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卒業後
693 星暦556年 緑の月 21日 久しぶりに船探し(5)
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「沈没船探し!
いいわね~~!!
いつ出発できるの?」
学院長からお土産の要望を聞き取りして帰ったら、家にシャルロがケレナと一緒に来ていた。
携帯式通信用魔具では南西の海岸とか海まで通信は届かないが、学院長が炎華に頼んで蒼流なり清早なりに連絡すれば緊急事態の時にはこちらから街の魔術院支部に戻って連絡を取ると言っておいた。
学院長に連絡しないような内容だったら・・・知らんな!
王国の危機!みたいな事態だったらどちらにせよ特級魔術師の学院長も呼ばれるだろう。
便利使いされるならまだしも、俺が本当に王国の危機に必要とされる可能性は低いとは思うけど。
一介の平民魔術師でしかない俺がどうしても必要なんて状況は無いと期待したいし、以前の王太子の手紙みたいな特殊な状況で俺の技能が必要だったらだったら親しい人間として学院長に連絡が行く可能性が高い。
学院長のことを思い至らなかったら・・・知ったこっちゃないね!
妙に最近は大きな事態に巻き込まれることが多いので連絡が取れるようにした方が良いかもと気を使ったが、軍部や裏ギルドから常時連絡が取れる状態にしたくは無い。
学院長が丁度いい緊急連絡機だろう。
「アレクに連絡したら、今から色々運び込ませるから最短で2日後の夕方だって」
シャルロが報告してきた。
なるほど。
王都内だったら携帯型通信用魔具で連絡が取れるから、帰ってくるのを待たなくても予定を立てられるか。
俺たちの屋敷船は精霊に動かしてもらうんで夜中でも衝突事故とか起こす危険もないし、夕食の後に船に乗って寝ている間に移動というのも悪くないな。
船旅って暫くしたら飽きるから、出来るだけ寝ている間に移動できると時間が無駄にならない。
「パディン夫人とケレナの予定は大丈夫なのか?」
パディン夫人本人は俺たちの為に働いているからまだしも、旦那の都合もあるだろうし。
ケレナって働いているんだっけ?
ドレスとかの予定が無いにしてもそれなりに色々と忙しそうにいつもしているが。
「パディン夫人は旦那さんも来れるって。
息子さんと一緒に植木職人としてちょくちょく働いているけど、一応本当は既にリタイアしていて暇つぶしに手伝っているだけだから休んでも大丈夫って息子さんが言ってくれたらしいよ」
なるほど。
暇つぶしと小遣い稼ぎに息子を手伝っているのか。
息子も手伝ってくれる父親が居なくなったらちょっと大変かもしれないが、無理だったら遠慮せず言うだろう。もしかしたら妹(多分?)に両親が会いに行くのも良い事だと思っているかもだし。
遠くへ嫁いだ妹のことが気になっていても、遠距離の旅行費用までは出すとは言いずらいだろうが、いない間のカバーぐらいはそれ程負担ではないのだろう。
「私は実家の馬を王都近辺に連れて来て売る際の体調管理とか最後の調教を手伝っているだけだから、今ならしばらく休んでも大丈夫よ。
シャルロと出かけるって言ったら家族に喜ばれたし」
ケレナが付け加える。
いやそれって家族にはシャルロと二人っきりで出かけると思われてない??
まあ、屋敷船の各寝室の防音機能は十分良いし多少離されているから仲良く時間を過ごせると思うが。
「一応、俺たちに緊急で連絡を取る必要があるなら学院長の炎華が清早なり蒼流なりに連絡を取ってくれるって話だから、何だったらシャルロやアレクの家族に知らせておいても良いかも?
ちなみに、お土産としてはファーグの街の特産物っぽい焼き菓子があるって聞いたんだけど、ケレナの友達はそれを売っている店を知っているかな?」
そう言えば、ケレナの友達の都合は確認したのかね?
まあ、20日もあれば領都にさえ居れば1日ぐらいは会えるだろうけど。
「へぇぇ、特産物っぽい焼き菓子なんてあるの??
ジェリーナに聞いてみるわ!」
ケレナが楽しそうに応じた。
「流石に特級魔術師を連絡先にされたらよっぽどの緊急事態じゃないと連絡してこないと思うけど・・・確かに余計な連絡が来なくて良いかもね。
アレクにも後で言っておこう」
にこやかにシャルロが言った。
確かに、アレクだったらシャルロが以前ケレナとの連絡用に作った長距離に使える通信用魔具を実家との緊急連絡用に準備していてもおかしくないが、それを渡さずに『もしもの時は学院長に連絡を』と言っておく方が良いかもな。
事業関係の緊急連絡なんて、はっきり言ってして貰わない方が良いし。
アレクの実家も、連絡が取れなければそれなりにあちらで決めて色々進めるのに、連絡が取れると『一応相談すべきか』と連絡してくることってそれなりにあるっぽいんだよなぁ。
お袋さんが息子と話すついでというのもあるんだろうけど。
まあ、そこら辺はアレクが決めれば良い事だな。
俺は・・・出発する前にシェイラに連絡しておこう。
【後書き】
船旅で波に揺られて寝ている間に移動できているって良いですよね~。
いいわね~~!!
いつ出発できるの?」
学院長からお土産の要望を聞き取りして帰ったら、家にシャルロがケレナと一緒に来ていた。
携帯式通信用魔具では南西の海岸とか海まで通信は届かないが、学院長が炎華に頼んで蒼流なり清早なりに連絡すれば緊急事態の時にはこちらから街の魔術院支部に戻って連絡を取ると言っておいた。
学院長に連絡しないような内容だったら・・・知らんな!
王国の危機!みたいな事態だったらどちらにせよ特級魔術師の学院長も呼ばれるだろう。
便利使いされるならまだしも、俺が本当に王国の危機に必要とされる可能性は低いとは思うけど。
一介の平民魔術師でしかない俺がどうしても必要なんて状況は無いと期待したいし、以前の王太子の手紙みたいな特殊な状況で俺の技能が必要だったらだったら親しい人間として学院長に連絡が行く可能性が高い。
学院長のことを思い至らなかったら・・・知ったこっちゃないね!
妙に最近は大きな事態に巻き込まれることが多いので連絡が取れるようにした方が良いかもと気を使ったが、軍部や裏ギルドから常時連絡が取れる状態にしたくは無い。
学院長が丁度いい緊急連絡機だろう。
「アレクに連絡したら、今から色々運び込ませるから最短で2日後の夕方だって」
シャルロが報告してきた。
なるほど。
王都内だったら携帯型通信用魔具で連絡が取れるから、帰ってくるのを待たなくても予定を立てられるか。
俺たちの屋敷船は精霊に動かしてもらうんで夜中でも衝突事故とか起こす危険もないし、夕食の後に船に乗って寝ている間に移動というのも悪くないな。
船旅って暫くしたら飽きるから、出来るだけ寝ている間に移動できると時間が無駄にならない。
「パディン夫人とケレナの予定は大丈夫なのか?」
パディン夫人本人は俺たちの為に働いているからまだしも、旦那の都合もあるだろうし。
ケレナって働いているんだっけ?
ドレスとかの予定が無いにしてもそれなりに色々と忙しそうにいつもしているが。
「パディン夫人は旦那さんも来れるって。
息子さんと一緒に植木職人としてちょくちょく働いているけど、一応本当は既にリタイアしていて暇つぶしに手伝っているだけだから休んでも大丈夫って息子さんが言ってくれたらしいよ」
なるほど。
暇つぶしと小遣い稼ぎに息子を手伝っているのか。
息子も手伝ってくれる父親が居なくなったらちょっと大変かもしれないが、無理だったら遠慮せず言うだろう。もしかしたら妹(多分?)に両親が会いに行くのも良い事だと思っているかもだし。
遠くへ嫁いだ妹のことが気になっていても、遠距離の旅行費用までは出すとは言いずらいだろうが、いない間のカバーぐらいはそれ程負担ではないのだろう。
「私は実家の馬を王都近辺に連れて来て売る際の体調管理とか最後の調教を手伝っているだけだから、今ならしばらく休んでも大丈夫よ。
シャルロと出かけるって言ったら家族に喜ばれたし」
ケレナが付け加える。
いやそれって家族にはシャルロと二人っきりで出かけると思われてない??
まあ、屋敷船の各寝室の防音機能は十分良いし多少離されているから仲良く時間を過ごせると思うが。
「一応、俺たちに緊急で連絡を取る必要があるなら学院長の炎華が清早なり蒼流なりに連絡を取ってくれるって話だから、何だったらシャルロやアレクの家族に知らせておいても良いかも?
ちなみに、お土産としてはファーグの街の特産物っぽい焼き菓子があるって聞いたんだけど、ケレナの友達はそれを売っている店を知っているかな?」
そう言えば、ケレナの友達の都合は確認したのかね?
まあ、20日もあれば領都にさえ居れば1日ぐらいは会えるだろうけど。
「へぇぇ、特産物っぽい焼き菓子なんてあるの??
ジェリーナに聞いてみるわ!」
ケレナが楽しそうに応じた。
「流石に特級魔術師を連絡先にされたらよっぽどの緊急事態じゃないと連絡してこないと思うけど・・・確かに余計な連絡が来なくて良いかもね。
アレクにも後で言っておこう」
にこやかにシャルロが言った。
確かに、アレクだったらシャルロが以前ケレナとの連絡用に作った長距離に使える通信用魔具を実家との緊急連絡用に準備していてもおかしくないが、それを渡さずに『もしもの時は学院長に連絡を』と言っておく方が良いかもな。
事業関係の緊急連絡なんて、はっきり言ってして貰わない方が良いし。
アレクの実家も、連絡が取れなければそれなりにあちらで決めて色々進めるのに、連絡が取れると『一応相談すべきか』と連絡してくることってそれなりにあるっぽいんだよなぁ。
お袋さんが息子と話すついでというのもあるんだろうけど。
まあ、そこら辺はアレクが決めれば良い事だな。
俺は・・・出発する前にシェイラに連絡しておこう。
【後書き】
船旅で波に揺られて寝ている間に移動できているって良いですよね~。
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