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Wedding~消えた花嫁~
第13話
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「イタズラ?」
不機嫌そうな顔でライアンが首を傾げながら問い返す。
こんなことが『悪戯』であってたまるか、とでも言いたげである。
「瑠依さん、どういうこと?」
優希は四つ足で立ち上がると、ルイに向かって尋ねる。
ライアンが不機嫌になるのも分かる。『悪戯』で動物に変えられるなんて、なんとも迷惑な話である。
「実は……つい最近、私も妖精を見かけたんです。ちょうど結婚式の準備や政務に追われていた時で……。その時は私も余裕がなく、何も考えずに彼らの『誘い』を断ってしまったんです」
ふぅっと深く息を吐くと、ルイは理由を話し始めた。
一体なんのことを言っているのかと、優希を含む他の人達は首を傾げている。
「誘いって?」
すぐにジェイクがルイに尋ねる。
「彼らの『遊び』をです」
「遊び?」
ルイの答えに更に優希は首を傾げる。
「彼らは見た目もそうなのですが、子供のような性格をしていまして。私も史書で読んだだけだったので、まさか本当に『悪戯』されるとは……」
余程狼狽えているのか、ルイにしては説明が十分ではなかった為、そこにいた全員が再び首を傾げる。
一体どういう意味なのか。
しかし、唯一その場にいた中で、ルイの話す言葉の意味を理解できた人物がいた。
「なるほど。彼らの『誘い』を断ると、彼らから『悪戯』をされる、という訳か」
セバスチャンだ。ルイの話の内容だけで理解ができたようだった。
「その『悪戯』が『コレ』という訳か」
そして海斗も話を理解できたようでふむ、と頷いている。
「海斗分かったの?」
きょとんとしながら優希はじっと海斗を見上げた。
「あぁ……なんとなくな。つまり、瑠依が忙しくしている時に妖精が現れて遊びに誘ったが、その誘いを断ってしまった。それに怒った妖精が仕返しをしてきた。それがこの『悪戯』、俺たちを動物に変える魔法ってこと、なんじゃないか?」
「さすがは海斗くんですね。だいたい合っています。ただ、彼らは怒った訳ではなく、恐らく拗ねているんでしょう。史書にはそのような記述がありました。でもまさか、こんな大掛かりな悪戯をされるとは思ってもみませんでした。……皆さんを巻き込んでしまい、本当に申し訳ありません……」
さらりと答えた海斗を見ながらルイが大きく頷いた。
そして周りをぐるりと見た後、深く頭を下げ、謝罪をしたのだった。
「なるほどな……私に対しては本当にただの悪戯のようだが」
顎に手を当て、グスターヴァルは頷きながら苦笑いする。
そういえば、なぜグスターヴァルは人間になっているのだろうと優希は不思議そうに見上げた。
「ねぇ、グスターヴァルはなんで人間の姿なの?」
今更ではあるが、なんとなく聞いてみた。
「あぁ……実は、キティがいなくなったという話が、メタトロンの鏡を通して聞こえてきたのだ。急いで城に向かったんだが……。城に着いた時に異変を感じてな。そう思った時には遅かったようだ。彼らに見つかりこの姿になった。……だが、私に対してはただの遊びなのだろう」
手を下ろすと、優希を見ながらグスターヴァルは大きく溜め息を付く。
一体、妖精は何がしたいのだろうか。
再びそこにいた全員が頭を悩ませた。
「……拗ねているっていうことは、機嫌を取ればいいんじゃないのか?」
ふと海斗が思い付いたことを話した。
「そうですね……私も同じことを考えていました」
エリスの横にお座りの姿勢を取ると、ルイも頷いている。
「機嫌を取るってどうするの?」
ことんと首を傾げながらアリスが問い掛ける。
「遊んであげるとか?」
すぐ隣でジェイクが何気なく発言した言葉に、全員が注目した。
「それだ!」
四つ足で立ち上がると、海斗が声を上げる。
間違いないと確信したような言い方だった。
「それで妖精の機嫌直る?」
再び優希が首を傾げる。
「あぁ。瑠依が妖精の遊びを断って悪戯をしたのだから、遊んでやればいいんだよ。ただ、その『遊び』が何かは分からないけどな」
答えは出たものの、これ以上は分からないとお手上げ状態である。海斗はふるふると首を振る。
「じゃあ、聞いてみればいいんじゃない?」
元気な声でアリスがそう話した。
「どうやって?」
軽く話すアリスにジェイクは首を傾げながら尋ねる。
「うーん……」
いい案だと思ったのに、とアリスは首を傾げてしまった。
「だから本人たちに聞けばいいんじゃないか?」
ずっと黙ったまま何も発言をしていなかったイーサンが突然話し出した。
「聞けばってお前な――」
「どうせ今もどこかで俺たちのことを見ているんだろう。だから問い掛けてみればいいんじゃないのか?」
呆れたように突っ込んだセバスチャンの言葉を遮り、イーサンが話し続けた。
「なるほど……そうですね」
ふむ、とルイがイーサンの言葉に納得する。
そして四つ足で立ち上がると、ルイはぐっと鼻先を上げる。
「やってみましょう……『皆さん、聞こえていますか? 私たちと遊びませんか?』」
この部屋にいる人たちにではなく、どこかにいる妖精たちに向かってルイが問い掛けた。
すると――突然部屋の中に風が吹いた。
不機嫌そうな顔でライアンが首を傾げながら問い返す。
こんなことが『悪戯』であってたまるか、とでも言いたげである。
「瑠依さん、どういうこと?」
優希は四つ足で立ち上がると、ルイに向かって尋ねる。
ライアンが不機嫌になるのも分かる。『悪戯』で動物に変えられるなんて、なんとも迷惑な話である。
「実は……つい最近、私も妖精を見かけたんです。ちょうど結婚式の準備や政務に追われていた時で……。その時は私も余裕がなく、何も考えずに彼らの『誘い』を断ってしまったんです」
ふぅっと深く息を吐くと、ルイは理由を話し始めた。
一体なんのことを言っているのかと、優希を含む他の人達は首を傾げている。
「誘いって?」
すぐにジェイクがルイに尋ねる。
「彼らの『遊び』をです」
「遊び?」
ルイの答えに更に優希は首を傾げる。
「彼らは見た目もそうなのですが、子供のような性格をしていまして。私も史書で読んだだけだったので、まさか本当に『悪戯』されるとは……」
余程狼狽えているのか、ルイにしては説明が十分ではなかった為、そこにいた全員が再び首を傾げる。
一体どういう意味なのか。
しかし、唯一その場にいた中で、ルイの話す言葉の意味を理解できた人物がいた。
「なるほど。彼らの『誘い』を断ると、彼らから『悪戯』をされる、という訳か」
セバスチャンだ。ルイの話の内容だけで理解ができたようだった。
「その『悪戯』が『コレ』という訳か」
そして海斗も話を理解できたようでふむ、と頷いている。
「海斗分かったの?」
きょとんとしながら優希はじっと海斗を見上げた。
「あぁ……なんとなくな。つまり、瑠依が忙しくしている時に妖精が現れて遊びに誘ったが、その誘いを断ってしまった。それに怒った妖精が仕返しをしてきた。それがこの『悪戯』、俺たちを動物に変える魔法ってこと、なんじゃないか?」
「さすがは海斗くんですね。だいたい合っています。ただ、彼らは怒った訳ではなく、恐らく拗ねているんでしょう。史書にはそのような記述がありました。でもまさか、こんな大掛かりな悪戯をされるとは思ってもみませんでした。……皆さんを巻き込んでしまい、本当に申し訳ありません……」
さらりと答えた海斗を見ながらルイが大きく頷いた。
そして周りをぐるりと見た後、深く頭を下げ、謝罪をしたのだった。
「なるほどな……私に対しては本当にただの悪戯のようだが」
顎に手を当て、グスターヴァルは頷きながら苦笑いする。
そういえば、なぜグスターヴァルは人間になっているのだろうと優希は不思議そうに見上げた。
「ねぇ、グスターヴァルはなんで人間の姿なの?」
今更ではあるが、なんとなく聞いてみた。
「あぁ……実は、キティがいなくなったという話が、メタトロンの鏡を通して聞こえてきたのだ。急いで城に向かったんだが……。城に着いた時に異変を感じてな。そう思った時には遅かったようだ。彼らに見つかりこの姿になった。……だが、私に対してはただの遊びなのだろう」
手を下ろすと、優希を見ながらグスターヴァルは大きく溜め息を付く。
一体、妖精は何がしたいのだろうか。
再びそこにいた全員が頭を悩ませた。
「……拗ねているっていうことは、機嫌を取ればいいんじゃないのか?」
ふと海斗が思い付いたことを話した。
「そうですね……私も同じことを考えていました」
エリスの横にお座りの姿勢を取ると、ルイも頷いている。
「機嫌を取るってどうするの?」
ことんと首を傾げながらアリスが問い掛ける。
「遊んであげるとか?」
すぐ隣でジェイクが何気なく発言した言葉に、全員が注目した。
「それだ!」
四つ足で立ち上がると、海斗が声を上げる。
間違いないと確信したような言い方だった。
「それで妖精の機嫌直る?」
再び優希が首を傾げる。
「あぁ。瑠依が妖精の遊びを断って悪戯をしたのだから、遊んでやればいいんだよ。ただ、その『遊び』が何かは分からないけどな」
答えは出たものの、これ以上は分からないとお手上げ状態である。海斗はふるふると首を振る。
「じゃあ、聞いてみればいいんじゃない?」
元気な声でアリスがそう話した。
「どうやって?」
軽く話すアリスにジェイクは首を傾げながら尋ねる。
「うーん……」
いい案だと思ったのに、とアリスは首を傾げてしまった。
「だから本人たちに聞けばいいんじゃないか?」
ずっと黙ったまま何も発言をしていなかったイーサンが突然話し出した。
「聞けばってお前な――」
「どうせ今もどこかで俺たちのことを見ているんだろう。だから問い掛けてみればいいんじゃないのか?」
呆れたように突っ込んだセバスチャンの言葉を遮り、イーサンが話し続けた。
「なるほど……そうですね」
ふむ、とルイがイーサンの言葉に納得する。
そして四つ足で立ち上がると、ルイはぐっと鼻先を上げる。
「やってみましょう……『皆さん、聞こえていますか? 私たちと遊びませんか?』」
この部屋にいる人たちにではなく、どこかにいる妖精たちに向かってルイが問い掛けた。
すると――突然部屋の中に風が吹いた。
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