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1.旦那の真実の愛の相手
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「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家の家に来て堂々とそんなことを宣言しているこの女性はどなたかしら。
貴族女性が普段着るようなドレスではなく、身体のラインが透けて見えそうな程タイトなドレスは、足が見えてしまうほど深いスリットが入っている。
足を組んで座っているからそのスリットは大きく開き、惜しげもなくその足をさらけ出している。
顔だけ見れば幼くも見える女性は、首から下は妖艶な女性の雰囲気を醸し出している。
「まぁ、カダールのことをこんなにも愛する方がいるだなんて存じ上げなかったわ。
でも私、あなたのことをカダールから聞いたことがなくって……
よければあなたとカダールのことを詳しく教えてくださいませんか?
そうでなければ身を引くこともできません。
私たちは神の前で愛を誓いあった夫婦なのですもの」
キュリールがこういうとその女性は「わかりました。ただ、私たちの愛の前には神様もきっとその行いを許してくれますわ」そう言って、2人の出会いから今にいたるまでどのようにカダールと過ごしてきたかを語りだした。
それはまるで恋愛小説のような内容だった。
『踊り子として働くナリッタを初めて見たカダールは翌日花束を抱えてもう一度彼女に会いに行った。
そして踊るナリッタを前に膝をついて、こう告げた。
「僕の女神、初めて君を見て僕の身体には雷が走った。君こそが僕がこれまで探し求めていた人なのだと。どうか少しの時間でもいい、君と話しをする名誉を僕に捧げてはくれないだろうか。
君の瞳を見つめ、話ができたなら僕は人生で最高の幸せを手に入れられるだろう」
大きな花束を差し出しながらそういうカダールの顔は恥ずかしさからだろうか、少し赤く染まっていた。
優しそうな顔立ちで、花束、着ているものだけでも高貴な方だとわかる方が自分に膝をついて話がしたいと言っている。
これほど自尊心が満たされたことはなかった。
そうして花束を受け取り、踊りが終わってから2人の時間を過ごした。
申し出通り、ゆっくりと話しをした。アルコールを飲みながらお互いのことだけを話をして時間を過ごした2人の距離が近くなるのは必然だった。
お互いの距離が近づき、唇を交わしたとき、心が震えた気がした。
これまで足りなかったものはこれだったのだと。この人こそが探し求めていた人であり、これこそが真実の愛なのだと。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家の家に来て堂々とそんなことを宣言しているこの女性はどなたかしら。
貴族女性が普段着るようなドレスではなく、身体のラインが透けて見えそうな程タイトなドレスは、足が見えてしまうほど深いスリットが入っている。
足を組んで座っているからそのスリットは大きく開き、惜しげもなくその足をさらけ出している。
顔だけ見れば幼くも見える女性は、首から下は妖艶な女性の雰囲気を醸し出している。
「まぁ、カダールのことをこんなにも愛する方がいるだなんて存じ上げなかったわ。
でも私、あなたのことをカダールから聞いたことがなくって……
よければあなたとカダールのことを詳しく教えてくださいませんか?
そうでなければ身を引くこともできません。
私たちは神の前で愛を誓いあった夫婦なのですもの」
キュリールがこういうとその女性は「わかりました。ただ、私たちの愛の前には神様もきっとその行いを許してくれますわ」そう言って、2人の出会いから今にいたるまでどのようにカダールと過ごしてきたかを語りだした。
それはまるで恋愛小説のような内容だった。
『踊り子として働くナリッタを初めて見たカダールは翌日花束を抱えてもう一度彼女に会いに行った。
そして踊るナリッタを前に膝をついて、こう告げた。
「僕の女神、初めて君を見て僕の身体には雷が走った。君こそが僕がこれまで探し求めていた人なのだと。どうか少しの時間でもいい、君と話しをする名誉を僕に捧げてはくれないだろうか。
君の瞳を見つめ、話ができたなら僕は人生で最高の幸せを手に入れられるだろう」
大きな花束を差し出しながらそういうカダールの顔は恥ずかしさからだろうか、少し赤く染まっていた。
優しそうな顔立ちで、花束、着ているものだけでも高貴な方だとわかる方が自分に膝をついて話がしたいと言っている。
これほど自尊心が満たされたことはなかった。
そうして花束を受け取り、踊りが終わってから2人の時間を過ごした。
申し出通り、ゆっくりと話しをした。アルコールを飲みながらお互いのことだけを話をして時間を過ごした2人の距離が近くなるのは必然だった。
お互いの距離が近づき、唇を交わしたとき、心が震えた気がした。
これまで足りなかったものはこれだったのだと。この人こそが探し求めていた人であり、これこそが真実の愛なのだと。
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