満州国、戦車開発会社

ゆみすけ

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陸軍、大勝利かっ!

海軍の鋼鉄装甲VS陸軍ニャンニャン装甲

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 「ただいまより、海軍空母と陸軍空母対決を・・・」と、観覧船にアナウンスだ。
世紀の対決を観ようと・・・多数の関係者(胡散臭いヤカラだ。)が乗船した客船が数隻、浮かんでいる。
 長年の因縁の決着をつけるときが、とうとう来たのだ!
陸軍正規空母あきつ丸から急降下爆撃機が3機、発艦する。
 陸軍の誇る九七式戦闘機を急降下爆撃機に魔改造した機体だ。
なんせ、陸軍には洋行双発爆撃機や外洋四発爆撃機はあるんだが・・・敵艦隊を攻撃する機体がなかったのだ。
 あきつ丸は戦闘機が主だったからだ。
なんせ、四発や双発爆撃機は空母搭載は無理だからだ。
 空母運用なら単発の爆撃機となるからだ。
海軍は九九式とか九四式の単発があるから・・・いいんだが。
 そして、陸軍の魔改造爆撃機の九七式急降下爆撃機とは?
陸軍には九七式単座戦闘機があった。
 これは、海軍の九六式と同じ設計者が陸軍向けに設計した機体だ。
海軍との違いは・・・・まあ、色々と・・・いや、全く同じモノだったのだ。
 違いは機体を組み立てるネジの規格が海軍規格と陸軍規格の差があることぐらいだ。
これは、史実である。
 海軍の撃墜王、坂井三郎氏が当時に故障で緊急で陸軍の飛行場へ降りたんだが・・・
陸軍の整備士が見てくれたそうだ。
 しかし、修理する部品のネジが・・・海軍規格のネジが陸軍にあるわけがない。
それで、仕方なく修理できないで・・・苦労して海軍の飛行場まで・・・
 
 ところで、今回は模擬爆弾は250キロと制限してある。
なぜって、単座の戦闘機では500キロ爆弾なんて無理だからだ。
 その250キロ模擬爆弾も、正味の重さは190キロほどらしい。
なんせ、炸薬は無しで、人畜無害の模擬火薬が詰めてあるそうだ。
 装甲飛行甲板に穴が開くか、どうかが勝負だからである。
陸軍空母の、あきつ丸の飛行合図灯の赤いランプが青に変る。
 「行くぞ。」と、スロットを全開にする岩本中尉だ。
なんせ、正規の対決だ。
 陸軍は航空隊の最高ライセンス持ちの岩本中尉を当てたのだ。
そして、残りの2機は坂倉少尉と斎藤少尉だそうだ。
 いずれも、100戦練磨の強者(ツワモノ)である。
海軍空母のシナノはジクザグ航行を・・・つまり、実戦に即した模擬戦なのだ。
 「ほう、目測で30ノットか・・・」と、シナノの速度を読む。
一度、空母の上空を旋回する。
 まあ、挨拶だな。
飛行甲板には模擬戦に備えて誰もいないようだ。
 「よし、誰もいないな。」「では、遠慮なく行くぞ。」
操縦桿を引くと同時にスロットを開ける。
 そして、空戦フラップを操作する。
まだ、自動空戦フラップは信頼性に欠けるから岩本中尉は使っていない。(手動だ。)
 「よし、いまだ。」
操縦桿を倒す。
 機体が半回転して逆さ宙返りだ。
そして、急降下を・・・
 速度計の針があがる。
高度計の針がグルグル廻る。
 九七式の急降下制限は690キロ毎時だ。
ダイブブレーキで調整する。
 照準器のスコープに空母の飛行甲板が迫る。
「いまだ。」と、投下紐を引く。
 「ガクン。」と、ショックだ。
あわてて、機体を立て直しながら操縦桿を引く。
 ダイブ・ブレーキを全開へ・・・
速度が落ちる。
 空母の飛行甲板をかすめて・・・機体が持ち直したようだ。
「バウン。」と、跳弾の音が・・・そして、空母の艦橋をかすめて・・・爆弾は海へ・・・
 
 「おう、跳ね返ったそ。」「海軍の勝だぞ。」
もう、勝ったも同然といった歓声があがる。
 250キロ模擬爆弾を飛行甲板が跳ね返したからだ。
続いて、残りの2機も・・・
 同じように、模擬爆弾は跳ね返って海中へ・・・ドボンだった。
先攻の海軍正規空母シナノは見事に爆弾を貫通させなかったのだった。
 「では、陸軍空母あきつ丸の番です。」と、アナウンスだ。
海軍空母の赤城から九九式艦上爆撃機が3機、発艦する。
 陸軍の魔改造爆撃機は単座だが。これは3人搭乗だ。
操縦士と爆撃手と後部銃座だ。
 海軍は急降下は普段から訓練してるからか・・・赤城の飛行隊員から選抜されたようだ。
3機で9名だから・・・名前は略す・・・
 1番機が爆撃コースへ・・・
あきつ丸はジクザク航行だが・・・高速タービンを限界ギリで廻してるから、速度は40ノット以上だ。
 海軍空母では、40ノットなんて無理だ。
そうなのだ、初めての挑戦である。
 それで、カンが狂って・・・1機の模擬爆弾は空母のお尻に・・・飛行甲板の隅だから・・・ニャンニャン装甲が無いところだったのだ。
 跳ね返るどころか・・・綺麗に穴が開いて、爆弾は海中へドボンだったのだ。
それで、2機目は慎重に狙って・・・これは、ニャンニャン装甲で模擬爆弾は跳ね返って・・・投下した急降下爆撃機のお尻へ爆弾は命中して・・・尾翼に穴が・・・
 3機目は、更に慎重に急降下して(つまり、なだらかな角度で降下してのだ。)投下したんだが・・・
なだらかすぎて・・・爆弾は跳ね返らずに・・・甲板で転がって・・・海中へ・・・ドボンだった。
 これには、見物人や採点官から抗議がきて・・・
「速度は30ノットに統一する。」と・・・なぜなら、海軍空母は40ノットは無理だからだ。
 そして、試合は陸軍空母あきつ丸が30ノットのジクザグ航行で再開したのである。
そして、再度の挑戦は・・・目測をあやまることなく、見事に急降下爆撃は決まったようだ。
 3発の模擬爆弾は、あきつ丸の飛行甲板の真ん中に(ニャンニャン装甲)命中して見事に跳ね返って海中へ・・・

 そのころ、海軍正規装甲空母シナノは3発の模擬爆弾を跳ね返した衝撃が・・・
つまり、バランスが・・・徐々に傾きつつあったのだ。
 それは、艦橋の水平儀が・・・
「いかん、このままでは傾きが・・・」
 「艦長、早くタグ・ボートへ艦を押すように・・・」
もう、シナノの艦橋はテンテコ舞だったのだ。
 「こちら、タグ・ボートだ。」「押してるんだが、艦が大きすぎて無理だぞい。」
「こちら、空母艦長だ。」「いま、ひっくり返ってしまったら陸軍が居るんだぞ。」
 「それだけは、阻止せねばならんぞ。」と、艦長は必死だ。
だが・・・いくら根性を出したところで、力学法則は曲げられないのである。
 だんだんと、装甲空母シナノは・・・傾いて・・・
その傾きが外部からも目立つように・・・
 「おい海軍の空母、傾いていないか?」「まさか。」
「見てみろよ。」「あっ、ホントだ。」
 「どうすんだ。」
「お~い、艦が傾いてるぞ~っ。」と、観客船から声が・・・
 しかし、どうにも止まらないようだ。
「いかん。」「ダグ・ボート、避難しろ。」
 「巻き込まれるぞ。」
海軍の装甲空母シナノは・・・ダグ・ボート3隻を巻き込んで・・・艦橋から斜め45度に傾いてしまったのだ。
 幸い、甲板は模擬爆撃に備えて、機体も人員もいなかったので・・・
警備の駆逐艦が傾いた空母から人員を救助して、殉職者やケガ人は出なかったのは幸いだったようだ。
 
 
 
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