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千年王国
犬と殿下
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ふむ・・・・犬だな。
こいつは紛れもなく犬だ。
比喩では無く、コイツは犬の獣人だ。
皇太子の執務室に呼び出され、俺とアーノルドを前にして、縮み上がっている姿に、伏せた耳と、足の間に巻き込んだ尻尾までが見えそうだ。
犬は群れで生きる生き物だ。
そして群れの頭には、忠誠を誓う習性がある。こいつの忠誠は、誰に捧げられた物なんだ?
父親である国王か?
それとも愚かな兄弟にか?
「・・・と、貴国の王太子殿下は、この帝国で好き勝手をやらかしてくれた訳だ」
「真に・・・・真に申し訳ございません。この度のアセンの御無礼は、全て私の責任で御座います。如何様な罰もお受けいたしますので、どうか弟に対する処分は寛容にお願い致します」
卑屈なまでに頭を下げる犬は、キリョウと言い。アセンの異母兄にあたる人物なのだそうだ。
立場的には俺と似たようなものだが、兄弟の関係性は、全く異なるもののようだ。
幾ら頭に忠実と言っても、頭が愚かであれば、群れの存続に関わって来るのだ、血気盛んな若い雄ならば、入れ替わりの決戦を挑むものでは無いのか。
それともこいつの牙は、とうの昔に折られてしまったのだろうか。
「ロロシュ。レンはローギスの実権を握っている者を連れて来いと言ったのだぞ、アセンの犬を連れて来てどうする。やり直せ」
「いやいや。ローギスの全てを取り仕切ってるのは、このキリョウ殿下で間違いねえよ」
「それは唯の実務担当だろ?アセンの他に、実権と裁量を持つ者が居ないのであれば、国王を連れて来い」
「病で臥せってんだぜ?良いのか?」
「ここに連れて来られて死ぬか、戦火で焼け好ぬか。どちらが楽だと思う?」
「戦火?!大公閣下はローギスを攻める御積りですか?!」
「皇太子殿下の御前だ。許可を得ず発言するとは、兄弟そろって不作法だな」
「もっ・・・申し訳ございません」
「キリョウ。アセンの行いは、目を疑うほどの、真に非常識な物であった。しかし愛し子様はお優しいお方だ。故に愛し子様へのアセンの無礼は、其方にも見せたあの手合わせだけで、お許しになるお積りだ」
「はっ。愛し子様のお慈悲に感謝いたします」
「だが、戴冠式と俺達の婚姻式へのアセンの参列と、今後ローギスへの助力を拒否されて居られる。愛し子様は国の政や行事に対し、滅多に口出しをされぬお方だ、その愛し子様が拒否されるという事は、それだけ不快な思いをされたのだと、理解しているか?」
「平に、平にご容赦を」
「其方の薄っぺらい謝罪などなんの役にも立たん。それに俺も皇太子殿下も、愛し子様のように優しくはない。アセンは皇太子殿下の顔に泥を塗り、帝国に恥を掻かせた張本人だ。それに皇兄である俺の事も、ケダモノとこき下ろした。其方もあの場に居たのだから知って居よう?これは立派な不敬罪だ。其方が成り代わる事など出来んし、させる積りも無いのだが?」
「・・・・・・」
黙り込んでしまったキリョウに俺とアーノルドは顔を見交わし、俺に変わりアーノルドが口を開いた。
「キリョウ。アセンは我が婚約者をも蔑ろにし、笑いものにしようと企んだ。それを防いで下さったのも愛し子様なのだ。出来るだけ事を穏便に済ませようとなさる愛し子様の御配慮を、我等も無下にはしたくない。だからこそ愛し子様の仰る通り、ローギスで実権を握る者を連れて来させたかったのだが、其方が違うというのであれば、誰を連れて来させればいいのだ?」
「それは・・・・」
「そもそもの話しなのだが。帝国が貴国を重要視する程の事柄があっただろうか?交易量は年々減って行く一方。属国でも無く。友好条約を締結した記録も無い。単に敵対国ではないという認識しか我等には無いのだ。帝国は貴国に対し、なんの義理も義務も持っては居らん。にも拘らず、アセンは我が兄である大公が、ローギスの討伐の助力をする事と、愛し子様が浄化を行う事を、当然の事だと言い、許可も得ず、お二人の住まいにまで押し掛けたのだぞ?」
「・・・・・申し訳ございません」
「これは国としての正式な抗議ではあるが、今は其方の謝罪が欲しいわけではない」
「・・・では、どのように・・・」
「アセンのような愚か者が王になるのなら、貴国との国交は断絶せざるを得ない、という話だ」
恋愛や色恋の話しでなければ、アーノルドも毅然とした態度が取れるのだよな。
朴念仁過ぎて色恋で失敗しないか、弟の将来が不安だ。
「それは、アセンを廃嫡せよとのご命令ですか?」
「私達は、属国でも無い他国の内政に干渉する程暇では無い。それにアセンの不敬は、貴国に兵を差し向けるに足る、充分な理由で有り。貴国を攻め滅ぼす事など、大公の力を持ってすれば、いとも簡単な事なのだ。しかしそれをせぬのは、愛し子様が戦火を望まれていない、という唯一点だけなのだぞ?」
「では、私にどうせよと」
「だから、両国の今後について話し合える、実権を持つ者を連れて来い、と言って居るだろう。それが出来ぬのであれば、貴国との国交は断絶だ」
キリョウの顔色が悪い。
それも当然だな、ローギスのような小国にとって、帝国との繋がりは生命線だ。
帝国にとって微々たる交易であっても、ローギスにとっては莫大なものになる。
さあ。どうするキリョウ。
「今のローギスで、私以外にその様な話しが出来る者は居りません」
「だろうな。言うまでもないが、ゴトフリーは帝国に対し敵対行為を行った事で、その制裁を受けた。そして今では帝国の領土の一部となった。その隣国のウジュカも、愛し子様の支援を受け、今後良好な関係を築いて行く事になるだろう。そしてタランは、我が母の母国だ。となれば帝国の友好国に囲まれたローギスは、孤立無援。海を渡った小国に頼るしかないと思うのだが如何か?」
おや?
アーノルドの言って居る事は正しい。
正しいが・・・。
雲行きが怪しい気がするのは。
気のせいか?
「それは・・・・」
「ローギスが魔晶石と宝石を掘り尽くすまで、あと何年だ?採掘以外の産業があるとは聞いていないが。産業が衰退し、この大陸で孤立無援となった貴国が、何時まで国としての体制を保てる?」
「そう・・・・永くはないかと」
おいおい。
話しがでかくなり過ぎじゃないか?
「であれば、貴国が取るべき道は、限られているな?」
「仰せの通りで御座います。ですが、私の一存でお答えできません」
「うむ。其方の言は尤もだ。国に戻り相談が必要であろうな。どのような結果であっても、貴国の決定は尊重しよう。だがアセンを式に参加させる事だけは許さん」
「皇太子殿下の御意のままに」
キリョウは真っ青だな。
アーノルドの脅しも、中々どうして。
しかし話がでかくなり過ぎだ。
落とし処はどうする積りだ?
「しかしローギスの面子も有るだろう?式にはキリョウ、其方が参列する様に」
成程、恩を売る事も忘れんか。
ウィリアムとロイド様の仕込みに間違いはないようだ。
これで、とんでもない朴念仁振りが改善されれば、俺も一安心なのだが。
存外リアンは、この朴念仁振りを愛でている気もするのだよな。
こいつは紛れもなく犬だ。
比喩では無く、コイツは犬の獣人だ。
皇太子の執務室に呼び出され、俺とアーノルドを前にして、縮み上がっている姿に、伏せた耳と、足の間に巻き込んだ尻尾までが見えそうだ。
犬は群れで生きる生き物だ。
そして群れの頭には、忠誠を誓う習性がある。こいつの忠誠は、誰に捧げられた物なんだ?
父親である国王か?
それとも愚かな兄弟にか?
「・・・と、貴国の王太子殿下は、この帝国で好き勝手をやらかしてくれた訳だ」
「真に・・・・真に申し訳ございません。この度のアセンの御無礼は、全て私の責任で御座います。如何様な罰もお受けいたしますので、どうか弟に対する処分は寛容にお願い致します」
卑屈なまでに頭を下げる犬は、キリョウと言い。アセンの異母兄にあたる人物なのだそうだ。
立場的には俺と似たようなものだが、兄弟の関係性は、全く異なるもののようだ。
幾ら頭に忠実と言っても、頭が愚かであれば、群れの存続に関わって来るのだ、血気盛んな若い雄ならば、入れ替わりの決戦を挑むものでは無いのか。
それともこいつの牙は、とうの昔に折られてしまったのだろうか。
「ロロシュ。レンはローギスの実権を握っている者を連れて来いと言ったのだぞ、アセンの犬を連れて来てどうする。やり直せ」
「いやいや。ローギスの全てを取り仕切ってるのは、このキリョウ殿下で間違いねえよ」
「それは唯の実務担当だろ?アセンの他に、実権と裁量を持つ者が居ないのであれば、国王を連れて来い」
「病で臥せってんだぜ?良いのか?」
「ここに連れて来られて死ぬか、戦火で焼け好ぬか。どちらが楽だと思う?」
「戦火?!大公閣下はローギスを攻める御積りですか?!」
「皇太子殿下の御前だ。許可を得ず発言するとは、兄弟そろって不作法だな」
「もっ・・・申し訳ございません」
「キリョウ。アセンの行いは、目を疑うほどの、真に非常識な物であった。しかし愛し子様はお優しいお方だ。故に愛し子様へのアセンの無礼は、其方にも見せたあの手合わせだけで、お許しになるお積りだ」
「はっ。愛し子様のお慈悲に感謝いたします」
「だが、戴冠式と俺達の婚姻式へのアセンの参列と、今後ローギスへの助力を拒否されて居られる。愛し子様は国の政や行事に対し、滅多に口出しをされぬお方だ、その愛し子様が拒否されるという事は、それだけ不快な思いをされたのだと、理解しているか?」
「平に、平にご容赦を」
「其方の薄っぺらい謝罪などなんの役にも立たん。それに俺も皇太子殿下も、愛し子様のように優しくはない。アセンは皇太子殿下の顔に泥を塗り、帝国に恥を掻かせた張本人だ。それに皇兄である俺の事も、ケダモノとこき下ろした。其方もあの場に居たのだから知って居よう?これは立派な不敬罪だ。其方が成り代わる事など出来んし、させる積りも無いのだが?」
「・・・・・・」
黙り込んでしまったキリョウに俺とアーノルドは顔を見交わし、俺に変わりアーノルドが口を開いた。
「キリョウ。アセンは我が婚約者をも蔑ろにし、笑いものにしようと企んだ。それを防いで下さったのも愛し子様なのだ。出来るだけ事を穏便に済ませようとなさる愛し子様の御配慮を、我等も無下にはしたくない。だからこそ愛し子様の仰る通り、ローギスで実権を握る者を連れて来させたかったのだが、其方が違うというのであれば、誰を連れて来させればいいのだ?」
「それは・・・・」
「そもそもの話しなのだが。帝国が貴国を重要視する程の事柄があっただろうか?交易量は年々減って行く一方。属国でも無く。友好条約を締結した記録も無い。単に敵対国ではないという認識しか我等には無いのだ。帝国は貴国に対し、なんの義理も義務も持っては居らん。にも拘らず、アセンは我が兄である大公が、ローギスの討伐の助力をする事と、愛し子様が浄化を行う事を、当然の事だと言い、許可も得ず、お二人の住まいにまで押し掛けたのだぞ?」
「・・・・・申し訳ございません」
「これは国としての正式な抗議ではあるが、今は其方の謝罪が欲しいわけではない」
「・・・では、どのように・・・」
「アセンのような愚か者が王になるのなら、貴国との国交は断絶せざるを得ない、という話だ」
恋愛や色恋の話しでなければ、アーノルドも毅然とした態度が取れるのだよな。
朴念仁過ぎて色恋で失敗しないか、弟の将来が不安だ。
「それは、アセンを廃嫡せよとのご命令ですか?」
「私達は、属国でも無い他国の内政に干渉する程暇では無い。それにアセンの不敬は、貴国に兵を差し向けるに足る、充分な理由で有り。貴国を攻め滅ぼす事など、大公の力を持ってすれば、いとも簡単な事なのだ。しかしそれをせぬのは、愛し子様が戦火を望まれていない、という唯一点だけなのだぞ?」
「では、私にどうせよと」
「だから、両国の今後について話し合える、実権を持つ者を連れて来い、と言って居るだろう。それが出来ぬのであれば、貴国との国交は断絶だ」
キリョウの顔色が悪い。
それも当然だな、ローギスのような小国にとって、帝国との繋がりは生命線だ。
帝国にとって微々たる交易であっても、ローギスにとっては莫大なものになる。
さあ。どうするキリョウ。
「今のローギスで、私以外にその様な話しが出来る者は居りません」
「だろうな。言うまでもないが、ゴトフリーは帝国に対し敵対行為を行った事で、その制裁を受けた。そして今では帝国の領土の一部となった。その隣国のウジュカも、愛し子様の支援を受け、今後良好な関係を築いて行く事になるだろう。そしてタランは、我が母の母国だ。となれば帝国の友好国に囲まれたローギスは、孤立無援。海を渡った小国に頼るしかないと思うのだが如何か?」
おや?
アーノルドの言って居る事は正しい。
正しいが・・・。
雲行きが怪しい気がするのは。
気のせいか?
「それは・・・・」
「ローギスが魔晶石と宝石を掘り尽くすまで、あと何年だ?採掘以外の産業があるとは聞いていないが。産業が衰退し、この大陸で孤立無援となった貴国が、何時まで国としての体制を保てる?」
「そう・・・・永くはないかと」
おいおい。
話しがでかくなり過ぎじゃないか?
「であれば、貴国が取るべき道は、限られているな?」
「仰せの通りで御座います。ですが、私の一存でお答えできません」
「うむ。其方の言は尤もだ。国に戻り相談が必要であろうな。どのような結果であっても、貴国の決定は尊重しよう。だがアセンを式に参加させる事だけは許さん」
「皇太子殿下の御意のままに」
キリョウは真っ青だな。
アーノルドの脅しも、中々どうして。
しかし話がでかくなり過ぎだ。
落とし処はどうする積りだ?
「しかしローギスの面子も有るだろう?式にはキリョウ、其方が参列する様に」
成程、恩を売る事も忘れんか。
ウィリアムとロイド様の仕込みに間違いはないようだ。
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