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形はできた。
小屋が二棟の飛行隊
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夕方になり馬車や人夫らが到着する。 とりあえず、天幕を張り寝るところをこしらえた。 でないと、夜オオカミに襲われるらしい。 見張りを立たせる。 見張りは満州人では信用できないから日本軍から選別した。 山口少尉の部下が無線機を組み立てる。 そして、簡単なエンジンの発電器を廻した。 すこし、イヤ、かなりうるさい。 「あー、あーこちら飛行隊だ、聞えるか。」 「ガー、ピーガガガガ、こちら、あきつ丸、なんとか聞える。」 「まだ、無線塔を建ててないから夜しか交信できないが、(夜間は短波なら遠くまで電波が届く。)定時連絡は予定どうりだ。」 「あきつ丸、了解。」 立てていた竹さおのアンテナを倒した。 「なんとか、船までは届きそうだな。」 「え、え、夜なら連絡できそうです。」 「まあ、無線塔ができれば昼でも、それまでの辛抱さ。」 「船はいつまで。」 「こちらの運用が可となるまでらしい。」 「では、半月は。」 「そうだな。」 「明日は、ここいらの周りを偵察でもするか。」 「え、え、村か町が近いといいですが。」 まわりは、暗黒だ。 星あかりがあるだけだ。 日本なら、イヤいまさら止そう。 ・・・・ 翌日だ、朝メシがすんだら、作業が始まった。 小屋を二棟建てるのだ。 そして、トイレを作って、下水の堀を掘る。 離れたところに浄化槽を作った。 でないと垂れ流しになるからだ。 満州国で、最初の浄化槽らしい。 都会は河に垂れ流しだ。 まずは、隊の作戦司令室や無線室、発電室を造る。 そして、簡単な宿舎の二棟を建築することとなる。 2日後に燃料タンクを積んだトラックが到着する。 あきつ丸が積んできた4輪駆動のトラックだ。 世界初の4輪自動車である、クロガネ四駆だ。 なんと職人の手造りだ。 部品を刷り合わせて作るから、部品を加工する職人が居ないと、部品交換もできないのだ。 日本が欧米に追いつけないところだ。 そして、トラックが運んできた機材で、無線塔を建築した。 なんでも金属菅を積みかさねて造る、新しい方法だとか。 それで、昼でも船と交信できるようになった。 夜間に条件がよければ日本本土とも交信できそうだ。 そして、飛んでる97戦と交信ギリまでを試みた。 結果は200キロくらいまでOKだった。 やはり、空の上だと遠方まで届くのだ。 音声ではなく、モールス信号だと400キロはカバーできそうだ。 隊長が、書道がうまいヤツにカンバンを書かせた。 満州国馬賊討伐隊と黒々と墨で書かれたカンバンが草原に建てられた。 そして歩哨が38式歩兵銃を持ちカンバン横に立哨する。 「オーッ、絵になるじゃないか。」 隊長の本郷中佐が唸る。 さて、あとは順次、隊の体面を整えるだけだ。 飛行機の運用はできそうだ。 まてよ、中佐は考える、入植者らは、飛行隊に救援要請をどう知らせるのだ。 そうだ、忘れているじゃないか。 中佐は無線室に駆け込んだ。
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