文字の大きさ
大
中
小
4 / 41
当主とは…
「畏まりました。そのようにおっしゃるのでしたら仕方ありませんわ。
やはりお父様もダレン様達と一緒に明日までにはお屋敷を出て行ってくださいまし。」
「なっ!なぜお前にそのような事を言われなければならない!私はカシミール家当主だぞ!!」
そう鼻息荒くした真っ赤なお顔のお父様がおっしゃっています。
しかし、それが間違っているのです。
「いいえ。お父様は当主ではございません。昨日までの当主代理でございます。そして今日からは私が侯爵家当主でございます。」
「なっ!????」
そう。お祖父様が亡くなられた際、相続が発生したのですが一人息子であるお父様にはどうしても任せられないと最後まで思い悩み、お祖父様の元で勉学に励んでいた孫娘の私に相続を行ったのです。しかし、お祖父様が亡くなったのは私が12才の時。まだあまりに幼いとのことからお父様が当主代理となったのです。
しかしお父様はそのような仕組みを理解しておられなかったのか、お祖父様が亡くなったら自分が自動的に当主となったと思われたようで、今のこの状況が出来上がってしまったのです。
そして今日は私の18歳の誕生日。この国でいわゆる成人と認められる歳。その為今日からは相続に基づき私が当主となるのです。
「お祖父様からの相続書類もここに。どうぞ確認なさってください」
そういって書類を広げるとお父様のお顔は赤から青へと変わっていっています。
どうにかご理解していただけたのかしら。
「………で、では……ミカリーナは?」
そんな小さな呟きが聞こえました。ふと、私は考えながら
「そうですね………
元々平民で育ち、貴族の礼儀を覚えることも嫌そうでしたので、やはり平民として暮らされるのがよろしいのではないでしょうか」
そう答えていました。
見ればお父様と同じような顔の色をしたダレン様とそのご両親が俯いていらっしゃいます。
「ご理解頂けましたか?
では、せっかくのお祝いの席ですので、パーティーを再開いたしましょう。
皆様、お見苦しいところをお見せして大変申し訳ございません。最後までお楽しみ頂ければと思います」
そう宣言したと思ったら…
「やっぱりお義姉様は意地悪ね。平民だからと私をいつも見下して。そんなことだからダレン様にも捨てられてしまうんだわ!」
そう声高に叫ぶ義妹。その行為がすでに貴族として相応しくないとなぜわからないのかしら。
「そうね。見下したつもりはないけれどあなたが侯爵家当主の妻に相応しいとは今の行動ひとつとっても思えないわね」
「なっ!」
今まで表では義妹の意見を否定したことはなかったので驚いたのかもしれない。でも今日からは侯爵家当主。それに相応しい行動をしないといけない。黙って放っておいてはいけないのです。
感想 61
あなたにおすすめの小説
悲恋を気取った侯爵夫人の末路
侯爵夫人のプリシアは、貴族令嬢と騎士の悲恋を描いた有名なロマンス小説のモデルとして持て囃されていた。
順風満帆だった彼女の人生は、ある日突然に終わりを告げる。
悲恋のヒロインを気取っていた彼女が犯した過ちとは──?
カクヨムにも公開してます。
完結 やっぱり貴方は、そちらを選ぶのですね
卒業式も終わり
卒業のお祝い。。
パーティーの時にソレは起こった
やっぱり。。そうだったのですね、、
また、愛する人は
離れて行く
また?婚約者は、1人目だけど。。。
殿下を廃嫡にいたします。理由は、わたくしが嫌いだからですわ
「アンリエット。おまえとの婚約は、本日をもって破棄する」
七年お仕えした婚約者さまに、大広間の真ん中でそう告げられましたの。理由をお尋ねしましたら、「おまえは可愛げがない」。まあ。それは失礼いたしましたわ。
ですからわたくしも、可愛げのないことを申し上げますの。
「では、殿下を廃嫡にいたします」
この国の王は、選定七家の合議で立ちますのよ。そしてわたくしは、その七家のひとつ、グランヴィル侯爵家の当主代理。
「理由をお聞かせ願おうか」
「――理由は、わたくしがあなたを嫌いだから。それだけですわ」
国のためではございません。正義でもございません。私情ですの。
七つの家をひとつずつ訪ね、取引をし、貸しを作り、必要とあらば頭も下げますわ。手も汚れましょう。それでもわたくし、恥じてはおりませんの。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
追放されたので、祝福はすべて回収いたします
「聖女エルシーを、国外追放とする」
罪状は、真冬の夜に許可なく子どもを治したこと。追放に賛同する署名は、四十三家。
わたしは弁明のかわりに、署名簿をじっと見つめました。
「お名前を、覚えておこうと思いまして」
誰も知らないことがひとつあります。聖女の祝福は「渡したら終わり」ではなく、細い糸でわたしと繋がり続けている。——手繰り寄せれば、戻るのです。
退去の期限は三十日。回るには、じゅうぶんですわ。
豊穣も、商運も、健守も。十年分の台帳と照らし合わせて、署名した家から順番に、一軒ずつ。
「ごきげんよう。祝福を、返していただきに参りました」
ただし——子どもと病人にかかっているものは、一件も引きません。回収とは、そういうふうに、するものですから。
【完結】未来を見据えて行動していた才女は、支えることを諦めました
婚約者のために尽くしてきた、伯爵家次女カレン。
カレンは公爵家嫡男レオンの婚約者として、厳しい教育を受け続けてきた。
政治、経済、貴族の習わし、すべては公爵家と未来の夫レオンために学び、得てきた。
だが、レオンにはその努力が評価されなかった。
むしろ、甘い言葉を囁く子爵令嬢に心を奪われ、やがてカレンを遠ざけていく。
ならば、もう支える必要はないと気づき、静かに手を引く。
その日から、レオンの歯車は音を立てて狂い始めていく。
努力を怠らないカレンの支えを失った婚約者。
何も知らない愚か者と、すべてを知る才女。
だが、その母である公爵夫人は本質を見抜いていた。
果たして誰が勝ち残り、誰が捨てられるのか。
これは、すべてを見通す令嬢が、真の評価を得るまでの物語。
(完結)殿下との婚約は私には破棄できませんの。……どうしてもというなら、署名活動なさったら?
「ハル君を自由にしてあげて!」
「貴族の署名(サイン)が五十も集まれば、王家も無視できないでしょう。がんばってくださいませ」
生徒会室に突撃してきたローズは全く話を聞かない。行動力だけは異常で、妙なカリスマのある彼女。署名活動は成功するのだろうか?