日本戦車を改造する。

ゆみすけ

文字の大きさ
212 / 393
希望は満州国への派遣軍。

貧乏くじ・・・・

しおりを挟む
 「諸君、卒業おめでとう。」と、陸軍の幹部が祝辞を述べる。
そして、滞りなく卒業式はお開きに・・・
 「オレは、まだ赴任先が決まってなかったな。」と、卒業生の中に士官候補生が・・・
卒業生の大半はコネや幹部の引き抜きなどで、部隊や連隊が決定してるんだが。
 今野訓練生はコネもツテもなかったのだった。
そして、成績も良くも悪くも無かったのだ。 
 まあ、あまり目立たない存在であったのである。
そして、希望赴任地もなかったのだ。 
 まあ、赴任するまでは、休暇が30日ほどあり、その間に故郷へ挨拶などへ・・・の卒業生らであるのだが。
「まあ、暇は捨てるほどかるから、その間に赴任先を決めればいいさ。」と、今野卒業生は考えていたのだ。

 「なに、満州国から正式に陸軍の派遣要請だと。」「え、え、陸軍大臣が渋々了承したそうです。」「なぜだ、他国の防衛なぞ、他国の責務ではないか。」「日本の軍人は日本のためのものぞ。」「そうですが・・・」
 陸軍省の内務部(人事部)は、「だから、試験的でもダメだと言ったんだ。」「くそっ、貴重な軍人を他国の防衛なぞに使えるか。」と、吐き捨てる。
 「しかし、参謀。」「なんだ。」「満州国が滅んだら。」「それは、わかるが。」「だから、我が国も援助金をだしてるじゃないか。」「金より、ヒトやモノが欲しいらしいと。」「くそっ、ヤツらは要求するばかりだな。」
 「戦車や飛行機は日本のためにあるんだぞ。」と、参謀が・・・

 「仕方がない、今年の卒業生で、余ってるヤツは。」「そんな、ヤツいますかね。」「名簿をよこせ。」
そして、卒業名簿を・・・「おい、今野とかいうヤツが部隊が未定らしいぞ。」「えっ、まだ未定がいたんですね。」「じゃあ。」「うむ。」と、そこへ満州国派遣希望とメモ描きを・・・・
 これが、今野卒業生の未来を決定してしまったのである。
「で、希望を勝手に描いてしまっては、バレたらまずいんじゃあ。」と、部下が参謀に。
 「いい手があるぞ。」と、「推薦幹部候補生として少尉へ任官させるんだ。」と、「つまり、任官で誤魔化すんですね。」「おい、大きい声を出すな。」「ハィ。」と、ひそひそ声に・・・・
 それで、成績が優秀ではなかったが、なぜか少尉へ任官して・・・満州国派遣軍の隊長の・・・
今野卒業生は、任官したことで文句が言えない立場と・・・しぶしぶ受け入れたのである。
 軍隊とは理不尽なことは、あたりまえにあるモノなのである。
イチイチ文句を言っていては務まらない。
 下っ端は、黙って耐えるしかないのだ。 
満州国派遣は心外だったが、少尉任官だ。 まあ、まあの話なのである。

 そして、戦車隊で満州国派遣の戦車兵の希望者を・・・誰もいないのだ。
皆、日本の防衛のために命を投げ出した戦車隊員なのだ。
 離れて遠い、満州なぞイヤなのである。
しかし、閣議で決定された事項だ。
 「くそっ、民間人は自分が行かないから、勝手に派遣軍なぞと決めやがって。」と、陸軍幹部が。
「しかし、隊長だけでは。」「そうだな。」「あと、20人は選別しないと。」「うむ。」「なんか、理由が必要だな。」「そうだ、訓練で成績が振るわなかった罰としてならどうだ。」「・・・・・」
 いくらなんでも、それは酷いのだ。 
「しかし、誰かが貧乏くじに当たるんだぞ。」「じゃ、今度の訓練で下位20名を指名するか・・・」
 人事は、裏側はこんなものなのである。 所詮、他人事なのだ。
こうして、満州国派遣の陸軍戦車隊が正式に組織されたのである。

 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

処理中です...