君と見た黄昏の夕焼け

霧野新庄

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始まりの厄災

大自然の島、江戸崎

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『ブオオ。ブオオ』

「お待たせいたしました。間もなく江戸崎に到着いたします。お降りの際は忘れ物等ございませんようあらかじめご確認ください」

『ドン』

真司は江戸崎に降り立った。

「んー。この透き通った青い海。美味しい空気。帰ってきたんだー俺の故郷にー」

「お!真司。帰ってきたのか!」

1人の老人が真司に声をかけてきた。

「あ!康さん。ただいまぁー」

康さんはここ江戸崎を治めている人、所謂、村長みたいな人だ。

「あれ?みんなは?」

真司があたりをきょろきょろと見見回す。  

「すまんのー真司。今は日中だから、みんな仕事や学校に行っているんだよ」

「そっかぁ…まあしょうがないよね」

真司は一瞬悲しげな表情を浮かばせた。

「そういえば愁平と茜は?2人共ここの高校に通っているんだよね?」

「あ。ああ…そうじゃよ」

康さんは真司の言葉にお茶を濁した。

「それより真司。少し島を見ないか?」

「んー。少し疲れたけど…故郷の変わりようも見てみたいなぁー」

「よっしゃ!わしが案内したるからついてきな」

康さんはが元気よく言った。

「あーつっかれた。それにしても康さん。随分と変わったんだね。島も、人も」
 
「ああ。こっちもここ数年色々あってな…」

康さんは少し言葉を濁した。 

「ねえ?何があったの?」  

「え?いや…」

「俺に言えないこと?」

「そ、そんなことないぞ…」

真司たちのいた海岸で日が沈むのが見えた。  

「もう、夜…か。じゃあ真司。わしはこれで」

「康さん。まだ話は…」

康さんは逃げるように走り去って行った。

『真司。すまない』

康さんは心の中でそう呟いた。

「康さん…なんで俺に隠し事なんてするんだろう?」

真司は康さんの言動が気になっていた。

「まあ。なにはともあれやっぱり故郷って最高!明日からは2人が通っている高校に入学だ。考えただけでもワクワクする」

真司のテンションは最高兆だった。

「よし、じゃあ今日は明日のために早く寝よう」

真司は早めに床についた。 
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