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しおりを挟むイザエルが話したこととは・・・・・・
「せっかく王太子殿下の婚約者候補になれたのに、なぜか王太子殿下はナティシア様とばかり交流を深めようとしていました。私もどうにかして王太子殿下の目にとどまらなければと焦っていました」とのことだった。
「そんな時リターシャ様からお誘いがあって…リターシャ様も殿下がナティシア様と交流を深めることを懸念されていました。でももしもナティシア様がお相手に選ばれなくても公爵家であり、今まで妃教育を受けていた自分を差し置いて私が選ばれることはない。
でもリターシャ様が選ばれ、王太子殿下の目に止まれば私を側室にと助言してもいいとおっしゃったのです。その為にはナターシャ様のお茶会が失敗に終わればいいのよと……私にあの瓶をくださったのです……
どのように使えなど指示があったわけではありません。
確かに公爵令嬢2人に対して伯爵令嬢の私は分が悪いのはわかっていました。
ナティシア様と恋仲になられて王太子殿下が結婚されてしまうより、リターシャ様がご結婚され、私を側室にしてもらった方がいいんじゃないかと思って……
あの日、会場を抜けて王太子殿下とナティシア様が池の前で話をしているのを見ました。その時あの池をナティシア様が手入れしているとおっしゃっていたので……
池の手入れさえできていないとわかれば婚約者候補から落とされるんじゃないかって……
本当に軽い気持ちだったんです。
それなのになぜかすぐにナティシア様が戻ってきてしまって、慌てて会場に戻ったから毒も処分できなくて。なのになぜか瓶の場所まで知られてしまっているし……
もう、、私はどうしたらよかったんですか」
最後は苦悶するような一言を吐き出したが、全て自分が選んだことである。
確かに公爵令嬢2人に対して伯爵令嬢は分が悪いかもしれない。
だが最終3人にまで選ばれているのだ。それだけの魅力がなにかしらあったということ。
王太子殿下の婚約者になりたかったのならば、堂々としていればよかったのだ。
リターシャに側室にと助言してやると言われたとして、そこに確証などない。
それなのにこんな事をしてしまうなんて。
イザエルの証言によりリターシャとクレンティ公爵にも話を聞くこととなった。
しかし2人とも自分たちは何も知らない、関わっていないの一点張りだった。
特にリターシャに至っては、自分は無関係だからこそイザエルがナティシアに叩かれた時、真っ先にかばったのだ。それなのにこんな形でイザエルが自分を陥れるだなんて夢にも思わなかったと泣き始めてしまったそうだ。
その後騎士団により調査されたが、結局リターシャや公爵が関わったとされる証拠は何も発見できなかった。
その為、今回の件は次期王妃の座を狙った令嬢一人の企てだったとされた。
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