日本戦車を改造する。

ゆみすけ

文字の大きさ
306 / 393
まさに、釣鐘の中だ。

イヤフォンで、よかったぞ。

しおりを挟む
 今野少尉は、ソ連軍の砲撃を先頭であったので・・・
連続で受けていたのである。
 ソ連軍の砲弾を跳ね返す・・・玉鋼の鋼鉄板である。
鋼鉄の炭素の割合が粘りと、硬さの丁度イイ具合なのである。
 硬すぎても、多々砲撃を受ければ、ヒビが入って耐久性が劣るのだ。
粘りが砲弾を跳ね返すのである。
 もちろん、本来の装甲プラス追加の玉鋼装甲なのである。
そして、いままでの操縦手の窓は強度が劣るから廃止したのだ。
 操縦手は、潜望鏡で前方を覗くのだ。
それで、周りを観察できる車長を兼ねた少尉のイヤフォンから聞こえる情報が欠かせないのだ。
 「前方、10メートルに穴ぼこだ。」「左旋回よろし。」と、隊長が操縦手の左肩を足先でつつく。
そして、両方の肩を突けば前へ進めだ。
 両肩の真ん中を突けば・・・停止だ。
イヤフォンと足先で伝達するから、躊躇なく進めるのである。
 
 しかし、イヤフォンをしていて、よかったのだ。(耳が爆発音から守られたのだ。)
なんせ、戦車内は釣鐘の中と同様だ。
 鐘を打つ音が・・・砲弾が当たって跳ね返る音である。
「グワァァァン。」と、跳ね返る音が車内に響くのだ。
 外部の音を、ある程度遮断してくれるイヤフォンなのである。
しかし、よく耐える前面装甲である。
 「しかし、追加の玉鋼の装甲は前面だけだ。」
「草野、側面を敵にさらさないように。」と、難しい運転を操縦手の草野伍長へ伝える少尉だ。
 しかし、草野伍長は・・・はじめはビクビクだったが・・・戦車の追加装甲が使えるヤツだ、と判明して自信がついたようである。
 ジーゼルエンジンの機嫌を取りながら・・・トルクで戦車を動かしてるのだ。
もちろん、隊長のつま先での誘導もあるのだが・・・

 「くそっ、どこでパンツァーカイルをヤツらが・・・」と、驚愕のイワン司令だ。
イワン司令でさえ、欧州の情報は、なかなかシベリアまでは聞こえないのだ。
 まさか、英国情報部からのハナシだとは・・・夢にも思わないイワン中尉である。
まさに、日露戦争の再来だ。
 日本単独では、日露戦争は戦えなかった。
江戸幕府のチョンマゲ時代から・・・37年しか・・・経ってないのである。
 アジアの名も知られていない小国と大国ロシアの戦争なのである。
それも、ほとんどの一般兵が農民の出身である。
 幹部連中に武士階級だったヤツが混じっていただけだ。
その日本が、ロシアという陸軍国家の雄と戦ったのだ。
 ロシア皇帝はカンタンに片がつくと・・・踏んでいたのだ。
英国も日本兵が・・・あそこまで使えるとは・・・思っていなかっただろう・・・
 ロシアへの牽制になれば・・・と、思っていた英国だ。

 ソ連軍と関東軍とぶつかったノモンハンの紛争は・・・関東軍がボロ負けだったと・・・言われていたが・・・
ソ連邦が崩壊して、ソ連側の状況が明らかになったのだ。
 関東軍はボロ負けではなかったのだ。
大量の戦車を投入したソ連軍だ。
 日本軍は戦車を歩兵の支援としか・・・対戦車戦の集団運用は・・・
それでも、戦死、戦傷者はトントンなのだ。
 そう、負けてはいなかったのである。
戦闘機での空の戦いは圧勝の日本陸軍航空隊だ。
 史実では、戦車の運用を誤った日本陸軍だが・・・
これは、妄想ラノベである。
 日本陸軍が無双の物語である。
熊と黄色い猿の戦いは・・・脳味噌が、熊より少し多い猿に軍配が上がるのは当然なのである。

 欧州でのドイツ帝国とソ連邦との紛争は英国から・・・遠く離れた日本へ逐一伝えられていたのである。
なぜって・・・日英軍事同盟があるからだ。
 日本側からも、満州国での国境紛争の情報が交換情報として英国へ・・・である。
英国から日本へ伝えられた情報は・・・陸軍情報部から満州国派遣の日本陸軍戦車隊へも・・・戦車戦に関するものが・・・はるか、満州の果てまで伝えられるのである。
 それで、今野少尉がドイツ帝国の戦車戦の情報を知ってるのだ。
情報が戦場を制するのである。
 数で勝るソ連軍戦車隊へのパンツァーカイルの作戦が功をそうしたのだ。
しかし、このパンツァーカイルも何度も使えないのだ。
 相手に作戦を知られては・・・反って袋のネズミの危険があるのだ。
無線電話の活用と最高速度の数キロの差・・・そして、増加装甲が先頭の隊長戦車を敵の砲撃から守りぬいたことが勝利へ繋がったのである。
 最初の一撃で勝利を確信した今野少尉だ。
戦車戦は・・・数分で勝敗が決まってしまう。
 特に、今回のような突撃戦では、そうなるのだ。
20両が14両に減った段階でソ連軍の負けは決まった。
 損失が4割を切れば・・・部隊の崩壊といってもいいのである。
6両が動かない段階で、イワン司令は撤退を指示する。
 なぜか・・・そのままだと・・・全滅だからだ。
せめて、半分だけでも温存したいイワン司令だ。
 大敗一歩手前なのだ。
「いかん、袋のネズミは無理だ。」と、判断して・・・黄色い旗を振る・・・黄色は撤退の合図だ。
 戦車の機敏な集団行動で日本軍は無線機を活用してるのは、間違いない・・・(アンテナらしきモノがチラつく。)
「ドイツ軍と同じなのか。」と、驚愕するイワン中尉である。
 まともに使えない無線機を・・・思わず、「くそっ。」と、ぶっ叩く・・・
なぜだ、なぜ黄色い猿が無線機を・・・日露戦争でも日本軍は開発されたばかりの無線を・・・
 バルチック艦隊発見の報は、開発されて間もない無線電信で送られたのだ。
確か、火花発振器の電信機だったかな・・・
 まだ、三極真空管が発明されていない時代だ。
エレキテルを造った平賀源内の江戸時代より、日本の技師は電気に強かったのである。

 

 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

処理中です...