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卒業後
417 星暦554年 紫の月 1日 次の旅立ち?(9)
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間違って414を2回使っていたため、うっかり1話投稿していませんでした。
『次の旅立ち?(6)』を414.5として415の前に挿入しましたので良かったら読んで下さい。
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「そう言えば、蒸気を出す機能を加湿器みたいな感じに使って、お風呂場でサウナみたいな感じに乾燥肌をしっとりさせる魔道具だったら乾燥した地域の女性陣に絶対に売れるってシェイラが言ってた」
休息日の後、再び登録されている魔術回路の試作品づくりに励みながらアレク達に休みの間に言われたことを伝える。
あれはきっと、開発したらシェイラにも試作品をよこせというニュアンスだったよなぁ。
まあ、プレゼントとか考えるの苦手だから、俺達の作る試作品で喜んで貰えるんだったら提供するのも良いんだけどさ。
「あぁ、なるほどね。
確かに女性陣にはサウナは暑すぎて辛い事が多いのだろうな。
入浴だけでは乾燥した肌をどうにかするのも難しいから、そういう魔道具があったら便利なのか」
アレクが魔術回路の設計図をひっくり返して手元の部品と確認しながら頷いた。
「へぇぇ。
そう言えば、お祖母様も冬は乾いて大変って言ってたなぁ。
今度、開発して何かのお祝いのプレゼントにするのも良いかも」
シャルロが付け加える。
成功したら、シャルロやアレクの親族とかでそう言うのに興味がありそうな女性に幾つか贈って口コミ効果を期待するのも良いかもな。
金持ちの女性は自分から買い物になんぞいかないから、そんな裕福な女性が想定客層になる魔道具だったら売り込みも工夫しなければならないだろう。
・・・とは言っても、シェフィート商会ならアレクの母親がいるから、何とかなるか。
まあ、どちらにせよ開拓の話が一段落付いてからだが。
「パストン島で手伝っている間に手が空いている時間が出来たら、その時にちょくちょく実験してみても良いかもな。
もしくは、この水製造魔道具が終わって時間が余ったらその時に本格的にがっつりやっても良いし」
ただし、水製造魔道具は今のところ中々前途多難なのでいつ終わるのか全く見えない。
「これってちょっと今までのと構造が違うね」
庭に出て、出来上がった魔道具が動くのを見ながらシャルロが誰にとも無く呟いた。
「確かに」
これも、不純物を取り除く種類の魔道具なのだが・・・蒸気が発生していない。
水を蒸気にして不純物を取り除くのでは無く、触媒になる物を水に入れて、それに不純物が素早くくっつくように魔術が力を加え、最後に水を漉して綺麗な水を得るという構造のようだ。
今まで作ってきたのに比べ、格段に静かだ。
消費する魔石の量も少ない気がする。
が。
「これって機能しているのかどうか、普通の人が見たら分からなくね?」
俺には、魔力が水に働きかけているのが視える。
だが、普通の人間には段々と水の中に混ぜ込んだ触媒が容器の底に沈殿していってる様にしか見えず、水が綺麗になっているという実感は無さそうだ。
「そうだな。
それにこの水を漉すフィルターだって使ったら洗わなければいけないと思うが・・・それにも綺麗な水を使う必要があるよね?」
アレクが更に問題点を指摘する。
まあ、上の方の綺麗な水だけを漉すと決めてやれば、フィルターの汚れも最小限に抑えられて、換えを複数本土から用意して行くという事で何とかなるかも知れない。
フィルターだけだったらそれ程重量も無いから、転移門で交易先とかあの領事館に送って船や補給島で使わせるのも可能だろう。
だが。
「第一、これって遅すぎるぞ。
魔道具を使っているのに、バケツ1杯分の真水を抽出するのに一晩かかるんじゃあ実用性が無いだろう。
この触媒を変えたらもう少し反応が早くなるのか?」
殆ど状態が変わっていない水と魔道具を見ているのに飽きて、伸びをしながら俺は文句を言った。
「そうだね~。
他の試作品を作りながら、触媒の方も手当たり次第に試してみようか?」
シャルロがノンビリと合意した。
ある意味、今までの蒸気型の魔道具よりも改善の余地が大きいのかも知れないが・・・手当たり次第に思いついた物を全部試してみるか。
というか、本当に良い触媒を見つけたら魔力で反応を促進する必要なんぞないんじゃないか?
いや、そうなると特許の申請が難しくなるな。
魔道具が必要な程度に使い勝手の良い触媒が必要だ。
【後書き】
確か、納豆を元にした凄い粉が開発されたとテレビで見た気がしますが・・・こういう場合、ネバネバした素材が良いんですかね?
『次の旅立ち?(6)』を414.5として415の前に挿入しましたので良かったら読んで下さい。
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「そう言えば、蒸気を出す機能を加湿器みたいな感じに使って、お風呂場でサウナみたいな感じに乾燥肌をしっとりさせる魔道具だったら乾燥した地域の女性陣に絶対に売れるってシェイラが言ってた」
休息日の後、再び登録されている魔術回路の試作品づくりに励みながらアレク達に休みの間に言われたことを伝える。
あれはきっと、開発したらシェイラにも試作品をよこせというニュアンスだったよなぁ。
まあ、プレゼントとか考えるの苦手だから、俺達の作る試作品で喜んで貰えるんだったら提供するのも良いんだけどさ。
「あぁ、なるほどね。
確かに女性陣にはサウナは暑すぎて辛い事が多いのだろうな。
入浴だけでは乾燥した肌をどうにかするのも難しいから、そういう魔道具があったら便利なのか」
アレクが魔術回路の設計図をひっくり返して手元の部品と確認しながら頷いた。
「へぇぇ。
そう言えば、お祖母様も冬は乾いて大変って言ってたなぁ。
今度、開発して何かのお祝いのプレゼントにするのも良いかも」
シャルロが付け加える。
成功したら、シャルロやアレクの親族とかでそう言うのに興味がありそうな女性に幾つか贈って口コミ効果を期待するのも良いかもな。
金持ちの女性は自分から買い物になんぞいかないから、そんな裕福な女性が想定客層になる魔道具だったら売り込みも工夫しなければならないだろう。
・・・とは言っても、シェフィート商会ならアレクの母親がいるから、何とかなるか。
まあ、どちらにせよ開拓の話が一段落付いてからだが。
「パストン島で手伝っている間に手が空いている時間が出来たら、その時にちょくちょく実験してみても良いかもな。
もしくは、この水製造魔道具が終わって時間が余ったらその時に本格的にがっつりやっても良いし」
ただし、水製造魔道具は今のところ中々前途多難なのでいつ終わるのか全く見えない。
「これってちょっと今までのと構造が違うね」
庭に出て、出来上がった魔道具が動くのを見ながらシャルロが誰にとも無く呟いた。
「確かに」
これも、不純物を取り除く種類の魔道具なのだが・・・蒸気が発生していない。
水を蒸気にして不純物を取り除くのでは無く、触媒になる物を水に入れて、それに不純物が素早くくっつくように魔術が力を加え、最後に水を漉して綺麗な水を得るという構造のようだ。
今まで作ってきたのに比べ、格段に静かだ。
消費する魔石の量も少ない気がする。
が。
「これって機能しているのかどうか、普通の人が見たら分からなくね?」
俺には、魔力が水に働きかけているのが視える。
だが、普通の人間には段々と水の中に混ぜ込んだ触媒が容器の底に沈殿していってる様にしか見えず、水が綺麗になっているという実感は無さそうだ。
「そうだな。
それにこの水を漉すフィルターだって使ったら洗わなければいけないと思うが・・・それにも綺麗な水を使う必要があるよね?」
アレクが更に問題点を指摘する。
まあ、上の方の綺麗な水だけを漉すと決めてやれば、フィルターの汚れも最小限に抑えられて、換えを複数本土から用意して行くという事で何とかなるかも知れない。
フィルターだけだったらそれ程重量も無いから、転移門で交易先とかあの領事館に送って船や補給島で使わせるのも可能だろう。
だが。
「第一、これって遅すぎるぞ。
魔道具を使っているのに、バケツ1杯分の真水を抽出するのに一晩かかるんじゃあ実用性が無いだろう。
この触媒を変えたらもう少し反応が早くなるのか?」
殆ど状態が変わっていない水と魔道具を見ているのに飽きて、伸びをしながら俺は文句を言った。
「そうだね~。
他の試作品を作りながら、触媒の方も手当たり次第に試してみようか?」
シャルロがノンビリと合意した。
ある意味、今までの蒸気型の魔道具よりも改善の余地が大きいのかも知れないが・・・手当たり次第に思いついた物を全部試してみるか。
というか、本当に良い触媒を見つけたら魔力で反応を促進する必要なんぞないんじゃないか?
いや、そうなると特許の申請が難しくなるな。
魔道具が必要な程度に使い勝手の良い触媒が必要だ。
【後書き】
確か、納豆を元にした凄い粉が開発されたとテレビで見た気がしますが・・・こういう場合、ネバネバした素材が良いんですかね?
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