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2.魔法契約の裏側編
10-2.限界を迎えた特級魔法使い編
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「ちょっと、なに言って」
「たくさん我慢したのに、もう終わり? そんなのないです、あんまりです!」
スヴィーレネスの暴走は止まらず、さらに激しく口付けをされる。
更に舌先から魔力を感じ、体温が一気に上昇する。
(無理やり、魔力を注がれてる! 強制的に俺を発情させる気だ!)
目の前の胸板を押して距離を取ろうとするも、後頭部と腰を固定されている。
逃げられずにされるがままになっていると、悲痛な声が降り注いできた。
「どうしてワタクシを拒むんですか! アナタはワタクシの愛し仔なのに!」
「愛し仔だからって、なにをしてもいいわけじゃないでしょ!」
拘束から脱出しようと暴れるが、乱暴に手を掴まれて壁際に追いやられた。
泣き出しそうな瞳に睨まれ、逃げ出したいのに罪悪感が膨らんでいく。
「ワタクシが好きだから、魔法契約したのでしょう? なのにどうして」
(まずい、本格的に魔力が体にまわってきた。体が疼いて、たまらない……♡)
軽い体を持ち上げられ、首筋に顔を埋められ、甘く喉笛を噛まれる。
興奮した息遣いが、肌にかかる感覚が、容赦なく俺の理性を揺さぶった。
「オルディール、やっとその気になりました? 可愛い顔をしていますね」
「あっ♡ やだっ、魔力、流すな!」
押し退けていたはずの手が、無意識に彼の服を掴んでいる。
その反応に気を良くしたスヴィーレネスが、肌に舌を這わせてきた。
「そうは言っても、ワタクシの魔力でとろとろじゃないですか」
「触んないで、ひぁっ♡」
もどかしい快楽が体を走り、思考がぐずぐずに蕩けていく。
必死に唇を噛んで耐えようとするも、スヴィーレネスが耳元で囁いた。
「可愛いですね、全部食べてしまいたい……」
(腰が抜けて、抵抗できない♡)
ゆっくりと服の中に手が侵入してきて、肌を直に撫でられる。
いつの間にか上着の前が開けられていて、そこに顔を近づけられた。
「ひっ! すわ、吸わないで、んぁあ♡ やめ、スヴィーレネス!」
「オルディール、もっとワタクシの名前を呼んで。それが堪らなく嬉しいんです」
体を指先で弄られ、あまりの快感に逃げようと暴れる。
だが全く力が入らず、むしろ自分からすり寄るみたいに腰が揺れていた。
「スヴィーレネス! だめ、だめ♡ それ以上したら……!」
「ワタクシのものだって、ちゃんと自覚してください。誰の愛し仔なのか自覚するまで離しませんか、ら」
眼前に星が散るほどの快楽に仰け反るが、唐突にスヴィーレネスの動きが止まる。
そして彼は目を見開き、勢いよく距離を取った。
「スヴィー、レネス?」
「ごめ、ごめんなさいオルディール! 我慢、できませんでした……」
正気に戻ったのか、スヴィーレネスが両手で顔を覆っている。
もう発情した獣の気配は消え去り、周囲の魔力もなくなっていた。
「……ううん、俺の態度も酷過ぎた。確かに、あんな風にされたら辛いよね」
「もうオルディールは、ワタクシが嫌いになりましたか」
泣きそうな顔で後悔するスヴィーレネスに、俺は首を横に振る。
彼が暴走した原因は、俺が冷たい態度を取りすぎたからだ。
「そうじゃないよ。嫌いにはなってないから、大丈夫」
「せめて事件が解決するまで、側に置いてほしいです。ちゃんと役に立ちますから」
俺が近づいて宥めても、スヴィーレネスは俯いてしまっている。
だから視線は合わなくて、表情もうまく読み取れない。
「邪魔しなければ、置いて行ったりしないよ」
暴走を反省しているスヴィーレネスを、これ以上責める気にはなれなかった。
俺から触れるだけのキスを頬に落とすと、躊躇いがちに抱き締められる。
「正直、自信ないですけど。でもできる限り、嫉妬とかもしないようにします」
「……うん、分かった。だから落ち着いて」
曖昧な態度を取り続けるのと突き放すのとでは、どっちがマシなんだろうか。
けれど答えが出せない俺たちの間に、一枚の花弁が舞い込んできた。
「あれ、この花って今の季節に咲くんだっけ」
「たくさん我慢したのに、もう終わり? そんなのないです、あんまりです!」
スヴィーレネスの暴走は止まらず、さらに激しく口付けをされる。
更に舌先から魔力を感じ、体温が一気に上昇する。
(無理やり、魔力を注がれてる! 強制的に俺を発情させる気だ!)
目の前の胸板を押して距離を取ろうとするも、後頭部と腰を固定されている。
逃げられずにされるがままになっていると、悲痛な声が降り注いできた。
「どうしてワタクシを拒むんですか! アナタはワタクシの愛し仔なのに!」
「愛し仔だからって、なにをしてもいいわけじゃないでしょ!」
拘束から脱出しようと暴れるが、乱暴に手を掴まれて壁際に追いやられた。
泣き出しそうな瞳に睨まれ、逃げ出したいのに罪悪感が膨らんでいく。
「ワタクシが好きだから、魔法契約したのでしょう? なのにどうして」
(まずい、本格的に魔力が体にまわってきた。体が疼いて、たまらない……♡)
軽い体を持ち上げられ、首筋に顔を埋められ、甘く喉笛を噛まれる。
興奮した息遣いが、肌にかかる感覚が、容赦なく俺の理性を揺さぶった。
「オルディール、やっとその気になりました? 可愛い顔をしていますね」
「あっ♡ やだっ、魔力、流すな!」
押し退けていたはずの手が、無意識に彼の服を掴んでいる。
その反応に気を良くしたスヴィーレネスが、肌に舌を這わせてきた。
「そうは言っても、ワタクシの魔力でとろとろじゃないですか」
「触んないで、ひぁっ♡」
もどかしい快楽が体を走り、思考がぐずぐずに蕩けていく。
必死に唇を噛んで耐えようとするも、スヴィーレネスが耳元で囁いた。
「可愛いですね、全部食べてしまいたい……」
(腰が抜けて、抵抗できない♡)
ゆっくりと服の中に手が侵入してきて、肌を直に撫でられる。
いつの間にか上着の前が開けられていて、そこに顔を近づけられた。
「ひっ! すわ、吸わないで、んぁあ♡ やめ、スヴィーレネス!」
「オルディール、もっとワタクシの名前を呼んで。それが堪らなく嬉しいんです」
体を指先で弄られ、あまりの快感に逃げようと暴れる。
だが全く力が入らず、むしろ自分からすり寄るみたいに腰が揺れていた。
「スヴィーレネス! だめ、だめ♡ それ以上したら……!」
「ワタクシのものだって、ちゃんと自覚してください。誰の愛し仔なのか自覚するまで離しませんか、ら」
眼前に星が散るほどの快楽に仰け反るが、唐突にスヴィーレネスの動きが止まる。
そして彼は目を見開き、勢いよく距離を取った。
「スヴィー、レネス?」
「ごめ、ごめんなさいオルディール! 我慢、できませんでした……」
正気に戻ったのか、スヴィーレネスが両手で顔を覆っている。
もう発情した獣の気配は消え去り、周囲の魔力もなくなっていた。
「……ううん、俺の態度も酷過ぎた。確かに、あんな風にされたら辛いよね」
「もうオルディールは、ワタクシが嫌いになりましたか」
泣きそうな顔で後悔するスヴィーレネスに、俺は首を横に振る。
彼が暴走した原因は、俺が冷たい態度を取りすぎたからだ。
「そうじゃないよ。嫌いにはなってないから、大丈夫」
「せめて事件が解決するまで、側に置いてほしいです。ちゃんと役に立ちますから」
俺が近づいて宥めても、スヴィーレネスは俯いてしまっている。
だから視線は合わなくて、表情もうまく読み取れない。
「邪魔しなければ、置いて行ったりしないよ」
暴走を反省しているスヴィーレネスを、これ以上責める気にはなれなかった。
俺から触れるだけのキスを頬に落とすと、躊躇いがちに抱き締められる。
「正直、自信ないですけど。でもできる限り、嫉妬とかもしないようにします」
「……うん、分かった。だから落ち着いて」
曖昧な態度を取り続けるのと突き放すのとでは、どっちがマシなんだろうか。
けれど答えが出せない俺たちの間に、一枚の花弁が舞い込んできた。
「あれ、この花って今の季節に咲くんだっけ」
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