選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ

暖夢 由

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42.ナタリアが悪い

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「はいっ!!そうなんです!!それなのにあの女たちは「では、マルクは結婚前から不貞行為を行い、妻を裏切り続けていたと言うことなんだな」

え?いや……裏切ってたわけじゃ。お母様とお父様こそ真実の愛で「そしてそれを正妻のせいだと思っていると言うことだな」

だってそれは2人はちゃんと愛し合ってて「それに何より、あなたはあそこにいる女性がナタリア・パレドスだと認識した上で自分がナタリア・パレドスだと身分詐称をしていたと言うことだな」


ちがっ!だってナタリアはあんなに綺麗じゃ……あの子はもっと痩せてて、みすぼらしくって……あんなんじゃ……」             


裁判長の言葉に一言一言に答えるように言葉を漏らしながら、その中で私のことを確認するように見つめる。
確かに私が彼女たちの近くにいたときには私は見窄らしいほどに痩せ細り、頬はこけ、髪の艶も失われていた。

だけどこの1ヶ月、マクレド家で私は毎日食事を摂ることができ、おかげで体重が5キロも増えた。栄養があるものを食べ、毎日髪の手入れもしてもらった。そのおかげで艶のある髪の毛を手に入れることもできた。

だからあの男もグレン様も一目で気づくことができなかったんだろう。
しかし結局1ヶ月しか経っていない。本来気づかないわけがないのだ。しかし、それだけ私に興味がなかったのか、それとも私だと認めたくなかっただけなのか、私と認識しなかったのはアルバとヨランダだけなのだ。

だが追い詰められた時に無意識なのか、ナタリアだと認識しているのだと言うのが出てしまった。

私を見て、”ナタリアが悪い”と言い切ったのだ。私に責任を被せるためにナタリアと認識していることが露呈してしまった。

「もう結構。
ここまできても自分の過ちさえ認められんとはなんと浅ましい。


ここで取り急ぎ、アルバ・パレドスの身分詐称に関してのみ判決を言い渡す。

アルバ・パレドスは平民でありながら日常的に貴族姓を騙り、貴族の特権を濫用していた。その行いは極めて悪質である。しかし、その被害は今のところパレドス家のみに収まっていたことを考慮し、彼女には北の修道院での無報酬労働10年を言い渡す」

「そんなっ!!待ってください!」

「静粛に!!
続いて、ナタリア・パレドスに成り代わり、すべての遺産を手に入れようとした件について。
こちらも証拠と本日の夜会での様子を確認したことで、原告側の主張を全面的に認め、先ほどとは別に北の修道院での無報酬労働20年を言い渡す!」

「待って!!やめて!!私は悪いことなんてしていないのに!」

アルバの言葉は裁判長に制され、続くことはない。あの男はもう守る気もないのか、うつむいてガタガタと身体を震わせているだけだ。

しかしここまできても自分は悪いことはしていないと言い切るあたり、本当にすごいと思う。
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