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鹵獲戦車の改造Ⅱ
これが、鹵獲戦車Ⅱ型か。
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こうして、整備隊員らが満州の整備見習いに振り回されていたころ。 鹵獲戦車の改造は予定より遅れ気味であったが、なんとかⅡ型ができあがったのである。 改造は満州国の工場である。 そこは、戦車整備の下請けの鉄工所であり陸軍の肝いりでつくられたところである。 それで、工員は全員が日本人である。 満州人は食堂のオバサンと酒保(居酒屋)のお姉さんくらいだ。 満州には、日本女性はいないからである。 満州の日本人は軍人と技師や整備員くらいである。 満州への移民は、ラノベだから無いのである。 工場は外見は満州国様だが、兵器の開発は軍事機密であるからだ。 入り口には歩哨も立ってるのだ。 そして、今野少尉へ、意見を聞きたいからと、お誘いである。 工場へ部品搬入するトラックの助手席に乗り、「やけに、警備がきびしいな。」と、入場する。 「あなたが、戦車隊の現場での指揮官ですな。」と、技師が出迎えた。 「まあ、そうですが。」と、答える。 「わたしは、日本軍の技術工廠の上野ともうします。」と、自己紹介である。 「わたしは、今野です。」と、互いにおしぎだ。 「しかし、やけに警備が厳重ですな。」と、今野だ。 「え、え、満州へシナの諜報員が多数送られていますので。」と、上野である。 それは、どこも同じなんだが、と疑問の今野だった。 そして、製鉄のラインやエンジン組み立てラインを案内してもらい、問題のところだ。 「これが、鹵獲戦車の改造の完成品です。」と、上野が示す。 そこには、ソ連の戦車とも日本の戦車とも思えないヤツが鎮座していた。 「これが、魔改造した鹵獲戦車です。」と、上野技官が示したのだ。 「ソ連の戦車の良いところと、反省すべき日本戦車の欠点を改造に取り入れました。」と、解説である。 「じゃあ、あの鹵獲戦車の改造型は?」と、オレが聞いた。 すると、「あ、あ、あれですか。」「あれは、ソ連を騙すためですよ。」と、あっさりと答えてくれた。 いや、オレがまんまと騙されたようだが・・・ 「しかし、これは、全く別物ですね。」と、今野だ。 「まあ、我が国の戦車は装甲が薄いですから。」「そこは、ソ連を参考にしましたよ。」「しかし、内部は日本製のエンジンや無線機でないと。」「やはり、ソ連はロシアのころから鋳造は得るものがあるからな。」「この砲塔の一体鋳造は、我が国ではなかなかできないぞ。」と、誉めるところは誉める上野技官である。 「ところで、鹵獲戦車も無限にあるわけではないんですが。」と、今野少尉だ。 「それは、わかってるよ。」「これが、満州型というか、対ソ連の原型となるんだよ。」と、上野技官が付け加える。 「まあ、なんだ、その満州型の説明だな。」と、戦車を前に説明を始める上野である。 「装甲はソ連戦車を取り入れたんだよ。」「斜め装甲で、厚さは4センチだ。」「もちろん、相手の戦車しだいで増加装甲が付けられる。」「そして、いままで前輪駆動だったが、前が狭くなるから後輪駆動に改めた。」と、転輪を示す。 「戦車の前面はリベットはやめて、溶接と鋳造の組み合わせだ。」と、溶接部分を示す上野である。 「そして、最大の改良点はバケット砲塔だ。」と、ハッチを開けて中を見せる。 「いままで、戦車の砲塔の動きにあわせて体を移動させていたんだが。」「これが、砲塔と同軸で廻るんだよ。」と、上野が得意げにいう。 上野技官の解説は続いた。
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