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「魔法剣とはどういうものなのでしょうか?」
空中庭園の事件の少し前だ。二人で店番をしている時に、ユニアが唐突にそんな発言をした。店は当たり前のように暇だったし、話題としてちょうどいいと思ったので、俺は詳しく話すことにした。
「魔法を使うとき、杖を媒体にして詠唱すると、そこに魔力が流れていくだろう」
「魔力と親和性の高い素材を利用することで、効率よく魔法を完成させる手法ですね」
「伝統的に杖を使ってたわけだが、媒体はなんでもいいんだ。実際、護身用に腕輪とか指輪に希少素材を仕込んで発動体にする魔法使いはいる」
「店長はそれを剣でやったと?」
俺は頷いた。本当に、ただそれだけのことだ。多分、この世界の歴史を紐解けば誰かがやったことのある手法。それを、ちょっとイレギュラーな使い方をしてみただけ。
「そう。それで、魔法の詠唱中、剣に魔力が留まってる時に斬りつけてみた」
「そんな簡単な理屈なのですか。たしかに、試したことはありませんでしたが」
「実際、びっくりしたよ。ちょうどオーガ相手に戦ってる時でな。剣からファイアーボールを出す前に接近されたから仕方なくそのまま斬ったんだ」
「それで、オーガはどうなったのですか?」
「体の中でファイアーボールが発動した」
「……凄惨な光景ですね」
今でもありありと思い出すことができる。目の前でオーガが爆炎に変わって爆発四散した瞬間を。色々まき散らして大変なことになり、しばらく肉が食べられなくなった。それ以降、爆発する魔法の扱いに慎重にもなった。
「その時は、俺も巻き込まれた。ただ、使える技術だと思ったんで、研究してみたんだ」
実際、肉体や武器を強化する魔法は存在する。それと攻撃魔法を組み合わせるというアプローチだ。少しコツは必要だが、なんとか出来るようになった。火系の魔法はともかく、風とか氷の魔法剣は使い勝手が良い。
「通常なら爆発した時点で、危険だと思って研究などしないと思いますが」
「まあ、知識があったからな」
前世のゲームやら漫画の知識が役に立った瞬間である。ものにするまで仲間の協力も得て数年かかったけれど。
「好奇心から聞くのですが、魔法剣を見せていただくことは?」
「今度出かけた時で良ければな。あんまり強いのは見せられないんだ。武器がついてこないから」
「通常の剣や弓は魔法を通すような想定で作られていませんからね」
ユニアの言うとおりだ。鋼で作られた武器で魔法剣をやると、消耗が激しい。ファイアーボールなら三回くらい詰めて発動すると剣が消滅してしまう。
解決法は杖のような魔法を通しやすい素材を使うことで、今は主にミスリルを使っている。それでも、大技には何度も耐えられないが。
「なにより今は加護をもらって戦うことも多いしなぁ」
ぶっちゃけそっちの方が強い。ただ、いつもあてにはできない。神様は気まぐれだ。
「それはそれで、武器がついてこないようですが」
「まあ、加護やら魔法剣を全開で使う相手と戦う事なんて、もうないはずだよ」
気楽に流した。その時は。
まさか、こうもあっさり魔法剣を全力で使うときが来るとは思わなかった。
空中庭園の事件の少し前だ。二人で店番をしている時に、ユニアが唐突にそんな発言をした。店は当たり前のように暇だったし、話題としてちょうどいいと思ったので、俺は詳しく話すことにした。
「魔法を使うとき、杖を媒体にして詠唱すると、そこに魔力が流れていくだろう」
「魔力と親和性の高い素材を利用することで、効率よく魔法を完成させる手法ですね」
「伝統的に杖を使ってたわけだが、媒体はなんでもいいんだ。実際、護身用に腕輪とか指輪に希少素材を仕込んで発動体にする魔法使いはいる」
「店長はそれを剣でやったと?」
俺は頷いた。本当に、ただそれだけのことだ。多分、この世界の歴史を紐解けば誰かがやったことのある手法。それを、ちょっとイレギュラーな使い方をしてみただけ。
「そう。それで、魔法の詠唱中、剣に魔力が留まってる時に斬りつけてみた」
「そんな簡単な理屈なのですか。たしかに、試したことはありませんでしたが」
「実際、びっくりしたよ。ちょうどオーガ相手に戦ってる時でな。剣からファイアーボールを出す前に接近されたから仕方なくそのまま斬ったんだ」
「それで、オーガはどうなったのですか?」
「体の中でファイアーボールが発動した」
「……凄惨な光景ですね」
今でもありありと思い出すことができる。目の前でオーガが爆炎に変わって爆発四散した瞬間を。色々まき散らして大変なことになり、しばらく肉が食べられなくなった。それ以降、爆発する魔法の扱いに慎重にもなった。
「その時は、俺も巻き込まれた。ただ、使える技術だと思ったんで、研究してみたんだ」
実際、肉体や武器を強化する魔法は存在する。それと攻撃魔法を組み合わせるというアプローチだ。少しコツは必要だが、なんとか出来るようになった。火系の魔法はともかく、風とか氷の魔法剣は使い勝手が良い。
「通常なら爆発した時点で、危険だと思って研究などしないと思いますが」
「まあ、知識があったからな」
前世のゲームやら漫画の知識が役に立った瞬間である。ものにするまで仲間の協力も得て数年かかったけれど。
「好奇心から聞くのですが、魔法剣を見せていただくことは?」
「今度出かけた時で良ければな。あんまり強いのは見せられないんだ。武器がついてこないから」
「通常の剣や弓は魔法を通すような想定で作られていませんからね」
ユニアの言うとおりだ。鋼で作られた武器で魔法剣をやると、消耗が激しい。ファイアーボールなら三回くらい詰めて発動すると剣が消滅してしまう。
解決法は杖のような魔法を通しやすい素材を使うことで、今は主にミスリルを使っている。それでも、大技には何度も耐えられないが。
「なにより今は加護をもらって戦うことも多いしなぁ」
ぶっちゃけそっちの方が強い。ただ、いつもあてにはできない。神様は気まぐれだ。
「それはそれで、武器がついてこないようですが」
「まあ、加護やら魔法剣を全開で使う相手と戦う事なんて、もうないはずだよ」
気楽に流した。その時は。
まさか、こうもあっさり魔法剣を全力で使うときが来るとは思わなかった。
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