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卒業後
1274 星暦558年 橙の月 10日 ちょっと寄り道(13)
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丁度王都に着くのが10日の朝だったので、前日の夜早くに一度浮上して俺はシェイラ、アレクはセビウス氏に連絡を入れた。
セビウス氏には持ち込んだ代物を運び入れて鑑定とか研究とかオークションまでの保管とかをするための倉庫の手配を頼むために。
シェイラには、沈没船から見つけた物を見に来ないかと誘う為だ。
あの謎の紙のことを聞くにしても、どうせだったら全部宝飾品とか瓶や壺を見せた方が楽しむだろう。
という事で、朝一に入港した俺は倉庫への運び込みを二人に任せ、転移門でシェイラを迎えに行った。
「おはよう!
今度はどんなものが積まれていたの?!」
ヴァルージャの魔術院で待っていたシェイラは、わくわくしていて今にもスキップして踊りだしそうだった。
本当に古いものが好きだよなぁ。
「拠点へ帰る間際の海賊船だったのかあまり積み荷がなかったし、載せてあった物は自分たちの拠点での消費する予定らしき物と将来的な換金用の宝飾品とかが多かったみたいだから、そこまで面白くはないかも? あまり期待しないでくれよ」
転移門の使用に関する詳細を書き込みながらシェイラに伝える。
「海賊船!!
それはそれでロマンじゃない!」
シェイラが嬉し気に応じる。
「消耗品は殆ど海水に溶けて泥みたいになって形すら残っていなかったから、船は持って帰ってこなかったぞ?
一応割れていない酒が入っているっぽい瓶や壺は持って帰ってきたが、他はちょっと下品な裸婦の像とか宝飾品や硬貨程度だ」
瓶に入っていた謎の手紙と思われし紙もあったが、あれも解読できる可能性は低そうだしなぁ。
どうせだったら宝の隠し場所を記した地図だったらよかったのに。
まあ、手紙っぽい形にして暗号で船長が埋めた財宝の隠し場所を記していある可能性だってゼロではないからあれの解読を頼む相手を探すつもりだが、考えてみたら分からない文字もそれなりにありそうな穴だらけな解読じゃあ暗号化された内容なんて読み取れない可能性が高そうだ。
マジで地図が欲しかったぜ。
もっとも、誰かへの手紙っぽく文字で書いた宝の隠し場所のメモだったら大丈夫だろうが、地図なんぞ隠し持っているのが船長にばれたら例え航海士だろうとあっという間に殺されちまっただろうからな。地図なんて危険な物は隠してでも持てなかった可能性は高い。
これで初恋の相手へのラブレターだったりしたらかなりがっくりだ。
「え、船を持って帰ってこなかったの?!
船の形とか素材とか工法だけでも歴史的価値があるのに!!
しかも海賊となったらそれなりに知識が途絶えているから、普通の商船よりも面白いのよ!!!」
転移門の方へ進む俺に向かってちょっとシェイラが憤慨したように言った。
そっかぁ。
船そのものも興味の対象なのか。
考えてみたら、昔の街とは言え一般家庭の家や家財具でも夢中になって調べるのが考古学者だもんなぁ。
古い海賊船だって興味の対象だったか。
とは言え、学者には面白くても資金力がある相手には大して興味の湧く対象ではないだろうから、持って帰って来ても最後に処分するのが面倒な程度であまり意味はなかったと思うから、今更取りに戻ろうというのも提案するのもなぁ。
「次に海賊の沈没船が見つかったら持って帰ってこようとアレクたちに言っておくよ。
調べ終わったら適当に沖に持って行って沈めちまえば良いだろう。
それとも歴史学会で安値でも買い取ってくれるかな?」
保管場所もないと思うが。
海軍の博物館っぽいところがあったらそこに預けられるか?
だがアファル王国を襲っていた海賊ならまだしも、東大陸の海賊じゃあ海軍の歴史的にもあまり意味は無さげだ。
「買取は無理ねぇ。
良い木材を使っているなら、それこそ家具に再加工する素材として需要があるかも?
そうじゃなくてもしっかり乾かせば薪の材料として売れるだろうから、沈めるよりはいいかもだし」
シェイラが指摘する。
ふむ。
清早に頼めば船体を乾かすのは直ぐだから、それを適当に破壊して薪として売るのはありか?
考えてみたら、昔持って帰ってきた沈没船って船そのものはどうしたんだろ?
あまり興味がなかったから、聞いたとしても覚えていないな。
今度アレクに確認して、木材として売るのでも収支がマイナスにならない様だったらこれだけ力説されるならば次回は持って帰って来るか。
セビウス氏には持ち込んだ代物を運び入れて鑑定とか研究とかオークションまでの保管とかをするための倉庫の手配を頼むために。
シェイラには、沈没船から見つけた物を見に来ないかと誘う為だ。
あの謎の紙のことを聞くにしても、どうせだったら全部宝飾品とか瓶や壺を見せた方が楽しむだろう。
という事で、朝一に入港した俺は倉庫への運び込みを二人に任せ、転移門でシェイラを迎えに行った。
「おはよう!
今度はどんなものが積まれていたの?!」
ヴァルージャの魔術院で待っていたシェイラは、わくわくしていて今にもスキップして踊りだしそうだった。
本当に古いものが好きだよなぁ。
「拠点へ帰る間際の海賊船だったのかあまり積み荷がなかったし、載せてあった物は自分たちの拠点での消費する予定らしき物と将来的な換金用の宝飾品とかが多かったみたいだから、そこまで面白くはないかも? あまり期待しないでくれよ」
転移門の使用に関する詳細を書き込みながらシェイラに伝える。
「海賊船!!
それはそれでロマンじゃない!」
シェイラが嬉し気に応じる。
「消耗品は殆ど海水に溶けて泥みたいになって形すら残っていなかったから、船は持って帰ってこなかったぞ?
一応割れていない酒が入っているっぽい瓶や壺は持って帰ってきたが、他はちょっと下品な裸婦の像とか宝飾品や硬貨程度だ」
瓶に入っていた謎の手紙と思われし紙もあったが、あれも解読できる可能性は低そうだしなぁ。
どうせだったら宝の隠し場所を記した地図だったらよかったのに。
まあ、手紙っぽい形にして暗号で船長が埋めた財宝の隠し場所を記していある可能性だってゼロではないからあれの解読を頼む相手を探すつもりだが、考えてみたら分からない文字もそれなりにありそうな穴だらけな解読じゃあ暗号化された内容なんて読み取れない可能性が高そうだ。
マジで地図が欲しかったぜ。
もっとも、誰かへの手紙っぽく文字で書いた宝の隠し場所のメモだったら大丈夫だろうが、地図なんぞ隠し持っているのが船長にばれたら例え航海士だろうとあっという間に殺されちまっただろうからな。地図なんて危険な物は隠してでも持てなかった可能性は高い。
これで初恋の相手へのラブレターだったりしたらかなりがっくりだ。
「え、船を持って帰ってこなかったの?!
船の形とか素材とか工法だけでも歴史的価値があるのに!!
しかも海賊となったらそれなりに知識が途絶えているから、普通の商船よりも面白いのよ!!!」
転移門の方へ進む俺に向かってちょっとシェイラが憤慨したように言った。
そっかぁ。
船そのものも興味の対象なのか。
考えてみたら、昔の街とは言え一般家庭の家や家財具でも夢中になって調べるのが考古学者だもんなぁ。
古い海賊船だって興味の対象だったか。
とは言え、学者には面白くても資金力がある相手には大して興味の湧く対象ではないだろうから、持って帰って来ても最後に処分するのが面倒な程度であまり意味はなかったと思うから、今更取りに戻ろうというのも提案するのもなぁ。
「次に海賊の沈没船が見つかったら持って帰ってこようとアレクたちに言っておくよ。
調べ終わったら適当に沖に持って行って沈めちまえば良いだろう。
それとも歴史学会で安値でも買い取ってくれるかな?」
保管場所もないと思うが。
海軍の博物館っぽいところがあったらそこに預けられるか?
だがアファル王国を襲っていた海賊ならまだしも、東大陸の海賊じゃあ海軍の歴史的にもあまり意味は無さげだ。
「買取は無理ねぇ。
良い木材を使っているなら、それこそ家具に再加工する素材として需要があるかも?
そうじゃなくてもしっかり乾かせば薪の材料として売れるだろうから、沈めるよりはいいかもだし」
シェイラが指摘する。
ふむ。
清早に頼めば船体を乾かすのは直ぐだから、それを適当に破壊して薪として売るのはありか?
考えてみたら、昔持って帰ってきた沈没船って船そのものはどうしたんだろ?
あまり興味がなかったから、聞いたとしても覚えていないな。
今度アレクに確認して、木材として売るのでも収支がマイナスにならない様だったらこれだけ力説されるならば次回は持って帰って来るか。
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