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殺人鬼
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深夜三時、高さ十階のマンションの屋上から一人の女性が落ちていくのを、僕は向かいの道から見ていた。屋上の上に一瞬だけ男の影が映る。おそらく男が女性を突き落としたのだろう。少ししてマンションの非常階段から男がでてくると僕と目が合った。
「見たな」
「はい」
「——ついてこい。逃げたら殺す」
僕は男についていった。
たどり着いたのは薄い青色の外壁をしたアパートだった。至って普通のどこにでもある二階建てのアパートだ。どうやら彼の家のようだ。
部屋に着くなり僕は首に縄をかけられていた。ここで殺していいのだろうか?
「俺はな、なんでかしらないけど捕まらないんだよ。たくさん殺してきた。けど一度も捕まったことはない」
「・・・・・・そう」
僕のポケットで着信音が鳴った。僕は指先だけで電話にでる。電話口から女性の声がした。
『おーい、そこどこ?また変なことしてるんじゃないでしょうね。腹が減ったぞー。もしもーし』
「・・・・・・」
「提案がある」僕が言った。
「君に変わったことがあるように、僕にも変わった能力がある。君が望むものをあげるよ」
「・・・・・・やってみろ」
僕は電話の向こうに「大丈夫、すぐ帰る」と告げ、男と向き合い、男へ手のひらを向け、一呼吸置くと唱えた。
「すぐに殺してはいけない。そういう時は辛抱強く話を聞くんだ」
男はしばらく動かなかったが、突然はっと目を見開くとその場で膝から崩れ落ち、声をあげて泣き始めた。
しばらくして落ち着くと男は警察に出頭した。
僕は家に帰り、せっせと夕飯の支度をするのだった。
「見たな」
「はい」
「——ついてこい。逃げたら殺す」
僕は男についていった。
たどり着いたのは薄い青色の外壁をしたアパートだった。至って普通のどこにでもある二階建てのアパートだ。どうやら彼の家のようだ。
部屋に着くなり僕は首に縄をかけられていた。ここで殺していいのだろうか?
「俺はな、なんでかしらないけど捕まらないんだよ。たくさん殺してきた。けど一度も捕まったことはない」
「・・・・・・そう」
僕のポケットで着信音が鳴った。僕は指先だけで電話にでる。電話口から女性の声がした。
『おーい、そこどこ?また変なことしてるんじゃないでしょうね。腹が減ったぞー。もしもーし』
「・・・・・・」
「提案がある」僕が言った。
「君に変わったことがあるように、僕にも変わった能力がある。君が望むものをあげるよ」
「・・・・・・やってみろ」
僕は電話の向こうに「大丈夫、すぐ帰る」と告げ、男と向き合い、男へ手のひらを向け、一呼吸置くと唱えた。
「すぐに殺してはいけない。そういう時は辛抱強く話を聞くんだ」
男はしばらく動かなかったが、突然はっと目を見開くとその場で膝から崩れ落ち、声をあげて泣き始めた。
しばらくして落ち着くと男は警察に出頭した。
僕は家に帰り、せっせと夕飯の支度をするのだった。
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