あまみつつき君

さんといち

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四章 天満月くんのトクベツ

18.変化

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 猫さんのアドバイスで悪い方面に考えるのを止めてから、私は以前よりぐいぐい天満月くんに絡むようになった。
 …教室だと目立つから、開かずの部屋の中限定でね?

 面白いと思ったこと何でも話して見たり、お腹をくすぐって強制的に笑わせようとしてみたり(ちなみにこれは全力でかわされて成功しない)。
 「最近のあんた元気だな」とは言われるものの、態度は変わりないので本気で嫌がられてはないはず。

 奮闘むなしく、まだあの強烈な笑顔には再会できていない。

 だけれど。

「おい、結城瑠衣の靴裏見たか? 画鋲三本も刺さってたぞ」
「ええっ⁉ ……ほ、ほんとだ」
「どこ歩いたらそうなるんだよ…しょうがねえな」

 黒板前にいる結城くんの方へ、指先を向ける天満月くん。
 それからぐっと握りこんで……私にだけ見えるよう、こっそり手を広げた。

 そこには三つの画鋲がのっている。
 ちらりともう一度結城くんの靴裏を見ると、何も刺さっていなかった。

「……さすが」
「朝飯前。…時間は昼飯前だけど」

 と、ほんのちょっと口角を上げる。

 そう、これ。このフッとした笑い方が増えたの。
 余裕があって、楽しげな表情。

 本命とは違うけれど、これだけでも十分に嬉しかった。
 早速鈴ちゃんと清華ちゃんに報告したら、「他の人からそんな顔したこと聞いてない! ほんとに増えたの⁉」って。

 まだみんなの前では笑ってないみたい………心のどこかでホッとした感覚があったのは、どうしてだろう…。

 ともあれ、「天満月くんの為に行動すれば笑う」は証明されている。

 この調子でもっと積極的になれば、思い切り笑った顔に到達できる日も遠くない気がするんだ。
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