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卒業後
1143 星暦558年 青の月 20日 遊ぼう!(30)
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「あら、これなんて可愛いわね~」
ふらふらとノルダスの蚤市場《フリーマーケット》を歩き回っていたケレナがふと足を止めた。
その露店は革製品が専門なのか、革製のジャケットやら鞄やらナイフケースっぽい物やら、色々と置いてある。
革ってそこまで長持ちしないだろうから骨董品って訳じゃあないだろうが、確かに丁寧に使われた革特有な艶があり、絶妙な色合いに染められていたり、幾つかの染めた色を組み合わせて良い感じな模様を作る形になっていたりしている。
「・・・悪くないな」
肩から掛けると思われる小さ目なバッグを手に取ってみる。
シェイラだったらもっと大きい方が実用性があると喜びそうな気もするが・・・流石に軍事行動の時に背負うような背嚢の形をした鞄は幾ら多少お洒落っぽい模様がついていようが女性へのお土産には向いていないよな・・・。
森の中を歩き回って遺跡関連の何かが無いか散策する際にあったら色々と入る背嚢は便利かもだが、流石に森の奥までシェイラ一人で歩くのは危険だ。
俺が一緒だったら俺が荷物を持つだろうし。シェイラ用に大きな背嚢は必要ないだろう。
となったらこっちの肩掛け鞄っぽいのが良いかな?
財布に使うのかも知れない小さな巾着で可愛いと思われそうなのもあったが、シェイラだったら財布にも拘りがあるかもだし。
と言うか、ある意味俺も財布に拘りがあるので、うっかりシェイラにお土産で贈って後日お返しにお財布を贈られても微妙に困るし。
やはり財布は薄く平らで隠しやすく、ナイフで切り裂けない強い素材で作ったものが良いからな。
そこら辺はアレクにもシャルロにも理解してもらえなかったので、基本的に俺の実用性重視な財布の好みはあまり一般的ではないようだ。
俺よりもはるかにスリに遭いやすいし撃退出来ない体質なのに、なんだって皆ああも無防備な財布を持ちたがるのか、理解を超えるぜ。
まあ、アレクもシャルロも殆ど現金は持ち歩かずにツケで買い物をするからあまり気にしないのかも知れない。
俺だって一応ツケを使えるとアレクに何度か言われたのだが・・・どうも落ち着かないから結局現金をそれなりに持ち歩く羽目になっている。
それはさておき。
「何か用か?」
シャルロの方へさり気なく近づいてきていた小僧に視線を向ける。
「えへへ、何か案内して欲しいかな~と思って」
財布を狙っていただろう小僧は悪びれずに笑いかけて応じて来た。
「適当にふらふら見て歩くのが楽しいから、要らないよ~。
ありがとね」
シャルロが呑気に笑いながら断る。
シャルロは金に対してかなり無頓着だから多分スリにあっても怒らないが、蒼流が怒って後で水に中るぐらいの事にはなりかねんぞ?
貧乏人が腹を下したら命にかかわることだってあるのだ。
もっと無難なカモを狙うんだな。
他にも何人かそれとなく俺たち一行を見ていた連中が、俺たちのやりとりを見て諦めたのか他の客の方へと流れて行った。
ジルダスの蚤市場《フリーマーケット》に比べれば全然マシだが、それでもやはりノルダスでも財布を狙う連中はいるんだなぁ。
まあ、ある意味そう言う後ろ暗い連中が全くいない町なんて落ちこぼれの連中がどうなったんだと反対に気になって怖いから、この程度が健全なのかもな。
街中に出て自助努力で稼ぐ必要も無いほど孤児や片親の子供までもが不自由なく暮らせる社会なんぞほぼ不可能な筈だ。子供をそこまで囲って育てているとなったら成人したら娼館なりヤバい貴族の館なりに売り払う為だろう。
そう言う表立って人を集められない様なヤバいところしか、若い成人したてなガキにそこまで金を払ったりしない。
そんなことを考えつつ、取り敢えずそれなりにお洒落っぽい肩掛け鞄を売り場の男に見せ、金を払って購入する。
他にも何か良いのがあったら買うが、取り敢えずこれで最低限のお土産購入は終了だ。
後は適当にスタルノや学院長にも何か良いのがあったら買うかな?
スタルノには婆さん作の包丁でも買えたら面白そうなんだが。
ふらふらとノルダスの蚤市場《フリーマーケット》を歩き回っていたケレナがふと足を止めた。
その露店は革製品が専門なのか、革製のジャケットやら鞄やらナイフケースっぽい物やら、色々と置いてある。
革ってそこまで長持ちしないだろうから骨董品って訳じゃあないだろうが、確かに丁寧に使われた革特有な艶があり、絶妙な色合いに染められていたり、幾つかの染めた色を組み合わせて良い感じな模様を作る形になっていたりしている。
「・・・悪くないな」
肩から掛けると思われる小さ目なバッグを手に取ってみる。
シェイラだったらもっと大きい方が実用性があると喜びそうな気もするが・・・流石に軍事行動の時に背負うような背嚢の形をした鞄は幾ら多少お洒落っぽい模様がついていようが女性へのお土産には向いていないよな・・・。
森の中を歩き回って遺跡関連の何かが無いか散策する際にあったら色々と入る背嚢は便利かもだが、流石に森の奥までシェイラ一人で歩くのは危険だ。
俺が一緒だったら俺が荷物を持つだろうし。シェイラ用に大きな背嚢は必要ないだろう。
となったらこっちの肩掛け鞄っぽいのが良いかな?
財布に使うのかも知れない小さな巾着で可愛いと思われそうなのもあったが、シェイラだったら財布にも拘りがあるかもだし。
と言うか、ある意味俺も財布に拘りがあるので、うっかりシェイラにお土産で贈って後日お返しにお財布を贈られても微妙に困るし。
やはり財布は薄く平らで隠しやすく、ナイフで切り裂けない強い素材で作ったものが良いからな。
そこら辺はアレクにもシャルロにも理解してもらえなかったので、基本的に俺の実用性重視な財布の好みはあまり一般的ではないようだ。
俺よりもはるかにスリに遭いやすいし撃退出来ない体質なのに、なんだって皆ああも無防備な財布を持ちたがるのか、理解を超えるぜ。
まあ、アレクもシャルロも殆ど現金は持ち歩かずにツケで買い物をするからあまり気にしないのかも知れない。
俺だって一応ツケを使えるとアレクに何度か言われたのだが・・・どうも落ち着かないから結局現金をそれなりに持ち歩く羽目になっている。
それはさておき。
「何か用か?」
シャルロの方へさり気なく近づいてきていた小僧に視線を向ける。
「えへへ、何か案内して欲しいかな~と思って」
財布を狙っていただろう小僧は悪びれずに笑いかけて応じて来た。
「適当にふらふら見て歩くのが楽しいから、要らないよ~。
ありがとね」
シャルロが呑気に笑いながら断る。
シャルロは金に対してかなり無頓着だから多分スリにあっても怒らないが、蒼流が怒って後で水に中るぐらいの事にはなりかねんぞ?
貧乏人が腹を下したら命にかかわることだってあるのだ。
もっと無難なカモを狙うんだな。
他にも何人かそれとなく俺たち一行を見ていた連中が、俺たちのやりとりを見て諦めたのか他の客の方へと流れて行った。
ジルダスの蚤市場《フリーマーケット》に比べれば全然マシだが、それでもやはりノルダスでも財布を狙う連中はいるんだなぁ。
まあ、ある意味そう言う後ろ暗い連中が全くいない町なんて落ちこぼれの連中がどうなったんだと反対に気になって怖いから、この程度が健全なのかもな。
街中に出て自助努力で稼ぐ必要も無いほど孤児や片親の子供までもが不自由なく暮らせる社会なんぞほぼ不可能な筈だ。子供をそこまで囲って育てているとなったら成人したら娼館なりヤバい貴族の館なりに売り払う為だろう。
そう言う表立って人を集められない様なヤバいところしか、若い成人したてなガキにそこまで金を払ったりしない。
そんなことを考えつつ、取り敢えずそれなりにお洒落っぽい肩掛け鞄を売り場の男に見せ、金を払って購入する。
他にも何か良いのがあったら買うが、取り敢えずこれで最低限のお土産購入は終了だ。
後は適当にスタルノや学院長にも何か良いのがあったら買うかな?
スタルノには婆さん作の包丁でも買えたら面白そうなんだが。
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