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コーヒーミルから新型装甲が・・・
鋼鉄以外で素材がないものか?
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ここは、奉天市内にある戦車隊の宿舎だ。
その、喫茶室で思案にふける主任技師である。
良いアイデアが浮かぶには閃きが大切なのである。
その、閃きを導くためには・・・悩んでばかりでは、アイデアは浮かばないものである。
ささいなことから・・・抜群のアイデアが浮かぶこともあるのだ。
「君。」「ハイ。」と、ニャンニャンだ。
「最近、香りが濃厚になったね。」と、コーヒーの香りを誉める主任だ。
「ありがとございます。」と、さりげなく返すニャンニャンだ。
制服にエプロンドレスを着用してる。(エプロンドレスはレースの飾りのエプロンのことだ。)
喫茶室では、エプロン・ドレス着が決まりなのだ。
そして、毛髪が落ちないようにカチューシャ装着である。
これが、登校時はベレー帽となるのだ。
須崎女史の指導で豆の鮮度があがり・・・香りが鮮明になった陸軍モカである。
軍関係者なら喫茶室は出入り自由なのである。
満州騎馬隊の隊長も常連なのだ。
なぜなら、騎馬隊は戦車の標的を曳く仕事があるからである。
以前は、カスるだけだった移動標的が訓練で3割は命中するようになったのだ。
そして、現在でも時間があれば・・・騎馬隊員は三八式歩兵銃の訓練を藤川軍曹から指導してもらっているのだ。
なんせ、それが軍曹ら9名の皇軍兵士の任務だったのだからだ。
主任技師は悩んでいたのだ。
それは、戦車の前面装甲の件だった。
八八式の新型戦車でも装甲は鋼鉄の分厚い鋼板なのだ。
鋳鉄板では無い、鍛造の鋼板なのだ。
しかし、イヤというほどの重さなのだ。
全備重量の半分が装甲板の重さなのだ。
速度は戦車が軽いほど、速くなる。
それで、すこしでも軽い装甲板がないものなのか・・・と、捜したんだが・・・新たに考えないと・・・
ニャンニャンが手動ミルをガリ・ガリ廻しながら・・・主任の前を通過する。
「ん、君。」「ハイ。」
「それは、なにで削ってるのかね?」と、興味をもった主任だ。
「陶器で出来た螺旋の臼です。」と、差し出す。
「陶器だって・・・」と、手動ミルを・・・
「その、臼がみたい。」
「わかりました。」と、ニャンニャンは分解して臼を出した。
白いドリル型の上臼と穴が開いた下臼が豆を粉へ削る仕組みである。
臼の間隔で粉の大きさを調整できるようだ。
「陶器にしては、軽いね。」と、主任技師が聞く。
「え、え、なんでも超高温で焼いてると聞きました。」と、答えるニャンニャンだ。
「陶器の削りカスは出ないんだな。」「え、え、とても硬いそうです。」
「どこで、造ってるんだろね。」と、聞く主任だ。
「内地と聞いてますが。」
「日本で?」「え、え。」
「説明書があります。」と、厨房からニャンニャンが冊子を持って渡す。
「ふむ、岐阜県の美濃焼釜らしい。」
「石炭の反射炉で、1300度の高温で焼き固めると書いてあるぞ。」
「陶器粉末を焼き固めるということなんだな。」
「硬いが脆くもあるとも書いてあるぞ。」
「金属では、細かい粉塵がでるからダメなのか。」
「ふむ。」
そこへ、ニャンニャンが主任が注文したタマゴサンドを、「どうぞ。」と、テーブルへ・・・
「・・・・・」 主任のオツムに閃きが・・・
・・・鋼鉄より硬い高温処理陶器と鋼鉄を挟めば・・・高温処理陶器の脆さを相殺できるやもしれんぞ。・・・
と、閃いたのである。
「君、お手柄だ。」と、ニャンニャンへ・・・
そして、主任はタマゴサンドには目もくれないで・・・喫茶室から、技術棟へ・・・
奉天市にある戦車修理工場から戦車隊の藤川軍曹へ、「戦車用に追加装甲板ができました。」
「ぜひ、試験をやりますので見学を・・・」と、主任技師から有線電話が・・・
最近になり、やっと奉天市にも電話線が引かれてインフラ整備が進んできたようだ。
試験は実弾射撃場なので、奉天市郊外の有刺鉄線で囲まれた軍事施設へ移動することとなる。
追加装甲は軍曹が望んでいたことなので、9名の隊員全員が見学することとなった。
試験場には戦車砲と野砲が並んでいた。
戦車砲は砲身と懸架装置だけだ。
野砲は日本軍が日露戦争で使っていたモノだ。
彼方、に装甲板が2枚置かれているのが観える。
距離は300メートルくらいだ。
「最初に、八八式新型の前面装甲板で試してみせましょう。」と、係官だ。
「耳当てを、装着してください。」
「では、周囲注意。」「異常なし。」
「テェーーーーッ。」
「ドウン。」と、砲撃音だ。
同時に、「ガウン。」と、砲弾が跳ね返った音が・・・
全員で装甲板を見に行く。
通常の八八式の前面装甲板は、おおきく凹んでいた。
「穴はあいてませんが・・・ダメ~ジが大きいです。」
無言で頷く隊員らだ。
「では、ニャンニャン装甲板を。」
「どうして、ニャンニャン装甲と?」と、軍曹が聞く。
「ニャンニャンのおかげで発案したからです。」と、主任だ。
「まあ、試してみましょう。」
「耳当て用意。」
「周囲確認。」「異常なし。」
「テェーーーーッ。」
「ドウン。」
同時に砲弾が爆発する音が、「ドカ~ン。」と、響く。
そして、一同がニャンニャン装甲板へ・・・・
新型装甲板は爆発した粉塵が付着しているだけで、凹んでもいなかったのだ。
「ほ~う。」と、感心する戦車隊員一同である。
その、喫茶室で思案にふける主任技師である。
良いアイデアが浮かぶには閃きが大切なのである。
その、閃きを導くためには・・・悩んでばかりでは、アイデアは浮かばないものである。
ささいなことから・・・抜群のアイデアが浮かぶこともあるのだ。
「君。」「ハイ。」と、ニャンニャンだ。
「最近、香りが濃厚になったね。」と、コーヒーの香りを誉める主任だ。
「ありがとございます。」と、さりげなく返すニャンニャンだ。
制服にエプロンドレスを着用してる。(エプロンドレスはレースの飾りのエプロンのことだ。)
喫茶室では、エプロン・ドレス着が決まりなのだ。
そして、毛髪が落ちないようにカチューシャ装着である。
これが、登校時はベレー帽となるのだ。
須崎女史の指導で豆の鮮度があがり・・・香りが鮮明になった陸軍モカである。
軍関係者なら喫茶室は出入り自由なのである。
満州騎馬隊の隊長も常連なのだ。
なぜなら、騎馬隊は戦車の標的を曳く仕事があるからである。
以前は、カスるだけだった移動標的が訓練で3割は命中するようになったのだ。
そして、現在でも時間があれば・・・騎馬隊員は三八式歩兵銃の訓練を藤川軍曹から指導してもらっているのだ。
なんせ、それが軍曹ら9名の皇軍兵士の任務だったのだからだ。
主任技師は悩んでいたのだ。
それは、戦車の前面装甲の件だった。
八八式の新型戦車でも装甲は鋼鉄の分厚い鋼板なのだ。
鋳鉄板では無い、鍛造の鋼板なのだ。
しかし、イヤというほどの重さなのだ。
全備重量の半分が装甲板の重さなのだ。
速度は戦車が軽いほど、速くなる。
それで、すこしでも軽い装甲板がないものなのか・・・と、捜したんだが・・・新たに考えないと・・・
ニャンニャンが手動ミルをガリ・ガリ廻しながら・・・主任の前を通過する。
「ん、君。」「ハイ。」
「それは、なにで削ってるのかね?」と、興味をもった主任だ。
「陶器で出来た螺旋の臼です。」と、差し出す。
「陶器だって・・・」と、手動ミルを・・・
「その、臼がみたい。」
「わかりました。」と、ニャンニャンは分解して臼を出した。
白いドリル型の上臼と穴が開いた下臼が豆を粉へ削る仕組みである。
臼の間隔で粉の大きさを調整できるようだ。
「陶器にしては、軽いね。」と、主任技師が聞く。
「え、え、なんでも超高温で焼いてると聞きました。」と、答えるニャンニャンだ。
「陶器の削りカスは出ないんだな。」「え、え、とても硬いそうです。」
「どこで、造ってるんだろね。」と、聞く主任だ。
「内地と聞いてますが。」
「日本で?」「え、え。」
「説明書があります。」と、厨房からニャンニャンが冊子を持って渡す。
「ふむ、岐阜県の美濃焼釜らしい。」
「石炭の反射炉で、1300度の高温で焼き固めると書いてあるぞ。」
「陶器粉末を焼き固めるということなんだな。」
「硬いが脆くもあるとも書いてあるぞ。」
「金属では、細かい粉塵がでるからダメなのか。」
「ふむ。」
そこへ、ニャンニャンが主任が注文したタマゴサンドを、「どうぞ。」と、テーブルへ・・・
「・・・・・」 主任のオツムに閃きが・・・
・・・鋼鉄より硬い高温処理陶器と鋼鉄を挟めば・・・高温処理陶器の脆さを相殺できるやもしれんぞ。・・・
と、閃いたのである。
「君、お手柄だ。」と、ニャンニャンへ・・・
そして、主任はタマゴサンドには目もくれないで・・・喫茶室から、技術棟へ・・・
奉天市にある戦車修理工場から戦車隊の藤川軍曹へ、「戦車用に追加装甲板ができました。」
「ぜひ、試験をやりますので見学を・・・」と、主任技師から有線電話が・・・
最近になり、やっと奉天市にも電話線が引かれてインフラ整備が進んできたようだ。
試験は実弾射撃場なので、奉天市郊外の有刺鉄線で囲まれた軍事施設へ移動することとなる。
追加装甲は軍曹が望んでいたことなので、9名の隊員全員が見学することとなった。
試験場には戦車砲と野砲が並んでいた。
戦車砲は砲身と懸架装置だけだ。
野砲は日本軍が日露戦争で使っていたモノだ。
彼方、に装甲板が2枚置かれているのが観える。
距離は300メートルくらいだ。
「最初に、八八式新型の前面装甲板で試してみせましょう。」と、係官だ。
「耳当てを、装着してください。」
「では、周囲注意。」「異常なし。」
「テェーーーーッ。」
「ドウン。」と、砲撃音だ。
同時に、「ガウン。」と、砲弾が跳ね返った音が・・・
全員で装甲板を見に行く。
通常の八八式の前面装甲板は、おおきく凹んでいた。
「穴はあいてませんが・・・ダメ~ジが大きいです。」
無言で頷く隊員らだ。
「では、ニャンニャン装甲板を。」
「どうして、ニャンニャン装甲と?」と、軍曹が聞く。
「ニャンニャンのおかげで発案したからです。」と、主任だ。
「まあ、試してみましょう。」
「耳当て用意。」
「周囲確認。」「異常なし。」
「テェーーーーッ。」
「ドウン。」
同時に砲弾が爆発する音が、「ドカ~ン。」と、響く。
そして、一同がニャンニャン装甲板へ・・・・
新型装甲板は爆発した粉塵が付着しているだけで、凹んでもいなかったのだ。
「ほ~う。」と、感心する戦車隊員一同である。
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