僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
250 / 597
6歳の力走。

親善のお料理。

しおりを挟む
「はい。ありがとうございます、さて次に料理ブースの各担当者、お願いします」

 料理長だ。がんばれ。

「はい、コリント王国では最近のブームになっているメニューをコリント王国、サテラージャ国の両方の皆様が美味しくいただけるものに工夫しております。是非ご賞味下さいませ」
「サテラージャ国でも最近のブームになってる食事をアレンジしてお出ししております。コリント王国の皆様のお口に合うようにマイルドな味わいにしておりますのでよろしくお願いします」

 さあ、僕の番だ。

「僕は『王国の料理番』です。コリント王国、サテラージャ国の、お味を、合体させたものを、作りました。是非、食べてみて、ください」
「ありがとうございます。それではご会食、ご歓談、ご見学下さいませ。この後ステージでは両国の剣士によります剣舞が行われます。お楽しみに」

 ブースに急ぐ。フィグさんとお手伝いのサテラージャの料理人がすでに作り始めてくれていた。

「ありがと」
「いえ、まだお客様はみえてませんから大丈夫です」

 あ、お客様第一号が来たぞ。

「失礼致します。王様、皇太子様よりの注文です。よろしくお願いします」
「はい!」

 茹でて一旦冷水で締めていた麺を再びお湯にくぐらせる。茹であがったらお椀に移しスープを注ぐ。

「はい、サテラージャ風うどんとカレーパン、です」
「これはどんな特色が?」
「サテラージャの香辛料を、ルマーニを使った出汁のスープで伸ばしたものに、コリント王国の、うどん、入れた、カレーうどんです。もう一個はカレーを、コリント王国のパンで、包み込んで、揚げたパンです」
「わかりました。そう伝えます」
「ありがと」
「では失礼します」
「はい」

 次はエフェルト公爵様だね。

「リョウエスト君、今日も美味しそうだね。一つずつくれるかい?」
「公爵様、美味しいよ」
「それは新しいレシピのうどんだね?
なるほどそのスープにサテラージャの香辛料が入っているのか。面白そうだ。そっちはパンを揚げたのかい?」
「そう」
「リョウエスト君は相変わらず面白いね」
「ありがと。どうぞ」
「いただくよ」

 あー。公爵様立ち食いを始めちゃった。

「なるほど。このスープ香辛料だけじゃないね」
「すごい!魚介の出汁、とルマーニ使ってる」
「出汁とはあの新しく国の産業になったものか。深い味わいになるんだね」
「スープが、美味しくなるの」
「なるほどなるほど。じゃあこちらのパンを。ふふふふ。これはコリント王国のパンの風味とサテラージャの香辛料の合わせ技だね。素敵すぎるよ」
「これは国で流行るかも」
「そうだね。私の所でも試してみるよ」
「よろしくお願いします」
「うん。おっと客が来たね。またな」
「また」

 あー。イタヌさんが来た。流石に鼻が良いな。

「リョウエストはん、新しいレシピだって?」
「そう」
「どんなのや」
「これ、サテラージャの香辛料を、ルマーニ出汁で伸ばしたスープ」
「ああ、味見するわ…面白い。これでうどん食べさせるわけやな」
「そうなの」
「もう一個は?」
「これ、サテラージャの香辛料とひき肉と野菜を炒めて作ったものをパンの中に入れて揚げたの」
「揚げたのかい?ほな味見を…なるほどなるほど美味いな。これ流行るで」
「名前はカレーうどんとカレーパンでどうかな?」
「良いんちゃう。リョウエストはんの執事にまた書類作ってもらいに行くわ。もう一個ずつくれるか?」
「うん!」

 お客様が増えて来たぞ。あ、ロイック兄さんとマリカさんだ。

「リョウ、一個ずつくれるか?」
「うん」
「リョウ、サテラージャから注文が入ったわ」
「魔法道具?」
「ドライヤーの注文がかなりきた」
「良かったねえ」
「先程輸出商会と交渉したよ。ありがとな」
「ロイック兄さん、頑張ったもの」
「リョウ君、これ美味しいわ。結婚式で出そ」
「香辛料が、いっぱいないと、きついよ」
「そうかあ。残念」
「他を、考えるよ」
「ありがとね」
「それじゃあまたな」
「うん」

 その後ストラ兄さんとウルリッヒ様も来たよ。相変わらず仲良いな。二人の相手をした後、客が続いた。それがひと段落ついた頃支配人さんが来た。

「お疲れ様です」 
「お疲れ様、です」
「国から要請が来まして会期が3日から4日に伸びましたのでお知らせを」
「え?3日間しか、用意してない」
「最終日は役人の研修ですから数は少なめで結構だそうです」
「なら、準備、する」
「明日までには、役人の人数が決まりますのでよろしくお願いします」
「はい」
「それから王様と皇太子様がお呼びです。ご案内します」

 支配人さんに案内してもらって王様と皇太子様の所へ行く。

「おお、よく来たな。今日も大変美味かったぞ」
「はい、王様。ありがと」
「サテラージャに持って帰りたい味だが良いかね?」
「はい、皇太子様」
「見て回ったがこれは一般に見せるだけでは勿体無い内容であった」
「ここで役人同士で勉強会をやらせようと言う話になったのだよ」
「急遽4日間となったがよろしく頼む」
「はい、王様、皇太子様」
「リョウ、よく考えついてくれた」
「本当、これは友好にはとても良いイベントだよ」
「サテラージャ国でも同じような事をやろうと言う話になってな。それを推し進めようかと話をしている」
「我が国とコリント王国が知り合うのにとても良い機会ですしね」
「それは、良かった」
「ウルリッヒの世代には真の共同国となれるだろう。それが楽しみだ」
「私も尽力していきます」
「頑張ってください」
「お前の知恵にもまた世話になる。よろしく頼む」
「はい。王様」



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

パワハラで会社を辞めた俺、スキル【万能造船】で自由な船旅に出る~現代知識とチート船で水上交易してたら、いつの間にか国家予算レベルの大金を稼い

☆ほしい
ファンタジー
過労とパワハラで心身ともに限界だった俺、佐伯湊(さえきみなと)は、ある日異世界に転移してしまった。神様から与えられたのは【万能造船】というユニークスキル。それは、設計図さえあれば、どんな船でも素材を消費して作り出せるという能力だった。 「もう誰にも縛られない、自由な生活を送るんだ」 そう決意した俺は、手始めに小さな川舟を作り、水上での生活をスタートさせる。前世の知識を活かして、この世界にはない調味料や保存食、便利な日用品を自作して港町で売ってみると、これがまさかの大当たり。 スキルで船をどんどん豪華客船並みに拡張し、快適な船上生活を送りながら、行く先々の港町で特産品を仕入れては別の町で売る。そんな気ままな水上交易を続けているうちに、俺の資産はいつの間にか小国の国家予算を軽く超えていた。 これは、社畜だった俺が、チートな船でのんびりスローライフを送りながら、世界一の商人になるまでの物語。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

処理中です...