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11.リボン……

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”どうして……どうして………?

あの日キュリール様と話をして、カダールとの愛を認めてもらえた。
だから離婚するって………

だから追い出された?

それにカダールは貴族籍を失ったと言っていた。
つまり今のカダールは平民と言うこと?

それに愛人?
「妻とは貴族としての責務を果たすために結婚しただけ。愛してなんかない。愛してるのは君だけだよ」そう言ってくれていた。
それなのに愛人?

だから愛人としても迎え入れられなかった?

………………私は全部騙されていただけ?
カダールは愛人と共に追い出されたの?
だからこんな何年も前に流行り終わったような服を2人とも着ているの?

そんな……じゃあこれからどうなるの…………”

ナリッタがそんなことを思っていてもなおも2人の罵り合いは続いた。

「カダール!!早く元妻に謝って許してもらってきなさいよ!!
私を伯爵家に戻さないと許さないんだからね!!」

「リボン!うるさいと言ってるだろう!黙れ!!」

そう言ってカダールはその女を叩いた。
女は先ほどの私の様に叩かれた衝撃で倒れ、床に座り込んでいた。

だが、女はナリッタとは違い、さらにカダールに食ってかかっていった。

「ちょっと!!よくも叩いたわね!!
よくも私の顔を叩いたわね!!!!」

そう言ってカダールに殴りかかっている。


え?………ちょっと待って………
ちょっと待って…………

今あの女のことをリボンって言った?
リボン?

……………キュリール様は確か”リボン”と言っていた。
『リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの』

それにあの従者も……

『当主があなたには心から感謝しておりましたので、遠慮は結構です。リボンはすでに家に入れておりますので後ほどご確認ください』

あぁ………そういうことか。

だから返品は受け付けないと………

でもそれじゃあプレゼントって…………

ナリッタは2人が殴りあっている隙に隠れるように寝室にいった。
そこで従者から渡されたケースを開けてみた。

そこには自分では持ったこともないほど大ぶりな宝石が2つ入っていた。

あぁ………よかった。本当にプレゼントが入っていた。
ナリッタはホッとしたのと同時に、大きな不安にかられた。

これがあの2人に見つかればすぐに取られてしまうだろう。
先ほどのように殴って来ることはきっと間違いない。


これは私のものなのに…………
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