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夫の命令が聞けないのか?※
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大人しく待っていると若い男女がステージ上に現れて例の見世物が始まった。
他人の性行為を見るなんて今まで一度も経験がないので恥ずかしくて仕方がない。それなのに隣で足を組んで座っているヴィクトル様は何とも思っていないようで堂々とした態度をとっている。
私は羞恥で頬を赤く染め、この時間が早く終わってしまえと思った。ずっと目を閉じてやりすごそうとも思ったのだけれど、あまりにも女性から漏れる声が生々しいので逆に気になって目が離せない。
あの女の人。胸がすごく大きくて、綺麗。これなら私の貧相な胸なんか見るよりもずっと楽しいし興奮するのはわかる。ヴィクトル様がわざわざそれを見せるためにここに連れてきたのだと気付くと私はすぐにでも帰りたくなった。
女の人が男の人に跨るとさらに激しくなる喘ぎ声。それを聞いているとなんだか変な気分になってくる。
あんなに胸を揺らして気持ちよさそうにしているなんてなんだか……すごく、羨ましい。私はどうあがいても揺れないから……羨ましい……
いけない。こんな感情を抱くのはおかしい。ミーティアお姉様の代用品にすぎない私があんな淫らなことを望むのは絶対に変だ。
「ユミル」
「は、はい……んっ」
呼びかけに返事をするといきなりヴィクトル様が私の顎を掴んで唇を塞いできた。柔らかくて生暖かい唇が触れて驚きのあまり何も言えずにいると舌が口の中に入ってくるので慌ててヴィクトル様の胸板を押した。
「ま、待ってください。こんな所、で……っ」
ヴィクトル様は私の言葉なんて聞き入れてくれずに再び唇を塞ぎながらドレスの中に手を入れて太ももをゆっくりと撫で回す。今から何をするのかはなんとなくわかるけれど本当にこんな所で……こんなことして大丈夫なの?
「嫌なのか?」
そんなの決まっている。でもそれを声に出して言うには私は臆病だ。口にできない代わりに首を縦に振るとヴィクトル様の唇が耳へと移動し、首筋から胸元まで降りてきて痕をつけるように強く吸われる。
「んっ……」
漏れ出た声が恥ずかしくて慌てて口元を覆った。ヴィクトル様の手が胸に触れてきてびくついてしまう。手が大きくてごつごつしていて、冷たい。そのせいで私の体は勝手にぞくぞくと震えだしている。
そんな私をおかしそうに笑いながら耳元に顔を寄せてまた口づけをする。
「声を聞かせろ」
この前は声を出すなと冷たく言っていたのに……恥をかかせたいのかな?
ヴィクトル様の命令するような言い方にぞくぞくと体が震わせながら私はそろりと口から手を放すことしかできなかった。
確かにここは個室だから周りの人には見えないし聞こえないけど声を出すのはやっぱり嫌だった。
キスをしながら胸をやわやわと揉まれ、体が熱くなる。それが恥ずかしくて目をぎゅっと瞑って耐えているとヴィクトル様が私の耳を舐めながら囁いた。
「足を開け」
「え……でも、これ以上は……」
いくら人がいないとはいえ、こんな所ではしたないことはできないと首を横に振るのだけれどヴィクトル様は私のドレスの中での太腿を撫でながら命令を続ける。
「夫の命令が聞けないのか?」
「……っ」
早く終わらせるためだ。ゆっくり閉じていた両足を開くとその間にヴィクトル様の手が入り込み、下着の上から指で撫でられる。
「ひっ」
上から触られただけなのに背中がぞくぞくとして、足を閉じてしまいたいけどできない。ぬるぬるとした液体が下着を汚し、染みていく。その感覚が気持ち悪くて思わずドレスをぎゅっと掴む。
「なんだ。こんなに濡らしたのか」
耳元で馬鹿にされながら指摘されて私はここから消えたくなった。ヴィクトル様の指が私の敏感な所を擦る度にびくんびくんって体が震える。
「も、もう……やめっ……」
恥ずかしくていやいやと首を横に振りながらヴィクトル様に訴えるけれど止めてくれるどころかさらに強く擦られてしまう。
「やぁあっ」
またびくびくと体が跳ねて私は頭の中が真っ白になった。体に力が入らなくてぐったりとしていると下着の中にまで手が入ってきて私は慌てて足を閉じた。
「っ、だ……めです……これ以上は……」
さすがにこれ以上はだめだと訴えるがヴィクトル様は全然止めようとせず私の中に指を入れようとする。
「だめ……」
ヴィクトル様の指が中に入ってくる感覚に悲鳴を上げるとヴィクトル様が耳元で囁く。
「力を抜け」
そんなこと言われても首を横に振るしかできない。するとヴィクトル様は唇を塞ぐように口づけをしながら指を奥へ入れてきた。
「んんっ!?」
異物が中に入ってきて苦しい。最初はゆっくりと抜き差ししていたけれどそのうちにどんどん動きが激しくなっていく。
気持ち悪い水音が響くたびに体が震える。体の奥が熱くて苦しい。やめてほしくて私はヴィクトル様の腕に縋り付く。
「あ……」
もう少しで何か、違う感覚になりそうだと思った所でヴィクトル様は急に指を抜いてしまった。
突然の喪失感に戸惑っているとヴィクトル様は自分のズボンのベルトを外し始めたので私は思わず逃げようとしたのだけれど腕を掴まれてしまった。
「ユミル、ここに座れ」
「え……」
ヴィクトル様は自分のズボンを下ろし下着から大きくなった物を取り出す。
ショーの男の人のよりも大きいな……なんて考えながらまたステージを見ると私はようやく理解をした。
他人の性行為を見るなんて今まで一度も経験がないので恥ずかしくて仕方がない。それなのに隣で足を組んで座っているヴィクトル様は何とも思っていないようで堂々とした態度をとっている。
私は羞恥で頬を赤く染め、この時間が早く終わってしまえと思った。ずっと目を閉じてやりすごそうとも思ったのだけれど、あまりにも女性から漏れる声が生々しいので逆に気になって目が離せない。
あの女の人。胸がすごく大きくて、綺麗。これなら私の貧相な胸なんか見るよりもずっと楽しいし興奮するのはわかる。ヴィクトル様がわざわざそれを見せるためにここに連れてきたのだと気付くと私はすぐにでも帰りたくなった。
女の人が男の人に跨るとさらに激しくなる喘ぎ声。それを聞いているとなんだか変な気分になってくる。
あんなに胸を揺らして気持ちよさそうにしているなんてなんだか……すごく、羨ましい。私はどうあがいても揺れないから……羨ましい……
いけない。こんな感情を抱くのはおかしい。ミーティアお姉様の代用品にすぎない私があんな淫らなことを望むのは絶対に変だ。
「ユミル」
「は、はい……んっ」
呼びかけに返事をするといきなりヴィクトル様が私の顎を掴んで唇を塞いできた。柔らかくて生暖かい唇が触れて驚きのあまり何も言えずにいると舌が口の中に入ってくるので慌ててヴィクトル様の胸板を押した。
「ま、待ってください。こんな所、で……っ」
ヴィクトル様は私の言葉なんて聞き入れてくれずに再び唇を塞ぎながらドレスの中に手を入れて太ももをゆっくりと撫で回す。今から何をするのかはなんとなくわかるけれど本当にこんな所で……こんなことして大丈夫なの?
「嫌なのか?」
そんなの決まっている。でもそれを声に出して言うには私は臆病だ。口にできない代わりに首を縦に振るとヴィクトル様の唇が耳へと移動し、首筋から胸元まで降りてきて痕をつけるように強く吸われる。
「んっ……」
漏れ出た声が恥ずかしくて慌てて口元を覆った。ヴィクトル様の手が胸に触れてきてびくついてしまう。手が大きくてごつごつしていて、冷たい。そのせいで私の体は勝手にぞくぞくと震えだしている。
そんな私をおかしそうに笑いながら耳元に顔を寄せてまた口づけをする。
「声を聞かせろ」
この前は声を出すなと冷たく言っていたのに……恥をかかせたいのかな?
ヴィクトル様の命令するような言い方にぞくぞくと体が震わせながら私はそろりと口から手を放すことしかできなかった。
確かにここは個室だから周りの人には見えないし聞こえないけど声を出すのはやっぱり嫌だった。
キスをしながら胸をやわやわと揉まれ、体が熱くなる。それが恥ずかしくて目をぎゅっと瞑って耐えているとヴィクトル様が私の耳を舐めながら囁いた。
「足を開け」
「え……でも、これ以上は……」
いくら人がいないとはいえ、こんな所ではしたないことはできないと首を横に振るのだけれどヴィクトル様は私のドレスの中での太腿を撫でながら命令を続ける。
「夫の命令が聞けないのか?」
「……っ」
早く終わらせるためだ。ゆっくり閉じていた両足を開くとその間にヴィクトル様の手が入り込み、下着の上から指で撫でられる。
「ひっ」
上から触られただけなのに背中がぞくぞくとして、足を閉じてしまいたいけどできない。ぬるぬるとした液体が下着を汚し、染みていく。その感覚が気持ち悪くて思わずドレスをぎゅっと掴む。
「なんだ。こんなに濡らしたのか」
耳元で馬鹿にされながら指摘されて私はここから消えたくなった。ヴィクトル様の指が私の敏感な所を擦る度にびくんびくんって体が震える。
「も、もう……やめっ……」
恥ずかしくていやいやと首を横に振りながらヴィクトル様に訴えるけれど止めてくれるどころかさらに強く擦られてしまう。
「やぁあっ」
またびくびくと体が跳ねて私は頭の中が真っ白になった。体に力が入らなくてぐったりとしていると下着の中にまで手が入ってきて私は慌てて足を閉じた。
「っ、だ……めです……これ以上は……」
さすがにこれ以上はだめだと訴えるがヴィクトル様は全然止めようとせず私の中に指を入れようとする。
「だめ……」
ヴィクトル様の指が中に入ってくる感覚に悲鳴を上げるとヴィクトル様が耳元で囁く。
「力を抜け」
そんなこと言われても首を横に振るしかできない。するとヴィクトル様は唇を塞ぐように口づけをしながら指を奥へ入れてきた。
「んんっ!?」
異物が中に入ってきて苦しい。最初はゆっくりと抜き差ししていたけれどそのうちにどんどん動きが激しくなっていく。
気持ち悪い水音が響くたびに体が震える。体の奥が熱くて苦しい。やめてほしくて私はヴィクトル様の腕に縋り付く。
「あ……」
もう少しで何か、違う感覚になりそうだと思った所でヴィクトル様は急に指を抜いてしまった。
突然の喪失感に戸惑っているとヴィクトル様は自分のズボンのベルトを外し始めたので私は思わず逃げようとしたのだけれど腕を掴まれてしまった。
「ユミル、ここに座れ」
「え……」
ヴィクトル様は自分のズボンを下ろし下着から大きくなった物を取り出す。
ショーの男の人のよりも大きいな……なんて考えながらまたステージを見ると私はようやく理解をした。
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