わったのか、日下部さんが口を開いた。
「お立場がお立場ですからね……。ですが、今会議室にいる者たちは――」
「わかっています」
俺は言葉の途中で遮った。そして、もう一度口にする。
「わかっています。あの中に美辞麗句を言う人間はいない。だからこそ、自分も心ある人間でいられました。今は、あの部屋にいる社員の健康状態を心から心配しています」
本音だった。
日下部さんの表情が緩み、突飛なことを訊かれる。
「秋斗様は会社での飲み会などには参加されたことがないとうかがいましたが、この件がすべて片付いた折には皆で飲みに行きませんか?」
「いいですね。その際にはホテル一室貸しきりますよ」
その言葉に日下部さんは苦笑する。
「ウィステリアホテルでは私たちが落ち着きません。よろしければ社員馴染みの居酒屋、というのはいかがでしょう?」
「居酒屋、ですか?」
「はい」
「実はそういった場所へはあまり行ったことがなくて……」
今度は俺が苦笑する番だった。
「でしたらなおのこと、こちらで手配させていただきましょう。のちほどシフトの調整を済ませしだい、日時のご連絡をさせていただきます」
会話は不思議なほうへ不思議なほうへと逸れていく。
そこに会議室のドアが開き、蔵元が出てきた。
「秋斗様、何油売ってるんですかっ。私の携帯に会長から連絡が入ったじゃないですかっ」
さも恐ろしい、とでも言うかのように、その携帯を胸元に押し付けられる。
「あ、悪い……」
年寄りはせっかちだなと思いつつ、蔵元の手にあるファイルに視線を移す。
「会長ご所望のファイルです」
「あぁ……下に使いの人が来てるみたいだから渡してきてもらえる?」
「かしこまりました」
蔵元は足早に去っていった。
「おやおや、蔵元くんにはあのような命を下されるのですね」
「えぇ、彼とは入社したときからの付き合いですからね」
答えて、ちょっとくすぐったい気分になる。
「では、私も長い付き合いになれるよう精進いたしましょう。――ところで、あのファイルは?」
さすがに話さないわけにはいかないだろう。
資料がひとつ行方をくらますのだから。
用途はともかく、ものの所在は明らかにしておくべきだ。
「自分が調べた雅嬢のファイルです」
「それを会長がなぜ?」
「今、その思惑を考えているところなのですが……」
はた、と気づく。
今目の前にいる人が人事部長であることに。
「そちらに連絡は……――いかないでしょうね。一時的なものだと思います。本日付で司に学園警備の指揮権が与えられるようです」
「それは会長のご意向ですか?」
「……だと思います。明確なことを申し上げられず心苦しいのですが」
「いえ、資料の所在と現実に起きている事柄が把握できれば十分です」
「現時点で私が把握しているのは、越谷まりあの件を司が任される、ということくらいです」
「佐々木さんの姪――私たちが問題なし、と判断した人物ですね」
「えぇ、何か起きても風紀委員と学園警備で対応できる程度のものでしょう。こちらに迷惑がかかることはないかと思いますが、ご報告だけ……」
「かしこまりました。学園においては秋斗様の指揮下にございます。何かあったとしても、秋斗様がおさめられるものでしたら問題ございません。ファイルが戻りましたらご一報ください」
話が済み会議室に戻ろうとしたとき、日下部さんに引き止められた。
「秋斗様は通常業務にお戻りください。もうこの件においては残務処理しか残っておりません」
「しかし……」
日下部さんはニヤリと笑う。
「システム開発のエースにいつまでも残務処理などさせておくわけにはいきません。会社の利益になる場所へ戻っていただかなくては。……心配せずとも、ほかの者も数名残してすぐにもとの部署へ戻らせます。きちんと休暇を取らせたあとに」
そう言うと、浅く礼をして俺に背を向けた。
今回、武継さんい率いる警護班のメンバーとは皆顔見知りであったが、内部監査、そのほかに充当された人間のほとんどが初めて会う人間だった。
日下部さんが召集をかけた人材だからなのか、緊急で集められたにも関わらず、一貫して統率のとれた部隊だった。
一段落したころ、何人かに訊いてみた。
普段、接点のある人間の集まりなのか、と。
しかし、驚くことに皆が皆、共に仕事をしたことはないと言う。
まさかと思い、全員の履歴をさらってみたが、仕事上での接点はひとつも見つからなかった。
情報も時間もない中、仕事ができて横のつながりを持たない人間のみを集められたのは、日下部さんの手腕なのだろう。
今回は情報収集が主ということもあり、途中から自分の信用するエンジニアを数名投入したものの、皆いい仕事ぶりだった。
いつか俺がこの社を離れることになったとしても、このメンバーを忘れることはないだろう。
小会議室で残務処理に追われていると、じーさんから連絡が入った。
スペースがあまり広くないということもあり、この場で携帯に出るのは憚られる。が、そこはなんといっても会長相手。
席を立ち、仕方なしに通話ボタンを押す。
「はい」と応答しつつ、俺は蔵元のパソコンのキーをひとつだけ押した。
それは「1」。
会長が来ているという意味ではなく、通話相手がじーさんだと伝えるための行動。
蔵元が頷いたのを確認してから会議室をあとにした。
「なんでしょう?」
人気のない廊下でも声は響かない。
このフロアは床材に絨毯が使用されており、壁材も人の声や物音を反響させないよう考慮されている。
『そろそろケリはついたかの?』
「えぇ、すでに残務処理を始めています」
うちの社員は皆優秀だ。
事、今あの会議室にいる人間たちは……。
『雅のことを調べたそうじゃな』
「えぇ……」
内容が内容だけに、そこはあまり突っ込まれたくない。
『そのファイルをわしに見せてくれぬかのぉ?』
「……会議用にまとめたものではないので、お目汚しになるかと思います。そもそも、こんなファイルを見なくても会長はご存知なのでは?」
『そうじゃのぉ。じゃが、わしはそのファイルが欲しいんじゃ。そっちに人をやった。その者に渡すがよい』
「……個人情報なので、用途をうかがいたいのですが」
『身内の情報じゃて、つまらんことを申すでない。強いて言うなれば、司に見せようと思っての』
くつくつと笑う声が聞こえた。
「司に見せてどうするつもりです?」
『どうする――ふむ、どうなるかは司しだいかのぉ……。そうじゃ、先に言うておく。司に学園警備の指揮権を持たせる』
なぜ司にっ!? 理由は?
『警備サイドでは佐々木の姪にはなんの手も打たぬじゃろう。その対応を司に任せる。問題はなかろう?』
あるなし、でいうなら別段問題はない。
問題はないが、じーさんが何を企んでいるのかが読めないところが大問題だ。
『雅の真実を知って秋斗はどう思うた? ……司はそれを知ってどう思うかの?』
通話はそこで切れた。
「何を思ったか……?」
復唱するように口にしたとき、会議室から人事部長が出てきた。
「会長の使いが下にいらしているそうですが……」
「あ、はい。今会長から連絡がありました」
俺は手に持っていた携帯をスーツのポケットにしまう。
「お疲れのようですね。差し支えなければ私が代わりに行きますが」
「とんでもない。日下部さんだってお疲れでしょう。一昨日から家にも帰らず社に寝泊りしているんですから」
「それは秋斗様もお変わりないでしょう。皆交代で仮眠は取っております」
普通の会話に笑みが漏れる。
「どうかなさいましたか?」
「すみません……。なんか不思議で」
「何が、でしょう?」
日下部さんは少し困惑しているようだが、そこから変なプレッシャーはかけてこない。
五十を過ぎてがっしりとした体型。顔が四角く、まるで将棋の駒、王将を彷彿とさせる。
正直に言うと非常に強面で、初対面の人は話しかけづらいと思うだろう。
しかし、彼が纏う気はとても穏やかで健やかなものと感じる。
「こういう会話に免疫がないんです」
「こういう会話に免疫、ですか?」
「はい。社交辞令――上辺だけの会話なら何度となく交わしてきましたが、そこに心が伴う気遣いを何度自分がしてこれたのか、と思いまして」
日下部さんは俺の次の言葉を待っているようだった。
「美辞麗句に慣れすぎて、心ある言葉をいくつ無下にしてきたのかと思うと、少々怖くもあります」
俺の言わんとすることが伝わったのか、日下部さんが口を開いた。
「お立場がお立場ですからね……。ですが、今会議室にいる者たちは――」
「わかっています」
俺は言葉の途中で遮った。そして、もう一度口にする。
「わかっています。あの中に美辞麗句を言う人間はいない。だからこそ、自分も心ある人間でいられました。今は、あの部屋にいる社員の健康状態を心から心配しています」
本音だった。
日下部さんの表情が緩み、突飛なことを訊かれる。
「秋斗様は会社での飲み会などには参加されたことがないとうかがいましたが、この件がすべて片付いた折には皆で飲みに行きませんか?」
「いいですね。その際にはホテル一室貸しきりますよ」
その言葉に日下部さんは苦笑する。
「ウィステリアホテルでは私たちが落ち着きません。よろしければ社員馴染みの居酒屋、というのはいかがでしょう?」
「居酒屋、ですか?」
「はい」
「実はそういった場所へはあまり行ったことがなくて……」
今度は俺が苦笑する番だった。
「でしたらなおのこと、こちらで手配させていただきましょう。のちほどシフトの調整を済ませしだい、日時のご連絡をさせていただきます」
会話は不思議なほうへ不思議なほうへと逸れていく。
そこに会議室のドアが開き、蔵元が出てきた。
「秋斗様、何油売ってるんですかっ。私の携帯に会長から連絡が入ったじゃないですかっ」
さも恐ろしい、とでも言うかのように、その携帯を胸元に押し付けられる。
「あ、悪い……」
年寄りはせっかちだなと思いつつ、蔵元の手にあるファイルに視線を移す。
「会長ご所望のファイルです」
「あぁ……下に使いの人が来てるみたいだから渡してきてもらえる?」
「かしこまりました」
蔵元は足早に去っていった。
「おやおや、蔵元くんにはあのような命を下されるのですね」
「えぇ、彼とは入社したときからの付き合いですからね」
答えて、ちょっとくすぐったい気分になる。
「では、私も長い付き合いになれるよう精進いたしましょう。――ところで、あのファイルは?」
さすがに話さないわけにはいかないだろう。
資料がひとつ行方をくらますのだから。
用途はともかく、ものの所在は明らかにしておくべきだ。
「自分が調べた雅嬢のファイルです」
「それを会長がなぜ?」
「今、その思惑を考えているところなのですが……」
はた、と気づく。
今目の前にいる人が人事部長であることに。
「そちらに連絡は……――いかないでしょうね。一時的なものだと思います。本日付で司に学園警備の指揮権が与えられるようです」
「それは会長のご意向ですか?」
「……だと思います。明確なことを申し上げられず心苦しいのですが」
「いえ、資料の所在と現実に起きている事柄が把握できれば十分です」
「現時点で私が把握しているのは、越谷まりあの件を司が任される、ということくらいです」
「佐々木さんの姪――私たちが問題なし、と判断した人物ですね」
「えぇ、何か起きても風紀委員と学園警備で対応できる程度のものでしょう。こちらに迷惑がかかることはないかと思いますが、ご報告だけ……」
「かしこまりました。学園においては秋斗様の指揮下にございます。何かあったとしても、秋斗様がおさめられるものでしたら問題ございません。ファイルが戻りましたらご一報ください」
話が済み会議室に戻ろうとしたとき、日下部さんに引き止められた。
「秋斗様は通常業務にお戻りください。もうこの件においては残務処理しか残っておりません」
「しかし……」
日下部さんはニヤリと笑う。
「システム開発のエースにいつまでも残務処理などさせておくわけにはいきません。会社の利益になる場所へ戻っていただかなくては。……心配せずとも、ほかの者も数名残してすぐにもとの部署へ戻らせます。きちんと休暇を取らせたあとに」
そう言うと、浅く礼をして俺に背を向けた。
今回、武継さんい率いる警護班のメンバーとは皆顔見知りであったが、内部監査、そのほかに充当された人間のほとんどが初めて会う人間だった。
日下部さんが召集をかけた人材だからなのか、緊急で集められたにも関わらず、一貫して統率のとれた部隊だった。
一段落したころ、何人かに訊いてみた。
普段、接点のある人間の集まりなのか、と。
しかし、驚くことに皆が皆、共に仕事をしたことはないと言う。
まさかと思い、全員の履歴をさらってみたが、仕事上での接点はひとつも見つからなかった。
情報も時間もない中、仕事ができて横のつながりを持たない人間のみを集められたのは、日下部さんの手腕なのだろう。
今回は情報収集が主ということもあり、途中から自分の信用するエンジニアを数名投入したものの、皆いい仕事ぶりだった。
いつか俺がこの社を離れることになったとしても、このメンバーを忘れることはないだろう。
2
あなたにおすすめの小説
光のもとで2
葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、
新たな気持ちで新学期を迎える。
好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。
少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。
それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。
この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。
何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい――
(10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる