日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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イワン司令官の画策。

紛争を戦争にはしたくないのだ。

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 「司令。」と、副官のイワノビッチがイワン司令官へ、「操縦士が戻りました。」「ふう、よかった。」「操縦士は貴重だ、こんどから忘れないように戦車隊で拾えよ。」「ハッハ。」と、敬礼して下がる副官だ。
 「敵にヤラれなくて、よかったわい。」「なんせ、操縦士は補充がきかないからな。」と、椅子へ座るイワン司令だ。 
 日本軍が紛争で終らせたい雰囲気はイワンもわかっていた。 開戦はイワンも望んではいないのだ。
なぜなら、欧州での紛争が終わりが見えないからだ。
 敵のドイツ軍は、侮りがたいのだ。 (同じ陸軍国家のソ連とドイツである。)
しかし、コミンテルン(共産党本部)は満州国を殲滅せよと、相変わらずのプロパガンタだ。
 そう、敵を作ることで、国家の運営をやってるからだ。 そこは、半島やシナと同じだ。
日本を仮想敵国として、国民の眼を満州国と日本へむけるためである。
 しかし、日本と開戦となれば、欧州と二面作戦になる。 これは、ソ連にも痛いのだ。
それで、紛争で終わらせてるのである。
 それは、コミンテルンもわかってるんだが・・・中央政府の考えは、わからないイワン司令官だった。
 「しかし、日本軍の97式は侮れないな、我が新型ツポレフでも無理とは・・・」
さすが、組み立ての工作精度がシベリアの工場では無理なんだが・・・そこまで、考えが及ばないイワンである。
 実際、欧州戦線でのツポレフ戦闘機は無双だったのだ。 ドイツ軍がウルフ型を生産するまでは・・・
ウルフ型は、ツポレフを研究したドイツの切り札だが。 まだ、生産ラインには乗っていないのだ。

 「今野少尉、お電話です。」「あ、あ、つないでくれ。」「はい。」
リンリンと電話が鳴る。 やっと、満州国でも電話回線がつながり、無線機より傍受できないから軍隊も、電話での連絡が増えた今日この頃である。
 「今野ですが。」「戦車開発の本郷です。」「きょうは、時間がありますか。」「訓練は午前で終わるので、なにか?」「では、午後にでも工場へ。」「ハァ。」「クルマは当方から廻しますので。」
 どうやら、新兵器でも見せてくれそうな話だ。 今野少尉は午前の訓練をこなして、迎えのトラックを・・・
「少尉、お迎えですよ。」と、受付が・・・「あ、あ、いまいく。」と、扉から・・・ 
 「えっ、トラックじゃないのか。」と、驚く。
そこには、どうみても乗用自動車が・・・白い4枚扉の乗用自動車だ。
 戦車開発工場の技師が、「どうぞ。」と、ドアを開けてる。
「どうしたんですか。」と、迎えがトラックじゃないから驚く少尉だ。
 「あ、あ、本土で、やっと生産が軌道に乗ったらしいですよ。」と、技師がいう。
「エンジンは4気筒の1000ccです。」 「馬力は30馬力と聞いてますが。」
 「ガソリンですか。」と、エンジン音が静かなので聞いてみる今野だ。
「え、え、デーゼルで1000ccはまだ作れません。」と、技師が駄弁る。
 「以外に、外観より広いですね。」と、座席に座った今野だ。
「まあ、これを国民車として、肝いりで売り出すそうですよ。」「たしか、かなり安価だと。」と、技師がいう。
 「ふ~ん、オレでも買えるかな。」「そうですね、私が買えそうですから、いいんじゃないですか。」「ほ~お。」と、期待する今野少尉だ。 (なんと、陸軍割引が。)
 休暇で満州娘とドライブは・・・・最高だな・・・
なんて、夢を膨らませてる内に工場へ到着だ。 
 
 やがて、工場の研究棟の前で停車する。 技師が本郷主任技師を呼びに・・・
「やあ、待ってましたよ。」と、主任技師だ。
 「どうぞ、こちらへ。」と、研究棟の隣の倉庫へ・・・
「なんですか、新型戦車ですか。」と、聞く今野だ。
  「そうだと、いいんですが。」「総輪機動戦闘車ですよ。」
「履帯がないんですね。」「え、え、かわりに速度は80キロでますよ。」
 「えっ、時速80キロですか。」「え、え、満州平原なら。」
「すごい。」 1時間で80キロなんて、蒸気機関車でも無理だ。
 たしか、満州鉄道は時速60キロが・・・それでも、時速60キロの運用は鉄路の維持など大変なのである。
内地の国鉄も60キロでの運用が主なのだ。 (一部の急行は除く。)
 「満州は岩山より、平原がおおいですからな。」「それで、履帯より、戦闘用タイヤでいけるのではと・・・」
「それに、武装は満州の攻撃型戦車と同じ砲身です。」と、主任が。
 「でも、砲塔は微妙に形が違うような。」と、今野だ。
「それは、速度を80キロだすためですよ。」「攻撃型戦車の砲塔では空気抵抗が・・・」
 そうなのだ、空気力学が80キロの速度なら関係したくるからだ。
40キロや50キロなら空力は関係ないほどであるが・・・
 「これは、かなり安価に造れますよ。」「ほう。」
「だいたい、戦闘車2両で戦車1両ですか。」「なんと、半値か。」と、今野がおどろく。
 それなら、今の倍の数を生産できそうだ。
「でも、パンクしないですか。」と、今野がタイヤの事を聞いた。
 「それは、パンクしないですよ、ゴムしか無いですから。」と、乗り心地は考えてないようだ。
「これは、動くんですか。」と、今野少尉だ。
 「乗りたいですか。」と、主任だ。
「それは、当然ですよ。」「わかりました、乗員を集めますから。」と、主任が員数を集める。
 倉庫のでかい扉が開いた。 
「ガラ、ガラ、ガラ。」と、デーゼルエンジンが・・・・
 砲塔の車長席へ乗り込む今野少尉だ。 
「いつでも、いけやすぜ。」と、臨時の操縦手が合図だ。
 時速80キロの世界を体験したことが無い、今野少尉が発進の合図を・・・・


 

 

 

 
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